令和3年度 4月定例記者会見
- 日時 令和3年4月20日(火曜日)午後2時~2時50分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
皆さんこんにちは。はじめにですね、東京2020パラリンピック聖火フェスティバルについてでございます。採火場所の公表後、市民の皆様をはじめ、多くの方々から様々なご意見を頂戴しているところでございます。ご遺族、ご家族をはじめ、関係者の皆様には、大変なご心労、ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。本市といたしましては、神奈川県や指定管理者である かながわ共同会のご協力をいただきながら進めてまいりましたが、ご遺族や家族会の皆様方に対しまして、事前の説明がないまま公表に至ってしまったことについてお詫びするとともに、これまでの経過を説明するため、お手紙を送らせていただき、併せまして、ご意見等をお寄せいただくようお願いさせていただきました。いただいたご意見につきましては、真摯に受け止め、採火の実施場所の変更も含めて、総合的に検討し、判断させていただきたいと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症の状況についてでございます。既にご承知のとおり、全国的に新たな感染者が増加しており、大阪府ほか2県では4月5日から、東京都ほか2府県では12日から、そして本市を含む神奈川県ほか3県では本日20日から5月11日まで、「まん延防止等重点措置」が適用されることとなりました。3月21日をもって緊急事態宣言が解除されてから、約1カ月という短期間で今回の措置に至ったことは、市民の皆様、事業者の皆様のご負担を思うと心苦しい限りであります。本市の新規感染者数につきましては、3月は下げ止まりとはいえ、週当たりでは50人を下回ることがなく、4月に入り増加の傾向に転じるなど、感染の再拡大が目前に迫っている状況となっております。また、従来よりも感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株も、全国的な広がりをみせております。間もなく大型連休を迎えますが、市民の皆様には、生活に必要な場合を除く、日中を含めた外出や、都道府県をまたぐ移動を控えていただくとともに、一人ひとりが実行可能な感染防止対策を徹底していただくようお願いいたします。
続きまして、お手元の資料をご覧いただきながらご説明したいと思います。新型コロナウイルスワクチンの接種についてでございます。本市では、4月12日から高齢者施設において、入所者及び職員に対してワクチン接種を開始しました。私も実際に施設に伺い、ワクチン接種の状況を視察し、施設職員の方々から感想等をお聞きし、改めて行政としての責務を認識したところでございます。皆様ご承知のとおり、本市には、4月8日に第一弾として1箱ではありますが、新型コロナウイルスワクチンが納品をされ、今後5月3日の週までに、さらに28箱、合計29箱が納品される予定であります。1箱あたり195瓶入っておりまして、各瓶5回接種できます。1箱で975回分、29箱だと28,275回分となり、1人2回接種する計算ですと、約14,000人分となります。ワクチンの安定的な供給については、これまでに総理や河野行政改革担当大臣に要望してきまして、厚生労働省にも申し入れを行っているところでありますが、本市のワクチン接種の対象となる16歳以上の人口は、約63万9,000人で、現段階でのワクチン供給量では、必要量の約2%に留まっております。そのため、4月については、クラスターの発生を未然に防止するため、高齢者施設15施設の入所者及び施設職員への訪問接種を実施することとしました。お配りしている発表資料にもありますとおり、今後、75歳以上の市民の皆様には、4月の28日にクーポン券と予診票を郵送いたしまして、5月の13日から集団接種の予約受付を開始し、5月16日から集団接種を開始できるよう、全力で準備を進めてまいります。65歳から74歳までの方には、5月中旬以降にクーポン券と予診票を発送する予定でありますが、現時点では、十分なワクチン供給時期が見込めないため、ワクチン接種の時期については、決まり次第お知らせします。高齢者以外の市民の皆様についても、ワクチン供給の見通しが明らかになった段階で、広報さがみはらや市ホームページでお知らせしてまいります。
