令和6年度 タウンミーティング「まちかど市長室」(和泉短期大学)開催結果(報告)
- 実施日:令和6年6月15日(土曜日)午前9時40分から10時30分まで
- 会場:和泉短期大学 1号館1階 キャリアデザインセンター
- 参加者:和泉短期大学児童福祉学科 吉田准教授、児童福祉学科1年生3人、専攻科ヒューマンケア専攻2人
- テーマ:保育学生にとっての理想の保育環境について
市長あいさつ
- 今日は理想の保育環境の実現に向けて、皆様から率直なご意見をお聞かせいただきますようお願いします。
- 子育ての施策は市にとって非常に大事であり、例えば、お隣の東京都では0歳から18歳までのこどもに所得制限を設けずに月額5,000円の給付をしたり、保育園の第2子保育料無償化、さらに高校授業料の無償化といったエッジの効いた政策を行っている。子育て世代としては、境川を挟んで相模原市に住むか、町田市、八王子市に住むかで悩んでしまうような状況になっている。
- 人口減少、少子高齢社会を迎える中で、相模原市には72万人の市民の方がいらっしゃるが、子育て世代への施策を意識して進めなければならないと考えている。
- 市内在住の方はいますか。(⇒学生5人のうち2人が挙手。3人は市外に在住)市外にお住まいの皆さんの街も良い所だと思うが、相模原市は都市と自然がベストミックスした都市となっている。
- 学生の皆さんが高校生の頃にコロナ禍となり、それまでの生活と変わったものになったと思う。そのような中、引っ越して来る人から引っ越す人を差し引いた転入超過の人数が、全国1,719市町村の中で、相模原市は全国で令和3年が10位、令和4年が12位、令和5年は11位となり、多くの方に選んでいただいている。
- しかし、令和5年の0歳から14歳の転入超過を見ると、全国で町田市は2位、八王子市が6位となっており、相模原市は令和4年は59位だったが、令和5年は89位まで下がってしまった。そういった意味でも子育て施策をしっかりと進めて、子育て世代に選んでいただき、さらに、保育士さんにも相模原市で働いて良かったと言っていただけるような保育環境をつくっていきたいと考えている。
- 子育てしやすい環境をつくるため、相模原市では、市内在住・在学の小中学生と未就学児を対象に、アイススケート場やプール、相模川ふれあい科学館などの15の公共施設で個人の使用料等を昨年10月1日から無料にしている。これは、札幌市で行っていた施策を採り入れたものだが、他の自治体の良いものは今後も採り入れていきたい。
- 小児医療費の助成は、これまで中学生までを対象としていたが、今年の8月から高校生まで拡大し、中学生まで所得制限なしとする。
- また、例えばご夫婦で映画に行きたいがお子さんを預けることができないという時に、理由を問わずお子さんを保育する「さがみはら休日一時保育事業」が本年4月に橋本でスタートしたが、来年4月からは相模大野でも始まる。その後は中央区でも実施していきたいと考えている。
- 国の事業であるこども誰でも通園事業については、保育園等に通っていない0歳6カ月から満3歳未満のお子さんを対象に、令和8年度の本格実施に向けて、今年の7月から「相模原市こども誰でも通園事業」として、試行していく。
- このような施策に取り組んでいるが、今日は皆さんから、こんな施策を行えばヒットするのではないかというご意見や、保育現場で働く立場からのご意見などを、ぜひお聞かせいただくようお願いします。
吉田准教授あいさつ
- 本日は、このような機会を設けていただき感謝申し上げる。
- 入学して2カ月余りで学び始めの1年生と、3年目の専攻科生が参加させていただいており、それぞれの視点から発言させていただくので、よろしくお願いします。
意見交換の主な内容
●参加者の発言 ◎:市長の発言 ■:保育課長の発言 □:保育課主査の発言
●参加者(1)
- 母が働いているため、私が11歳年下の妹の面倒を見てきた。抱っこ紐を使っていて母親に間違えられることもあったし、おむつ交換などもしてきた。保育士になりたいと思ったのは、こどもの笑顔が好きだからである。
◎市長
- ぜひ優しい保育士になっていただきたい。
●参加者(1)
- 母が妹を出産する際に、高齢だったため体力面で心配があったようである。私は市外に住んでいるが、母は里帰り出産の制度があるということを妹が産まれた後から知ったらしく、早めに知ることができていれば制度を使うことができたと思う。
◎市長
- 相模原市にも色々な子育て支援のメニューがあるが、対象者が知らなかったために使えないということがもったいないと感じている。
