令和3・4年度 第5回 タウンミーティング「まちかど市長室」開催結果(報告)
- 実施日:令和4年4月16日(土曜日)午後3時30分から5時10分まで
- 会場:相武台公民館 2階 大会議室
- 参加者:公募による市民8名
- 傍聴者:0名
- テーマ:相模原市行財政構造改革プランについて
市長からの説明(行財政構造改革プラン策定の背景や目的等)
- タウンミーティング「まちかど市長室」に参加いただき感謝申し上げるとともに、皆さんからの忌憚のないご意見をお伺いし、対話をしながら、今後の市政運営に活かしてまいりたい。
- この3年間、市長として相模原市の行政に携わり、実務経験を重ねてきた中で感じたのは、市長になる前に外から見ていた相模原市と、市長になってから実際に目の当たりにした相模原市では、残念ながら、大きな違いがあったことである。
- 例えば、本市には多くの大型事業があるものの、これまで財政面での中長期的な見通しが甘く、財源の裏付けのない事業計画をいくつも抱え込んでいた状況であった。
- そのような背景の中で、改めて令和3年度から9年度までの7年間の長期財政収支を試算したところ、累計で約816億円の歳出超過が見込まれるという推計結果となった。
- また、本市の経常収支比率(市税などの経常的に入ってくるお金を、扶助費などの固定的・義務的な経費に充てる割合)は、令和元年度99.8%、令和2年度98.2%となっており、これを家庭に例えると、毎月の給料のほぼ全額を食費、光熱費、ローン返済等の固定的な経費に使っていて、自由にやりたいことや新しいことに使えるお金がほとんどないことを示している。
- この比率をもっと下げて、自由な財源をしっかり確保し、市民の皆さんとの対話の中で生まれてくる、希望や要望に充てられるようにしなければならない。
- 市の貯金とも言える「財政調整基金」は、平成25年度は約133億円であったが、令和元年度には約68億円に半減しており、令和3年度決算では約147億円まで一時的に回復する見込みであるが、将来的な多くの財政出動にも対応できるよう、しっかりと確保しておく必要がある。
- そうした状況を看過せず、未来の子ども達や孫の世代に誇れる相模原を創っていきたいという思いから、昨年4月には全国初の「シビックプライド条例」の制定やSDGsの推進に取り組んできたが、これらの取組の理念と同じく、持続可能で、誰一人取り残さないまちづくりをしていかなければならないという考えのもと、昨年4月に行財政構造改革プランを策定した。
- 改革と言うと暗いイメージになりがちだが、今回の取組は、職員の体質も含め行財政の構造を抜本的に改革していくことであり、その真の目的は、持続可能な行財政基盤を築くことにある。
- 厳しい取組ではあるが、市民の皆さんとともに乗り越え、その先にある、私たちが描いている相模原市を創り、「子育てするなら相模原」、「学ぶなら相模原」、「起業するなら相模原」、「第二、第三の人生を楽しむなら相模原」というように、多くの皆さんが相模原市を選んでいただき、そして次世代を担う子どもたちが笑顔で暮らせるまちを目指して、この行財政構造改革を成し遂げてまいりたい。
- 市長として、72万市民の皆さんの安全・安心を第一に考え、20年後、30年後に、行財政構造改革をやってよかったと思っていただけるよう、尽力していく決意である。
- 今後も、市民の皆さんと膝を突き合わせて対話をしながら、様々な方策を考えて発信していきたいので、ご理解とご協力をお願い申し上げる。
意見交換の主な内容
●:参加者の発言 ◎:市長の発言 〇:局区部長の発言
- ●参加者(1)
- 事前に資料送付をしていただくとともに、参加者のビデオ撮影・録音を認めていただくようお願いしたい。
- 他市に比べて高い扶助費がなくなることは、相模原市の強みがなくなることであると思う。
- 人口流入について、「シビックプライド条例の効果が出ている」と評価しているが、実際にその効果が出るのは、3年、4年先である。
- 職員の評価方法の見直しをしてほしい。市長が評価対象とするのは、副市長3名、局長11名で十分である。
- 〇SDGs・シビックプライド推進担当部長
- ビデオ撮影・録音は検討させていただくとともに、資料の事前送付についても対応させていただきたい。
- 人口流入の評価は、市としてそうした認識を持ちつつも、それが全てではなく、様々な要因があると考えている。
