令和3年度 3月定例記者会見
令和4年3月28日
- 日時 令和4年3月28日(月曜日)午前11時00分~午後0時05分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
こんにちは。年度末となりまして、今日もお忙しい中ご参加いただきましてありがとうございます。はじめに、25日に散会いたしました3月定例会議についてお話させていただきます。2月15日から3月25日までの39日間にわたりまして、令和4年度当初予算や、学校給食費の公会計化に関する条例のほか今後必要とされる高齢者福祉施策に着実に取り組むため、敬老金の廃止に係る条例など、合計70議案を提案いたしまして、ご審議いただきました。令和4年度一般会計予算は、新型コロナウイルス感染症対策や経済対策に係る費用のほか、分野横断的に取り組む重点テーマとして、「少子化対策」、「雇用促進対策」及び「中山間地域対策」の取組に係る経費などを計上いたしました。このほか、本年度より取り組んでいる行財政構造改革プランや、令和4年度の組織体制などの市政運営全般について、活発なご議論をいただきました。議員の皆様からいただきました意見を受け止め、今後の市政運営に生かしてまいります。
また、令和4年度当初予算の議決をいただきましたので、今月末までに「総合計画推進プログラム」を策定いたします。このプログラムに基づきまして、市民の皆様の意見を聴取・反映しながら、総合計画の基本計画を戦略的・効果的に推進してまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症についてでございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」が3月21日に解除されましたが、新規感染者数は、2月上旬のピーク時から減少したものの、今も高い水準で推移しており、依然として予断を許さない状況が続いています。これから、入学そして就職、異動のシーズンを迎えまして、人と接触する機会が多くなります。感染拡大を防ぐため、引き続き、マスクの着用や手洗い、混雑している場所などを避けるなど、一人ひとりが実行可能な感染防止対策を徹底していただくようお願いいたします。
次に、新型コロナウイルスワクチンの接種についてでございます。2月16日に堀内ワクチン接種推進担当大臣、18日に田畑総務副大臣と電話で、3回目のワクチン接種に関して本市の状況について会談いたしまして、本市の接種が着実に進んでいることをご理解いただきました。また、神奈川県市長会長の立場として、安定的なワクチン供給や、国民の交互接種への不安の解消、3回目接種の効果についての丁寧な広報を要請し、同日に、県内の各市にも情報提供をいたしました。本市の18歳以上の3回目接種の状況につきましては、3月24日現在で、29万7千人(注:正しくは29万7人)が接種をされ、接種率が47.1%となっております。また、指定都市との比較では、総人口当たりの接種率は、1番高い状況となっており、希望する方への接種は着実に進んでいると考えております。今後、さらに接種の加速化と利便性の向上を図るため、現在、実施している「当日予約」による接種のほか、駅から近い会場での夜間接種や障害者及び障害児の専用会場設置など、市民の皆様が接種を受けやすい環境を整えるとともに、12歳から17歳の3回目接種についても、国の方針が示されましたことから、迅速に接種体制の確保を進めてまいります。また、5歳から11歳までの小児の1・2回目接種につきましては、既に2月末に、対象者全員にクーポン券を発送しておりまして、4月2日からは、これまでの医療機関での個別接種に加えまして、集団接種会場でも接種の機会を設け、安全で安心なワクチン接種の推進に努めてまいります。保護者の方は、クーポン券に同封のご案内やリーフレットをお読みいただき、お子様の接種についてご検討いただければと思います。
