令和3年度 8月定例記者会見
令和3年8月19日
- 日時 令和3年8月19日(木曜日)午後2時~3時5分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
みなさんこんにちは。
はじめに、新型コロナウイルス感染症の状況についてでございます。既にご承知のとおり、感染力が強い変異株が猛威を振るっておりまして、全国的に感染者が増加しております。本市の感染者数は、7月下旬から若い世代を中心に急増しておりまして、8月に入りまして、1日あたり100人をはるかに超える日が続くなど、1月の第3波とは明らかに違う様相を呈しております。本市のモニタリング指標をご覧いただきながら進めてまいりますが、新型コロナウイルス感染症に係る本市のモニタリング指標につきましては、こちらのモニターにお示しした通り、「ステージ4」の基準値を大幅に上回っておりまして、医療機関もひっ迫した状況で、これまでで最大の危機を迎えております。児童や生徒におきましても、感染の拡大が見られますことから、お手元にお配りしております発表資料のとおり、相模原市立小学校及び中学校等につきましては、8月25日から31日まで、臨時休業することとしました。休業期間中に、児童生徒や同居家族の健康状態の確認や、新型コロナウイルス感染症の罹患状況の把握等を行い、児童生徒の安全・安心を確保したうえで、学校を再開してまいります。
次に、この一人ひとりが実行可能な感染防止対策、こちらの画面をご覧いただきながら進めてまいりますが、市民の皆様にはこれまでも、ご負担、ご不便をおかけしておりますが、引き続き、マスクの着用や、手洗い・咳エチケット等、一人ひとりが実行可能な感染防止対策を行っていただくとともに、一層の外出自粛についてもご協力いただくようお願いいたします。
続きまして、新型コロナウイルスワクチンの接種についてでございます。65歳以上の高齢者への接種につきましては、希望する高齢者の方には、概ね接種が完了できた状況の中で、9月上旬には、全ての年齢区分の方を対象として、予約を受け付けてまいりたいと考えております。9月からの接種体制といたしましては、11月末を目標に、希望する市民の皆様に接種を終えるよう、大規模な集団接種会場を新たに設置するとともに、交通の利便性の高い会場の設置や、夜間帯の接種を実施するなど、考えうる限りの機会を設けて、ワクチン接種をさらに積極的に進めてまいります。
次に、今月24日から開かれます、相模原市議会9月定例会議に提案いたします補正予算についてでございます。国の交付金等を活用しまして、引き続き新型コロナウイルス感染症対策を行ってまいります。これまでと同様に、医療体制を確保・維持するとともに、新型コロナウイルス感染症から命と暮らしを守るための対策や支援を継続するため、本市のコロナ対策の視点である「コロナと向き合い、命を守るための医療体制の備え」と「活動再開に向けた市民や企業等への継続支援」を中心に、補正予算案として、先ほどお話ししました約13億6,403万円を計上させていただきます。
主な事業についてお話しさせていただきます。
まず、「コロナと向き合い、命を守るための医療体制の備え」についてであります。引き続き、新型コロナウイルス陽性患者の受入病院に対する支援など、医療機関への支援や軽症者宿泊療養施設などの運営、疫学調査の体制の確保などを行うとともに、感染症患者の救急搬送体制を充実させるため、感染防止対策を施した高規格救急自動車を導入するものでございます。
次に、「活動再開に向けた市民や企業等への継続支援」についてでございます。売上の回復や消費喚起を図るため、商店街等が企画・実施する販売促進事業に対する補助金の交付を行ってまいります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で不安を抱えていることなどによって支援を必要としている女性に対するサポート事業として、生理用品の配布に併せて、困りごとなどの聞き取りを行うとともに、相談会を開催し、必要な支援を行ってまいります。
これらの取組のほかに、感染拡大防止対策のため、各区役所の区民課などの窓口において、各種証明書発行の手数料についてのキャッシュレス決済の導入や、妊婦が安心して出産できるよう、妊婦特別給付金の支給対象期間の延長などを行ってまいります。
