令和3・4年度 第10回 タウンミーティング「まちかど市長室」開催結果(報告)
- 実施日:令和4年6月11日(土曜日)午後1時から2時30分まで
- 会場:大野北公民館 1階 大会議室
- 参加者:公募による市民3名
- 傍聴者:1名
- テーマ:相模原市行財政構造改革プランについて
市長からの説明(行財政構造改革プラン策定の背景や目的等)
- タウンミーティング「まちかど市長室」に参加いただき感謝申し上げるとともに、皆さんからの忌憚のないご意見をお伺いし、対話をしながら、今後の市政運営に活かしてまいりたい。
- この3年間、市長として相模原市の行政に携わり、実務経験を重ねてきた中で感じたのは、市長になる前に外から見ていた相模原市と、市長になってから実際に目の当たりにした相模原市では、残念ながら、大きな違いがあったことである。
- 例えば、本市には多くの大型事業があるものの、これまで財政面での中長期的な見通しが甘く、財源の裏付けのない事業計画をいくつも抱え込んでいた状況であった。
- そのような背景の中で、改めて令和3年度から9年度までの7年間の長期財政収支を試算したところ、累計で約816億円の歳出超過が見込まれるという推計結果となった。
- また、本市の経常収支比率(市税などの経常的に入ってくるお金を、扶助費などの固定的・義務的な経費に充てる割合)は、令和元年度99.8%、令和2年度98.2%となっており、これを家庭に例えると、毎月の給料のほぼ全額を食費、光熱費、ローン返済等の固定的な経費に使っていて、自由にやりたいことや新しいことに使えるお金がほとんどないことを示している。
- この比率をもっと下げて、自由な財源をしっかり確保し、市民の皆さんとの対話の中で生まれてくる、希望や要望に充てられるようにしなければならない。
- 市の貯金とも言える「財政調整基金」は、平成25年度は約133億円であったが、令和元年度には約68億円に半減しており、令和3年度決算では約147億円まで一時的に回復する見込みであるが、将来的な多くの財政出動にも対応できるよう、しっかりと確保しておく必要がある。
- そうした状況を看過せず、未来の子どもたちや孫の世代に誇れる相模原を創っていきたいという思いから、昨年4月には全国初の「シビックプライド条例」の制定やSDGsの推進に取り組んできたが、これらの取組の理念と同じく、持続可能で、誰一人取り残さないまちづくりをしていかなければならないという考えのもと、昨年4月に行財政構造改革プランを策定した。
- 改革と言うと暗いイメージになりがちだが、今回の取組は、職員の体質も含め行財政の構造を抜本的に改革していくことであり、その真の目的は、持続可能な行財政基盤を築くことにある。
- 厳しい取組ではあるが、市民の皆さんとともに乗り越え、その先にある、私たちが描いている相模原市を創り、「子育てするなら相模原」、「学ぶなら相模原」、「起業するなら相模原」、「第二、第三の人生を楽しむなら相模原」というように、多くの皆さんが相模原市を選んでいただき、そして次世代を担う子どもたちが笑顔で暮らせるまちを目指して、この行財政構造改革を成し遂げてまいりたい。
- 市長として、72万市民の皆さんの安全・安心を第一に考え、20年後、30年後に、行財政構造改革をやってよかったと思っていただけるよう、尽力していく決意である。
- 今後も、市民の皆さんと膝を突き合わせて対話をしながら、様々な方策を考えて発信していきたいので、ご理解とご協力をお願い申し上げる。
意見交換の主な内容
●:参加者の発言 ◎:市長の発言 〇:局区部長の発言
- ●参加者(1)
- 志田峠の(仮称)津久井農場計画は、杜撰な計画だと思っており、地元の方の不安も無理はなく、この計画が止まっていることを、とても喜ばしいことと思っている。
- 盛り土の基準について、4月の衆議院の国土交通委員会において、「盛り土が液状化することを前提とした、そういうものを盛り込んだ記述にしたい。」という斉藤大臣の答弁があったが、その基準が、地元の方が望んでいるような方向になるのか、それとも実質のないものにされるのかを見守っていかなければならない。
- 市は国の決定を受けて、それに従って動くしかないというのが基本的な立場だと思うが、熱海であのようなことが起きた後であるので、市としてこれを認可する時は、本当に慎重に止める方向で考えていただきたいという思いである。
- 〇都市建設局長
- 志田峠の農場計画は、事業者が道路の関係などで地元調整に入っていたが、その後、地域との話合いがうまくいかず、また、土砂条例という、土を盛ることの条例の適用になることでの相談を、環境経済局とやり取りされていると承知している。