次に、脱炭素社会の実現に向けたキャッチフレーズとロゴマークについてでございます。本市は、令和2年9月の「さがみはら気候非常事態宣言」におきまして、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことを表明し、令和3年8月には「さがみはら脱炭素ロードマップ」を策定するなど、脱炭素に向けた取組を着々と進めております。このたび、若手職員を中心といたしました環境経済局カーボンニュートラルプロジェクトワーキングの皆様が、各種取組の周知や啓発事業等を効果的に行うとともに、多様な取組が脱炭素化に貢献していることへの「気づき」を促すことを目的といたしまして、キャッチフレーズとロゴマークを作成しました。(こちらになります。)キャッチフレーズは、『未来へSwitch!ゼロカーボンさがみはら』で、「私たちの未来のために、社会の仕組みや価値観、ライフスタイルの転換によって、2050年脱炭素社会を実現する」という本市の決意を表明したものでございます。ロゴマークは、「0」とcarbonの「C」を組み合わせ、矢印とグラデーションで「中山間地域と都市部の資源の循環」と「転換」を表現いたしました。4月1日以降、市のホームページやSNS、各種パンフレット等への掲載をはじめ、脱炭素を推進している市内の事業所・団体等に使用していただきまして、脱炭素社会の実現に向けた多様な取組の「見える化」を進めていきたいと思います。
次に、相模原市民桜まつりの代替イベントについてでございます。既に皆様はご承知かと存じますが、4月2日と3日に予定していました市民桜まつりは、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、現地での開催は残念ながら中止となりました。しかし、相模原の各所で春の訪れを伝える桜を、ご家族や友人、恋人と楽しみ、心に残る春にしていただきたいという想いから、まつりに代わる企画として「SAKURA SAGAMIHARA -桜彩る10日間」を3月25日より実施しております。企画の実施にあたりまして、市役所前の桜並木を3年ぶりにライトアップするとともに、市役所さくら通りをドローンで360度撮影した映像や、本市出身のVRアーティスト関口愛美さんが市役所や市役所さくら通りをバックに3Dアートを描くパフォーマンスの様子を動画配信する予定です。その他、市民桜まつりに出演等を予定していた団体がFMさがみの番組内で活動発表等を行う「Air de 市民桜まつり2022」の放送や、相模原市青年会議所主催によります市内4カ所の桜の名所を巡るスタンプラリー等、本市の見事な桜を新たな方法で満喫できる企画を実施いたします。厳しい寒さを乗り越え、短くも美しく咲く桜に彩りを添えるとともに、皆さんの心が満開の桜に彩られるイベントになればと思います。ぜひ、見て、聞いてお楽しみください。
次に、ガンダムマンホール蓋等のお披露目式についてでございます。既に発表しておりますが、本日午後2時20分から、市役所本庁舎のロビーにおきましてバンダイナムコグループが取り組む「ガンダムマンホールプロジェクト」を通じて寄贈されました2種類のデザインマンホールのお披露目式を行います。また、淵野辺駅南口からJAXA相模原キャンパスへの自転車通行帯に設置します、惑星や探査機などの宇宙に関連したデザインを施した12枚の案内シートも披露いたしますので、ぜひとも取材をお願いいたします。
次に、ロシアによるウクライナへの武力侵攻についてでございます。このたびの侵略は、一方的な力による現状変更であり、戦後76年かけて世界がつくり上げてきた国際社会の平和と秩序を脅かす行為であります。2月24日にロシアによる侵攻が始まってから1カ月以上が経過しましたが、長期間にわたり、生命の危険にさらされているウクライナ国民の苦難を思うと、到底容認できるものではありません。昭和59年に「相模原市核兵器廃絶平和都市」を宣言いたしまして、核兵器のない世界や、世界の恒久平和の実現に向けて取り組んできた相模原市として一刻も早い事態の終息とウクライナに平和が戻ることを心から望みます。本市には、ウクライナの方、そしてロシアの方も住んでおられます。各区の外国人相談窓口において、翻訳機を使用いたしまして、ウクライナ語、ロシア語に対応した相談に対応しております。また、ウクライナ情勢の影響を受ける市内中小企業者を対象といたしまして「特別相談窓口」も設置しております。お困りの状況等があれば、ぜひともご相談いただければと思います。その他、日本赤十字社が人道支援活動のために募集しているウクライナ人道危機救援金を市役所本庁舎や各まちづくりセンター等で受け付けています。3月12日には、橋本駅と相模大野駅の両北口で行われた募金活動に私も参加をさせていただきました。また、3月24日には、新たに「ウクライナ人道支援寄附金」を創設いたしました。市民の皆様の温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。
