令和3・4年度 第3回 タウンミーティング「まちかど市長室」開催結果(報告)
- 実施日:令和4年3月26日(土曜日)午後2時から3時40分まで
- 会場:藤野総合事務所 4階 会議室
- 参加者:公募による市民10名
- 傍聴者:3名
- テーマ:相模原市行財政構造改革プランについて
市長からの説明(行財政構造改革プラン策定の背景や目的等)
- タウンミーティング「まちかど市長室」に参加いただき感謝申し上げるとともに、皆さんからの忌憚のないご意見をお伺いし、対話をしながら、今後の市政運営に活かしてまいりたい。
- この3年間、市長として相模原市の行政に携わり、実務経験を重ねてきた中で感じたのは、市長になる前に外から見ていた相模原市と、市長になってから実際に目の当たりにした相模原市では、残念ながら、大きな違いがあったことである。
- 例えば、本市には多くの大型事業があるものの、これまで財政面での中長期的な見通しが甘く、財源の裏付けのない事業計画をいくつも抱え込んでいた状況であった。
- そのような背景の中で、改めて令和3年度から9年度までの7年間の長期財政収支を試算したところ、累計で約816億円の歳出超過が見込まれるという推計結果となった。
- また、本市の経常収支比率(市税などの経常的に入ってくるお金を、扶助費などの固定的・義務的な経費に充てる割合)は、令和元年度99.8%、令和2年度98.2%となっており、これを家庭に例えると、毎月の給料のほぼ全額を食費、光熱費、ローン返済等の固定的な経費に使っていて、自由にやりたいことや新しいことに使えるお金がほとんどないことを示している。
- この比率をもっと下げて、自由な財源をしっかり確保し、市民の皆さんとの対話の中で生まれてくる、希望や要望に充てられるようにしなければならない。
- 市の貯金とも言える「財政調整基金」は、平成25年度は約133億円であったが、令和元年度には約68億円に半減しており、令和3年度決算では約147億円まで一時的に回復する見込みであるが、将来的な多くの財政出動にも対応できるよう、しっかりと確保しておく必要がある。
- そうした状況を看過せず、未来の子どもたちや孫の世代に誇れる相模原を創っていきたいという思いから、昨年4月には全国初の「シビックプライド条例」の制定やSDGsの推進に取り組んできたが、これらの取組の理念と同じく、持続可能で、誰一人取り残さないまちづくりをしていかなければならないという考えのもと、昨年4月に行財政構造改革プランを策定した。
- 改革と言うと暗いイメージになりがちだが、今回の取組は、職員の体質も含め行財政の構造を抜本的に改革していくことであり、その真の目的は、持続可能な行財政基盤を築くことにある。
- 厳しい取組ではあるが、市民の皆さんとともに乗り越え、その先にある、私たちが描いている相模原市を創り、「子育てするなら相模原」、「学ぶなら相模原」、「起業するなら相模原」、「第二、第三の人生を楽しむなら相模原」というように、多くの皆さんが相模原市を選んでいただき、そして次世代を担う子どもたちが笑顔で暮らせるまちを目指して、この行財政構造改革を成し遂げてまいりたい。
- 市長として、72万市民の皆さんの安全・安心を第一に考え、20年後、30年後に、行財政構造改革をやってよかったと思っていただけるよう、尽力していく決意である。
- 今後も、市民の皆さんと膝を突き合わせて対話をしながら、様々な方策を考えて発信していきたいので、ご理解とご協力をお願い申し上げる。
意見交換の主な内容
●:参加者の発言 ◎:市長の発言 〇:局区部長の発言
- ●参加者(1)
- イベント等を通じて人と人が交流することが大事である。
- 高齢化により、移動のための足の確保が難しくなるため、その対策が必要である。
- 二、三代続いている数少ない商店が今後も継続できるように支援が必要だと思う。
- 買い物が不便な方への対策の一つとして移動販売があり、津久井地区でも民間の商業者が行っている例を承知している。
- 地元の方々の買い物ニーズやのお店の実態などを把握し、民間事業者と協力して移動販売を新たに実施できないか取り組んでいきたい。
- ◎市長
- 交通不便地区が大きな課題であると感じている。
- 藤野地区では路線バスの撤退の話があり、財政的な支援を行って路線を確保した。
- 移動販売を念頭に考えているが、全国の事例も参考にしながら、良い考えがあれば教えていただきたい。
- ●参加者(2)
- 牧郷体育館は「地域への譲渡又は廃止」とされているが、地域で活用や維持費をどうすればいいのか。
- 牧郷体育館は様々な団体が活用しているが、施設の今後の在り方はどうなるのか。
- 〇総合政策部長
- 今後、地域でどのように修繕や維持をしていけばいいのかを検討中で、具体的なことは、地域の皆さんと相談しながら進めていきたい。
- 牧郷体育館は、行財政構造改革で方向性を打ち出したが、今後、皆さんとの対話が大事だと思っている。
