課税の特例(分離課税)
市・県民税(住民税)の所得割は、各種の所得金額を合計して税額を計算する総合課税を原則としていますが、退職所得や土地・建物・株式などの資産を譲渡した場合の所得、申告分離課税制度を選択した上場株式等の配当所得、先物取引に係る雑所得については、他の所得と区分して、分離課税の方法により課税する特例が設けられています。
なお、納入方法等の詳細について「退職所得に係る市民税・県民税の納入について」(事業者の方(個人事業主を含む)向けのページ)に記載しております。
退職所得の課税の特例
退職所得に対する市・県民税については、所得税と同様に、退職所得の発生した年に他の所得と区分して退職手当等が支払われる際に支払者が税額の計算をし、支払金額から特別徴収して市区町村へ申告納入することとされています。
納税義務者
退職手当等の支払いを受けるべき日(通常は、退職した日)の属する年の1月1日現在に、相模原市に住所のある人です。
※死亡により支払われる退職金の場合は相続税の対象となるため、市・県民税は課税されません。
税額の計算
退職所得の算出方法
(収入金額(退職手当等)- 退職所得控除額) × 2分の1(千円未満の端数がある場合は千円未満の金額を切り捨てる)
退職所得控除額の計算
勤続年数が20年以下の場合…40万円 × 勤続年数 (80万円に満たないときは、80万円)
勤続年数が20年を超える場合…70万円 ×(勤続年数-20年) + 800万円
- 障害者になったことが原因で退職した場合には、上記の金額に100万円を加算した金額が控除されます。
- 勤続年数の1年未満の端数は切り上げます。
令和4年1月1日以降に支払われる退職手当等について
役員等以外の者としての勤続年数が5年以下である者に対する退職手当等(短期退職手当等)について、その退職所得金額の計算方法が改正されます。
2分の1課税の適用について
- 退職手当が特定役員退職手当等(※)である場合、収入金額から退職所得控除額を差引いた額が退職所得となります。(2分の1課税措置の適用無。)
※特定役員退職手当等・・・役員等(法人税法上の法人役員、国会議員・地方公共団体の議会の議員、国家公務員・地方公務員)で、勤続年数5年以下である方が支払を受ける退職手当 - 短期退職手当等である場合も、退職所得控除額を控除した残額が300万円を超える部分についても収入金額から退職所得控除額を差引いた額が退職所得となります。(2分の1課税の適用無。)
項目 | 勤続年数が5年以下 | 勤続年数が5年超 |
---|---|---|
役員等以外 | 2分の1課税適用:あり |
2分の1課税適用:あり |
役員等 |
2分の1課税適用:なし(特例役員退職手当等) |
2分の1課税適用:あり |
項目 | (退職手当等の支払金額)-(退職所得控除額)の金額 | 勤続年数が5年以下 | 勤続年数が5年超 |
---|---|---|---|
役員等以外 |
300万円以下 | 2分の1課税適用:あり(短期退職手当等) | 2分の1課税適用:あり |
役員等以外 |
300万円超 |
2分の1課税適用:なし(300万円を超える金額)※300万円までの金額 2分の1課税適用:あり(短期退職手当等) |
2分の1課税適用:あり |
役員等 | ― |
2分の1課税適用:なし(特定役員退職手当等) |
2分の1課税適用:あり |
市民税特別徴収税額の算出方法
退職所得の金額 × 6パーセント (100円未満端数切捨て)
県民税特別徴収税額の算出方法
退職所得の金額 × 4パーセント (100円未満端数切捨て)
※平成30年度に総合課税やその他分離課税の所得割は税率の変更がありましたが、退職所得に対する分離課税は税率の変更がありません。
計算例
勤続年数24年2カ月、退職金14,223,632円の場合
退職所得控除額の計算
勤続年数は25年で計算します(1年未満切り上げのため)。
700,000円×(25年-20年)+8,000,000円=11,500,000円
退職所得の金額計算
(14,223,632円-11,500,000円)×1/2=1,361,816…1,361,000(1,000円未満切捨て)
退職者所得の金額は1,361,000円になります。
税額の計算
1,361,000円×6%=81,660…81,600円(100円未満切捨て)
市民税81,600円
1,361,000円×4%=54,440…54,400円(100円未満切捨て)
県民税54,400円
81,600円+54,400円=136,000円
市民税と県民税の合計136,000円が税額になります。
譲渡所得の課税の特例
個人が土地や建物等を売ったときは、売った土地や建物等の所有期間などによってその課税のしくみが異なります。
土地や建物等の所有期間が、譲渡した年の1月1日に、5年を超えるものを長期譲渡、5年以下のものを短期譲渡といい、それぞれの算式により税額を計算します。
長期譲渡所得の計算
- 税額=課税長期譲渡所得金額×税率
(税率=市民税 4パーセント、県民税 1パーセント、所得税 15パーセント) - 課税長期譲渡所得金額=長期譲渡の収入金額-必要経費-(注1)特別控除額
なお、優良住宅地の造成等のための譲渡、一定の居住用財産の譲渡等の場合は、別の税率によります。
短期譲渡所得の計算
- 税額=課税短期譲渡所得金額×税率
(税率=市民税 7.2パーセント、県民税 1.8パーセント、所得税 30パーセント) - 課税短期譲渡所得金額=短期譲渡の収入金額-必要経費-(注1)特別控除額
なお、国や地方公共団体への譲渡等については、別の税率によります。
(注1)特別控除額(1年間で合計5,000万円が限度となります。)
- 譲渡の理由1 収用事業のために、土地や建物などを譲渡した場合
特別控除額 5,000万円 - 譲渡の理由2 自分が住んでいる家屋やその敷地を譲渡した場合
特別控除額 3,000万円 - 譲渡の理由3 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合
特別控除額 2,000万円 - 譲渡の理由4 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合
特別控除額 1,500万円 - 譲渡の理由5 農地保有合理化等のために農地等を譲渡した場合
特別控除額 800万円 - 譲渡の理由が1から5に該当しない場合
特別控除額 0円
株式等に係る譲渡所得の計算
- 税額=株式等に係る譲渡所得の金額×税率
(税率=市民税4パーセント、県民税1パーセント、所得税15パーセント) - 株式等に係る譲渡所得金額=株式等に係る譲渡の収入金額―必要経費
上場株式等配当所得の計算
- 税額=上場株式等配当所得金額×税率
(税率=市民税4パーセント、県民税1パーセント、所得税15パーセント) - 上場株式等配当所得金額=上場株式等に係る配当等の収入金額―株式などの元本取得のために要した負債の利子
先物取引に係る雑所得の計算
- 税額=先物取引に係る雑所得金額×税率
(税率=市民税4パーセント、県民税1パーセント、所得税15パーセント) - 先物取引に係る雑所得金額=先物取引に係る収入金額―必要経費
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