77.久保沢観音堂の百体観音(くぼさわかんのんどうのひゃくたいかんのん)
- 種別
市登録有形民俗文化財 - 登録年月日
平成23年4月1日 - 所在
緑区久保沢2-2067-1 - 記号番号
登‐77
内容
この百体観音は、久保沢観音堂内にまつられており、西国1番から33番、坂東1番から33番、秩父1番から34番(21番は2基あるため35基)の札所番号を刻した台座にのる101基の石造観音像で、現在まで1基も欠くことなく維持されています。形状は立像、坐像、半跏像の3様を丸彫りまたは浮彫りにしたもので、すべて丸形または舟形の光背を付け、彩色が施されています。大きさは様々で大きいもので総高52センチメートル、小さいもので24センチメートルを測ります。
各最終番の像に刻された銘文によると、本像の造立は明治11(1878)年に大正寺の前身である桂昌寺の住職山本渓山が発願したもので、明治27(1894)年にすべての像が奉納され101基が整いました。また、秩父35基には石工「北原祥重」の名が刻まれています。観音像の像容には、聖観音をはじめ十一面観音、千手観音、如意輪観音、馬頭観音、准胝(じゅんてい)観音、不空羂索(ふくうけんじゃく)観音の7種類が認められます。
各像の造立者は個人が多く、久保沢を中心に現在の伊勢原市域や川崎市域、東京都、埼玉県、群馬県の在住者も見られます。造立目的は先祖供養やこの地域で盛んであった養蚕祈願などです。
久保沢観音堂では、10月の9日、19日、29日を「オクンチ」と呼び、現在でも大正寺住職による読経などが行われています。
この百態観音は非公開のため、原則として見学できません。
参考文献
城山町 1988『城山町史4 資料編 民俗』
新津久井地域広域市町村圏計画推進協議会 1983『津久井郡文化財-石像編』
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