- 避難場所にも指定されており、重要な施設であるので、適切な使い方について皆さんと対話していきたい。
- ●参加者(3)
- 藤野商工会青年部の活動として、SDGsの推進、地元に根付いた災害対策の継続、子どもたちの教育を掲げており、市と共に取り組んでいきたい。
- 商工会の組織の一部である「ふじの里山くらぶ」では、森の再生プログラムを手作業で行っており、災害に強い山づくりやイベントを行っている。
- 子どもが野球をしているが、グラウンドの使用料が高騰しているので、地域に優遇されるような仕組みを検討願いたい。
- 〇総合政策部長
- SDGsについては、引き続き団体や企業にパートナー登録いただくとともに、今後、様々な強みを持つパートナー同士のマッチングを進めたい。
- 地域防災は、自助、共助の取組が大事であり、市としても意見交換しながら、可能な支援をさせていただきたい。
- 子どもたちに地域の仕事を学んでもらうことは、相模原市での仕事従事や地域に戻りたいと思ってもらえる取組であると考えている。
- 森の再生やイベントの取組は、市として周知などのお手伝いができると思う。
- 受益と負担の観点からグラウンドの使用料をいただいているが、その在り方は一定ではなく、利用実態などを勘案し、試行錯誤しながら考えていきたい。
- ◎市長
- スポーツ施設は、相模総合補給廠の共同使用区域内へのスポーツ・レクリエーションパーク整備や、令和5年度に向けた小山公園ニュースポーツ広場のリニューアルを考えている。
- 施設使用料は、受益者負担の考えがある中で今すぐに下げることはできないが、皆さんの意見や考えを踏まえて対応していきたい。
- ●参加者(4)
- 現在の市営斎場は遠く、近隣の火葬場を利用している状況もある。
- (仮称)新斎場の整備は、「検討・調査を実施する」となっているが、具体的な実施はいつ頃になる予定か。
- 〇総合政策部長
- 津久井の青山を最終的な候補地として検討しているが、安全な斎場整備のための土砂災害対策の必要性が課題となっている。
- 検討・調査を行うこととしているが、整備までの間の火葬需要への対応として、現在の市営斎場の火葬枠を増やすなどの努力をしていきたい。
- 近隣の斎場利用なども含め、現在の状況も伺いつつ、一方でどれだけの対策が必要か設計や調査を行わなければならないので、今少しの時間をいただきたい。
- ◎市長
- (仮称)新斎場は、令和元年の東日本台風で候補地に土砂が流入した経過があり、その対策等が必要となり、事業費規模の見込みが膨れている。
- 新斎場整備のニーズや近隣斎場の使用料助成など、様々なシミュレーションを行いつつ計画を進めていくが、今後も皆さんのご意見をお聴きしていきたい。
- ●参加者(5)
- 県道76号は狭いので、大型バスでもゆったりと走るようにしてもらいたい。
- 神之川線が通れず、青根の人達が不便を感じていると聞いている。
- 〇都市建設局長
- 県道76号は、現在、藤野小学校前の追分交差点を工事しており、令和2年の台風被害で若干工事が遅れているが、本年10月に完了する予定である。
- その南側のやまなみ公園までは、狭く危険な箇所から重点的に整備することを「第二次新道路整備計画」に盛り込み、順次工事を進めていく考えである。
- 青根から山北に抜ける道路は、神奈川県の県営林道であり、いただいたご意見を県へ伝えさせていただきたい。
- ◎市長
- 日連の追分交差点の工事は、台風被害の影響もあり、当初の予定より遅れが出ていることを申し訳なく思っている。
- やまなみ公園まで続く道路は、市が用地買収している所もあるので、そこから先行して整備を進めていきたい。
- 第二次新道路整備計画には、選択と集中により26本の道路を盛り込んでおり、76号は時間がかかるとは思うが、危険箇所について改良工事を進めていきたい。
- ●参加者(6)
- 高齢化により運転免許の返納をする人が増えているので、今後の足の確保をお願いしたい。
- 佐野川では「いくべぇカー」という移動の支援を行っているが、今後は医療の支援についても必要になってくると感じている。
- 戦後に植えられた杉の木が巨木化し、その影響で日照時間が短くなっていることや、雪が溶けないということが起きているので、対策を考えてほしい。
- 藤野に移住したいという方へ向けて観光協会で移住体験ツアーを行っているが、今後、地域の過疎化対策をお願いしたい。
- 〇都市建設局長
- 藤野地区では、公共交通機関であるバスの維持確保のための赤字補填、デマンド交通、乗合タクシーなどの取組を行っている。
- 足の確保については、今後も地域の方々と相談させていただき、望ましい対策を考えていきたい。
- 〇緑区長
- 緑区役所においても、中山間地域対策として、人を呼び込むことに努めているところで、地域の皆さんの声を聴きながら取り組んでいきたい。
- また、こうした取組は、より多く発信して皆さんに知っていただくことが重要なので、ご意見を伺いながら、しっかりと進めていきたい。
