令和4年度 12月定例記者会見(令和4年12月26日)
令和4年12月26日
- 日時 令和4年12月26日(月曜日)午前11時00分~午後0時10分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
皆さん、こんにちは。早いもので、今年も残すところあと数日となってまいりました。大変寒い日が続いておりますので、ご自愛いただきたいと思います。
1つ目は、お手元に発表資料をお配りしております、本市のPR動画についてでございます。長引く新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、人々の働き方や休日の過ごし方等の考え方が変化するなど、ライフスタイルが多様化し、東京への一極集中の傾向が弱まりつつあり、地方への関心も高くなってきていると感じています。本市に注目しますと、首都圏からのアクセスの良さ、都市と自然のベストミックス、リニア中央新幹線の開業に伴う新駅の設置等のポテンシャルを有し、他都市にはない魅力あふれる都市と自負しております。本市が総合計画の将来像に掲げる「潤いと活力に満ち 笑顔と希望があふれるまち」となるためには、多くの方に本市の良さや魅力を知っていただく必要があると考えております。そこで、本市を知ってもらい、来てほしい、住んでほしい方々として、市外に住む子育て世代と若年層をターゲットとするPR動画を作成いたしました。タイトルは、「はい。その答え 相模原で見つかりました。」で、YouTubeやSNS等の用途に応じて使い分けるため、2分30秒、それから30秒、15秒バージョンを用意していますが、本日は、この場で2分30秒バージョンを視聴いただきたいと思います。それではご覧ください。
ご視聴いただきましてありがとうございます。今ご覧いただきましたこの動画は、本市の特徴をコンパクトにまとめました。見ていただいた方に、相模原への関心や興味を持ってもらえるよう、WEB上やイベント等のあらゆる機会を活用して動画を流していきたいと思います。また、この動画を通じまして、市民の皆さまに、わがまちの魅力を再認識していただき、シビックプライドの醸成にもつなげていきたいと考えています。より多くの方々にご覧いただけるよう、ぜひこの動画をご紹介くださいますようお願いいたします。
2つ目は、お手元に参考資料をお配りしております「SAGAMIHARA SDGs EXPO」についてでございます。これは、SDGsに関連するイベントとして、令和5年2月3日(金曜日)と4日(土曜日)に、相模大野駅に隣接します市民・大学交流センター、ユニコムプラザさがみはらで開催いたします。3日は、有識者による基調講演やパネルディスカッション、SDGsパートナーによるブース出展等を予定しておりまして、パートナー間の交流を深め、将来的なビジネス機会の創出につなげていきたいと思っております。4日は、吉本興業に所属をし、神奈川県住みます芸人である「囲碁将棋」が、県内を中心とした地域情報をお届けするラジオ日本の地域応援バラエティ番組「イゴナマ!!」の「SAGAMIHARA SDGs EXPO公開録音スペシャル」や、日本テレビ「ZIP!」の気象キャスターでもあります、くぼてんきさんによる子ども向けの講演会等を予定しております。市民の皆様にお越しいただき、SDGsに関する理解を深め、日頃の行動につなげていきたいと思います。
3つ目は、今年の1年の振り返りでありまして、今年を象徴する一文字といたしまして、「動」という字を選びました。これは、新型コロナウイルス感染症や原油価格・物価高騰に直面をしまして、停滞する市内経済を、キャッシュバックキャンペーンや給付金を通じて動かし、市民や事業者の皆様を支援したという意味合いも込めましたが、やはり、令和元年6月に立ち止まっておりました麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業を、検討に検討を重ね、本来あるべき姿での再開にこぎつけることができたことや、事業が遅れていた橋本駅周辺、相模原駅周辺、そして淵野辺駅南口のまちづくりで方向性を示すことができ、大きな山を動かすことができたと感じたことから選んだものです。