令和5年度 タウンミーティング「まちかど市長室」(みーさぷーと)開催結果(報告)
- 実施日:令和6年1月30日(火曜日)午前10時30分から正午まで
- 会場:産業会館 4階 懇談室
- 参加者:みーさぷーと会員5名
- 傍聴者:みーさぷーと会員3名、一般3名
- テーマ:相模原市の子育て、教育について
市長あいさつ
- まちかど市長室として、「みーさぷーと」の皆さんと相模原市の子育て、教育について、対話させていただくという機会を作っていただき、ありがとうございます。
- 私も市長に就任して5年目になるが、このまちかど市長室を長年続けてきて、コロナ禍の時はお休みもあったが、皆さんとざっくばらんな話をして、私たちも勉強させていただき、そして皆さんの声を施策にして、形にできれば良いと思っている。
- コロナ禍もあったが、本市の転入超過は、令和3年が3,837人で全国10位、令和4年が3,110人で全国12位、令和5年は速報値になるが、2,300~2,400人位となっている。(総務省発表:2,321人、全国11位)
- そういった中で、やはり選ばれるまちになっていかなければいけないと思っている。
- 新規の転入の方々が、東京都に居住するか、神奈川県に居住するかというときに、子育てのエッジの効いた施策は、選ばれるまちとして、私たちも関心が高く、負けられないと思っている。
- 最近、市内の子育て世代の方から、私立学校に子供を通わせているが、町田市や八王子市に引っ越ししようかという話を聞き、私たちにとっても、子育て施策は重要な取組だと思っている。
- 昨年は、市内在住・在学の小中学生とすべての未就学児に対してプールや水族館、スケート場など、市内15施設の個人利用無料化を実施するとともに、県内の指定都市では初めて、公園の原則禁煙化を行った。
- さがみはら休日一時保育事業として、理由を問わず未就学児のお子様をお預かりするということで、4月から橋本駅周辺で事業を実施する。また、相模大野駅周辺での実施も予定しており、相模大野駅周辺については、事業者の募集をしている。
- 8月からは、小児医療費助成も、首都圏の政令市では初めて、高校生まで拡充し、中学生以下の所得制限を無くしていく予定である。
- 今年は市制施行70周年である。昭和29年に相模原市は、人口8万人でスタートしたが、今は、選ばれるまちとして人口72万人、戦後生まれの自治体で唯一指定都市になっている。
- 50年前や40年前に作ってきた様々な公共施設等が老朽化してきて、それを集約・廃止し、新しいものを作っていく、そういった時代を迎えているので、行財政構造改革という厳しい改革とともに予算の組替えを行っている。
- やはり選ばれるまちになるためには、改革を行っていかなければいけない。
- 私が市長になって、1人1台のタブレットを実現したいと思い、5年前に庁内で相談したら、10数年かかると言われた。
- プログラミング教育は先進的に進んでいたが、全国平均では約5.4人の児童生徒に対して1台、本市は、9人の児童生徒に対し1台しかなかったため、何とか1人1台にしたいということで、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使ってタブレットを1人1台持つことができるようになった。
- そういった中、中学校給食の全員喫食に向けては、中学生をはじめ、保護者の方や先生方にもアンケートをとり、その結果に応えるため、令和8年12月の実施を目指していきたいと思っている。
- 学校給食の食材の高騰もあり、市がこれまで児童生徒1人当たり15円を補填していたが、国の交付金を活用し、12月からさらに15円を補填し、計30円とした。
- それから国の交付金を使い、令和6年1月分から3月分までの小学校の給食費を無償化にした。
- 本日、お越しの皆さんは、相模原市発達サポート講座で、講師である明星大学教育学部教授の星山先生の授業を受けられた方と伺っている。
- 障害のある無しに関係なく、皆さんと自分らしく地域で活動できる学校を作っていただきたいと思っており、市長部局としても、教育委員会と連携し、子どもたちの学びを止めない、個人の個性をしっかり伸ばし、自己肯定感を高めることが大事だと思っている。