次に、補正予算で計上します国の交付金を活用した新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。こちらのスライドをご覧ください。感染の再拡大が懸念される状況において、医療体制を維持し、新型コロナウイルス感染症から命と暮らしを守るための対策や支援を継続するとともに、ポストコロナを見据え、地域経済の活性化や新しい日常の創造の実現のため、新型コロナ対策の補正予算として、新たに11億4,400万円を計上させていただいております。次に、命と暮らしを守るための取組についてでございます。妊婦の皆様が安心して出産できるよう、妊婦特別給付金支給事業の支給や、中小企業の融資制度、利子補給金のですね、無利子融資の実施など、市民の暮らしを支援してまいります。また、「神奈川モデル」における重点医療機関である旧北里東大学病院(※正しくは旧北里大学東病院)への医師派遣支援を行う派遣元医療機関への支援や、療養終了後も、なお合併等(※正しくは合併症等)により入院管理が必要な患者の転院を受け入れる医療機関への支援など、新型コロナウイルス感染症協力医療機関への支援を行います。学校や公共施設などにおける感染予防対策を徹底するため、小中学校での臨時消毒作業員の配置、公共施設の指定管理者に対する感染予防対策に要する費用の補助や、施設を適切に運営管理するための協力金の支給などを継続してまいります。次に、地域経済の活性化や新しい日常の創造の実現といたしまして、消費喚起策として、昨年度も実施いたしましたキャッシュバックを行うとともに、市内の中小企業が感染症の拡大を防止するための事務所の改修や備品購入について補助を行うなど、事業者への支援を行ってまいります。新しい日常に対応した環境整備や支援として、保育園などの子どもを預かる施設や駅前公衆トイレなどの手洗い場の自動水栓化や、災害時の感染予防対策の普及啓発等を行うための防災ガイドブックの作成、全戸配布などを行ってまいります。各施策につきましては、速やかに実施できるよう取り組んでまいりたいと考えておりまして、市議会でご議決いただきましたら、具体的な手続きやスケジュールなどについて、広報さがみはらし(※正しくは広報さがみはら)や市ホームページ等でお知らせしてまいりたいと考えております。今後も、情勢の変化を的確に捉え、本市の実情と市民の皆様の思いやニーズを踏まえ、適宜、的確な取組や対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、行財政構造改革プランについてでございます。行財政構造改革プランの内容については、市議会や各団体の皆様から様々なご意見をいただいているほか、パブリックコメントでは、2,651人の皆様から、約3,600件ものご意見をいただきました。特に、パブリックコメントのご意見の約41%、約1,500件は銀河アリーナに関するもので、主に、施設の存続を望むご意見を多くいただきました。現在、パブリックコメントに寄せられました一人ひとりの思いを極力汲み取るよう努め、市議会からのプランに関する決議も踏まえ、議論を重ねているところであります。また、これまでに行財政構造改革本部会議で18回の会議を行い、行財政構造に対する新しい視点や、公共施設の今後の方向性等について議論・調整してまいりました。こうした経過を踏まえ、内容がほぼ固まってまいりましたので、現在のところ、4月中の策定を予定しております。将来に笑顔と希望があふれる市政を実現し、また、市民の皆様が相模原市に住んで良かったと思えるようなまちづくりを実現するために、市民の皆様との対話を進めながら着実に成し遂げてまいりたいと考えております。
次に、2021ツアー・オブ・ジャパンについてでございます。既に発表している案件でございますが、国内最大級の国際自転車ロードレース大会であり、「日本版ツール・ド・オブ・フランス(※正しくはツール・ド・フランス)」と称されるツアー・オブ・ジャパンが、5月28日には富士山、29日には本市相模原市、30日には東京の3ステージで開催される予定でございます。例年であれば、海外チームが参戦しますが、コロナ禍により渡航規制により、今年は国内チームのみの参加となりまして、最大で16チーム、約80人の選手が出場する予定であります。市ホームタウンチームである、国内のみならず海外でも活躍している「チーム右京相模原」が出場しますが、初めての地元での開催となるため、市民の応援を力に、ぜひとも、この相模原ステージで勝利を挙げていただきたいと思います。市といたしましては、おすすめの観光スポット(※正しくは観戦スポット)を設ける予定でありまして、また、橋本駅から串川の観光スポット(※正しくは観戦スポット)、そしてゴール地点である鳥居原ふれあいの館の観光スポット(※正しくは観戦スポット)へ、予約制の無料バスの運行や臨時駐車場の開設も予定しております。詳しくは、決まり次第、広報さがみはらや市のホームページでお知らせします。この大会は、新型コロナウイルス感染症対策を行い開催いたします。ご観覧いただく際には、新型コロナウイルス感染拡大防止の取組にご協力くださいますようお願いいたします。また、開催にあたりましては、コースや周辺道路において大幅な交通規制が実施され、通行止めとなります。