今後も情勢の変化を的確に捉えながら、本市の実情と市民の皆様の思いやニーズを踏まえ、適時、的確な取組や対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、7月23日から8月8日まで開催されました、東京2020オリンピック競技大会での本市ゆかりの選手の活躍についてでございます。個人競技に少し特化させていただきますが、柔道では高藤直寿選手が金メダルを、渡名喜風南選手が銀メダルを、芳田司選手が銅メダルを、そして、体操競技女子種目別ゆかでは村上茉愛選手が銅メダルを獲得されるなど、本市出身や市内の学校を卒業するなど、ゆかりのある選手が大活躍してくれました。コロナ禍で、大会が延期されたことにより、コンディションやモチベーションの維持、向上など、様々な部分で苦労されたと思いますが、出場された選手の皆様が、持てる力の全てを尽くして戦う姿は、とても美しく、私を含め、相模原市民に元気と勇気、そして大きな感動を与えてくれました。また、本市がホストタウンとして事前キャンプを受け入れましたカナダ代表ボートチームや、ブラジル代表カヌースプリントチームが金メダルを獲得したほか、本市で受け入れた全ての競技でメダルが獲得され、いずれも前回のリオ大会を上回る成績を残してくれました。心よりお祝いを申し上げるとともに、引き続き、ホストタウンとして応援してまいります。
次に、東京2020パラリンピック競技大会が8月24日から開催されます。この大会の5人制サッカーには、本市南区在住の佐藤大介選手がゴールキーパーとして出場するほか、本市職員の青山由佳選手が伴走を務める道下美里選手がマラソンに出場いたします。また、車いすテニスのナショナルチーム監督の南区在住の中澤吉裕さんら、本市ゆかりの選手・監督が出場します。市民の皆様にもぜひご覧いただき、声援を送っていただくとともに、様々な障がいのあるアスリートの方が、限界に挑戦している様子に触れていただき、「障がい」や「障がいのある方」に対する理解を深めていただけたらと思っております。
最後に、キャッシュバックキャンペーンについてです。これまでも折に触れ、お伝えしてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、外出を控えている市民の皆様や、感染拡大防止に努めながら営業されている市内の事業者の皆様への感謝の気持ちを込めて、9月1日から30日までの期間に、「サンキューキャンペーン」を実施いたします。すでに市内で、こうしたサンキューキャッシュバックキャンペーンのステッカーやのぼり旗が市内の商店街等で見られると思いますが、こういったものを目印にお買い物をしていただければと思っております。こちらのステッカーや、後方にあります、サンキューキャンペーンののぼり旗が、先ほどお話ししたように、参加店の目印となりますので、感染防止対策を徹底していただき、なるべく少人数で、日常の買い物を市内でお楽しみいただきたいというふうに思っております。
私からは以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
新型コロナウイルスの感染が非常に深刻になっている中で、市民に自粛のお願いをされていますが、全国知事会などでは、ロックダウン的な法整備の検討を求めている状況でもあります。個人の行動を強制的に規制していく、そういう取組について市長のお考えがあれば教えてください。また、関連して、衆議院議員総選挙が近く行われる予定ですけれども、新型コロナウイルス感染がおそらく収まらないと思うのですが、その中で、投票率アップとか、あるいは投票所や開票所の感染防止などで取り組んでいこうというお考えがあるのであれば教えてください。
(市長)