- 今後も、シビックプライドの向上やシティプロモーションに取り組み、様々な方に本市のことに関心を持ってもらえるよう努めたい。
- 〇市長公室長
- 職員評価制度は、評価の在り方や職員のモチベーション向上など、今後、見直しの検討を行い、市民の皆さんへの還元につなげたい。
- ◎市長
- 市議会の100条委員会で職員が証人喚問や参考人招致されており、辛く感じているが、これまでの組織風土・体質がそうした状態を生んでしまったと考えている。
- そうした点を改革するために、できるだけ多くの職員と膝を突き合わせ、対話をするようにしている。
- 職員評価についても、これまでの片方評価から、若手が幹部職を評価するという双方評価の導入を検討している。
- やる気のある若手職員を中心に、下水道関連の普及啓発を行うためのSGPP(さがみはら下水道PRプロジェクト)や、脱ハンコ、中山間地域対策、脱炭素対策などのプロジェクトチームを作り、積極的に推進している。
- 職員に対し、市民の皆さんからのご批判や厳しい意見を私に伝えるとともに、組織の縦割りの弊害をなくし、局間等の横の連携を進めるよう指示をしている。
- ●参加者(2)
- 現段階で、図書館相武台分館の取壊し、廃館は決定なのか。
- 決定であれば、その時にどこで図書館機能を考えているのか、また、読み聞かせの公演に必要な機材を収納できる倉庫がある施設の提案をしたい。
- 〇教育局長
- 図書館相武台分館は、昭和54年に開館し、40年以上経過しており、改革プランでは第2期中の廃止としている。
- 廃止に当たっては、学校の空き教室の活用や図書室機能を公民館に設けることなども含め、地域の皆さんと十分な話合いを行い、ご意見を伺いながら進めていきたい。
- 収納倉庫については、お話会(読み聞かせ)が図書館との共催事業でもあることから、共に検討させていただきたい。
- ◎市長
- 分館は約4万3千冊の蔵書で、特に児童書が多いと伺っており、その機能を皆さんのご活躍の場も含めて、次の場所に考えていきたいと思っている。
- 場所に関しては、この相武台公民館や、もえぎ台小学校の将来的な地域利用の中でも可能性を探っていきたい。
- ●参加者(3)
- 現在の相武台分館の土地や建物、その横の公園は市のものなのか。
- 図書館と同等の建物を南の地区にもうひとつほしい。空き教室の活用ではなく、大きなスペースの中に本があり、そこでお話会もできるようなものがほしい。
- 〇教育局長
- 現在の相武台分館は、土地・建物共に寄附をいただき、市の所有となっている。
- 市としては、大きな図書館は今の3館を中心とした機能の充実を図ることとしており、南西部方面に図書館を設ける考えはない。
- ◎市長
- グリーンパークの建設に伴い、住友不動産から公園、分館、消防団施設の寄附をいただき、市の財産となっている。
- 図書館機能に関し、分館を新しいところに移動した時に、充実した環境を作っていきたいと思っているので、皆さんの声を今後も伺ってまいりたい。
- ●参加者(4)
- 収入を稼ぐことも大事で、岩手県の紫波町では、「オガールプロジェクト」というものに取り組んでおり、全国から視察が来るような成功事例となっている。
- 民間の力を使い、日本初のバレーボール専用体育館や合宿施設を整備したことで、人口3万人のまちに年間80万人が訪れるようになった。
- この事例には、まちづくりのいいヒントが隠れていると思うので、是非、視察していただきたい。
- 〇総合政策・少子化対策担当部長
- 市でも、市内の企業の方との交流として「地域プラットフォーム」という勉強会を行っており、先々はPFI事業等にもつなげていけるような形を研究している。
- 「オガールプロジェクト」についても、研究させていただきたい。
- ◎市長
- 千葉県の流山市は、人口流入が多く、子育て世代も多く、税収も増えているなど、色々と学ぶ点があり、視察に行こうと考えている。
- 紫波町の事例も含め、全国の良い事例を参考にし、ブラッシュアップさせて相模原市らしい政策に仕上げていきたいと思う。
- ●参加者(5)
- 職員の意識改革について、例えば市役所も一企業として捉え、職員が市民はお客様だという意識を持っていただくことが大事である。
- 市の協働事業提案制度に関し、作成書類が多いので、減らすことや職員が作成を支援してくれるサービスがあれば良いと思う。
- ケアラー支援に関する、本年度の相模原市の予算はどの程度か伺いたい。