そのほかにも、市総合計画に掲げます将来像の実現に向け、本市の進むべき方向性の検討や、具体的な取組を進めることができましたので、いくつか紹介させていただきます。はじめに、子育て支援の充実等に関する取組についてです。出産後間もない方のいる世帯や幼い兄弟等の世話をするヤングケアラーのいる世帯などに対し、食事の準備や衣類の洗濯等の日常的な家事を支援する事業に加え、子育て世帯の中古住宅の購入等への補助事業を実施いたしました。次に、中学校給食の全員喫食の実現に向けた取組です。本市にふさわしい給食提供の実施方式などについて検討を重ね、給食センター方式を基本とする方向性を定めるなど、令和8年中の全員喫食の実現に向け、良いスタートを切ることができました。この他にも、念願の夜間中学校の開設や、南清掃工場の焼却炉の砂から金・銀の回収、青山学院大学の原晋氏を相模原スポーツ宣伝大臣に任命するなど、市民がワクワクしたり、相模原市をもっと好きになるような事業を行うことができました。本日は、ほんの一部しかお話ししていませんが、本市の将来的な課題・方向性について、中長期的な視点で調査・分析・検討し、一定の道筋をつけ、また、市民等が直面している喫緊の課題には、迅速かつ的確に対応することができたと思っています。
最後になりますが、ご案内を1件させていただきます。12月13日(火曜日)に発表しておりますが、この度、本市出身のF1ドライバーであります角田裕毅選手を、相模原市ホームタウンアスリートに認定することになりました。これまでに、本市に活動拠点を置き、広く活躍が期待できるスポーツ団体をホームタウンチームとして認定し、広報の支援などを行ってきましたが、この制度の個人版に相当するものでございます。12月29日(木曜日)の午後2時から、市役所本庁舎1階ロビーで認定式を行いますので、ぜひともご取材をお願いしたいと思います。
報道機関の皆様には、この1年間、多方面にわたりご協力をいただき、誠にありがとうございます。私からは以上でございます。
質疑応答要旨
市のPR動画について
(朝日新聞記者)
今伺ったPR動画なんですけど、こういった企画はこれまでもされているのかと、どこかの自治体を参考にされたのかと、費用はどのくらいかかっているのかということを伺います。
(SDGs・シビックプライド推進担当部長)
これまで市を総括的にPRするような動画を作ってきませんでした。特に、他の自治体は参考にしておらず、本市の特徴的な所を集めて、案内するための動画を作りました。製作費は約430万円です。
(市長)
2021年に総務省が発表しました住民基本台帳人口移動報告によると、本市は転入超過3,837人プラスということで、全国1,719の市町村の中でトップ10に入りました。この傾向を見ると、20代から30代の移住者が多かったという点がポイントだと思っております。私は「子育てするなら相模原」ということを常々話しておりまして、特に子育て政策はエッジを効かせていきたいと思っております。そうした中で、今年は千葉県流山市に視察に行ったり、子育て政策に力を入れている自治体を学ばせていただき、多くの方に相模原を選んでいただけるよう、今回、市外にお住まいの子育て世代の皆さんとか、若年層の皆さんをターゲットにしたPR動画を作りました。今後は、相模原市の公式YouTubeとかSNS等を通じたり、また、東京にお住まいの方々にPRできるような手法を検討していきたいと思います。
(朝日新聞記者)
こういう自治体のPRってすごく難しくて、例えば僕らで言うと神奈川県内版の紙面を主に作っているというところもあるんですけど、皆さんの今おっしゃった趣旨からいうと、神奈川県内よりも東京都内の人に見てもらいたい、あるいは知ってもらいたいという話があるわけですね。だから、そこの手法について、今、工夫を凝らしているっていうことだと思うんですけど、そのあたりはなかなか難しいところがあると思うんですけど、そこはいかがでしょうか。
(市長)