ロックダウンに関してですが、ご承知のとおり法的には我が国ではなかなか実施ができないということがあります。これまで、まん延防止等重点措置、そして緊急事態宣言と長きにわたって、市民の皆さん、事業者の皆さんにご協力いただき、そして職員にも頑張ってもらって、市民に寄り添いながら対応を行ってきたわけでありますが、デルタ株という非常に感染力の強い株が出てきてから、8月は、18日現在の数字でいうと、感染者が2,300人を超えており、ワクチン接種とともに公共施設の休止などの人流の抑制を行っているのですが、市民の皆さんから厳しいお声もいただいているところであります。なかなか先行きが見えてこないという状況の中ではありますが、ロックダウンという手法を取るには、法的な改正も必要ですし、個人の自由を奪うものでもありますので、非常に議論が必要かなという思いもございます。ただ、本気で感染を止めていくには、緊急事態やまん延防止等重点措置の発出だけでは、なかなか感染の低下の傾向が見られてきませんので、ロックダウンという手法に関しても国で議論を行うべきかなと思います。また、次の質問であります衆議院選の投票率アップに関しましては、市選挙管理委員会と常々、色々な情報共有を図っており、最近行われた補欠選挙、それから現在行われている横浜市長選挙の状況を見ながら、例えば、相模原駅ビル4階の市民ギャラリーがあるスペースなど、期日前投票所を駅前などにも設置ができないかということで、調整を行っているところであります。次の衆議院選挙もぜひ高い投票率になるように、感染防止対策を講じながら、今できる限りの取組を進めていきたいと思っております。
(記者)
9月から医療的ケア児支援法が施行されるということで、看護師を配置したりして、医療的ケア児をお持ちの保護者の方の負担を軽減して、離職などを防ぐという目的で始まるわけですけども、相模原市内で今、市立小中学校で7校9人の医療的ケア児が入っているということですが、今後さらに受け入れをしやすくするために、取り組んでいこうというお考えがあるのであれば、教えていただきたい。
(教育長)
お子さんが、どこで就学するのがその子の教育的ニーズに沿っているか検討し、そういう中で地域の学校が良い場合で、医療的ケアが必要な場合、現在、7校で9名の児童に対して、看護師を付けているところです。本市としては現状の状態を続ける形になりますが、看護師の確保等が難しくなってくるのではないかというふうに認識しているところでございます。
(市長)
本市におきましては平成31年4月から医療的ケアを推進しておりまして、今後も医療的ケア児支援法の趣旨を踏まえて、引き続き児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な支援体制の充実に、教育委員会と協力しながら、取り組んでいきたいと考えております。
(記者)
市内に医療的ケア児の方がいて、地元の小学校に入学を希望しています。できれば2学期から地元の小学校に通いたいという話を訴えていますが、その対応について教えていただけたらと思います。
(教育長)
現在、神奈川県教育委員会と一緒になって、話し合いを進めているところですが、なかなか話し合いがうまく進んでいない状況です。ロードマップを示しながら、現行の制度の中で保護者の要望に一部応えるには、どういう形でできるのかということを具体的にお示しして、話合いを進めてまいりたいと考えております。
(記者)
ロードマップというのは、ある程度具体的にあるのですか。
(教育長)
まだ、具体的な話までいっていません。本市に支援学校があるわけではないので、ノウハウを県の支援学校からいただきながら、どうやったら当該児童の教育的ニーズに応えられるのか、どういう実現方策があるのか、こういう部分をスケジューリングしながらお示しをしていきたいと考えております。
(記者)
先ほど市長から、ワクチン接種に関して、市民から厳しい意見をもらうこともあったというお話しがありましたが、今回、大規模接種会場を設置されたということが、その厳しい意見をいただいた方を含めた市民にどれくらい応えられたという思いがおありなのか、またその調整に向かうまでに、きっとご苦労があったかと思うのですが、どういうところを乗り越えて、その設置に至ったのかお聞かせください。
(市長)
これまで私たちは大規模接種会場という言い方をせずに来たわけでありますが、実はグッディプレイスは1日当たり既に1,500強のワクチンを打っており、規模としては大規模接種を行っておりました。グッディプレイスでは、9月4日以降、毎日接種を行う予定でございます。南区では、通年で借りられる場所がなかなか無いという課題がありますが、大規模接種会場を駅の近くで設置したいと思っております。また、昨日も黒岩県知事に県市長会の会長としてお会いしてまいりましたが、神奈川県からも国に対してワクチンの供給量の確保について要望するようお願いしてきたところです。