次に、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の「事業継続の判断」についてでございます。大量の地中障害物が発出したこと等によりまして、事業の推進が困難となり、令和元年の6月から一時立ち止まり、内部検証を進めるなど、問題や課題の整理を行ってまいりました。事業の継続を判断するにあたっては、地権者はもちろん、72万市民の皆さまにもご理解を求める必要があります。このため、今後の予定や事業費の詳細まで厳しく精査を進めており、既に庁内の意思決定会議であります戦略会議の場で、あらゆる角度からの議論を行っているところでございます。しかしながら、慎重な判断が求められますことから、今少しの時間が必要な状況にあります。戦略会議を終え、私が判断した時点で速やかに記者会見を開き、皆様にお知らせさせていただきますので、ご了承ください。
次に、3月1日開催の市人権施策審議会において、2月9日の定例記者会見での私の発信について意見があった旨の報告を受けましたので、改めて発言させていただきます。私の、「様々な事由による不当な差別を解消したい」という思いは、就任当初から一貫しております。本市では、「一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、お互いの人権を認め合う共生社会の実現」を基本理念に掲げ、偏見や差別のない人権尊重のまちづくりを進めているところでありまして、国籍や民族、年齢、疾病や障害の有無、性自認などの様々な事由による不当な差別的言動のない社会を目指してまいりたいと考えております。審議会には、条例案を作るのではなく、諮問内容について審議し、答申することを担っていただいております。委員の要件として、附属機関の設置に関する条例や人権施策審議会規則などに、国籍要件は設けておらず、国籍を問わず、委員の持つそれぞれの知見を踏まえた活発なご議論をいただきたいと考えております。
最後になりますが、下仲副市長が、今月31日をもちまして、退任いたします。下仲副市長は平成30年4月から4年間にわたりまして、国や様々な地方公共団体における豊富な行政実務経験を存分に生かされ、本市を襲った令和元年 東日本台風による甚大な被害からの復旧・復興、令和2年からの新型コロナウイルス感染症への対応という未曽有の状況の中での度重なる予算編成をはじめとして、持続可能な都市経営、市民協働の推進、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関する事務など、多岐にわたる取組を進めていただきました。中でも、下仲副市長が中心となり、策定いたしました相模原市行財政構造改革プランにつきましては、本市が目指す将来にわたって、子ども達が笑顔で暮らせるまちづくりのための礎となる計画となりました。これまで、記者の皆様には、様々な場面で取材やご指導をいただきましたことを私からもお礼申し上げます。
私からは以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
下仲副市長は、相模原に来て4年過ごされた訳ですけれども、まず印象とどうだったかということを教えていただけませんか。
(下仲副市長)
これまで人口が増加して発展してきたんですけれども、それが今後、少子化、また高齢化ということで、厳しい時代になっていくのではないかと感じたところでございます。そういった意味で、相模原市行財政構造改革プランといった取組もさせていただきまして、未来への輝かしい相模原市を創る一助になれたかどうかわかりませんけども、そこに尽力はさせていただきました。相模原市自体、都市と自然がベストミックスした、本当にポテンシャルが高いところだなと感じておりまして、これからしっかりと市政運営をしていく中で、本当に発展を実現できていくのではないかというふうに期待しておりますし、私も応援していきたいと思っております。
(記者)
あと1年1カ月で市長の任期が来ますが、市民の声などを聞いてますと、何をやって何を成し遂げたかが見えないという、非常に前進性がないというか、やろうと思っているんだけど進んでいないということがあるのですが、残りの任期の中で一番やりたいことは何でしょうか。
