55.寺原遺跡出土の線刻画土器(てらはらいせきしゅつどのせんこくがどき)
- 種別
市指定有形文化財(考古資料) - 指定年月日
平成26年4月1日 - 所在
中央区高根3-1-15 相模原市立博物館 - 記号番号
指-55
内容
寺原遺跡は、緑区鳥屋の串川と谷戸川が合流する舌状の台地上に所在します。鳥屋小学校移転工事に伴い昭和53(1978)年に発掘調査が行われ、縄文時代中期後半(約5,000年から4,500年前)の住居跡が30軒確認されました。
寺原遺跡出土の線刻画土器は、底部を欠きますが、器高19.4センチメートル、口径16センチメートルの小型の深鉢形土器で、縄文土器の文様を一部磨り消して特異な線刻画が描かれています。線刻画は、同時期の多摩丘陵など関東地方南西部に分布する「人形や文様が簡略化した橋本土偶型式」と呼ばれる土偶と同じ文様を土器の表面に描いたものとされています。
この線刻画土器より前段階の縄文時代中期前半では、勝坂式土器が盛行し、土偶上半身が土器口縁部に取り付けられた土器が見られます。縄文時代中期後半の線刻画土器は、土偶と土器の融合を示した極めて希少な事例で、縄文時代の土偶にまつわる祭祀を知る上で学術的価値の高い考古資料です。この線刻画土器は、相模原市立博物館で常設展示されています。
参考文献
津久井教育委員会 1997『寺原遺跡発掘調査報告書』
永瀬史人・小林由香 2006「縄文土器に描かれた土偶」『日本考古学協会第2回総会研究発表要旨』
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