主な食中毒原因菌とその特徴
サルモネラ属菌
特徴
動物の腸内などに住み、糞便を介して肉や卵などの食品を汚染する。また、鶏の卵に多く、殻の中身が汚染されていることもある。低温や乾燥にも強い。
症状
食後8時間から48時間ほどで発症し腹痛や下痢、発熱(38度から40度)、おう吐を起こす。
対策
十分な加熱調理と調理後の二次汚染に注意。
腸炎ビブリオ
特徴
海水中に住み、水温が高くなると日本近海で急速に増殖し、近海産の魚介類から検出されることが多い。
症状
食後5時間から24時間ほどで発症。激しい腹痛や下痢、発熱、吐き気が起こる。
対策
真水と熱に弱いので、魚介類は流水でよく洗い、十分な加熱を。生食する場合は4度以下で保存。
カンピロバクター
特徴
鶏、牛、豚などの腸内に住み、解体時に肉を汚染する。また、動物の糞便で汚染された飲料水が原因にもなる。熱や乾燥に弱いが、少量でも食中毒を起こす。鶏肉刺身、レバ刺しなど生肉が原因となることが多い。
症状
潜伏期間は2日から7日間と長く、腹痛、下痢、発熱が起こる。
対策
生で肉を食べることは控えること。調理の際に十分な加熱を。
黄色ブドウ球菌
特徴
人の皮膚や鼻、のどの粘膜、毛髪などに住み、傷やニキビなど化膿した部分に特に多く潜む。手指を介して食品を汚染し、菌が増殖する際につくられる毒素が食中毒を引き起こす。
症状
食後30分から6時間で、激しいおう吐、腹痛、下痢が起こる。
対策
この毒素は熱に強く、加熱しても分解されにくい。手指などに化膿創があるときは、直接食品に触れない。調理後はなるべく早く食べる。おにぎりを握るときはラップを。
ウェルシュ菌
特徴
ヒトや動物の腸管内、土壌、下水などの自然界に広く常在している。芽胞とよばれる形態をとり、耐熱性(100度、1時間から6時間の加熱に耐える)を示すことがある。
症状
食後6時間から18時間ほどで発症し、腹痛、下痢、微熱などが見られる。多くの人が発症後1日から2日で回復する。
対策
調理後速やかに食べること。カレーやシチューなどの煮込み調理品は作り置きせず、当日調理し、当日食べること。
セレウス菌
特徴
もともと土の中にいる菌で、土壌などを中心に、自然界に広く分布している。多くは耐熱性の芽胞として生存しており、加熱料理済食品を長時間室温放置するなど適当な水分、栄養、温度などの条件が揃うと、発芽して増殖する。生体内や食品内で増殖する過程において、毒素を産生して食中毒を起こす。
症状
嘔吐型と下痢型がある。
- 嘔吐型:食後30分~3時間。吐き気、嘔吐が主症状。
- 下痢型:食後8~16時間。下痢、腹痛が主症状。
一両日中に回復することが多く、日本では嘔吐型の発生が多い。
対策
食材は新鮮なものを選び、よく洗浄する。料理の際は十分に加熱する。米飯やめん類など農作物を原料とする食品を作り置きしないことが大切。
ボツリヌス菌
特徴
酸素のない状態を好み、土壌、河川、海などの自然界動物の腸内などに広く分布。食品中に侵入して条件が揃うと増殖し、毒素をつくる。この毒素が中毒を起こす。
症状
潜伏期間は、12時間から36時間。吐き気、おう吐、視力障害、言語障害、嚥下障害などがみられる。呼吸筋が麻痺し、死亡することもある。
対策
食品の低温保存。
病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌を除く)
特徴
人や動物の腸内に住む大腸菌のうち病原性を持つ菌のこと。糞便で汚染された食品が原因となる。
飲料水などが汚染されると大規模な食中毒につながる。
症状
潜伏期間は12時間から5日間。腹痛、下痢、発熱などがみられる。
対策
調理の際、十分な加熱を。
腸管出血性大腸菌
特徴
病原性大腸菌の一種で、感染力と毒性の強いベロ毒素をつくる菌。牛、羊、豚などの糞便で汚染された手指や水、食品を介して感染。
レバーや肉の生食が原因となりやすい。
他の食中毒菌と異なり、わずかな菌量で感染することから、二次汚染や人から人への感染の恐れが強い。
症状
潜伏期間は4日から9日。激しい腹痛、水様性の下痢、それに続き血便となる。重症になると溶血性尿毒症症候群(HUS)などを引き起こす。
対策
75度以上、1分の加熱で死滅。手洗い、食器具類・食品の衛生的取扱いで予防。
ノロウイルス(小型球形ウイルス<SRSV>と呼ばれていました)
特徴
カキなどの二枚貝が原因となることが多く、冬に発生する傾向がある。貝類に関係なく集団給食施設で発生する例もみられる。また、感染者からの二次汚染の危険性もある。
症状
潜伏期間は1日から2日。吐き気、おう吐、腹痛、下痢、発熱などの症状がみられる。3日程度で回復する。
対策
カキなどの調理の際は十分な加熱(85~90度で90秒以上)を。調理するときには、手洗いをしっかりと。
アニサキス
特徴
海産魚介類に寄生する体長2~3cm 寄生虫で、ヒトが海産魚介類を生食することにより、アニサキスの幼虫が胃腸壁に侵入し、腹痛等の症状が起こる。
症状
胃アニサキス症:1~8時間程で腹痛、悪心、嘔吐が起こる。
腸アニサキス症:数時間~数日後に腹痛、悪心、嘔吐が起こる。
対策
60℃で数秒、もしくは70℃以上で1秒加熱もしくは-20℃で24時間以上冷凍する。
また、魚の死後、内臓から筋肉に移動するため、早期に内臓を除去することも予防策の一つ。
※一般的な料理で用いる程度の量の塩、わさび、酢等では、アニサキス幼虫は死滅しません。
クドア・セプテンプンクタータ
特徴
ヒラメに寄生する体長10μm程度の寄生虫で、ゴカイ等の環形動物とヒラメとの間を行き来して寄生すると言われているが、現在国などで研究を進めている。
症状
食後2時間から20時間ほどで発症。一過性の下痢や嘔吐を呈するが、多くの場合予後は良好。
対策
中心部を75℃で5分以上加熱もしくは-20℃で4時間以上冷凍。
参考
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