- 今日は、皆さんから専門的なご質問もあると思っているが、大川副市長、学校教育部長、子育て中の若手職員も参加しているので、色々なお話を聞かせていただいて、勉強していきたい。
参加者より団体活動紹介
- 「みーさぷーと」は造語で、スウェーデン語の「み―さ」心地よい、フィンランド語の「ぷーと」木々と、心地よい木々の下にみんなが集まるような場所をイメージし、作った。
- 「みーさぷーと」は、「学び続ける」、「学校での実践」、「居心地の良い場所」の三本の柱で活動しているが、学び続けることが大事である。発達サポート講座だけで終わりではなく、メンバーのペースに合わせ、繰り返し学びを続けていける場所を提供していかなければいけないと思っている。
- 自閉症も自閉スペクトラム症というふうに呼び方が変わっており、日々、そういう言葉も変わっていくので、私たちも知識を入れていかなければいけないと思っており、学びの場は続けていきたいと思っている。
- 発達サポート講座には、居心地のよい場所、子育てのことで悩み苦しんでいる方が多く受講されていると実感しており、そんな方々が自分の家族のことを安心して話せる居場所を提供していくことも、「みーさぷーと」の役割だと思っている。
- 学校での実践として、発達サポート講座で学んだ方を学校サポーターとして協力いただいているが、少しでも学校現場の力になって、学校、先生、子どもたちをサポートしていければと思っている。
- 学校サポーターは、2021年からスタートし、2023年の11月までで、モデル校は7校となり、サポーターとして17名に入っていただいている。
- 学校教育課の方には、学校とサポーターとのまとめの会も設定していただいており、そこには「みーさぷーと」も参加させていただき、その学校の現状や、サポーターのご意見を聴く機会などを作っていただいていることに感謝している。
- 第4期の発達サポート講座も、第3期までの50名から60名に定員を生涯学習課の方々に増やしていただいており、2月7日には、第1期から第4期の方にお声をかけ、茶話会を開催することも予定している。
意見交換の主な内容
●:参加者の発言 ◎:市長の発言 〇:大川副市長の発言 □:学校教育部長等の発言
●参加者(1)
- 学校現場に入らせていただき、先生方の仕事は大変だと拝見しているが、慢性的に先生が足りない状況と肌で感じることがあり、若い学生や教員免許を持った方たちが安心して先生を目指すために、相模原市がどんなことを行っているのか、具体的にあったらお聞きしたい。
- また、仕事で、若いお母さんや妊婦さんに対応することがあるが、経済的に困窮していて、明日自分が食べる食事、赤ちゃんに飲ませるミルク、おむつに困っている世帯も少なからずあるので、相模原市で若いお母さんや妊婦さんに、何か支援していることがあれば、具体的に教えていただきたい。
□学校教育部長
- 教員が足りない状況について、皆さんにご心配いただいているが、その通りだと思っており、そのような中で、学生の方々、教員を目指す方々に、学校現場を安心して目指していただけるような取組として、様々なことを実施している。
- まず、教員を目指す方々は、かなり早い段階で教員を目指し進学されているのですが、学校現場を実際に見たり、体験する機会が少ないと思うので、学校と教育委員会が連携し、授業や行事など学校現場を実際に体験する機会を設けたり、大学4年生になると採用試験が近づいているため、色々な相談事をざっくばらんにできるような、オンライン質問会などの実施、また学校の現職の教員に協力していただき、YouTube等から伝えるなどの取組を実施している。
- また、昨年の秋から今年の1月にかけて、全国39大学へ教育委員会の職員が回り、個別に学校現場を知っていただけるような取組をしている。
〇大川副市長
- 若いお母さんや妊婦さんに対して、相模原市では様々な支援を行っているが、情報発信としては、市ホームページ、電子母子健康手帳アプリさがプリコ等で発信をしている。