市民の皆様にはご不便をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。なお、ツアー・オブ・ジャパンのコースにつきましては、オリンピックのコースを一部使用して開催されます。また、オリンピックの開催まで100日を切りました。この大会を通じて、市民の皆様と一緒にオリンピックへの機運を高めていければと思います。オリンピックに関連しまして、大変うれしいニュースが届きました。オリンピックの代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権が先日行われまして、本市在住の小堀倭加選手が、女子400メートル、800メートルの自由形で代表に内定しました。2月に行われましたジャパンオープンでは、女子400メートル、800メートル、1,500メートルの自由形でも優勝しておりまして、大変力がある選手ですので、活躍を期待し、市をあげて応援したいというふうに思います。
最後に、東海大学付属相模高等学校の選抜高等学校野球大会における優勝についてでございます。コロナ禍の中、例年通りの練習や試合ができず、苦労されたことと思いますが、持ち前のアグレッシブベースボールを実践し、ひたむきに白球を追いかける姿に、市民の皆様と同様に、私にも元気と希望、そして感動を与えてくれました。15日に、土井校長や門馬監督、代表選手などが市役所にお越しをいただき、お話を伺いました。既に、夏の甲子園に向け、気持ちを切り替え、練習に励んでいるようですので、全国で唯一チャレンジできる春夏連覇の偉業を期待するとともに、今後も、市民の皆様とともに、応援してまいりたいと思います。
私からは、以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
パラリンピック聖火の採火の件でお聞きします。遺族の方や家族会の皆さんにお詫びのお手紙をお送りしたということでしたが、このお手紙は何人に、またいつ送られたのでしょうか。
(市長)
4月17日に、津久井やまゆり園の芹が谷園舎におきまして、家族会の役員会が午前中に行われました。役員会に出席された14名の方に対しまして、担当の部長、課長から説明をさせていただき、残る家族会の方の人数は定かではありませんが、家族会の方、ご遺族の方々に対し、神奈川県と共同会を通じてお手紙をお渡しさせていただきました。神奈川県からは、昨日、会議に出席されていない家族会の皆さんやご遺族の皆さんに郵送されたと伺っております。
(記者)
お手紙についてですが、お手紙には意見を送って欲しい旨をお書きになったのでしょうが、書いた内容、そこに込めた思い、それから意見を募るにあたって、何日までに意見をお寄せくださいといった具体的なことはいかがでしょうか。
(市長)
まず、3月31日に神奈川県を通じまして、組織委員会からパラリンピックの採火に関する発表がされました。2月9日に神奈川県、共同会と最終的なお話しをして、この決定に至ったわけでありますが、発表に至るまで、ご遺族の皆様、そして利用者の皆様に対し、事前の相談を行わなかったことに対するお詫びを申し上げました。そして、パラリンピックの意義や本市が目指す「共に支え合い生きる社会」の理念等を踏まえ、やまゆり園の事件があった相模原から、事件を風化させてはならないということ、それから共生社会の実現を全国に向けて発信をしていきたいという思いから、やまゆり園での採火との決定に至ったことをお話させていただきました。また、事件でお亡くなりになった皆様への哀悼の意を捧げるとともに、ご遺族の痛惜の念、さらには心身に傷を負われた利用者や施設の関係者の皆様の尊厳の回復、誰もが望む暮らしを送ることができる共生社会の実現、このことを念頭に置いて、厳かにこの採火が行われるべきことを申し添えましてお送りさせていただきました。
(記者)
手紙を送られた遺族の皆さんや家族の方々の意見をいつまでお待ち申し上げるのか、その期限というのは設定されたのでしょうか。
(市長)
4月17日に家族会役員会に出席させていただき、4月19日に県から郵送されたということでございます。すでにご返信いただいた方もいらっしゃいますが、約1週間ほどお時間を取りまして、4月26日ごろを目途にご返信を任意かつ無記名でお願いしたいということで郵送いたしました。
(記者)
先週、南区合同庁舎で行われた、尾野さんたち、それから滝本弁護士の採火中止の要請では、1週間で相模原市の回答を求めるということでしたが、そうするとその1週間後となる今日の回答としては、採火場所も含めて検討し、総合的に今後判断していくという回答になるということでよろしいでしょうか。
(市長)