- 私は、様々な施策の中で一番目は日常生活の利便性を高めるための移動支援、二番目はプッシュ型の情報発信を行っていきたいと考えている。例えば、令和4年度の調査結果では、小学生、中学生のおよそ8人に1人がヤングケアラーという状況があり、それを解消するため、現在、家事の手伝いなど相模原市独自の支援メニューも設けている。そういった制度を必要としている方に届くようプッシュ型の情報発信を行っていきたい。
- 今回お話をいただいた里帰り出産の制度は、今後勉強していきたい。
●参加者(2)
- 同級生のお母さんが保育士をしているが、休日一時保育によって休みが取れなくなるのではないかと心配していた。子育ての経験がある方に保育園で手伝ってもらえたら、保育士の負担が減るのではないか。
◎市長
- 先日、さがみはら休日一時保育事業を行っている橋本のエンゼルハウス保育園を保育課長と一緒に視察し、園長と意見交換をする中で実施状況を確認させてもらったところ。
- また、市幼稚園・認定こども園協会の役員の皆さんとランチミーティングを行った際には、シルバー世代の方に園で活躍いただきたい旨の話もあった。
- 園で働く職員の皆さんの先々の負担が増えて過労にならないよう、働きたいシルバー世代の方と園とがマッチングしてやっていければ良いと思う。
■保育課長
- さがみはら休日一時保育事業は、市だけではなく国からの財政支援を受けながら人材を確保して運営している。
●参加者(3)
- 知り合いがいる保育園では、月に何日のお休みが取れると決まっているそうである。そのような環境で働きたい。
◎市長
- 休むことができる環境は大事で、最近では建設業界でも働き方改革により週休2日の導入が進められる等、働く人のための環境が整っているようである。休んでリフレッシュすることが必要である。
- 子育ての負担が母親に偏らないよう、市役所でも子育て中の男性職員に育児休暇を取るよう勧めている。先ほども出産のお話があったが、パートナーも一緒に子育てすることが必要である。
■保育課長
- 市職員の年次休暇は年度20日までで、20日を限度に繰り越すことができる。
◎市長
- 繰越が20日以上にならないように使わないともったいないと思う。人生80年と言われているので、自分の時間も大切にするようにして欲しい。
■保育課主査
- 今は保育課で勤務しているが、3月まで所属していた保育園では、園長が自ら進んで休んでいたので、年休を取りやすい環境にあった。上司が休めば部下も休みやすい。結婚したら休むことができる制度もある。心配しないで大丈夫である。
●参加者(4)
- 保育実習に行って、こどもと関わる時間を増やしていきたいと感じた。先生方が連絡帳の記入などで時間を取られていた。もう少しこどもと関わる以外の仕事が簡略化できれば、こどもと関わる時間がより長く取れると思う。
◎市長
- 小中学校の教員も事務作業が多く、ICTの活用などで簡略化に取り組んでいる。昔はこどもの欠席の連絡は電話だったが、メールでできれば先生の負担も少なくなる。保育園も同じように簡略化が可能になると思う。
- 先生と向き合うことはこどもにとっても大事なことだと思う。今でも幼稚園の先生のことは覚えている。
- 専攻科生の皆さんは、ヒューマンケア専攻において障がいや介護についても勉強されていると伺っている。先日、0から18歳の障がいのあるお子さん等が通う施設を併設した市外の保育園を視察した。市内にも同様の取組がされている幼保連携型認定こども園がある。
- 市内には二度と繰り返してはならない事件が起きた県立津久井やまゆり園があり、事件を風化させてはいけないと考えている。また、外国人市民は年間1,000人位ずつ増えている。誰ひとり取り残さないこと、多様性があって様々な人がいるということが重要であると考えている。それぞれの個性、特性を生かしていくことが大事である。
- 小中学校への医療的ケア児の受入については、児童生徒の安全・安心に関わることであり、看護師の配置を進めている。皆さんもヒューマンケアを学ばれているということなので、今後、ぜひ様々な場所で生かしていただきたい。
- 市外にお住まいと伺ったが、市外から通勤している職員も多いので、相模原市への就職も検討いただきたい。
●参加者(5)
- 保育環境について、こども目線では、広い園庭で遊べる環境が必要と思う。
- 保育者目線では、年間の休日が125日以上あるとか、給料も大事であり、人間関係の面で働きやすい環境も必要と考えるが、自分にとっては、人間関係の優先度が高い。