(市長)
県会議員、国会議員、サラリーマンを経験してまいりましたが、これまでと違う立場にいるということをこの3年間で学んでまいりました。特に予算や人事などをこれまで携わったことが無かったものですから、そういった中で、様々なことを職員や市民とも対話してまいりまして、私自身が0歳からシングルマザーの家庭で育ってきたこともございますので、職員に常々お話ししているのは、SDGsの中でも持続可能な社会、誰ひとり取り残さない相模原を創っていかなければいけないという思いの中で、例えば家庭環境によって、部活動ができないとか、勉強ができなくなるというような格差があってはいけないと思っていますので、全てのお子さんが相模原教育を受けて、将来夢や希望に向かってそれぞれが自分の人生を一歩一歩、歩んで行けるような、そういう社会を応援していきたいと思っております。そうした中で、学校給食の公会計化はもちろんですけど、中学校給食の全員喫食はやらなければならないことだということで、担当部長を置かせていただきました。また、私の選挙公約にも挙げてましたが、できれば将来的に室内での通年型の子ども遊び広場を作っていきたいという思いもありますし、子育て世代の皆さんに既存の中古住宅の流通という観点からも、例えば改修をしたりする際に、しっかり支援するように予算を付けたり、子育て世帯も応援していきたい。やはり選ばれるまちになっていかなければいけないと思っています。私が最近一番うれしかったことは、2021年に総務省が発表しました住民基本台帳の人口移動に関しまして、2021年は、本市は転出よりも転入してくる方が約3,800人強多かったということで、転入超過自治体として全国で10番目でしたので、コロナ禍でテレワークが進んだり、働き方が変わったり、相模原市が選ばれるまちになってきていると感じています。これまで私が一番懸念していた20代30代の転出が非常に多かったのですが、逆に1,900人くらい転入超過であり、非常に喜ばしい話でもあるので、ピンチをチャンスにしていくということで、これからも選ばれるまちにしていく相模原にならなければならないと思っていますので、子育て世代をはじめ、シニア世代の皆さんも、住んで良し、そして子育てするも良し、起業するのも良し、第2第3の人生を過ごすのも良しと、多くの皆さんから選んでもらえるまちになることをしっかり進めていきたいと思います。また、令和元年10月12日に東日本台風がありまして、8名の尊い命を失った訳ですが、改めて災害に強い、防災に強いまちづくりを進めていきたい。これからも顔の見える市長として、地域の皆さんと膝を突き合わせながら、対話をくり返し、そして私の考え方も市民の皆さんにご理解をいただき、時にはお叱りをいただき、また励ましていただき、背中を押していただいて、色々な形でこれからも市民と接して、私自身の考え方が伝わるように努力をしてまいりたい。
(記者)
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の事業継続判断が延期されましたが、その理由についてお聞かせください。
(市長)
私が市長に就任して、令和元年6月5日に事業を一時立ち止まりをいたしました。当初の事業計画は127億円で、38ヘクタールをいわゆる市施行の民間事業者包括委託で実施し、市の一般財源の投入も43億円ということで、地権者の皆さん約400名に説明してきた訳であります。ここまで、現在調整会議、決定会議を経まして、最高意思決定機関である戦略会議の場まで上がってまいりまして、最終的な判断をしなければならない状況になった訳でありますが、その中で、様々な数字も出てまいりました。その数字をこれから72万市民の皆さんにご理解をいただくというのが非常に大きなことだと思っています。私はこの事業自体は非常に素晴らしい事業だと思っております。なぜかというと、税収を生んでまいりますし、雇用も生んでまいります。新たな産業の拠点としても変わるという点では、大きな期待をしているところでありますが、ただ127億円の中には残念ながら地中障害物が入っていると分かっておきながら、地中障害物の処理費を計上していないということがございまして、令和2年の立ち止まりの際に試算を示した時に348億円という数字を示しましたが、その際に60億円から100億円の地中障害物撤去費用がかかるという話をさせていただきました。