- また、母子手帳を配布する際に、全ての妊婦さんにお渡ししている子育てガイド等で、市の支援について情報発信している。
- 相談事については、妊婦健診等で子育てに関する相談を行っているが、食事やミルクに困るといった生活に困窮しているといった場合は、子育て支援の窓口から福祉等の必要な部署へおつなぎさせていただいている。
- 情報発信をしっかりとしつつ、皆様の声に寄り添って対応していきたいと考えている。
◎市長
- 今、先生を目指す方が非常に少なくなっており、小学校は3倍を切るような競争率になっており、先生は魅力ある仕事だということを、しっかり発信していきたいと思っている。
- 今まで就活は4年生だけだったが、3年生の時点から試験が受けられるような環境、体制を教育委員会で整えていると伺っている。
- GIGAスクール構想により、1人1台タブレットを持つこともあって、今まで黒板で授業していたのが、今はタブレットで授業を行うなど色々な利用の仕方があると思うので、ICTもしっかり活用し、先生の働き方改革にも寄与していきたいと思う。
- 教育長にも、まずは相模原市から変えていこうと、失敗してもいいから、相模原市の教育委員会から実践してみてはと話をしている。
- 核家族化が進み、3世代同居は少なくなっているが、本市では地方から移住定住してくださって増えていることから、さがプリコや子育てガイド等で情報を発信し、寄り添った対応をしていかなければいけないと思っている。
- 子育て世代の方と話すと、色々な課題が見えてくるので、私たち行政サイドとしては、対話を重視している。
- 皆さんは勉強され、色々と知っていらっしゃる。私たちも前向きに捉え、そして72万市民にプラスになるようにしていきたい。
- 例えば、母になるなら流山市ということで、千葉県流山市は非常に人口が増えているが、私たちも一昨年、流山市に勉強に伺っており、良いところは学ばせていただいて取り入れていきたいなと思うので、誰一人取り残さないという視点で、引き続き、寄り添った対応を行っていきたいと思う。
●参加者(2)
- 相模原市では、通級指導教室の設置や巡回指導が、進んでいないと肌で実感している。
- 通常級にいる特性の強いお子さんが、教室に居られないという場面がサポーターとしてあるが、その時に居場所があまりない。
- その子と一緒に校内を散歩してみたり、廊下の踊り場でクールダウンしてみたりというのはあるが、そのときに、通級指導教室等が各学校にあれば、そこでクールダウンできるかと思うが、今は保護者の方が学校に迎えに来て、通級指導教室がある学校まで送り、1時間待ち、そしてまた学校に行くということで、半日つぶれてしまう。
- 保護者の方の負担も大きく、通級指導を断念するという方もとても多く、もう少し各学校に設置してくれれば、もっと子どもの居場所ができるという意味でも、良いことかと思う。
- 設置を増やしていくなど、整備を考えていれば教えてほしい。
□学校教育部長
- 通級指導教室については、令和5年度から小学校と中学校1校ずつサポートルームを増やし、開設した。
- 令和4年度までにも、小学校、中学校の幾つかの学校で設置をしており、今後については今、学校の状況等を把握しながら、また他市の状況等も踏まえて、あり方について、考えていくことが必要だと思っている。
- 様々な子どもたちが、学校生活を送っている中で、安心して過ごせる居場所というのは、大切だと考えており、この通級指導教室ではないが、やはり各小学校も中学校も、ちょっとクールダウンできるような場所、教室までは入れないけれども、別室だったら過ごせるというお子さんもいるので、学校によっては、場所の確保が難しいところもあるが、各学校の工夫と教育委員会と連携して、居場所づくりについて、引き続き、考えていく必要があると思っている。
◎市長
- 通級指導教室(サポートルーム)については、令和4年度までに、それぞれ5つの小中学校で開設されており、令和5年度には、宮上小学校と旭中学校で開設した。
- クールダウンできるような居場所づくり、放課後の対応も含めて課題で、空き教室や先生の配置等の課題もあるが、そういった声に応えられるように努めていきたい。