はい。13日にご遺族の代理人の弁護士の方、そして尾野さん、お二方から、本市に対する要請書をお預かりしたことは承知をしておりますし、その要請書の中には20日までに決定をしていただきたいというお話しもあったようでございます。私どもとしては、やはり冒頭にお話ししたように、ご遺族、ご家族、利用者の皆様に対し、事前の説明を行わなかったことを、まずお詫びをしなくてはならないと思っております。順番が逆ではないかとお叱りをいただく所かもしれませんが、丁寧にご遺族、ご家族を始めとする皆様のご意見をしっかり受け止めた中で総合的に判断をしてまいりたいと考えております。
(記者)
続けてスケジュール感ですが、4月26日を目途にということは、それ以降に市のリアクションが出てくると思うのですが、これについてはいつまでにという現在の目標などはありますか。
(市長)
4月26日が目途でありますので、ゴールデンウィークに入ってまいります。その中で、既にご返信をいただいた分もございますが、どのくらいのご意見が届くのか分からない部分もございます。早ければ4月末をもって判断をしてまいりたいと思っておりますが、様々なご意見等が寄せられた場合には、少しお時間をいただきまして、ゴールデンウィーク明けに決定をしていきたいと考えております。
(記者)
重ねてお聞きします。先日の尾野さんたちの要望の中でも、やまゆり園での採火ありきなのではないかという指摘を受けたのはご存知かと思います。改めてこの決定ありきということではないのでしょうか。
(市長)
今日の段階では、場所の変更も含めてもう一度、利用者の皆様、ご家族の皆様、そしてご遺族の皆様、関係者の皆様からのご意見をいただく中で、総合的に判断をして決めていきたいと思っております。
(記者)
改めて、順序が逆になってしまったという話が市長からもありました。この採火の発案は、市長がなされたのでしょうか。また、どうしてこのような行き違いが発生したとお考えですか。
(市長)
昨年10月の東京2020・さがみはらプロジェクト推進本部会議におきまして、パラリンピックの採火に関しましては、やまゆり園は私たちにとって一生忘れてはならない場であり、2度とこうしたことが起こってはならない、そして風化をさせてはならないという強い決意の中で、私から、共生社会の実現を多くの皆様にご理解いただくために、やまゆり園での採火をしてまいりたいという提案をさせていただきました。その後、市の内部で検討を重ね、最終的にやまゆり園という決定を市としてさせていただきました。
(記者)
市長自らの発案だったということですね。
(市長)
そうです。
(記者)
行財政構造改革プランについて、大変関心が高い問題だというのは市長の受け止めからもわかりますが、当初年度内に結論が出るということでしたが、4月末になった一番の要因を挙げるとしたら何ですか。
(市長)
市議会からの決議もございましたし、また、3,600件、2,651名の皆さんから、パブリックコメントでご意見をいただくなど、多くの皆様が関心を持っていられる訳でございます。私も3,600件のご意見には目を通す時間も必要でありました。そういった中で、ほぼ3月末までに完成をしていたところもございましたが、もう少し時間をいただいて、下仲副市長とも相談をしながら、最終的にパブリックコメントのご意見も反映させていただき、4月中にはプランの案を取って公表をしてまいりたいと考えております。
(記者)
補正予算の感染症対策の件で、地域経済活性化のための取組についてお伺いします。これまでキャッシュバックは、領収書貼付の形と、PayPayなどを使ったスマホ決済と、二通りやられたと思うのですが、今回また領収書貼付の還付を選択されたと聞いておりますが、この理由というのは何かあるのでしょうか。
(市長)
昨年度、国の交付金を活用させていただき、地域経済対策としまして、「39キャッシュバックキャンペーン」、そして更には「サンキュー!さがみはら最大25%戻ってくるキャンペーン」の2つの事業を実施させていただきました。前者の「39キャッシュバックキャンペーン」に関しましては、幅広い世代の方々からご支持をいただき、例えば、スマートフォンを使わない方々も、領収書やレシートを貼付してお送りいただきまして、1万5千円以上のお買い物をしていただいた方々に、3,900円キャッシュバックするという方法で、多くの地元の商店街や事業者の皆様からも、とても使いやすかったという声がございました。そして、「25%最大戻ってくるキャンペーン」は、キャッシュレス決済のポイント還元事業でありますが、こちらもご利用人数164万人という非常に多くの方々にご利用いただき、また市外の方々にもご利用いただくなど、私は一定の成果があったというふうに思っております。しかし、このキャッシュレス決済のポイント還元事業におきましては、例えば、スマートフォンをお持ちでない方とか、それからシニア世代の皆さんから、ちょっと使い勝手が悪い、使い方がわからない、非接触型の決済が慣れてないから参加しづらいというお声もいただいてまいりました。また、神奈川県と市で、色々な情報交換をする中で、7月から9月まで神奈川Payという、県がキャッシュレス決済のポイント還元事業を行うとお聞きしましたので、同じような経済対策ではなく、本市では、前回の「39キャッシュバックキャンペーン」と同じ方法で、今回は、対象店舗で1万円のお買い物をしていただくと、2,000円キャッシュバックするという方向で検討しておりまして、今回の提案に至った訳でございます。