これは、非常に議会も市民の皆様からも驚きの声をいただいた訳でありまして、今後、これを処理するには多額の公金投入が必要となりますので、地権者の400名の皆さんはもちろん、72万市民の皆さんにも広くご理解をいただく必要があると思っております。そのためには、当初の事業計画で未計上でありました地中障害物の処理費とか、道路関連の費用とか、中断補償費など事業費の詳細な分析と積算を行う必要があると考えております。そうしたことから、今後、地中障害物の処理方法とか、土地利用計画の見直しを今行っておりますので、事業費の適正化や費用の圧縮化を図る必要もあります。こうしたことも踏まえまして、地権者の皆様への負担、さらには本市の財政に与える影響も非常に大きいと考えておりまして、この事業を進むにしても、止めるにしても、どういった効果や影響があるのかもう少し慎重にお時間いただいて判断する必要があると思いました。
(記者)
先日、本会議の中で、継続していく方向で検討を進めていくというお話しでしたけれども、今のお話しですと、進めるのか中断するのかというところもまだ決まっていない状況なんでしょうか。
(市長)
以前お話しした時は、再開の方向を視野に入れながら進めていきたいというお話をさせていただいておりますが、地権者の皆様にも127億円で説明してまいりましたし、議会や市民の皆様にも説明してまいりました。一般財源の投入が43億円ということでありましたが、これが今回A&Aの職員も非常に頑張っていただいて、色々な積算や試算をし、そしてコンサルティング会社も含めて試算した訳でありますが、かなり私自身も市民の皆様に与える影響や、それから相模原市の財政に与える影響が非常に大きいなという数字でありました。これを止めるにしても、進めるにしても、かなり厳しい判断だなと思っています。市民の皆様に当初説明していた127億円、一般財源が43億円という数字から、かなり大きな数字へと変わってきておりますので、その検証も含めてもう少しお時間をいただきたいと思います。
(記者)
改めて、発表の時期、方向性を示す時期はいつ頃になるのか教えてください。
(市長)
ゴールデンウィークの前後になるであろうと思ってまして、最終的な判断は、安全を期すればゴールデンウィーク明けかなというのが今の率直な思いであります。
(記者)
今までは継続を視野にとずっと仰っていたので、最終的に継続されるのかなという認識だったんですけども、今日のお話だと、中断という判断もあり得るのかなというふうに受け止めたんですけども、そういう受け止めでよろしいでしょうか。
(市長)
事業再開の方向を見通して、これまで説明をしてまいりましたから、その思いに変わりはありません。方向性を決定した時に数字を出してまいります。その時おそらく記者の皆様も、こんなにかかるんですか、という思いに至るんじゃないかなと思います。そのぐらい、かなり大きな一般財源の投入とか、総事業費もかかってまいります。ですから、やめるにしても非常に大きなお金が必要でありますので、私自身はこれからも再開を視野にということは変わりはありませんけども、ただ、これから72万市民、議会、それから地権者の皆さんに説明するにあたっては、やはりやめるべきじゃないかという声も出てくるだろうなという思いがあります。今後、最終的な数字が出てまいりまして、戦略会議で最終的な判断をしたいと思います。
(記者)
ゴールデンウィーク明けに方向性を示す時には、継続するかどうか、もしくは中断するかどうかっていうまず大きな判断を示し、継続という判断をされた場合は、改めて、処理費も含めた総事業費かつ新しい施行期間というものを、具体的な数字含めて発表するという認識でよろしいでしょうか。
(市長)
マスコミの皆さんや議会、地権者、市民の皆様には、数字をお示ししなければならないと思っております。ただ、何度も言いますが、事業再開の方向ということは、これからも変わらずに進めてまいりたいと思いますけども、ただやはり数字を見ると、止めるにしても大変厳しい数字でありますし、進むにしてもかなり相当な事業費がかかるということであります。
(記者)
