62.中野大沢出土の弥生土器(なかのおおさわしゅつどのやよいどき)
- 種別
市指定有形文化財(考古資料) - 指定年月日
平成30年9月30日 - 所在
中央区高根3-1-15 相模原市立博物館 - 記号番号
指-62
内容
昭和38(1963)年、津久井町中野(現緑区中野)の東大沢地区における道路工事中での発見記録を伝えるこの土器は、口縁部から頸部上半を欠くものの高さ約30センチメートルを残す壺形の中型品です。
器面の文様は、頸部から肩部には櫛歯(くしば)状の工具によって横線文や波状文が、胴部には二枚貝の腹を用いた条痕文(じょうこんもん)がそれぞれ施されています。その構成から、弥生時代中期に東海地方からもたらされたことが考えられます。また、胴部に不整形の穿孔が見られることから、葬送儀礼に利用された可能性も推測されます。
約2,300年前のこの土器は、弥生時代の遺跡・遺物が少ない市域において弥生人の生活や文化、他地域との交流を物語るたいへん貴重な文化財です。
※条痕文…土器表面を二枚貝や巻貝でかき削って調整した痕跡のことで、二枚貝の使用が一般的。縄文土器に多いが、弥生土器や製塩土器にも見られる。
参考文献
神奈川県 1979 『神奈川県史 資料編20 考古資料』
谷口 肇 1991 「津久井町中野大沢遺跡出土の条痕紋系土器について」『神奈川考古』第27号
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