(記者)
やまゆり園の採火の件で1点お聞きしたいのですが、先ほど事前説明が無かったことについてお詫びをされていたかと思うのですが、先日の中止についての要請の際に、担当課などからは、市が決定することなので、事前相談などをせずに決めることはプロセスとして正しいといいますか、真っ当だというようなお話があったと思うんですけども、ここでお詫びをされるということは、そういった決定のプロセス自体がそもそも間違っていたということを今市長として判断されているということでよろしいでしょうか。
(市長)
様々な事案を市で決定する際に、事前に市議会、市民の皆様からご意見をお伺いして決定することもあると思いますし、また市としてまずは決定をして、後からご意見をいただくこともあると思います。しかし今回の件は、やまゆり園が様々な方が心の傷を負われた場所でございまして、そういった中で私たちの配慮が足りなかったことを反省しなくてはいけないと思っております。ただ私からお話したいことは、神奈川県と指定管理者であるかながわ共同会とは相談をしてまいりましたが、直接ご遺族やご家族の皆さんとの連絡の手段が私たちには無いものですから、そこが、今回私たちが手順を誤ったところと認識しております。そういった点では私のトップの責任としての配慮が足りなかった、そしてご遺族やご家族の皆様に対しての寄り添う気持ちが足りなかったと思っております。
(記者)
今の関連で、事前に相談しなかったのは、連絡手段がないとはいえ、これはなぜ相談しなかったのでしょうか。
(市長)
神奈川県に対しては、昨年の11月に、パラリンピックの採火場所の第一案を提示させていただきました。そして今年の2月9日に、神奈川県とかながわ共同会と三者で話し合いをして、そして両者にご理解をいただく中で、やまゆり園という選択をした訳でございます。私たちが、本来ならばご遺族、そしてご家族、利用者の皆様、ここに一番寄り添わなければいけなかったにもかかわらず、そこに寄り添えてなかったという事実を、私たちは反省をしなければいけないと思っております。
(記者)
事前にご遺族だとかご家族に相談するっていう、その想像が湧かなかったというか、そこらへんはいかがですか。
(市長)
8月からやまゆり園の津久井園舎で新しい生活が始まっていく訳ですから、まもなく引っ越し等々も始まって、家族会の皆さんとの顔合わせも増えてくるという話もあり、私たちとしては、その段階でご相談を差し上げていけばと考えておりました。そこは本当に反省をしなければいけない点だと思っております。
(記者)
つまりその段階で説明をすることがより丁寧なプロセスだと市は考えたということでしょうか。
(市長)
やはり今回、尾野さんやそして美帆さんの代理人の弁護士の方からご指摘いただいたとおり、事前にご相談をしなかったということは、本当に私たちの恥ずべき行為だと思っております。本当に私たちは真摯に反省をして、改めて皆様のご意見を賜りながら、総合的に今後の展開を判断していきたいと考えております。
(記者)
採火の場所について、意見を聞くという形とはいえ、一度ご自分でご提案されて決定した事項を、変更を含めて検討とおっしゃるということであれば、基本的には場所を変えるというような考え方で受けとらざるをえないと思っているのですが、意見をある程度、寄せられるとはいえ、繰り返しになっちゃいますが、そのあたりは市長としては腹が座ったというか、そのあたりはあるのでしょうか。
(市長)
ご遺族やご家族の皆さんにお手紙を差し上げ、無記名でかつ任意でご返信いただければということでお願いしたわけでございますが、このお返事を待って総合的に判断していきたいと思っております。例えば、皆さんが賛成したからやろうとか、一人が反対したからやめようとかの話ではなく、寄り添いながら、多くの皆さんにやはり共感をいただいた中でなければ実施はできないという思いは強くあります。本日、変更する可能性もあるというお話をしましたが、もちろん、やまゆり園で実施することも視野に入れながら、様々な選択肢をもってこれから決定していきたいと思っております。
(記者)
色々ご意見を聞いて、最終的に決めるということになると、市としての手順は反省というのはもちろんあるとは思うのですが、そういう意味でいうと、場所の変更の意見を聞くのであれば、変更というのを本日出すのはどうなのかなと単純に受け取っているのですが。
(市長)