- 例えば、淵野辺小学校や谷口小学校のように、校舎を増築している学校もあるが、スペースが少ない学校でも、工夫していかないといけないと思う。
- 保護者の方々も、仕事のご都合もあるでしょうし、しっかり学校で居場所を作っていくことによって、ご本人が落ち着いて、クールダウンできるよう検討していきたい。
●参加者(3)
- 星山先生が、しっかりと入ってくれる特別支援教育のモデル校を作っていただきたいと思っている。
- サポーターをやっていて、先生方のその業務の大変さ、ご苦労というのを身にしみたのはもちろんだが、星山先生の学びを受けることで、先生方も子どもたちとの向き合い方が楽になるということを痛感している。
- 先生方にも、まだ学びが浸透しきれていないという現状を感じているので、星山先生に1年間や2年間入っていただいて、定期的に星山先生から各先生方への研修や、子どもたちや保護者の講座など、地域を交えても良いと思うので、実施いただき、その結果を検証していくという形を作っていただいて、先生方や子どもたちにどのような変化があったのか検証していくのはどうか。
- 他の自治体でも、こうした取組を行っているところはないと思っており、必ず変化はあると思うので、ぜひ学校を1校作ってくれたらと思っている。
- 子育てするなら相模原として、魅力を発信していこうというところであるとすると、この取組をやっていただけると非常に成果が高く、今、多様性をうたわれているので、相模原市の良い発信にもつながると思う。
- 子どもたちの居場所づくり、先生方の仕事や心の負担軽減に大きくつながると思ったので、提案させていただきたい。
□学校教育部長
- 特別支援教育の重要性というのは、考えているところであり、研究推進校では、色々な教科領域等で、どの学校もどの教科を教えている中でも、このことを中心にやっていこうという研究推進を行っている。
- 令和6年度においては、特別支援教育に関する研究推進校というものを設置していきたいと考えているが、講師等も含めて、内容については今後、その該当校とともに検討していくところであり、今回のご意見については、貴重なものと受け止めている。
- その研究推進校だけではなくて、全職員が特別支援教育について理解を深めることが、子どもたちの学びや安全・安心を支えることだと思っており、その研修のあり方についても、現在、星山先生には年2回ほど、教育研修に来ていただいているが、今後についても、検討していきたいと思っている。
◎市長
- 一つの案として、星山先生もお忙しいとは思うが、先生方にも学びをさらに増やしていかなくてはいけないと思っており、そういった中では星山先生との接点や接する時間を作れれば良いと思っている。
- 八王子市や鎌倉市では、学校サポーターに熱心に取り組まれているという良い事例もあるので、一つの例として、令和6年度は本市も一歩進んでやっていくという話で、その講師をどうするかという中では、星山先生が適任な方だと思っている。
- 星山先生に活躍いただける場を私たちが作っていくことが必要だと思っているので、お話のあったモデル校も面白い取組と思う。
- どうやったらできるのかということを考え、教育委員会とも議論していきたいと思う。
●参加者(4)
- 知人からのお話ですが、陽光園や民間施設など、色々な施設の横のつながりや連絡などをしっかりして欲しく、電話での問い合わせなど施設を利用するときに、何度も同じことを聞かれて、悲しくなり利用したくなくなることがあったそうである。
- ほかにもサポートを利用するまでに悲しい思いをする親がいるという悩みがあり、そういうところはどうなのかと思っている。
〇大川副市長
- 陽光園などの公的機関と民間施設との情報連携のお話と思うが、まずは、関係施設と緊密に連携を図る必要があると考えている。
- 実際には、個人情報保護の観点から、情報共有が難しい面はあるが、本人にご承認いただければできることもあると思うので、どうやったらできるかという観点から考え、進めていきたい。
◎市長
- 個人情報保護という難しい法律もあるが、個人の承諾が取れれば、できることがあるのではないかなと思うし、ここの情報は共有していただいて良いというものがあれば、情報を共有するほうが良いと思う。