- 今の時点では、その後の動きがないと承知しており、今後、動きがあれば、内部でもいろいろと検証しなければいけないと思っている。
- 熱海の盛り土崩落の関係で、来年6月の施行を目指し、宅造法(宅地造成等規制法)の規制が一部改正されるという国の動きがあり、市としても、盛り土については、開発の手続きなどで関係があり、その動向を注視しているところである。
- ◎市長
- 斉藤大臣が画期的な答弁をしたということで、後藤祐一衆議院議員とも連携させていただき、今回の盛り土の関係の大臣答弁に関する説明を受けた。
- そうした意味では、(仮称)津久井農場計画の他に3カ所ほどの谷埋め盛り土の話があり、大変、関心をもっている。
- 私たちは、常に人の命、財産を守る責任があると思っているので、市民の皆さんの声も頂戴しながら、また自治会からも大変厳しいご要望をいただいていることを踏まえて、行政として的確な判断をしていきたいと思っている。
- 今回の計画の環境アセスメントに関しては、事業者と直接向き合い、話もさせてもらっており、行政としてしっかりとできることをやっていくとともに、隣接する愛川町の小野澤町長とも連携している。
- 韮尾根地区の皆さんにとっても、また愛川町にとっても、非常に関心の高いことであるので、しっかりと市民に寄り添って、注視しながら対応していきたい。
- ●参加者(1)
- 国のルールに従わざるを得ないことはわかるが、そのルールは妥当かどうか、市としてもよく検証していただきたい。
- ◎市長
- 庁内においても検討を進め、しっかりと対応していきたい。
- ●参加者(2)
- 今回の財政問題と麻溝台・新磯野の問題に係る再発防止策について伺いたい。
- このような問題が起きてしまった原因をどのように捉えているのか。
- 今までの間に、既に具体的な再発防止策の取組はあるのか。
- 組織内の心理的安全性が高いことが大事なのではないか思うが、その点で、行政として考える一番大切な防止策について伺いたい。
- 〇財政局長
- 行財政構造改革プランを策定するに至った理由は、財源の裏付けがない、確定していない中で、多くの事業が進められてきたことが長年あったところにあると言える。
- 今回の改革プランでは、職員の一人ひとりの意識を変えていこうというところも、大きな取組である。
- 今の財政が破綻しているのではないが、このままの状態が続くと将来的に成り立たなくなるという危機感があるので、この段階で引き締めていくことがメインである。
- そうした点では、職員一人ひとりが自分事として捉えることが大切であるので、かなりの部分を割いて、職員の意識改革にも取り組むこととしている。
- 〇都市建設局長
- 麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業については、令和元年6月5日に、事業が立ち行かなくなった状況の中から、一度立ち止まりをした。
- それ以降、令和元年7月からは、内部での検証組織を立ち上げ、有効性、合規性、公平性、公正性、経済性の観点から、再開に向けての一定の方針を示そうとする中で検証を行った。
- 検証により、地中障害物の処理方法などが明確になっていなかったことや、宅地の評価で係数の操作をするなどの不正行為が行われていたという問題が顕在化した。
- 資金計画でも、当初は127億円で事業を開始したが、その額では足りない中でも、それを見直しすることなく進めていたことがわかった。
- 内部での検証後、令和2年1月に弁護士による第三者委員会を組織し、その後の検証が行われた。
- 事業開始前の調査が不十分であるにも関わらず事業着手したこと、組織内部でのパワハラや風通しの悪い職場環境、また、内部検証と同様に、評価の基準の考え方、換地設計のやり方、民間への包括委託の妥当性などが検証された。
- 令和2年3月末に第三者委員会の検証結果が公表され、これを受け、令和2年7月30日に、「相模原市組織運営の改善に向けた取組方針」を出させていただいた。
- 方針の中では、コンプライアンス上の意識改革、情報やノウハウを共有・議論ができる職場づくり、内部統制の強化、人材の育成などを掲げ、現在、その方針に基づき、事業に取り組んでいる。
- 本年5月20日には事業再開の最終判断をし、財政的な裏付けを確保した上で、現在、地権者の皆さんへの説明会を行っており、今後、市民の皆さんへの説明会を予定している。
- ◎市長
- 財政問題について、これまで多くの大型事業に関して、財源の裏付けや中長期的な試算がない中で、進められてきた。
- 本年度は、扶助費の見直しとして敬老祝い金を廃止したが、その代わりに、津久井産材を使った、感謝状やお箸を送りたいと考えている。
