伝染性膿痂疹(とびひ)
とびひとは民間で言われる俗名で、伝染性膿痂疹(のうかしん)が正式病名であり、細菌による皮膚の感染症です。接触によってうつり、火事の飛び火のようにあっと言う間に広がるので「とびひ」と呼ばれています。黄色ブドウ球菌が原因で生じる水泡性膿痂疹と、溶血性連鎖球菌の単独あるいは黄色ブドウ球菌との混合感染により生じる痂皮(かひ)性膿痂疹の2つの型がありますが、後者は日本ではまれです。
- 季節
初夏から夏にかけて多い病気ですが、最近では冬にもみられます。 - 好発年齢
子どもに多い病気ですが、大人にも伝染します。 - 潜伏期間
潜伏期間はおおよそ2日から5日間ですが、感染した菌の量や傷の状態によって様々です。 - 症状
転んでできた傷やあせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたところに細菌が感染することによって炎症を起こし、かゆみを伴った水疱ができます。また、水疱性膿痂疹の原因菌は鼻の入り口の粘膜についているため、鼻から始まることがよくあります。水疱は容易に破れてびらん面を形成し、かきむしると水疱内容液や分泌物が飛び散り、その周辺や別の部位に広がっていきます。痂皮性膿痂疹は、季節に関係なく、膿を持った水泡ができ、それがつぶれて厚い黄褐色の痂皮(かさぶた)を形成します。ときに発熱や腎炎を併発することがあります。
感染を予防するには
とびひを引き起こす原因となる虫刺されや外傷、湿疹は速やかに治療しましょう。毎日の入浴やシャワーでせっけんを使い、常に皮膚を清潔に保つように心がけ、手洗いを励行(れいこう)し、爪を短く切って、かきむしったり、皮膚に傷をつけたりしないようにさせることが大切です。また、鼻には原因菌が多く常在していますので、小児には鼻孔に指を突っ込まないように指導します。
かかってしまったら
水疱やびらんを手でかきむしらないように気をつけ、爪は短く、丸く切って、清潔にしておきます。せっけんをよく泡立て、こすらないように洗い、シャワーやかけ湯で十分に洗いましょう。入浴後は抗生物質の軟膏を塗布した上に、ガーゼや包帯で保護して、水泡から染み出た液体が他の部位や他の人につかないようにしましょう。完全に治りきらないうちに抗生物質やめてしまうとぶり返すことがあります。他の人に移す恐れがありますので、プールや水泳は完全に治るまでは我慢しましょう。
学校保健法における取り扱い
学校保健法では「第三種の伝染病」の「その他の伝染病」に区分されており、「炎症症状の強いもの、広範なものについては、直接接触を避けるよう指導が必要である。」とされ、通常出席停止の措置は必要ないと考えられています。学校や幼稚園などで水泳を行う場合、相模原市では「治ゆ証明書」が必要となります。
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