- 〇財政局長
- ケアラー支援に関する個別の予算については、別途、回答させていただきたい。
- 協働事業提案制度に限らず、書類の削減や電子化を進めているが、まだできていない部分もあるので、ご意見を所管に伝えさせていただく。
- ◎市長
- 市役所が一企業として取り組むという考え方は、大事である。
- 職員は真面目だが、発想の転換が弱いので、失敗を恐れず、大胆にチャレンジして相模原市を変えて行くことを呼びかけている。
- ケアラー支援については、今後、力を入れていきたいと思っており、本年度、ヤングケアラー等のいる家庭に対する家事支援の予算を新たに計上している。
- ●参加者(6)
- 地方交付税は国税と言っても、本来、市の財源となるものであるから、積極的に獲りに行ってもらいたいと思う。
- 国有提供施設等所在市町村助成交付金も、相模原市には様々な国有施設があるが、これも単価が低いと思う。
- 職員の人材育成は、上に立つ者がある程度先導し、しっかりとしたビジョンを持っていれば、若い方もついてくるので、しっかりと取り組んでほしい。
- 〇財政部長
- 財政当局として、地方交付税はしっかりと確保していく所存である。
- 人口が増えることは、地方交付税が増える要因の1つであると言えるので、施策の面からは、人を増やす取組が必要と考えている。
- 〇市長公室長
- 職員の人材育成が重要であることから、これまで係相当であった人材育成の部署を「人材育成課」とし、更なる取組を進めている。
- 上に立つ者がしっかりと部下を見て、育てていくという職場の風土づくりが重要であるので、そうした観点を基に取り組んでまいりたい。
- ◎市長
- 地方交付税も含め、国の施策を注視しながら、獲れるべき予算をしっかりと獲りにいきたい。
- 国有施設は市内に多くあるが、その分の固定資産税や都市計画税が入らず、その代償は割に合わない交付金でしか入ってこないので、国に対し要望してまいりたい。
- 人材育成も大事だと考えており、私自身も職員の前で講話をするほか、民間の方を参与として2人置き、人材育成やコンプライアンスの推進などにも取り組んでいる。
- ●参加者(7)
- 地域のお子さんに昔話や絵本を読むなどのボランティアをしており、分館の職員と共にお話会を開催している。
- 分館に係る署名の市長のお答えとして、「図書館」ではなく、「図書室機能」となっているので、その違いが気になる。
- 分館の場所を変えるのであれば、落ち着いて本を読めるスペースやお子さんのスペース、本の専門家を置くことなども検討していただきたい。
- 〇教育局長
- 現在のところ、図書室機能ということで考えているが、課題や在り方など各団体や地域の皆さんと話合いをさせていただき、ご意見をお伺いしたい。
- ◎市長
- 今後の議論になると思うが、どういう形にして行くかはまだ決まっていないので、是非とも、意見をお聴かせいただきたい。
- 図書館は、子どもからシニア世代まで、多くの皆さんが集える大事な場所であるので、意見交換しながら方向性を考えていきたい。
- ●参加者(8)
- 分館は立地条件が良く、隣に公園もあり、お子さんがわくわくできる所であり、また、高齢者にとっても憩いの場所であり、それがなくなることは残念である。
- 「図書室機能」でなく、「図書館機能」として残してほしいが、早めに今後の方針などを提示していただきたいと思う。
- 〇教育局長
- 施設は開館後40年以上経過し、第2期中の廃止としているので、皆さんのご意見をお伺いしながら検討を進めていきたい。
- ◎市長
- 既存の施設に手を付けるということは、市民の皆さんが愛着を持っているので、辛い選択ではあるが、人口減少社会の中では、それらを全て残すことは厳しく、「選択と集中」をしなければならない。
- 皆さんと対話をして、今まで以上に使いやすい施設、誇りに思える機能を持った形に変えられることがいいと思っている。
- 市民の皆さんの考えと行政としての考えを出し合い、より良い着地点を見出すために、対話を重ねていきたいので、今後ともご意見やご提言をいただきたい。
- ●参加者(1)
- これからが出発であり、ぜひ、市民の声を反映させていただきたい。
- PDCAサイクルを使った人事評価で、市長が、副市長と局長をしっかりとコントロールして取り組んでいただきたい。
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