- はり・きゅう・マッサージ利用に係る予算も助成額を半分にする一方で、高齢者の外出促進を図り、介護予防等に資するため、政令指定都市として初めて補聴器購入助成を開始するなど、時代に見合った見直しを行っていく必要があると考えている。
- 見直しの際には、サービス利用者から失望やお叱りの声をいただくが、厳しい財政状況にあることを見て見ぬふりをせずに、取り組んでいかなければならないと考えている。
- 今後、この財政問題に関しては、歳出削減だけでなく、歳入確保にも努める必要があり、国からの補助金をとりに行くなどの取組をしっかりとやっていきたい。
- 今の時代だけが良ければいいのではなく、30年後、50年後も、私たちの子や孫の世代にもつないでいくことが責任であると思っているので、後世にも理解いただけるような改革にチャレンジしていきたいと考えている。
- 麻溝台・新磯野地区の土地区画整理事業に関しては、昭和29年の市制施行以来、おそらく最悪の事業であったと思っている。
- 市長に就任した時点で、正しいものを正しいと言えない、間違っているものを間違っていると言えないような職場になってしまっていた。
- 当初の事業費は127億円で、市費が43億円という数字で、38ヘクタールの区画整理を進めることを市民や地権者の皆さんに説明してきたようだが、市長になって、令和元年6月5日に一度事業を止めた。
- もし止めないで、地山まで掘り続けたならば、事業費約541億円、市費が422億円かかると想定された。
- その後は、この事業を全庁的な課題として捉え、都市建設局を中心に事業再開に向けた検討を行った結果、総事業費は当初よりも大きく膨らんだが、市としては、南区で伊勢丹が撤退するなど、まちづくりが変わっている中で、あの場所を新たな産業の拠点としたい、新しい移住・定住者を増やしたい、新しい雇用も作っていきたいという思いから、事業の再開に舵を切った。
- この区画整理事業は、引き続き、しっかりとけじめをつけ、かつ、新しいまちづくりへの再開に向け進めているので、ぜひともご理解、ご支援をお願いしたい。
- 職員の管理体制に関しても正さなければならないと思い、検討を行い、着手しているところである。
- 弁護士をメンバーとする第三者委員会からは、職場の風土・環境に関して、厳しいご意見をいただいたが、職員一人ひとりが相模原市の職員であったことに誇りをもって退職できるよう、風通しのいい職場づくりに取り組んでいきたい。
- ●参加者(3)
- パブリック・コメントで「なぜ財政がこのようになったのか、過去に遡って検討すべきではないのか。」という意見に対し、明確な回答はされておらず、参考意見として聞いておくという回答であった。
- 政令指定都市に移行する前には、この改革プランと同じように、少子・高齢化時代、人口減少社会が到来し、厳しい財政状況になるという説明がされていた。
- また、移行することで財政基盤が拡充されるので、市民に負担はかけず、事業の縮小やサービスの低下はないという言い方で、中長期的な収支計画が立てられた。
- しかしながら、この10年で破綻しているわけであり、市長は政令市移行をどのように総括しているのか、また、破綻の原因についても、明確にしてもらいたい。
- 財政基盤がない中で計画や構想を作り、事業を進めようとしているのだから、本末転倒の話であるので、改めて、基本構想を見直すべきなのではないか。
- 銀河アリーナが破綻しているという原因は、計画の段階で問題があったのか、設計や施工に問題があったのか、維持管理に問題があったのか、そのあたりの原因を究明しないで、先に進めようとしても、また同じことが起きるのではないかと思う。
- 〇財政局長
- 政令指定都市移行に関しては、相模原市と津久井4町が一つになり全体で進めていくという構想であり、その中では人口規模も膨らみ、相模原市の財政的な基盤を一緒にでき、全体的なところで上昇していくというものであった。
- 少子・高齢化という全国的な課題の解決において、人口が増え、税収も増えるような形で、スケールメリットを生かす計画であった。
- 合併後の政令指定都市移行については、県からの権限移譲により業務も増えたが、その分、国や県からの財源も下りてくるので、そうした財源を確保しながら、津久井地域と一体となって、進めていこうということで取り組んだ。
- 破綻の原因というお話があったが、現在破綻しているのではなく、これまでも将来的な人口減少を見据えていたが、新たな事業を展開していく中では、財源の確保の視点が足りなかったことから、破綻する前に、このような改革プランを作り、行政と財政の改革両方を合せて、様々な取組を進めるものである。