8月中旬以降から接種回数が減ってきているのは、ワクチンの供給量が市民の皆さんの要望に合わない量しか届いておりませんので、ぜひ国には、供給をはっきりとお示しいただきたいと思っています。私が市民の皆さんからだいぶお叱りをいただいているのは、公共施設の休止でありまして、かなりの数が私のところにも直接いただいていますし、また、メール、電話等でもいただいております。先週も近隣市で公共施設を休止していないのに、なぜ相模原で止めるんだという声をいただきました。これまでとは想像がつかないような勢いで、陽性患者が増えており、医療の崩壊の危機まで迫っているという話をさせていただいて、人流を止めること、ワクチン接種を確実に行っていくこと、この2つが乗り切る手段と思っており、皆様には、公共施設、夏休みでテニスがしたいとか、プールで遊びたいとか、その思いは十分承知しているところですが、まずは人流を止めて感染を拡大させないということをご理解いただき、命を守るための選択ですとのことでお話しをさせていただきました。なかなか厳しいご意見をいただいておりますが、昨日も県知事に対して、やはり人流を止めていくことが必要じゃないかということで、県の公共施設等の休止も含めて、リーダーシップを発揮していただくようお願いしてきたところでございます。私たちも非常に厳しい選択ですが、ただ、これまで市民の皆様が我慢、そしてご理解いただいたので、今は非常に数が増えていますが、県内、政令市の中でも陽性者が比較的少ないのは、人流の抑制などが大きな要因だったんじゃないかなと思っております。
(記者)
厳しいご意見というのが、接種が進まないこととか、ワクチン供給不足とかに伴うことだったのかなと勝手に思ってしまったんですけども、そういう公共施設をもっと利用させて欲しいという声の方が大きかったということですか。
(市長)
そうですね、そっちの方が大きかったですね。もちろんワクチンについても、昨日は、40歳以上の方、約1万4千人のお申し込みをいただいたわけですが、65歳以上の方に比べて比較的少なくなってまいりましたが、予約が取れないというご意見をいただいておりますので、そういった取組は引き続き、市民に寄り添いながら対応してまいりたいと思います。
(記者)
市立小学校と中学校の臨時休業について、二学期の始まりが当初は8月25日だったのを、始業の時期を一週間遅らせるということだと思うのですが、相模原市教育委員会として独自の判断なのか、それとも近隣自治体とある程度協議した上で決めたことなのか教えていただけますでしょうか。
(教育長)
夏休みを延長というか、8月いっぱい臨時休業ということにつきましては、相模原市教育委員会独自の判断です。近隣の教育委員会等にもお話をしたのですが、皆さん正直悩まれています。デルタ株の感染状況からすると、なかなか学校の再開というのは難しいという印象を持っているというのが私の印象です。
(記者)
市独自の判断ということで、その背景には急激な感染拡大があるということだと思うのですが、市教委としてどのあたりを懸念されて、一週間遅らせる理由というか効果も含めて教えてください。
(教育長)
一週間遅らせるという一つの理由が、16日までお盆休みがあり、その人流を考慮したのと、夏休み期間中、児童・生徒の感染が1日当たり6人程度だったのですが、最近では児童・生徒の感染が二桁、10人を超えるような日も出てきており、学校を開けることについて危機感がありましたので、再開に当たって、二学期にどういう教育をやっていくのか検討をし、感染が非常に流行している時には音楽の合唱とか合奏ですとか、そういうものを組み替えていただきたいというのが一つ。その教育課程の編成と同時に、もう一点は、この休業期間中に学校から夏休み期間中の各家庭の様子を聞いていただきたい。この二つを主眼点にして、9月1日の授業再開にした、ということでございます。
(記者)
今後、感染状況がどうなっていくのかというのはまだ分からないですけれども、このまま31日以降も増え続けている状況にある場合というのは、学校再開の時期を更に遅らせるっていう可能性はあるのでしょうか。
(教育長)
非常に難しいお話だと思います。先の状況が見えないものですから、一つは分散登校、あるいはオンライン学習、そういうことも視野に入れながら、基本的には学校というのは子どもの学びの場であり生活の場でもあるので、なるべくなら教育活動を学校で続けたいという意向はあるのですが、その都度その都度の判断になるかと思います。