流山市を視察した時に、井崎市長から「母になるなら、流山市」という文言で、東京都に対して長年マーケティング戦略を行い、功を奏してきたという話を聞きました。このPR動画を作って、1、2年で反応があればうれしいのですが、ここから息の長い取組になるのかなと思っています。本市は東京都の都県境にありますが、最近、市内のハウスメーカーの経営者によると、新しいお家の相談を受ける際に、町田に作りたいという方が結構増えている感じがするとのことで、私は危機感を感じています。本市も中古住宅の流通を目的として、子育て世帯向けの施策を2月28日まで延長していますが、そうした中においても、町田市でという相談があるようなので、子育て関連を担当する課に、町田市や八王子市との子育て施策の比較をお願いしました。このように、普段から生の声を聞いている民間企業の方の肌感覚は非常に大事だなと思っています。お家を買うということは、人生の大きな選択ですよね。子育て世代が家を建てる時の選択肢に本市が入らなきゃいけないと思っています。
本年の振り返りについて
(朝日新聞記者)
先ほど選んでいただいた漢字は、いろいろ振り返られての今年の実績というか、それを振り返られたのかと思うのですけど、今の時点で、課題や積み残しもあると思うんですが、何か1つ挙げるとしたら何を挙げますか。
(市長)
私が市長になって、職員と接している中で、職員は教職員を含めて約8,000人いて、「真面目に働いているなあ」と思っていますが、前例踏襲型ではなく、台風があったり、コロナがあったりなど、誰も先を想定できない中で、チャレンジする相模原に変えていきたいと思っております。職員が40年、50年と働いて、卒業する時に、「私が選んだ職場は自分の人生にとって最高の場所だったなあ」と思ってもらえるような職場環境に変えなきゃいけないなと思っています。最近ストレスチェックとか、産業医からの報告を受けますと、様々な点でまだまだ課題があるなと思っています。それから、具体的に1つ挙げますと、やはりまちづくりかなと思っています。私が市長になる前は、「相模原には事業がたくさんあって、みんな順調に進んでいる」と聞いていましたが、私が市長になった時に改めて確認すると、予算の裏付けがなかったり、また、中長期的な試算がない事業があり、何となくやっている感を出していました。現在は、当時止まっていた事業を動かせたものも幾つかあります。橋本駅の南口のまちづくりが4年間止まっていたのも動かせたし、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業、淵野辺駅の南口、相模原駅の北口もそうでありますが、やはり動き出した事業に関しては、しっかり市民の皆さんにお伝えしなきゃいけないと思っています。都市と自然がベストミックスしている相模原は、これから大いにまちが変わっていく可能性が高いと思っていますので、その現実的な話を市民の皆さんにお話していきたいと思っています。そして未来に対しても、未来の予想図をしっかりお示しし、夢の話ばかりじゃなく現実的な話もしっかりできる体制を作っていくことが課題だと思っています。
市のPR動画について
(神奈川新聞記者)
市のPR動画のことでお伺いしたいんですけれど、観光に来てもらいたいっていうのと、住んでもらいたいっていうのは、アプローチの方法は違ってくると思うんですけど、この動画は観光促進と定住促進の両方の要素を含んでいるものなのか、それとも市長のお話を聞くと、移住・定住に力を入れたいというようなお話だったので、どちらかというとそっちの方なのか、そのへんのコンセプトを改めてお伺いできますか。
(SDGs・シビックプライド推進担当部長)
プロモーション活動のさらなる強化を図る中では、メディアの皆さんに相模原市はどんなところっていうことを説明する時に、なかなかご理解いただくことが難しい状況がありまして、そういった観点でいろんな方に、相模原市の総括的なところをさっと説明できるようなイメージ動画を作るというところから始まっております。その結果、観光という側面もありますし、子育て世帯の移住という側面もありますし、そういう汎用性の高い動画として作らせていただきました。
(市長)
