急性出血性結膜炎
急性出血性結膜炎は主としてエンテロウイルス70(EV70)とコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)の二つのエンテロウイルスによってひきおこされる激しい出血症状を伴う結膜炎です。両ウイルスともヒトからヒトへ直接接触伝播(でんぱ)します。アポロが月面着陸した1969年に最初の世界的流行がありましたのでアポロ病のニックネームがついています。
- 季節
特別な季節性はみられませんが、全国的には夏から冬にかけて多く報告されています。 - 好発年齢
幅広い年齢層で報告がありますが、6歳から7歳以下、特に1歳から4歳に多く、ときに 20歳から30歳代にもやや多くみられています。 - 潜伏期間
潜伏期はエンテロウイルス70が平均24時間であるのに対し、コクサッキーウイルスA24変異株では2日から3日とやや長い傾向にあります。 - 症状
突然の強い目の痛み、異物感や異常にまぶしさを感じるといった症状で始まり、結膜の充血、特に白目にポツポツとした点状の出血がみられる結膜下出血を伴うことが多いです。眼瞼(がんけん)の浮腫(まぶたの腫れ)、めやに、結膜濾胞(ろほう)、角膜表層の弥漫(びまん)性混濁が高頻度にみられ、全身症状としては頭痛、発熱、呼吸器症状などがみられます。通常、約1週間で治癒しますが、エンテロウイルス70ではごくまれに罹患(りかん)後6カ月から12カ月に四肢に運動麻痺をきたすことがあるので、経過観察をする上で注意が必要です。
感染を予防するには
予防の基本は接触感染予防の徹底です。涙・めやにに触れた手などから感染しますので、手を流水と石鹸でよく洗い、タオルなど目に触れるようなものは、人と共有しないようにしましょう。
かかってしまったら
治療方法は現在のところウイルスに有効な薬はなく、通常、炎症を抑え、細菌による二次感染を防止するための目薬を使用します。目を触らないように極力気をつけ、涙やめやにはティッシュペーパーなどで拭き、涙やめやにがついた手は十分に洗いましょう。また、洗面具、タオル、目薬は家族と別々にし、家族への感染防止に努めることが大事です。洗濯も別にし、入浴も最後にしましょう。汚染されたタオルや衣服は56度以上で5分の熱消毒、熱消毒できないものは次亜塩素酸やアルコールなどで拭きましょう。
学校保健法における取り扱い
学校保健法では「第三種の伝染病」に区分されており、「眠症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。」とされています。登校・登園停止になってしまった場合、相模原市では「治ゆ証明書」が必要となります。
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