(記者)
そうすると今おっしゃったように、再開後もまだ感染状況が拡大していたり、陽性者が多い場合には、再開をした上で分散登校とかオンラインによる授業ということも導入しながら対応されていくと。
(教育長)
導入しながらというのは、学校の判断にもなりますが、再開に当たってはそういうことも視野に入れながら再開していきたいと。
(記者)
発表資料で、その他の(2)に「放課後児童クラブなど、児童の居場所について対応していく」とあるのですが、これは具体的にどういう対応をしていくということなんでしょうか。
(教育長)
8月25日から通常であれば8月末まで学校は給食を提供せず、午前授業を予定していました。当然子どもたちは学校に通って、その後保護者が家庭に居ない場合については児童クラブへ行くのですが、学校が休校になりますと、子どもたちの居場所がなくなりますので、学校で見守ることが必要なお子さんは、そこで教育活動をやる訳ではないのですが、児童クラブの代わりに学校が対応するということです。
(記者)
学校を開放するということ。
(教育長)
はい、そういうかたちです。
(記者)
医療的ケア児支援法に関連する質問です。人工呼吸器を付けて生活する市内の児童の件で、先ほど教育長がロードマップを示しながら具体的に話し合いを進めていきたいということでしたけれども、これは何に向けたロードマップという理解でしょうか。
(教育長)
現行の制度の中で、地域の学校に移るには、教育委員会としてこういうことを考えている、こういうことができる、そういうことをお示しして、話し合いを進めたいと考えています。
(記者)
当該児童のケースで言うと、一年生で交流というかたちで地域の小学校に通われていて、今はもう三年生なので、一年半ぐらい経つ訳ですけれども、そういう意味ではロードマップを示す時期としては、ちょっとあまりにも遅すぎるのかなという印象を受けるのと、一貫して地域の小学校への就学をご家族としては求めている訳なので、そういう意味では、そのあたりに向けて市教委としてどういう課題があって、どうクリアしていけるのかっていうところの話し合いがもうすでに為されるべきだと思いますし、もう三年生なので、小学校の就学が半分来ていて、地域で学ぶ機会を奪っているような状況にもなると思うんですけれども、そのあたり教育長としてどうお考えでしょうか。
(教育長)
一番憂慮すべきことは、おっしゃられたように、子どもが実際に学校に通えてないというところです。当初地域の学校の支援級、この開設を目指して取組を進めてまいりましたが、現在は支援級ではなくて普通級に行きたいという意向があります。方向性も若干交わらなくなってきて、そういう意味では教育委員会としては、児童の安全を担保しながらどういうことができるのかというのを保護者の方にお示ししていきたいと思っています。確かに時間はかかってしまいましたが、そういうことで話し合いを前に進めていきたいという考えでございます。
(記者)
今回の医療的ケア児支援法というのは、地域で支援に差が出ないように、自治体とか国の責務もきちんと明記されて、人工呼吸器を付けた児童が地域の小学校に通う例っていうのは全国的に見ると珍しくないというか、他の自治体では実際通っているケースもいくつもあります。そういう意味では、市教育委員会、市として、きちんと地域の小学校に通えるような体制を整えていくのが自治体としての責務だと思うのですが、市長としてはどうお考えでしょうか。
(市長)
医療的ケア児支援法の目的、中身を見ますと、国と地方公共団体の責務というものが書かれておりますので、もちろん当然のことだと思っております。そうした中で、平成30年の就学指導委員会におきまして、本児に関しましては、特別支援学校が相応しいだろうという方向性が出されておりました。それに基づきまして、小学校一年生の時に本児に関しましては、県立の特別支援学校に在籍をされて、そして地域の小学校に通われていらっしゃった訳であります。その際に、保護者の方と教育委員会との話の中の方向性を聞きますと、二年生の時に、これから地域の小学校で受け入れるための体制整備を整えてまいりたいということで進めてきたわけでありますが、そういった中で、教育長からもお話がありましたが、保護者の方から特別支援学級ではなく、普通級で学びたいというお話がございました。