今年はメディア戦略を積極的に行っておりまして、特に市外のメディアを対象に観光ツアーなどもやり、もっと相模原を知ってもらいたいということでやってきました。この動画は、相模原に足を運んでいただこうということと、できればそこから移住・定住につなげていきたいと、ちょっと欲張りな動画になってしまったかもしれませんが、まず第1弾として作ってみました。記者の皆さんからも、ここは足りないんじゃないかとか、こういうふうにしたら良いんじゃないかとか、ぜひお知恵をいただければと思っています。私はキャンプ場が入っていないなとか、釣りが入っているなとか、いろんなことを制作の途中に話してきたのですが、今回は第三者的なAIの言葉で語りかけてちょっと面白い視点だと思っています。
(神奈川新聞記者)
そうすると両要素を含んでいるということで、いかに市外とか県外の人に発信・アプローチしていくかというところだと思うんですけど、例えば市外とか県外の観光のいろんな情報が集まっているところに動画を流してもらうとか、パンフレットを置いてもらうとか、あとは定住促進だと先ほどおっしゃったように、住宅メーカーの人と協力・連携した取組をするとかが重要になると思うんですけど、今の時点で、ネットにあげるとか、イベント以外で具体的に構想としてあるものがあれば教えていただけますか。
(SDGs・シビックプライド推進担当部長)
ネットのYouTubeの広告や、イベント等で流すというのはもちろんやるんですけど、その他に不動産会社や車のディーラーとかにも、この動画を案内させていただき、多くの方に見ていただきたいと考えております。
(市長)
流山市が長年、各鉄道駅の柱に「母になるなら、流山市」という広告を打っていたように、本市もそういう戦略を打っていかないといけないのかなと思っています。例えばYouTubeも東京23区に限定して配信するとか、山手線の電車内テレビとか、各駅のサイネージに流すとか、市内外の民間事業者の力もお借りしていく必要があるのかなと思っています。今回は予算的に、私が今言ったような形では、まだまだ十分にはできていないと思うのですが、これで終わりではなくて、第2弾、第3弾と続けていく中で、やはりターゲットを絞って、最終的には流山市が行ったように、複数年、10年ぐらいかけて、相模原を都心で宣伝していくことが必要なのかなと思います。また、観光協会がやっているサガミックスが市内にありますが、本来、アンテナショップは市外にあることが多く、特に東京にはたくさんあります。観光協会と相談しなきゃ決められないことですけど、例えばアンテナショップを市外に持っていくとかも1つの戦略かなと思っていますから、今回の動画を皮切りにチャレンジしていきたいと思っています。
(神奈川新聞記者)
住民基本台帳を基にした転入転出超過の件でトップ10に入ったとのことですが、具体的なランキングを教えていただけますか。
(市長)
10位です。9位が流山です。相模原の出生率は2人目がまだ低い位置にいるので、自然増も増やせるように、産み育てやすい環境って重要だなと思っています。今回、転入超過トップ10に入って、年明けに2022年の結果が出てきます。私たちがどの辺にいるのか関心がありまして、引き続き選ばれるまちになるように励んでいきたいと思っています。
(テレビ朝日記者)
さっきの市長の質問のお答えの中で、町田が子育てしやすいみたいな話があったんですけど、町田に家を建てる人が多いのは子育ての施策が優れているからってことですか。
(市長)
私が市内のハウスメーカーの経営者と話した中で、最近の傾向として、町田に家を建てたい、中古住宅を求めたいという子育て世代が多いことを聞きました。どこに差異があるのか、私もはっきり分からないところがありまして、今、子育て担当の課に本市と町田市、八王子市等の近隣市と、どういった施策が違うのかを調べてもらっていまして、2月頃には多分言えるんじゃないかと思います。
(テレビ朝日記者)
分かりました。特に町田への転出が相模原から多いってことではないんですね。
(市長)
特にそうではありません。
市長選への出馬について
(朝日新聞記者)
何度も聞かれていると思うんですけど、市長が前々回の会見の時に、前回の市長選に立候補を決めたのが、平成31年1月8日頃で、3カ月前ぐらいがリミットだとおっしゃっていたのが、まさにこの時期から年明けぐらいなんですけど、改めて市長選への出馬についてのお考えはいかがでしょうか。
(市長)