尾野さんや美帆さんの代理人の弁護士の方からいただいた要請書のご指摘のとおり、このやまゆり園に関して、私たちはお気持ちに寄り添わなければいけないところであったにもかかわらず、できていなかったことに関しては、ここは本当に率直にお詫びをしなくてはならないと思っております。ただ、私たちはなぜこのやまゆり園に決定したかもお手紙に書いてございますので、皆様からご意見を賜って、総合的に判断していきたいと思っております。また、家族会の役員会等では、厳粛に採火が行われるならば、ということで大きな異論はなかったと伺っております。
(記者)
4月17日の家族会の役員会の中では、市としてご説明をされた中で、場所自体が問題だと、変えて欲しいというような話は出なかったということでしょうか。
(市長)
そういうふうに聞いております。私が出たわけではないのですが。
(記者)
それも踏まえて、手紙を出しているので、そうすると、逆に変更も含めてというのは、市としてもう一度原点にという意味合いも含んでいると思うのですが、我々としては、変更という意味合いが大きいのかなと思ってしまいますが、その辺りはいかがでしょうか。
(市長)
13日の要請書をいただいた時点では、ご指摘の視点に関して、事前の寄り添う姿勢が私たちになかったわけでございますので、この点は十分に反省しなくてはいけないと思っております。13日の段階では、やまゆり園の選択肢しかなかったわけでありますが、今日20日は、様々なこれまでの経緯等を踏まえて、やまゆり園以外でも選択肢をもって検討していきたいということでありますので、もう少しお時間をいただきたいと思います。
(記者)
同じような質問なんですが、やまゆり園の家族会や共同会の皆様に、市長が直接会って、話す機会があるのか教えていただきたい。
(市長)
ここは非常にナイーブな部分でございますので、お名前はあげられませんが、ご遺族の方から面会の希望はございます。お会いしようと思います。また、家族会への連絡先等手段がございませんので、神奈川県とかながわ共同会を通じてしかお願いができないわけでございますが、チャンスがあれば、私自身が伺い、誠心誠意、お詫びとご説明をしたいというふうに思っております。
(記者)
時期的にはいつぐらいを目指すような感じですか。
(市長)
そこはちょっとナイーブな話で、先方から日にちが、いくつかあげられておりますが、日程が合わなかったので、こちらから改めて、私の可能な日程を先方に伝えたいと思っておりますので、その中でお会いしたいと思っております。
(記者)
採火についてなんですが、こういう反発とかがあったのは、ひとつは採火とオリンピックの聖火リレーが連想されて、すごく派手派手しいイベントになってしまうのではないかという、そういうので、かなり反発があったかなと思うのですが、その辺はきちんと説明されたのでしょうか。違うものだって。
(市長)
4月17日の家族会役員会では丁寧に説明したということでありますが、今言われたように、おそらく多くの皆さんが、オリンピックの聖火リレーのように、例えばスポンサーの車がついて、大きな音を出してオリンピックを盛り上げるパレードが行われるイメージとかなり重なっている点もあるのではないかということはございます。パラリンピックの採火ということに関しまして、もう少し丁寧に、ご説明しなければならないと思っております。
(記者)
先ほど、この採火がもともと市長の発案だったとお聞きしましたが、これまで手順についてのお詫びはあるものの、そのアイデア自体が、一部の方ということになるのかもしれませんが、感覚がずれているという批判も浴びている中で、発案された市長としては、説明が足りなかったという考えなのか、そもそもずれている部分があったと認められるのか、その辺りはいかがでしょうか。
(市長)
様々な意見があって私は当然だと思っております。その中で、何度もお話ししますが、ご遺族の皆様、ご家族の皆様、利用者の皆様に事前にご相談を申し上げずに、決定に至ったことはお詫びをしなくてはいけないと思います。私はこの発案者と言われますが、市として決定したことに関しまして、トップとして責任をもたなくてはいけないと思ってございます。そういった中で、順番が逆になってしまった点、この点はしっかりお詫びしなくてはいけませんが、なぜ、やまゆり園なのかということをもう一度しっかりご説明していきたいと思っています。オリンピック、パラリンピックに関しましては、約7割弱の皆さんが延期もしくは中止を求める声がございます。その中で、そうした慎重、反対の方々のご意見も、このやまゆり園の話に少し乗ってきている部分もあるのではないかという思いもございます。しかしここは、様々なご意見があって当然だと思っておりますから、特に私たちは批判的なご意見に関しては真摯に受け止めなくてはいけないと思っております。そのことはトップとして全て私に責任がありますので、これからも、そういった声と向き合っていきたいと思っております。
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