教育的ニーズに合った、その子に相応しい教育を私たちは支援していかないといけないと思っておりまして、すでに教育委員会と本児の保護者の方と、長年にわたって対話をしてまいりました。そしてなかなかその方向性が、少し行き違いや、更にはなかなか双方の考え方が一致しない部分もありまして、神奈川県教育委員会も入っていただき、特別支援学校にも入っていただいて、9回のこれまでの様々な意見交換をしてきたと伺っております。その中で、本児が学校に通えていないというのは一番の憂慮するところであり、一日も早く解決をして、相模原市教育委員会の方向性と、そして本児の考え方、そしてご家族の考え方、そして神奈川県教育委員会、皆さんで一番本児に相応しい教育をしっかり支援していくということが大事だと思っておりますので、その方向に向けて、遅いというお話もいただいた通りだと私も思いますが、なかなかここが思うように前に進んでいないことは私たちもしっかり襟を正していかないといけないところでございますが、いずれにしてもこの医療的ケア児支援法に則って、しっかりこれからも議論を、対話をしていきたいと思っております。
(記者)
就学先に関しては、そもそも学校教育法で、本人と保護者の意思を尊重して決めるっていうことが定められている訳で、更に今回医療的ケア児支援法では、医療的ケア児とそうではない児童が共に教育を受けられるように、最大限の配慮をするということが自治体とかに求められている訳ですよね。そういうことを考えると、支援級とか普通級っていう違いはあると思うんですけれども、共に学ぶっていう環境を自治体として整えることがある意味責任だと思うんですけれども、そのあたりもう一度お考えよろしいでしょうか。
(市長)
やまゆり園の事件もありまして共生社会の実現は、障がいの有無に関わらず、共にささえ合い生きる社会というものを私たちは目指しておりますので、その考え方は一貫して同じであります。一日も早く本児の教育的ニーズに合った教育が受けられるような環境を作っていくことが大事だと思っておりますので、今後も保護者、そして県教育委員会とともに、本児の一番相応しい方向性をしっかり検討してまいりたいと思っております。
(記者)
今の市長のお話だと、児童に相応しい教育的ニーズというのは、共に学ぶ、そういう場が教育的ニーズに相応しいという、そういうお考えということですか。
(市長)
インクルーシブの視点からも、例えば障がいのないお子様、あるお子様、こういった方々が共に学ぶ環境っていうのは大事だと思いますし、私たちは共生社会の実現の中で、これから障がいに関する理解、促進を72万市民の皆さんと、共に考えて、共に理解し合って進めていかなければならないという考えであります。私もその先頭に立って、共生社会の実現に向けて歩んでおりますので、本児における課題というのは非常に重く受け止めておりまして、一日も早く落ち着くように、しっかり対応をしていきたいと思っております。
(記者)
共生社会の実現というふうに市長がおっしゃられるのであれば、地域の小学校で同級生や地域の子どもたちと一緒に学ぶということが、共生社会の実現をある意味実践しているということになると思うのですが、今の状況で言うと、教育委員会としては特別支援学校で学ぶことが望ましいと。そういう意味では、市長が理念として掲げられている共生社会の実現とは、ちょっと違う方向になってしまうと思うのですけれども、市長が常々おっしゃっているのをもし実践するのであれば、地域の子どもたちと同級生たちと、一緒に学ぶ場を作るっていうことが、その実践になるんじゃないかと。
(教育長)
教育委員会も地域の学校で学ぶような取組をしているところでございます。ですから市長が言っていることと齟齬がある訳ではないです。支援学校が適当ではなくて、保護者の意向を尊重して、地域の学校に移るために今取組を進めていると。
(市長)
冒頭に申し上げましたが、その子に合った環境というのは非常に大事だなと思っておりまして、学びの保証を私たちは作っていかなければいけないと思っております。その中で平成30年に就学指導委員会において、まず方向性を示させていただいて、本児の保護者の方にもご理解をいただいて、特別支援学校に一年生時には入学をしております。二年生の際に、私たちは地域の小学校で受け入れるような特別支援学級、病弱級を作っていこうということで、寄り添って対応するように努めてきた訳でありますが、保護者の方々は普通級、通常級で迎え入れてもらいたいという思いがあって、保護者の方の気持ちの変化もございましたので、そういった中でなかなか一致した着地点が見出せてないというのは非常に責任を感じるところではございます。非常に多くの市民の皆様や全国の方からも本児に対するご心配のお声もいただいているところでありまして、非常に重大な問題だと思っておりますので、共生社会を実現する相模原市らしい方向性を教育委員会とともに考えて、そして結論をしっかり導いていきたいと思っております。