- 財政基盤のないところでの総合計画という話だが、総合計画と財政も連携しながら取り組んでいるところで、予算の中でも、総合計画で位置付けているものと位置付けていないものを分けて、整理しながら調整・運用をしている。
- 施設の在り方の検討について、市では長寿命化計画を作り取り組んでいるが、本年度は、公共施設マネジメント推進プランの中にアクションプログラムを策定する予定である。
- その中では、改修の時期、施設をもたせる時期を60年や80年に分け、分散型にしながら、今ある施設をなるべく使っていくように考えており、この行財政構造改革プランと併せて、取り組んでいきたい。
- 〇総合政策・少子化対策担当部長
- 総合計画の基本構想であるが、概ね20年後の相模原市の将来像、めざす姿を目標としているもので、令和元年度に基本構想と併せ、基本計画、実施計画を立てることを掲げ、取り組んでいるところである。
- 今まさに取り組んでいる最中で、少子化という点では、本市の人口は2020年では約72万人であるが、2040年では約67万人に、更に20年後の2060年では約57万人になるという見込みで、減少が続いていくものと考えている。
- 人口減少は、少子・高齢化という人口構造の変化と相俟って、地域の活力の低下を招くと考えていることから、人口減少を抑制する取組も必要だと思っている。
- 現在、持続可能なまちづくりを進めるために、施策分野を越えて、横断的に取り組む3つの重点テーマとして、少子化対策、雇用促進対策、中山間地域対策を掲げ、取組を進めている。
- この3つの重点テーマに加え、SDGsや気候変動対策の推進のために、脱炭素社会実現に向けた取組も推進しているところで、結果はもう少し先になるので、引き続き、そうした施策等に重点的に取り組んでいきたいと思っている。
- 〇市長公室長
- 市として何をやっていくのかを、財政的な裏付けがあった中で、優先順位を決めながら進めていく必要がある。
- そうした中で、総合計画の実施計画に代わるものとして、推進プログラムという形で、市民の皆さんの意見をお聞きしながら、毎年毎年その時々の課題に対応するための施策をローリングしていく仕組みを作っている。
- 基本構想に掲げる目標に達成できるよう取り組んでおり、財政局との連携を密に取りながら進めていく必要があると考えている。
- ◎市長
- 合併して指定都市になり、一つの相模原市という自治体になったわけであるので、津久井の皆さんには、「未来志向で一緒に相模原をわくわくするまちにしていこう。」という話をしている。
- 市長としての3年間の中で、多くの皆さんと対話をしてきたが、指定都市になったものの、実は緑区の方が南区のことをあまりご存知ないとか、逆もあり、相模原市のことを知らない方が、意外と多くいらっしゃるという印象である。
- 市としてシティプロモーションを行い、相模原市の魅力を皆さんに知ってもらうために、例えば温泉に行くなら箱根ではなく、緑区の藤野のやまなみ温泉とか、青根のいやしの湯といったところに行っていただければいいと思っている。
- 合併を経て、指定都市になったが、少し無理をして指定都市になったのではないかという経緯があるのではと感じている。
- 津久井地域の合併には、様々な思いがあったという経緯があり、そうした意味では、指定都市として国や県、地域の皆さんからも認めてもらえるような環境を早く作り上げ、そのために、組織の風土や体質を変えていかなければならないと思っている。
- また、職員に対しても、前例踏襲型ではなく、もっとチャレンジをする相模原市に変えていこうという話をしている。
- 30年、40年働いている職員が誇りをもち、「市の職員としてやってきてよかった。」という思いで退職していただけけるような職場環境にしていきたい。
- また、指定都市の一員として、歴史のある横浜市や川崎市と同じ土俵で議論でき、相模原市らしいきらりと光るものを出していきたい。
- 財源の裏付けがない中で、どちらかと言うと、いい話をしてきたことも反省しなければならない。
- 公共施設について、アイススケート場(銀河アリーナ)を存続していくにも、多額の改修事業費や、維持管理費がかかる。
- スケート場以外にも、例えば横山のグリーンプールも天井が高く、維持管理に相当のお金がかかるなど、様々な公共施設があてはまる。
- 小中学校が106校ある中で、中央区の光が丘地区では青葉小学校を6年度に閉校するが、まちづくりにどのように生かしていただくかを検討してもらっている。
- 南区の相武台地区では、もえぎ台小学校の閉校がこの夏に教育委員会で決定する予定であり、緑区では津久井地域の学校の集約なども議論している。