◎市長
- 園庭は芝生や緑があるなど遊べる環境が大事だと思う。
- 遊び場については、町田市、厚木市には屋内の遊び場があり、相模原市でもぜひやりたいと考えている。
- この近くには銀河の森プレイパークがあるが、基地のような楽しい場所であり、より多くの方に楽しんでいただくためにもっと宣伝すべきと考えている。
- 給料は働く上で大事なものなので、自分が生きていくための将来設計をして欲しい。
- 人間関係は人生のきもになるものだと思う。こどもの頃からお年寄りになるまで全て人間関係が関わってくる。これから職場でも色々な方々との出会いがあると思うが、人間関係を築きながら生きがいを持って頑張って欲しい。私も相模原市の職員には生きがいを持って働いて欲しいと話をしている。
- 横浜市の保育園の一覧はわかりやすく、相模原市はまだわかりにくいと聞いている。保育士の皆さんに選んでいただくためにも、わかりやすいものにしていかなければと思う。
- ぜひ、関心のある方、興味のある方は研修や就職セミナーなどにも出席し、相模原市で生きがいを持って働いていただきたい。私もそのような場に出向き、シティプロモーションをしていきたい。
■保育課主査
- 公立保育園では、定年を迎えた方にお手伝いいただいている。その方々には、若い人に必要としてもらえることが嬉しいと思っていると言っていただいている。
- こどもと向き合えない現場は現実にあるが、その目は正しいと思うので、忘れずに現場に持って行っていただきたい。
- 保育現場はチームで動いており、保護者は色々な人に相談したいと思っている。チームの中には、人それぞれに得意分野があるので、チームの中でお互いに認め合って対応していくようにしていただきたいと思う。
●参加者(2)
- 私は相模原市には森林があって自然が豊かなところが大好きで、相模大野の街も特に好きなところである。
◎市長
- 相模原市は今年市制施行70周年を迎える。
- 70周年を記念して、相模大野駅では9月2日から[Alexandros]の「ワタリドリ」が列車接近メロディとして流れる予定である。
- 皆さんは自転車に乗りますか。市民の方が対象になるが、自転車ヘルメットの購入費を市から上限3,000円で補助している。是非活用いただきたい。
閉会
◎市長あいさつ
- これからの幼児教育、保育は皆さんのような方々が担っていくことになる。理想の保育環境の実現に向けて、保育現場で働く人も、お子さんを預ける人も一緒になってわくわくできるような取組を進めていきたい。
- 今日は、市から先輩の保育士も参加させていただいたが、話があったように、保育の現場ではチームで対応しているので、それぞれの役割を担いながら頑張っていただきたい。
- 様々なお話をいただき、ありがとうございました。
その他
意見交換の終了後、学生の皆さんが運営する子育て広場「はっぴい」の企画「親子で音楽」を見学しました。
主な意見、提案と回答
1 私は市外に住んでいるが、母は里帰り出産の制度があるということを妹が産まれた後から知ったらしく、早めに知ることができていれば制度を使うことができたと思う。
色々な子育て支援のメニューがあるが、対象者が知らなかったために使えないということがないよう、必要としている方に届くプッシュ型の情報発信を行っていきたい。
今回お話をいただいた里帰り出産の制度は、今後勉強していきたい。
2 子育ての経験がある方に保育園で手伝ってもらえたら、保育士の負担が減るのではないか。
園で働く職員の皆さんの先々の負担が増えて過労にならないよう、働きたいシルバー世代の方と園とがマッチングしてやっていけば良いと思う。
3 知り合いがいる保育園では、月に何日のお休みが取れると決まっているそうである。そのような環境で働きたい。
休むことができる環境は大事であり、最近では働く人のための環境が整っている。
4 こどもと関わる以外の仕事が簡略化できれば、こどもと関わる時間がより長く取れると思う。
小中学校の教員も事務作業が多く、ICTの活用などで簡略化に取り組んでいる。保育園も同じように簡略化が可能になると思う。
5 保育環境について、こども目線と保育者目線があるが、保育者目線では、年間の休日や給料も大事だが、自分にとっては、人間関係の優先度が高い。
人間関係は人生のきもになるものだと思う。これから職場でも色々な方々との出会いがあると思うが、人間関係を築きながら生きがいを持って頑張って欲しい。
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