(記者)
学校の臨時休業の件でお聞きしたいのですが、8月31日が終わったら再開するかどうか、非常に悩ましい判断があると思うのですが、相当数の学校関連の子どもたちが陽性者に入っている中で、学校を再開するとなると、かなりリスキーだと思います。教育長は大変だと思うのですが、その判断はすごく大きいと思うし、例えば学校で一人出てしまうと、その子どもの家庭はほとんど崩壊です。軽症の方ばかりで、学校間でどれくらい感染するのかは良く分かってない部分もあるのですが、一人出てしまうと学級閉鎖や学校閉鎖にもなるだろうし、子が陽性となれば親が陽性となるだろうし、そうなると会社に行けず、自宅で療養になるなど、文字通り緊急事態だと思います。学校を再開して陽性者が増えると感染が止まりませんので、そこは絶対防いでいただきたいと思います。あと、教職員は、ある程度、感染していないということを確認したうえで学校を再開しないと、子どもを持っている親は納得しないと思います。その辺の考え方を教えてほしいと思います。
(教育長)
8月24日には、希望する教職員は2回目のワクチン接種が打ち終わります。教職員にPCRを毎週やるのがいいのか、あるいは今ワクチンを打っているので、そういう意味で感染が広がらないという認識に立つのかは意見が分かれるところですが、一方で、子どもたちはまだワクチンを打っていませんので、広がる可能性はあります。保健所の業務はひっ迫しておりますので、従来はPCR検査を全員にできたものが、できなくなる可能性もありますので、教育委員会としては、学校で児童生徒の陽性が出た場合については、保健所の調査が入るまでは、学級閉鎖をするのかなと思っています。
(記者)
教職員の間でワクチン接種は割と進んでいるということですか。
(教育長)
進んでいます。ただし、希望しない職員もいます。強制することはできないと思っています。
(市長)
ワクチン接種はあくまで任意でありますから、希望する方に確実に打っていくことが私たちの責務だと思っています。学校の先生の中にも、打つことを希望されない方もいらっしゃると思いますし、市の職員にもおそらくいると思いますし、皆さんの選択なので、なかなか難しい問題だと思います。その中で、本市におきましては、保育士と教師においては、2度の接種を進めて、間もなく完了するところであります。ワクチン接種を2回したから感染しないということはないのですけども、予防策としては、一歩前に進んでいるのではないかなと思っています。あと、PCR検査も、これまで例えば市内の小学校で児童が陽性になられた場合、保健所で、濃厚接触と言われている方々全てPCR検査をしていまして、教育委員会からも保護者の皆さんからも、市の対応に非常に感謝しているという言葉をたくさんいただいているところでありますが、今は夏休み中ですから、おそらく子どもたちの感染ルートは、一番は家族・家庭内だと思っていまして、これから学校が再開されたら、児童生徒が集まってきますから、その際には徹底した感染拡大防止の対応をとっていかなければいけないなと思っています。そんな中で、今回教育委員会が県内にも先んじて、休業を決めたわけでありまして、これは一つの決断だと思っております。なかなか厳しい環境の中で、県内でおそらく自治体でまだ方向性を決めた所がない中で、いち早く決めて、そしてまず児童生徒の安全安心を守るように、そして、私は学習機会の保証や時間は大丈夫なのかと教育長ともお話ししたのですが、しっかり方向性を検討していると聞いておりますので、ご理解いただきたいと思います。
(記者)
小中学校の臨時休業の件で、代わりに行う9月以降の学びですが、オンライン学習というのは、現実的にできる状況なんでしょうか。昨日、教育委員会に取材をしたのですが、ネット環境が整っていないお子さんとかがいる中で、政治決断すれば簡単にできると思うのですけど、一人でもできない人がいるとなかなか実現できないのが教育現場なのかなと思う部分もありまして、その辺の考え方はどうなのでしょうか。