- ◎市長
- 医療については、将来的には、在宅診療や訪問医療、オンライン診療など、市民の皆さんの声などを聴きながら、寄り添った対応をしていきたい。
- 佐野川の杉の木は、オリンピックのキャンプ村で使用され、その後は市に戻ってきて、様々な場所で再利用されている。
- 東日本台風の経験から、森林の手入れの重要性を再認識しており、来年度は県の部長職であった方を本市職員として招き、森林政策課を中心に取り組む考えである。
- 本市は市域の6割が緑地であり、神奈川県の水の6割を供給していることからも、自然の恵みを大事にしていきながら、取り組んでいきたい。
- 旧津久井4町地域でそれぞれ実施している駅伝大会が、隔年開催になると伺っているが、今後、オリンピックの自転車ロードレースのコースを使った駅伝大会を、レガシーとして開催してはどうか。
- 〇市長公室長
- 津久井地域の4つ大会は、地元の実行委員会をはじめとした皆様の熱意に支えられて、長い間続けてこられたものと感じている。
- また、近年は地元の方々の負担も多いと伺っており、ご苦労もあったと承知している。
- 建設的なご意見、ご提案として持ち帰らせていただき、より良い形を皆さんとともに考えていきたい。
- ◎市長
- 本来ならば4つの大会全てを継続したいが、行財政構造改革の中で、例えば公共施設については、近隣施設との集約化などを掲げている。
- 4地区の皆様が集まって新しいものを生み出していくのも、これからの時代に相応しいと思うので、前向きなご提案として検討させていただきたい。
- ●参加者(8)
- 高齢者の活用について、人生100年時代の中で、体力も気力も充実し、経験も豊富な方も多いので、市職員のOBに限らず、民間のOBも活用してはどうか。
- 歳入確保策として、企業誘致の促進、地場産業の育成、市施設での太陽光発電の導入が考えられ、特に企業誘致は、東京事務所を活かし、企業に働きかけてはどうか。
- 〇総合政策部長
- 例えば、審議会の市民公募委員にはリタイア世代も多く、様々なキャリアを持つ方々からの知恵をいただくことで、有意義な市政を進めることができると思う。
- また、様々な所で地域貢献をされている方がいらっしゃることから、そうしたニーズも多いということを認識しながら、政策を考えていきたい。
- 東京事務所は、最近は民間にターゲットを絞って活動する自治体も多くあることからも、時代に合わせてその役割や活用を変化させる必要を感じている。
- ◎市長
- 高齢者の活用に関しては、様々なスペシャリストである方々が、健康増進のひとつである外出のきっかけやチャンスを作っていただくことにもなる。
- 法令や条例に縛られる行政のまちづくりには限界があるので、皆さんの方からできることを発信していただき、マッチングしながら良いまちづくりをしていきたい。
- 企業誘致については、東京事務所をしっかりと機能させ、新たな役職として設ける企業誘致担当部長とも連携させながら、積極的に取り組みたい。
- 近くに乳幼児の一時預かりを気軽に利用できる所があれば、子育て世代の活躍の場が広がると思うので、検討してほしい。
- 仕事や用事の際に親に見てもらうことができない時に、託児所など、利用できるところがあると助かる。
- 相模湖林間公園は、フリースペースとして子どもが遊べる場所があるので、名倉グラウンドも、遊べる場所として解放されるとありがたい。
- 〇総合政策部長
- 現在、令和5年度設置予定の藤野こども園の整備を進めているが、その中で一時保育を検討している。また、相模湖こども園では一時保育を実施している。
- ◎市長
- 病児保育については、町田市・八王子市とも連携しており、緑区では相模原協同病院に設置している。
- 今後も、広域連携をしながら、子育てしやすい環境を作っていきたい。
- ●参加者(10)
- 市で行っている支援や給付金・助成金・補助制度などについて、全ての年齢層の方々に周知してもらいたいが、どのように周知されているのか。
- 〇総合政策部長
- 新型コロナウイルスに関する問い合わせ先として、「新型コロナ暮らし・経済支援ダイヤル」を設置しており、市に限らず国や県で行っている支援策もお知らせしている。
- そのほかにも、広報さがみはら、市ホームページ、市LINE公式アカウント・Facebookなどで周知させていただいている。
- 市民の皆さんへの情報提供について、より有効な方法などがあれば、ご提案やご意見をお寄せいただきたい。
- ◎市長
- 市民の皆さんへの情報提供はプッシュ型で取り組む必要があると考えおり、例えばワクチン接種の予約に関し、「ひばり放送で流してほしい。」という声を受け、対策を取らせていただいた。
- 市からの情報提供や周知は最大の課題であると捉えているので、より良い方法などについて、皆さんからもお知恵を頂戴したい。
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