83.城山御林の「江川ヒノキ」(しろやまおはやしの「えがわひのき」)
- 種別
市登録天然記念物(植物) - 登録年月日
平成27年4月1日 - 所在
緑区太井1301-19の一部 県立津久井湖城山公園内 - 記号番号
登-83
内容
津久井の豊かな山林には、17世紀後半から江戸幕府が直轄して山林資源の保護・存続と恒久的財源化をはかるため、「御林」が多く設定されました。戦国時代に津久井城が築かれた城山もその一つで、城山北麓の山裾に今も残る針葉樹の樹林は、伊豆国韮山に代官所をもつ代官江川太郎左衛門英龍(えがわたろうざえもんひでたつ)の時代に植林されたヒノキで、御林の管理者である代官に因んで「江川ヒノキ」と呼ばれています。なお、江川英龍は幕末に活躍した西洋砲術の導入者で、反射炉や品川台場(砲台)の設計者などとして知られている人物です。
「江川ヒノキ」は、弘化5(1848)年から嘉永3(1850)年の3か年かけて御林を管理する太井村の人々が、羽村(現東京都羽村市)や友田村(現東京都青梅市友田町)から運ばれたヒノキの苗木を植林したもので、嘉永元(1848)年の4月に書き上げられた城山御林の絵図にも、城山北麓にヒノキの苗木を植えた場所が図示されています。
御林の直接的な管理は麓の村に任され、村人の中から選ばれた山守(やまもり)が樹木の管理を行ってきました。幕府・代官所の指示のもとに管理され、枝葉・下木に至るまで勝手な処分はできず、厳しい管理体制のもと、長きにわたって津久井の豊かな山林資源として守り育まれてきました。
なお、「江川ヒノキ」は昭和63(1988)年度には「かながわの美林50選」に選ばれ、現在は県立津久井湖城山公園内において管理・公開されています。
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