- 二十数名の学校から千人規模の学校まで幅広くあるので、そういった中で公共施設の在り方に関しても、非常に大きな検討をしていかなければならない。
- 公共施設の在り方に関しても、いい話ばかりでなく、皆さんに見える形で、共に考えていただき、行政主体ではなく、民間の活力や市民の皆さんのお知恵をいただきながら進めていきたいので、今後も貴重なご意見を頂戴したい。
- ●参加者(1)
- 4月に策定された「総合交通計画」では、「公共交通中心の交通体系の確立」という言葉があり、「概ね20年後の将来像を見据えた」とあるが、どのくらいの本気度で公共交通中心に動いていくのかが気にかかる。
- 市民検討会で、(淵野辺駅)南口の再整備を考えているが、施設を作り、来館してもらうのに、20年後までを視野に入れた時に、その足はどうなるのか。
- 公共交通での来館を中心に考えるのか、一方で現実的に考えれば、この相模原で公共交通が中心となることができるのか、そうしたことが検討の議論に絡んでくるので、本気度はどのくらいなのかをお尋ねしたい。
- 〇都市建設局長
- 本市は鉄道路線が縁辺部を通っており、公共交通はバスが主体で、主に神奈川中央交通が走っている。
- 皆さんから様々なご意見をいただく中では、バスの定時性の確保や本数の確保などの課題もあるが、公共交通を主体に考えている。
- 交通不便地域がある状況の中では、この淵野辺でも、地域の方々とお話をした上で、平成26年から実証実験なども含め、コミュニティバスを運行している。
- また、津久井地域については、乗合タクシーやデマンドタクシーなどに取り組んでいる状況にある。
- 計画にあるように、公共交通主体で取り組んでいくが、カバーしきれないところは、タクシーなどの交通手段も活用しながら、利便性の向上に努めていく考えである。
- 地域柄、車社会に依存している部分も多々あるが、今後、高齢者の運転免許返納などが進む中でも外出できるようにするために、今の公共交通又はプラスアルファで、その確保に取り組んでおり、今後もそうした取組を実現していきたい。
- ●参加者(1)
- 話を伺っていると、計画に掲げてはいるが、公共交通中心ということに本気ではないと受け止めた。
- 市としては、自家用車を減らし、駐車場が必要な所を減らすことや、カーシェアリングに類するような形での交通体系を整備していくことの考え方までには至っていないことがわかった。
- その考え方を受けて、「市がそう言っているのだから、できっこないよ。」、「でも目指した方がいいのでは。」というような議論が噴出するのではないかと感じた。
- 〇都市建設局長
- 先ほど話をさせていただいたように、市の取組として、旧市には淵野辺駅北口から運行されているコミュニティバスがあり、津久井地域については、デマンド交通として、乗合タクシーを利用していただいている所が各地区にある。
- また、公共交通を維持・確保していくために、バス会社には赤字の補填をするなど、便数を減らさないことにつなげていただけるように取り組んでいる。
- 駐車場の問題という話もあるが、交通に関しては、公共交通が維持できていけるように、取組を行っているところである。
- ◎市長
- 市長選挙に出た時に、緑区から南区まで地域要望が一番強かったのは、やはり公共交通機関の空白地区の対策をしっかりとやってほしいということであった。
- 例えば、大野北地区と大沢地区にコミュニティバスが走っているが、これを維持するにも市費を投入している。
- また、タクシーの乗り放題制度を考えたが、現状では、関係事業者にご理解いただかないと、新しい交通施策ができないという壁があり、実現は難しく、これを越えていかないと、市民の皆さんに寄り添った対応はできないと思っている。
- 公共交通は、都市建設局だけで取り組むのではなく、全市に係る課題として、庁内で分野横断的に横串を刺して議論していかないと前に進まないと考えている。
- 職員に対しては、常々、担当課だけで考えるのではなく、横串を刺して、みんなでアイデア出し合って考えていこうと言っている。
- 公共交通に関しては、大きな声として対応はしているが、「本気度はあるのか。」というご指摘をいただいたことは、胸に刺さるところであり、しっかりと皆さんのご意見も含めて、横串を刺し連携しながら議論していきたい。
- この3年間、市民の皆さんに寄り添った対応ができるように頭を捻ってきたが、なかなかいい考えが出てこないのが実態であるので、対応や検討を続けていきたい。
- ●参加者(3)
- 市長の熱い思いは理解できたので、改革を期待している。
- 銀河アリーナの件で、どうしてそうなってしまったのかを、きちんと過去に遡った原因分析をすべきではないか思うが、幹部の皆さんに考えを伺いたい。