- 例えば、マイナンバーなどで既往歴がわかるように、個人情報を守りながら、同じことを繰り返し、当事者の方が言わずに済むような環境づくりも必要だと思った。
- お悔やみ窓口も同様な部分があるが、市役所内をあちこち移動しており、ワンストップで手続ができるよう中央区役所では、令和6年度内の設置に向け準備を進めている。
- 情報の共有については、民間と公でもできることがあると思うので、しっかりと検討していきたいと思う。
●参加者(5)
- 今、喫緊の課題は、全国共通で不登校対策だと思うが、不登校を経験した子からは、学校というところになぜか足が向かず、入りにくかったなど、昔のことを思い出しながら話してくれるのを聴き、やはりこれからは、居場所づくりを何とかしていただきたいと思っている。
- これから統廃合されて、学校も空くような状況だと聞いているので、そういうところの再利用という形で、子どもの居場所、そこに行けば安心して自分の好きなことに没頭できるような場所であったり、絵を描いたり、音楽に集中したりできる場所を作っていただけたらと思っている。
- 国立市の矢川プラスは、新しい建物ですが、異年齢の交流があって、幼児から高齢者まで同じフロアの中で、みんな明るく、生き生きとしており、相模原市にもできれば良いと考えている。
- 淵野辺の再開発もありますが、児童館等が合体するだけではなくて、その中で循環するような施設ができれば、子どもから大人まで利用できる居場所になるのではないかと思う。
□学校教育部長
- 全国的な課題だが、本市でも不登校児童生徒の増加は大変大きな課題だと思っており、そのような中で、本市では、そうした児童生徒の居場所として、相談指導教室が市内に8カ所ある。
- 起立性調節障害等により朝起きられない児童生徒のためには、夕方以降の相談指導教室シリウスというところも、令和5年度に開設しており、居場所づくりをしっかりと確保していくことは大事だと思っている。
- また、相談指導教室だけではなく、中学校を中心に校内登校支援教室を市の制度として、また自主的に作っている学校もあり、教室までは行けないけれども、別室など、教室の手前で、居場所を作ってあげたいと考えている。
- 家にいるのではなくて、社会的なつながりを少しでも持たせたいという中で、登校支援教室というものを多くの学校が作っており、そこをしっかり市としても支援し、制度化していくことが大事だと思っている。
- 異学年交流も大事で、子どもたちの育ちにとっては欠かせないところで、大きく言えば、お年寄りとの交流も大事であるが、学校の中でも、異学年交流というものは大事にしているので、取組については、好事例として、全校に発信していきたいと考えている。
◎市長
- 多世代のお子さんからお年寄りまでが、皆で集まることができる矢川プラスのような場所は、市内を見てもない。
- 淵野辺では、今後、公民館や児童館、青少年学習センターや大野北まちづくりセンターなど、公共施設の集約なども検討しているが、少しイメージが湧いてきた。
- 星山先生とは、いつも短い時間しか話せないので、しっかりと対話のできる場を設けられたらと考えている。
- まちづくりの際には、矢川プラスも参考にしていきたいと思う。
□任用調査課主任
- 今も不登校については、不十分な部分もあると思うが、発達障害や不登校に対しての対応が色々進み、そういう方々に寄り添っている社会に変わってきたかと思う。
- 昔は、発達障害という言葉を知らない方が多く、子どものわがままと言われていたところも、発達の課題という認識が進んできており、子育てするなら相模原という言葉のとおり、そういう取組が進む相模原市であってほしいと思う。
●参加者(3)
- 低学年の男の子の対応をしている中で、非常に特性の強い子がおり、全く教室の中に入れず、必ず学校には来るのですが、教室からすぐ出ていき、1日中、教室の外で過ごすという状況であった。
- その学校には、別のサポーターの方も曜日を替えて入っており、自分達が入った時には、しっかりその子に向き合うという状況で対応させていただいた。
