オーラルフレイル予防に取り組みましょう
オーラルフレイルとは、「わずかなむせ」「食べこぼし」「発音がはっきりしない」「噛めないものの増加」などのささいな口腔機能の低下から始まる、心身の機能低下につながる口腔機能の虚弱な状態のことです。
オーラルフレイルのリスク
オーラルフレイルは、介護リスクを高める「お口のちょっとした衰え」が積み重なった状態です。オーラルフレイルを放置すると、様々なリスクがあると言われています。
「オーラルフレイル」の人が抱えるリスク
(出典)Tanaka T, Hirano H, Watanabe Y, Iijima K. et al. Oral Frailty as a Risk Factor for Physical Frailty and Mortality in Community-Dwelling Elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2017.
〔神奈川県健康医療局保健医療部健康増進課「オーラルフレイルハンドブック」(平成31年3月)引用〕
- 身体的フレイル 2.4倍
- サルコペニア 2.1倍
(高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象) - 要介護認定 2.4倍
- 総死亡リスク 2.1倍
調査開始時の年齢、性別、BMI、慢性疾患、抑うつ傾向、認知機能、居住形態、年収や喫煙習慣などの影響を考慮した値。要介護認定、総死亡リスクでは調査開始時のフレイルも考慮した値。
オーラルフレイルの問診票
(出典)日本老年医学会、日本老年歯科学会、日本サルコペニア・フレイル学会、オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント
| 質問 | 該当 | 非該当 |
|---|---|---|
|
(1)自身の歯は、何本ありますか? さし歯・金属をかぶせた歯:数える 入れ歯・インプラント:数えない |
0から19本 | 20本以上 |
| (2)半年前と比べて固いものが食べにくくなりましたか? | はい | いいえ |
| (3)お茶や汁物などでむせることがありますか? | はい | いいえ |
| (4)口の渇きが気になりますか? | はい | いいえ |
| (5)普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがありますか? | はい | いいえ |
- (1)から(5)で該当する数が1つ以下:オーラルフレイルの可能性は低い
- (1)から(5)で該当する数が2つ以上:オーラルフレイルの可能性が高い
2つ以上該当の人は、かかりつけ歯科医院に相談しましょう!
口腔ケアでオーラルフレイル予防!
お口の健康を維持するには口腔ケアが重要です。この口腔ケアは、大きく分けて、2種類に分けられます。
- 機能的口腔ケア 食べたり、飲んだりする機能を保つためのケア
- 器質的口腔ケア お口の中を清潔に保つためのケア
機能的口腔ケアでお口の機能を維持・改善しましょう
唾液腺マッサージ
年齢とともに、唾液が出にくくなります。唾液には、むし歯や歯周病をある程度防いでくれる効果があるため、唾液が出なくなると大変です。お口の中の潤いを保つため、唾液腺マッサージを行いましょう。
舌体操
外出自粛などで、あまり会話をしない時期が続くと、舌の動きが衰えていきます。舌の動きが衰えてくると、食べ物を飲み込んだりする機能が衰え、誤嚥(誤って気管に食べ物などが流れ込む)しやすくなるため、肺炎を起こしやすくなります。舌体操で舌の機能を維持しましょう。
顔面体操&くちびるの体操
口や頬の筋肉を鍛えることで、食べこぼしを防ぐことができます。また、表情が豊かになり、意識をはっきりさせる効果もあるといわれています。美容にも良いので、顔面体操と、くちびるの体操に取り組んでみましょう。詳しくは次のリンク(PDF)をご覧ください。
器質的口腔ケアでオーラルフレイルにつながるむし歯や歯周病を予防しましょう
歯の表面や、歯と歯肉の間にある歯周ポケットに付着したプラーク(歯垢)を、歯ブラシなどの清掃用具で取り除きます。
歯ブラシ
ナイロン毛で普通の硬さ(M)のものが良いでしょう。毛先が広がってきたら、交換する必要がありますが、1カ月たたず広がってくるようだと、みがく時の力が強すぎるため、注意しましょう。
補助的清掃用具
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは約6割しか取り除くことができないといわれているので、補助的清掃用具(デンタルフロス、糸付きようじ、歯間ブラシ、舌ブラシなど)も併せて使用しましょう。
詳しくは次のリンク(PDF)をご覧ください。
入れ歯のお手入れをしましょう
入れ歯は、「噛む」、「飲み込む」、「話す」ために大切なものですが、プラーク(歯垢)などの汚れがつきやすいため、お手入れは必ず行いましょう。入れ歯を外してから、歯をみがくだけではなく、入れ歯にもブラシをあてて汚れを落としましょう。特に、直接歯が触れる金属の部分(歯に固定する部分)は、念入りにブラシをあてましょう。
また、市販の義歯洗浄剤につけるだけでは、プラーク(歯垢)を十分取り除くことができないので、洗浄剤を利用する前には必ずブラシによる清掃を行いましょう。
よく噛んで食事をしましょう
よく噛むことは、あごや脳の発達を促したり、満腹中枢を刺激するため肥満予防にも有効だといわれています。ひと口で30回以上噛むことを意識してみましょう。
かかりつけ歯科医を持ちましょう
むし歯や歯周病を予防し、お口の健康を維持するためには、定期的に歯科医院でメインテナンスを受ける必要があります。
かかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けて、お口の健康管理を始めましょう。
- かかりつけ歯科医
継続的に、歯・口腔の健康を管理する歯科医療機関。各個人にあわせたメインテナンスプログラムを作成し、メインテナンス等を実施する歯科医師。 - メインテナンス
歯・口腔の健康を長期維持するための健康管理。主に、歯科医師・歯科衛生士による専門的ケア(口の中のチェックや歯石の除去、ブラッシングの確認等)。
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