44.牛鞍神社本殿 附 棟札1枚(うしくらじんじゃほんでん つけたり むなふだいちまい)
- 種別
市指定有形文化財(建造物) - 指定年月日
平成22年4月1日 - 所在
緑区千木良1240 - 記号番号
指-44
内容
牛鞍神社本殿は、桁行(けたゆき)1.4メートル、梁行(はりゆき)1.14メートルの一間社(いっけんしゃ)入母屋造(いりもやづくり)で、屋根は柿葺(こけらぶき)、正面には軒唐破風(のきからはふ)と千鳥破風を付けています。
全体に朱を基調とした彩色を施し、向拝(こうはい)は柱上に組物(くみもの)を3段に重ねるのが特徴的です。唐破風の拝(おがみ)には大きな鳳凰の彫物、水引虹梁(みずひきこうりょう)上には龍の丸彫りを納め、唐破風の棟木は力神(りきしん)が支えています。組物は禅宗様尾垂木(ぜんしゅうようおだるき)を持つ二手先(ふたてさき)で、支輪(しりん)には鱗状の浮彫を施し紅白に彩色されています。
18世紀後半頃より、神社本殿は全面彩色から部分彩色に変化しますが、この本殿は全面に彩色を施す最末期の例です。また、向拝の丸彫の彫物や母屋の禅宗様尾垂木付組物は、津久井地域では早い例に属します。
なお、本殿内に蔵された棟札によれば宝暦5(1755)年の建立で、江藤四郎兵衛ほか3名の大工名、名主榎本八郎右衛門ほか12名の名が記されています。
※柿葺・・・木材を細長く削り取った薄い板を用いて葺かれた屋根。
※拝・・・屋根の破風板のあわせ目のこと。
※虹梁・・・やや反りをもたせて造った化粧梁。
※禅宗様尾垂木・・著しく反り、将棋の駒の様な横断面を持つ先の細くなった尾垂木。
※二手先・・柱から前へ二回出た肘木の上の斗(ます)で桁を受ける組み方。
※支輪・・・組物や天井回りの斜めに立ち上がる部分。
本殿内には宝暦5(1755)年のほか慶長12(1607)年の棟札なども残されています。
参考文献
神奈川県教育委員会 1993 『神奈川県近世社寺建築調査報告書』
このページについて、ご意見をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
文化財保護課
住所:〒252-5277 中央区中央2-11-15 市役所第2別館5階
電話:042-769-8371 ファクス:042-758-9036
文化財保護課へのメールでのお問い合わせ専用フォーム