- その子は、飛びかかってくるので、その状態から離れずに、おんぶして抱っこして、ずっと学校探検をしたり、時には廊下で寝そべって色々な話をしたり、毎日行っていたが、3学期くらいになり、落ち着いてきた。
- 教室から外に出ることなく、向き合えないこともあったが、その前のことが幻かと思う位にとても落ち着いてきて、その状況を見ていて、その子のありのままを尊重する、そのままを受け止めるということを先生方も努力されていて、私たちサポーターもそういった学びを受けているので、色々な形で対応してきた。
- 高圧的に席に着きなさい、話を聞きなさいというように指導していたら、その子が学校に来られなくなったり、違った形で荒れてしまったり、大変な二次障害につながってしまうのではないかと思えるような子だった。
- 先生方もとても努力をされていて、ありのまま受け止める、尊重するということを一生懸命やってきた結果がつながっていると思っている。
- 多様な学びのプロジェクトの不登校のアンケートで、不登校の原因として、保護者は子どもと学校の先生との関係、教員側は子どもの無気力、不安を原因のそれぞれ一位として挙げている。
- まさしくその認識の違いというのは、本当に大きいと思っており、先生方の学びを浸透していただければ、もっと楽に、そうした子どもたちに向き会え、同じような子ども達が増えていくだろうと感じている。
●参加者(1)
- 私が入っている学校では、校長先生がサポーターに理解があり、その日のサポートが終わると、校長室で記録を書かせていただきながら、「今日はどうでした」とか、「気になっているあの子は最近どうですか」とざっくばらんに聞いてくださる。
- 支援やサポートをしていると、授業が終わった時に先生の方から、「あの子はどこにつまずいていたか教えてもらえますか」、「最近、○○君が少し落ち着かなくて気になっているので、次に来たときに見てもらえますか」など声を掛けていただいている。
- 私たちは、サポーターが受け入れられているということで、非常に良い環境の中でサポーターをさせていただいていると思っている。
●参加者(2)
- 特性が強く、教室に入れない子と、一緒に過ごすことが多かったが、その子と、その日も教室には入らず、廊下で掲示板を見ると、「次の学年に向けてどういう自分になりたいか」という内容が書いてあり、ほかの子は「算数を頑張る」、「字を丁寧に書く」など、何かを頑張るという内容が多く書いてある中、その子にどうなりたいかと聞いたら、その子は、「このままで良いかな自分は自分でいたい」と私の予想していた言葉以上の言葉を返してくれて、その時にとても感動した。
- その中で、二つ気づかされることがあった。一つめは、無意識に何々を頑張っていくことのように、自分のできていないところを気づいて、それを直すことを書くという内容も多く、学校の教育でいう自分のできないところに目を向けて直していくという意識が、子どもの頃から、自然と刷り込まれているということである。もっと自分はここが好きでここを頑張りたいとか、もっとここを伸ばしていきたいということを書く子がもっと増えれば、自分の良さに気づき、自分を大切にしていける子が増えるのでないかと気付かされた。
- 二つめは、その子の「そのままでいたいから」という言葉が、「そのままの自分ではいられない」という言葉の裏返しなのではないかということである。もう少し自分のままで自然にいられるような環境になれば、その子がもっと居やすい環境になっていくのかと思う。その子とは「皆がそのまま自分でいられるようになったら素敵だね」と話をして、その子も「そうだね」と言ってくれて、会話を終えた。
- これから先、自己肯定感とか自分らしくという言葉のとおり、自分の好きなこと、自分を大切にするという教育がもっと進んでいけば、自分らしくいられる子が増えるのかと思った。
●参加者(5)
- それぞれの子どもたちが自分の良いところを伸ばせるような、学校の現場であるためには、今の先生の数では、非常に大変だと思っており、そこで、発達サポート講座で学んだこの学校サポーターが活躍できるのではないかと思っている。