- 銀河アリーナはバブルの時に造られたもので、民間計画でそうしたものをやる時は、ある程度投資計画を作り、事業採算性があるかどうかを決めた上で、事業をスタートするが、長期的な収支計画はできているのか。
- 計画上の収支は取れた上で実施したのか、それともまだお金がかかるのであれば、どこに問題があったのかを明確にせず、今、これだけ金がかかる、また、何年後にこれだけお金がかかるとすると、根本に遡った議論になっていないのではないか。
- 計画上の問題も同じで、構想を立てる上には、財政上の身の丈というものがあるので、それに見合う程度に収めておこうというのが民間企業でやる計画だと思うが、そのような感覚の答えが返ってこないのが悲しい。
- 〇財政局長
- 銀河アリーナ自体は築20年以上経過しているところで、フロンガスの調達が困難な状況になり、仮設の冷凍設備を置いて運営している。
- そうした点も加味して経費がかかっていることや、市で運営し続けることがいいのかという視点で、今回は銀河アリーナを含めて、全般的なところで検討している。
- 閉鎖するということだけでなく、どういった運営をすればいいのかということを、銀河アリーナも含めて考えているところである。
- 〇市民局長
- 銀河アリーナは、夏はプール、冬はスケート場という両方のニーズに対応する施設として整備したが、ニーズも変わり、市のスポーツ施設の状況も変化してきていることも踏まえて、通年でスケート場とする方向に変わってきている。
- 空間が大きく、維持管理に多額の経費がかかることが課題であることを認識している状況から、このプランの中で見直しすることとなったが、存続を望む多くの方の意見を踏まえ、改めてサウンディング調査や市民意向調査を行った上で、今後の存続の可能性を検討しているので、いただいた意見も踏まえて、取り組んでいきたい。
- 〇総合政策・少子化対策担当部長
- 相模原市は昭和29年に人口8万人から始まり、人口が急増した昭和30年代、40年代に、多くの学校を建設したり、道路や下水道などを整備してきた。
- それらの施設は老朽化が進んでいるが、長期的な視点で長寿命化対策等の予算を確保しながら財政運営していく必要があり、今後も、市長公室と財政局で連携を図りながら取り組んでいきたい。
- ●参加者(3)
- 銀河アリーナの収支計画について、当時のことでわからないのであれば仕方がないが、根本的なところを蔑ろにしないで、公明正大に話した方がいいと思っている。
- パブリックコメントでは、市民から様々な意見が出されているが、行政側からの回答は、「今後の参考にする。」など、通り一遍なものであると感じている。
- 〇財政局長
- 銀河アリーナについて、当時の話が出てこないということは仰るとおりだが、冬場はスケート、夏場はプールということで、相当の数の利用者があり、当初は計画どおりに進んでいたと思う。
- しかしながら、プールについては、その後、市内にもグリーンプールや北の丘センターができ、民間のプールも増え、需要が少なくなってきた。
- 採算はその都度見直しているが、近年は費用対効果として、運営にかかる経費と入場料等で賄える部分のバランスの面で、なかなか立ち行かなくなってきた。
- その点では、計画倒れというのは否めないところであり、整備した当初の計画とのずれは、今お示しできないが、そうしたことも含め、このまま全部の施設を維持していくのは難しくなることから、集約化や民間委託、クラウドファンディング、閉鎖、売却などの手法を使いながら、維持できる施設はなるべく維持し、複合化できる施設は複合化し、機能を維持しようと考えているものである。
- ●参加者(2)
- 財政局長のお答えだと、利用者数が減ってきたから採算が合わず、赤字に陥ったということでよいのか。
- 逆に、来場者数を増やせば、黒字経営ができ、施設を維持できるということになるのかということになるので、その原因や分析だけでは納得しかねる。
- 〇財政局長
- 基本的には、来場者の数と料金収入というところでの運営となるが、それ以外にも、築20年以上経過し、施設の構造的なものに起因する経費が生じることや、これまでのフロンガスが使えなくなり、熱の媒体が変わったことでの経費増が出ている。
- 存続を考えれば、入場料や利用者数を増やすこともあるし、他にも民間が有するノウハウや創意工夫により、収入増や経費抑制も考えられ、そうしたことを通じて、収支のバランスを取っていくことが必要になってくると思う。
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