相模原駅北口の補給廠の跡地についても、土地利用方針を年度内に基本的には示すと市長はこれまで仰っていましたけども、そちらについても5月に延期するということなんですけども、大きい事業とはいえ、やはり年度内に示すというふうに目標を定めて、市民に向けて説明をされてきたのを捉えると、判断を先送りしているような印象を持たれかねないと思うんですけども、それについては市長はどうお考えでしょうか。
(市長)
本来であれば令和2年度に方針を、そして利用計画を4年度に決定していくという方向でありましたけども、まず利用方針が1年遅れて、令和3年度に方向を示したいということでしたが、今ご指摘があったように、令和4年の5月まで約2カ月間ほど延びてしまいます。これに関しましては、事業の先送りというか、なかなか方針を決定するに至ってもスピード感が無かったと言われればそれまでであります。平成28年の広域交流拠点整備計画でイメージ図を出してきたんですが、私が市長になってから、いわゆるパースの絵がJR相模原駅に貼られていて、それをはがさせました。それは市民の皆さんが、こういうまちができるんだ、っていうかなり先行して発信されていたので、改めて、相模原駅北口のまちづくりに関しては、私が市長になった段階では、ほぼ何も決まっていなかったというのが実態でありますので、森副市長を先頭に、利用方針を今決定していただいています。批判に関しましてはしっかりお受けしなきゃいけないと思いますけども、良いものをしっかり作っていきたいと思いますのでご理解いただきたいと思います。
(記者)
先ほど市長が仰った人権施策審議会について、新しく声明というかコメントを出されたということで、3月1日の審議会では、もう少し強い声明を出せたんじゃないかと、あと内容が一般論に終始しているというような、意見が委員からありましたが、今日の声明を聞くと、やはり一般論を述べられているのかなという印象を受けまして、市が委嘱をしている韓国籍の委員に対して、誤った情報に基づくデマであったりとか、誹謗中傷っていうのが続いている訳ですけども、それについては市長はどう受け止めていらっしゃるんですか。
(市長)
私の考えは、2月9日に隠田副市長に代読していただいたとおりであり、また、先ほど申し上げた通りの内容であります。審議会の委員に、外国籍であってはならないというルールはないことから、記者の皆様も理解いただいていると思いますし、また、今回審議会にお願いしているのは、答申をお願いしている訳でありまして、諮問をして、答申を待っている状況であります。その中で、審議会は、それぞれの知見を持ち合わせた皆さんが、活発に議論をしていただくことが必要だと思っておりまして、しっかり意見を述べていただくことができる環境をつくることが市長としての私の責務だと思っております。委員個人が責められたりすることは決してあってはならないと思っておりまして、さらに、様々な事由によるあらゆる不当な差別を解消したいという思いに尽きます。
(記者)
そうすると、今回韓国籍の委員に対する誹謗中傷等については、差別っていうふうに受け止めていらっしゃるということなんですか。
(市長)
様々な事由によるあらゆる不当な差別を解消したいという思いから、今述べさせていただいた訳でありまして、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関してのご質問だと思うんですが、いわゆるヘイトスピーチ解消法というものがありまして、そこの前文に「不当な差別的言動は許されないことを宣言する」と書かれておりまして、私個人としては、記載のとおりの思いであります。
(記者)
解消法の内容は分かっているんですけども、一般論的な話ではなくて、今回市が委嘱している委員に対する誹謗中傷、国籍に基づいた差別だと私は思っているんですけども、それについて、市長として差別という認識があるのか、そうであるならば、それについて市長として強いメッセージを出すべきだと思うんですけども、その点をもう一度お伺いできますか。
(市長)
私個人としましては、繰り返しになりますが、ヘイトスピーチ解消法に基づく考えのとおりでありますので、そこからご理解いただきたいと思います。
(記者)
市長が3月に、重度障害のある児童と面談されて、市立小学校への普通学級への就学をご両親としては希望されていて、市長としては寄り添った対応をしていきたいというふうにあの時仰っていたと思うんですけども、具体的にはどういった対応をしていきたいというふうにお考えなんでしょうか。
(市長)