- 生涯学習課がなさっている発達サポ―ト講座も大切だが、学校現場のサポーターを養成するための講座として別枠でやっていかないと、学んだ方たちをサポーターとして輩出していくところにつながっていかないのではないかと思っている。
- 入口の学びから出口のところまで、学校教育課さんに担当していただくのが良いのか分からないが、そういうことができるのであれば、「みーさぷーと」としては、お手伝いしていきたいと思っているので、ご検討いただければと思っている。
- 今、特別支援学級に入った新しい先生方は、年度初めに星山先生が2回ほど研修をして講義を受けるというふうになっているが、新しく入った先生だけではなく、支援教育について理解が低いというか、そういう先生方もいると思うので、そういった先生方の研修にしてくれたら良いと星山先生も仰っているので、ご検討いただければと思っている。
- 異年齢の子たちが交流できるような学校として、オランダのイエナプラン教育があり、広島県福山市では、イエナプラン教室が公立として設置されていると伺っており、そうしたものも相模原市にできたらとても夢があると思っているので、豊かな学びができる学校、不登校特例校になるかも知れないが、イエナプラン教育を導入した学校を相模原市で作っていただきたいなと思うとともに、「みーさぷーと」のメンバーとして市長のお手伝いをしていきたいと思っている。
- 例えば、商店街と連携して、そのお店の手伝いとか、学校の勉強ではなくても、サウザンロード相模台商店街等で、お手伝いのような取組ができるのではないかと思っている。
- 八王子市では、特別支援教育に特化した会議体、協議体を作られているようで、相模原市では、支援教育ネットワーク協議会が年2回程あるが、もっと特化した会議体を作って、そういうことを協議していくような場を設置いただき、そこに「みーさぷーと」も関わっていければというふうに思っているので、教育委員会の方々にもご検討いただき、私たちもお手伝いしていきたいと思っている。
- 発達サポート講座を受講したいが、毎回、落選している方もおり、サポーターをやりたいけれど、できないという方もおり、1つのコースを受けて続かない方もいるが、キャンセル待ちもないので、学校サポーターになりたいという方に特化したような講座を学校教育課の方々で実施いただければ、本当に嬉しく思う。
□任用調査課主任
- 不登校の子が学校に戻れたり行けるようになったりするのは良いことだと思うので、それ以外の居場所づくりや、自分が自立して生きていけるような教育体制というか、学校でそこまで見てあげるのは難しいかも知れないが、そういうところまで見通した支援ができたら良いと思う。
閉会
○大川副市長コメント
- お話は、2時間、3時間あっても、語り尽きないと思うが、直接お話を伺えて、とても勉強になったと感じた。
- 今日のテーマの子育て、教育に限らずではあるが、個人的に課題と感じていることは、市が何か実施していることに関して、届いてほしい人にどうやったら届くのかという情報発信の話と、お困りの方の声をどう吸収するかということである。
- こういった場に来てくださる方や、市民の声等で発信してくださる方は、私たちに伝わるが、困っている方で声を上げられない方もいると思うので、そこは我々も工夫していかなければいけないところだと思っている。
- そういった方の声など、皆さんも色々と聞く機会も多いかと思うので、また教えていただければありがたいと思う。
◎市長あいさつ
- 非常に貴重なお話をいただき、改めて多様性の大切さと、誰一人取り残さない居場所づくりを進めていかなくてはいけないと思っている。
- 発達サポート講座も、4回も落選する人がいるということで、人数枠などを広げられるか検討できればと思う。
- 八王子市で行っている特別支援教育に特化した協議会については、本市でも何か会議体を作って実施することも良いと思うし、例えば、障害のあるお子さんや特性のあるお子さん達に対する理解を増やしていくためにも、2回と言わず皆さんがしっかりと集まり、教育委員会や市へ提言するなどの企画があっても良いと思う。