(教育長)
オンライン学習が双方向でできるかというと、現実的には難しいと思っております。特に、小学校の低学年については、保護者がいないとログインすることすらできない、そこについては対応を今検討しているところでございます。
(記者)
そうすると、先ほど分散登校やオンライン学習などを考えているとおっしゃっていましたが、オンライン学習って現実的に、選択肢に入っているのでしょうか。
(教育長)
再開のガイドラインではオンライン学習というのは載せてありますが、双方向というのはちょっと難しいかなと。例えば自宅にオンラインではないですけど、タブレットPCを持ち帰って、そこでソフトを使って学習するということは可能だと認識しています。
(記者)
地域の学校に入学を希望している児童の件で、仮に地域の学校で受け入れた場合に、特別級で受け入れるための課題は何なのかと、仮に普通級で受け入れる場合の課題は何だというふうに考えていらっしゃいますか。
(教育長)
人工呼吸器がある児童の受け入れにあたって、支援級で受ける時の課題というのは、通常の医療ケアと違って、人工呼吸器というのは高度な医療的なケアなので、そういうことを熟知した看護師、あるいはそういう障がいのある児童の状況が理解できる教職員の育成が必要かなと思っています。それから、普通級で受け入れる時の課題は、他の子と同じようにやりますので、例えば35人の中の1人、現行の仕組みの中では、児童は普通級に在籍しているから、特別に先生を加配するというのはやっていませんので、同じような一人になってしまいます。その子の教育的ニーズに答えることはなかなか難しいと認識しております。
(記者)
最後の部分なんですが、その子の教育的ニーズを決めるのは、保護者だけでもないし、学校だけでもないと思います。お互い話合って、妥当な線、合理的な線というのがあると思うのですけど、私の印象論かもしれないのですが、受け入れる側の視点で物事を考えすぎていないかなって思うところがあります。だからと言って、保護者側だけの視点で考えると、際限なく物事が広がっていくので、そういう極端なことを言うつもりはないのですが、あくまでユーザーサイドの視点というのを、もう少し、自分たちの中で受け入れながら物事を検討していくという姿勢が求められていると思いますし、受け入れない理由を探そうと思えば無限に出てくると思うのですけど、受け入れるための理由というのを見つける姿勢というのを、もう少し私たちに見える形で議論していただけると良いと思うのですけど、そのへんについてはどう思われるでしょうか。
(教育長)
そういう意味では、工程表というか、ロードマップを示しながら、どういう形で受け入れられるかというのを作って、保護者と調整してまいりたいと考えています。
(記者)
ユーザー側の視点をもう少し、受け入れる側が、他者のことを想像力を持って、内包するというか、内側に持つ方が良いのではないかと思います。そういうことが感じにくい部分が、物事がこじれる原因の一つなんじゃないかなって思うのですが。
(教育長)
そういう視点を入れて作るつもりでおります。
(記者)
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の関係で伺いたいのですが、市議会の百条委員会でも、今後の証人喚問のスケジュールが出てきましたけど、市が最終的に結論を出すのが今年度末で、半年に迫っているのですけど、このスケジュール感には変更はないのでしょうか。
(市長)
現在事業計画の変更案の作成に向け、今、地中障害物の総量調査のレーダ調査が約7割完了しております。それから、事業地内にある廃棄物土の分別、そして移設、この2つの事業を進めておりまして、こちらは4割くらい進んでいるところでございますが、こうした状況を見ながら、早期に基本的な計画案を作成していかなければいけないと思っています。ご承知のとおり、百条委員会があったり、住民訴訟等があったりしておりますが、今現在令和3年度末までには方向性を示していきたいという考え方に変わりはありません。
(記者)
パラリンピックの学校観戦はやめたのですか。
(教育長)
やめました。
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