ご両親から面会希望がありまして、当初15分という予定でありましたが、50分間まで延長して対応させていただきました。その中で、教育委員会と私の考えは同じであります。保護者の皆様と対話を繰り返して、寄り添っていくことが必要だと思っておりまして、お互いにもちろん主張はあると思っています。私たちにも考えがありまして、例えば病弱級を作って、そこで個の学びを伸ばしていきたいということで説明を繰り返しておりますが、なかなか特別支援学級に関してご理解いただけてないと思っております。しかしながら、やはりこれまでの経緯も含めて、児童が1年次に市立小学校に通われていた時に、障害がある方もない方もともに学んでいくというインクルーシブ教育を、子どもたち自身も学んできたという非常に素晴らしいこともありましたし、今回カリキュラムをお示しさせていただきまして、月曜日から金曜日までの週5日間の中で、個の学びを伸ばす時間とか、普通学級にも来ていただいて、ともに時間を過ごす時間とか、私たちも考え方をお伝えしております。そうした中で、ご両親の思いというのもよくわかるんですけども、やはり学校という立場で、私たちは命を預かる訳でありますので、そういった中では、来年度予算では、例えば医療的ケア児に対応できる、ミキサーにかけた食料を提供できるような環境を作ったりとか、それから医療的ケア児への看護師の対応を検討しているということ含めて、お互いに主張し合って、歩み寄らなきゃいけないと思っております。やはり児童が学校に通えていないということは本当に憂慮すべきことだと思っておりまして、このことに関しては、引き続き教育委員会が中心となり、保護者の皆さんと、しっかり膝を突き合わせて議論していく必要があると思っております。
(記者)
市と市教委としては、基本的に、特別支援学級を基本にした学習というものを引き続きご家族の方には説明されていくという理解でよろしいでしょうか。
(市長)
これまで保護者の皆さんと膝を突き合わせてお話をしてまいりましたが、なかなかご理解いただけていないので、ここに時間をかけてしまうと、本来4年次になる児童が一日も早く進学されて、学校生活をともにしていかなくてはいけないことは、ほんとうに憂慮しているところであります。今後も、しっかり意見をお互い出し合って、理解できるところはお互い理解しあい、着地点を見出さないと、一番困っているのは児童ご自身だと思っています。誰一人取り残さない教育を実践していく中では、これからもしっかり議論していき、特別支援学級の病弱級を新たに開設させていただきたいとお話させていただいております。保護者の皆さんに、特別支援学級に関してご理解をいただきたいという思いがあります。特別支援学級と通常級を差別することは全くありませんし、私たちはやはり個に応じた学びの、伸びをしっかり応援していきたいと思っています。やはり個に応じた学びを伸ばすには、まずは特別支援学級の病弱級に在籍をいただいて、それで、通常級にも週5日間のうち、お越しいただく時間、それから、個の学びを伸ばす時間、これをカリキュラムでお示しさせていただいております。
(記者)
審議会の韓国籍の委員は、誹謗中傷を受けて、審議会で発言することも不安になったりとか、外に出歩くのが恐くなったりっていうような思いもあると前回の審議会でご自身がおっしゃっていました。それに対して、審議会の他の委員や市民団体から、その委員を守るんだというような言葉であったり、姿勢が示されていますけど、市長として、市が委嘱した委員を守るんだというお考え、お気持ちというのはおありでしょうか。
(市長)
審議会の委員の皆さんの発言等々は、担当の方からも聞いております。これまでも審議会委員の皆さんの発言した意図が、残念ながら一部が切り取られてしまった報道等もありまして、一部違う報道等もされてきたんじゃないかなという思いもあります。そういった中で、審議会委員の皆さんが審議会の委員として、しっかりとこれまでの経験と知見を生かして、自分の考え方を述べていただけるという環境を作っていくことが市長の責務だと思っていますので、これからも委員の皆様が思うことを発言し、そして発言すれば、色々なご意見もあると思うのですけれど、委員の発言が阻害されることがあってはならないと思っています。
(記者)
A&Aの関係で、やめるにしても事業を進めるにしても、いずれにしてもお金がかかるということですが、当然、進めるにあたってはさらなる事業費がかかるということでしょうけど、やめる場合の厳しい理由を教えてください。