- 学校サポーターになるための新しい講座の開設、これも一つの手法かと思う。
- 特性のあるお子さん達に対して、個を伸ばしていく、学びを止めない、否定よりも、まずはその子を肯定してあげながら、寄り添った対応が必要と学んだ。
- 今日は、私たちも知らない話がたくさんあり、この時間でも色々と学び、また、こういう機会を作らせていただき、学校サポーターとして働く現場も見てみたいと思う。
- 学校サポーターの働く環境については、教育委員会と少しずつバックアップしているので、形にできるようにしていきたいと思う。
- 不登校の方も、大人になって社会に順応しながら頑張っていると伺ったが、自分のペースで良いと思うので、そのペースを皆で認め合い、理解し合っていければ、自分色で良いと思うので、そういう教育を私たちももっと学ばなくてはいけないと、今日の時間で感じた。
- 市長部局や教育委員会に対して、遠慮なく言っていただき、引き続き、相模原の教育を皆で盛り上げていきたい。
- 今日は、本当にありがとうございました。
主な意見、提案と回答
1 若い学生や教員免許を持った方たちが安心して先生を目指すために、相模原市がどんなことを行っているのか。
授業や行事など学校現場を実際に体験する機会を設けたり、大学4年生にオンライン質問会などの実施、YouTube等から伝えるなどの取組を実施している。
また、全国39大学へ教育委員会の職員が回り、個別に学校現場を知っていただけるような取組をしている。
2 若いお母さんや妊婦さんに、何か支援していることがあれば、具体的に教えていただきたい。
電子母子健康手帳アプリさがプリコや母子手帳を配布する際に、全ての妊婦さんにお渡ししている子育てガイド等で、市の支援について情報発信している。
また、生活に困窮しているといった場合は、子育て支援の窓口から必要な部署へおつなぎさせていただく。
3 通級指導教室の整備を考えていれば教えて欲しい。
通級指導教室については、令和5年度から小学校と中学校1校ずつサポートルームを増やし、開設した。
令和4年度までにも設置をしており、今後については、学校の状況等を把握しながら、また他市の状況等も踏まえて、あり方について、考えていくことが必要だと思っている。
4 特別支援教育のモデル校を作っていただきたい。
令和6年度においては、特別支援教育に関する研究推進校というものを設置していきたいと考えているが、今回のご意見については、貴重なものと受け止めている。
5 陽光園や民間施設など、色々な施設の横の繋がりや連絡などをしっかりしてほしい。
関係施設と緊密に連携を図る必要があると考えている。
実際には、個人情報保護の観点から、情報共有が難しい面はあるが、本人にご承認いただければできることもあると思うので、どうやったらできるかという観点から考え、進めていきたい。
6 不登校対策について、居場所づくりを何とかしていただきたい。
不登校児童生徒の居場所として、相談指導教室が市内に8カ所ある。
また、中学校を中心に登校支援教室というものを多くの学校が作っており、そこをしっかり市としても支援し、制度化していくことが大事だと思っている。
7 国立市には異年齢の交流等を実施している矢川プラスがある。 相模原市にもできれば良いと考えている。
異学年交流というものは大事にしているので、取組については、好事例として、全校に発信していきたい。
8 特別支援教育に特化した会議体の設置を教育委員会の方々にもご検討いただきたい。
八王子市で行っている特別支援教育に特化した協議会については、本市でも何か会議体を作って実施することも良いと思うし、教育委員会や市へ提言するなどの企画があっても良いと思う。
9 発達サポート講座を受講したいが、毎回、落選している方もいる。
発達サポート講座も、人数枠などを広げられるか検討できればと思う。
10 学校サポーターになりたいという方に特化したような講座を学校教育課の方々で実施いただきたい。
学校サポーターになるための新しい講座の開設、これも一つの手法かと思う。
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