(市長)
最終的な数字が出てくるまで細かい話はできませんが、例えば止めた場合、国費がこれまで出てきてますので、国にお金を返さなきゃならないということがあります。事業を継続したとしても、または、止めたとしても、同等とは言いませんが、かなり近い額のお金がかかってしまうというイメージがあります。
(記者)
国費というのは、事業の実施にあたっての国からの補助金というイメージですか。
(市長)
これまで既に約70億強の一般財源や国費を使って事業を進めてきたと思うのですが、そのなかで、国から来たお金に関して全て事業を止めた段階でお返ししなきゃいけないので、この額もかなり大きな額になってしまいます。
(記者)
市長のお話を伺っていて、内部検証の際に総事業費348億円と初期費用が最大100億円という試算を組まれていたと思うのですが、また改めて精査される段階で、いったんこれは無しになって、さらにこれよりも大きな見込みが出てきたという意味合いなのかというところと、延期となってしまったことへの市長の受け止めについてもお願いします。
(市長)
令和元年の6月5日に一度立ち止まりをした後、令和2年の2月に348億円という試算をいたしました。その時には、当初地中障害物撤去費が0円で計上されていたものを、当初加山市長の時代から、私が市長になる平成31年3月の議会で、26万立法メートルの地中障害物があると答弁しております。ですから、その時の答弁から、既に地中障害物があり、撤去代がかかるというのは加山前市長もご存じだったと思います。ただ、議会では26万立法メートルのみがでて、金額は出てまいりませんでしたから、市民の皆さんや議会の皆さんも金額を知ることはありませんでした。
(記者)
費用に関して、以前100億円というのを出されていると思うのですけど、この試算に関しては、今また改めて会議の中で積算する中で、これが増えてきているという認識ですか。
(市長)
348億円という数値を令和2年2月に公表させていただきました。その後、A&A事務所を中心に、試算をコンサルティング会社等々と行ってまいりまして、その数字に関しては、もう少しお時間をいただきたいと思いますが、いずれにしても、事業の圧縮を目指してまいりましたので、例えば地中障害物も60億円から100億円かかるというものを、ここまでかけずにできる方法はないかということを検討しています。いずれにしても348という数字は、令和2年2月時点の数字でありまして、これからゴールデンウィーク前後に出す数字に関してはこの348からさらに精度が上がった数字が出てまいります。また、3月末までに判断ができなかったことに関しては、ご指摘・ご批判に関しては率直に受け止めていかなくてはいけないと思っておりますし、反省しなくてはならない点であります。しかし、慎重な判断が必要であることをご理解いただきたい。議会や地権者の皆さんと同様に、72万市民の皆さんには、大きな市税の公金投入ということもありますので、事業計画が発表されたのちには、緊急の記者会見を行って、皆様にお話をさせていただきたいのと、事業が再開すれば地権者説明会や市民説明会に関しては、私自ら出席して、しっかり向き合って、厳しいご意見やいろんな意見を聞いてまいりたいと思います。
(記者)
人権尊重のまちづくり条例の関連で、3月1日の審議会では、委員の方からより強い姿勢をということでの表明をしてほしいと要請みたいな形で出たわけですけど、今日市長が説明されましたことが、市長の見解ということでよろしいでしょうか。
(市長)
はい。けっこうです。
(記者)
改めて、審議会に市長の見解を文面で出すとかそういったものはされなくて、今回のこれがその形ということでしょうか。
(市長)
この場でお話をさせていただいて、担当からは市長がこういう方向で発言をしましたということは次回の審議会の中で報告すると思いますので、今日の意見全てがそのものでありますので、ご理解いただきたいと思います。
このページについて、ご意見をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
広聴広報課
住所:〒252-5277 中央区中央2-11-15 市役所本館3階
電話:042-769-8200 ファクス:042-753-7831
広聴広報課へのメールでのお問い合わせ専用フォーム