前々回話したように、残りの任期が4カ月となってきまして、与えられた任期を日々頑張っていくしかないと思っています。先日、副市長以下の職員に、「あと4カ月しかないなという発想じゃなくて、あと4カ月あるんだから、4カ月で何ができるんだってことを考えて、頑張っていきたい」と話をしました。また、加山前市長から、「県会議員や国会議員をやってきた経験があっても、市長という立場は全く仕事が違うし、非常に重責なんだ」ということを市長になる前に言われたことがあり、そのことを痛切に感じております。確かに県会議員や国会議員をやってきたんですが、例えば人事や予算もなかったんで、そういったことも違うし、それから毎日決断、判断の連続です。前々回お話ししたように、4年間、自分なりには全力でやってきたと思っています。ただ、まだまだ職員との対話、市民との対話、議会との対話など、足りない点もたくさんあるなという反省はあります。その中で、次の4年間、自分自身の気力・体力含めて、自分でやり切れると思ったときに、正式な出馬表明になるのかなと思っていますので、そこの段階を今模索しています。間違いなく年明けになると思いますので、正式に決まりましたら皆さんにお伝えします。ですから、2カ月前と気持ちは変わってないです。
(朝日新聞記者)
そういったお考えを述べる場所というのは、本来で言えば、市民の代表が揃っている議会の場とかに落ち着くわけですが、前回決めた時期を考えると1月の上旬とかになるので、その他にも後援会の場だとか、いろんな場があると思うんですけど。
(市長)
そうですね。例えば、辞めれば次の方が出てくるための時間も必要でしょうからね。そういった意味では、例えば、1月5日の賀詞交換会とか、1月6日の定例記者会見とか、それから1月12日の市議会の開会会議があったりしますから、それも1つの選択肢かなと思います。
表彰条例の一部改正案について
(朝日新聞記者)
これは今年を振り返るっていう意味もあるんですけど、6月議会であった表彰条例の一部改正案は、結局、議案としては否決になってしまったわけですが、あの時のやりとりも聞きましたし、会議録も見ました。市長の考えとして伺いたいのは、そもそも市長がそういった対象になる人を、職名としてはっきり市民にお知らせするっていうことに意味があるんだというお考えをおっしゃっていたと思うんですが、それの大前提として、例えば公明党は、「いわゆる議員は公僕であるので、表彰の対象にならない」ということで辞退されるというお考えを述べて、実際、委員会で退席されているわけで、それでも指名するんだという市長としてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
(市長)
私も表彰条例に関しましては、当時6月定例会ですから3年経験した中で、令和元年東日本台風、それから、令和2年1月には国内で初めての新型コロナウイルス感染症対応というところで、特に台風では、改めて、神奈川県との連携を痛切に感じました。指定都市と言えども、中山間地域を抱えていて、例えば水道事業をはじめ、河川とか山とか、治山治水などについては、神奈川県との連携が非常に多くあったということを感じています。県議会議員の皆さんにも、かなり動いていただいたと感じています。国会議員は、赤間衆議院議員、義家衆議院議員、後藤衆議院議員といらっしゃいますが、与野党の皆さんに相模原のために、非常にお世話になってきたということもありまして、自分としてはそういう感謝の気持ちを直接お伝えしたいなということ、また市民の皆さんにも知っていただきたいなという思いもありまして提出いたしました。ただ結果、自民、共産の反対で否決をされ、公明党はもともと表彰をお受けにならないということも承知していました。家に帰って、各社の記事を見た妻や子どもからも、「あなたは良いと思っても、かなり時代錯誤している話よね、こんなの市民は望んでないんでしょう」ってことを否決される前から言われまして、そういう感覚って大事なのかなって思います。例えば市の幹部の中でああいう発言をしてくれるのは誰もいなかったんですね。議会側からいただいた否決の理由とか、例えば市民の皆さんからも、そういった声も実際いただいていましたから、そういった市民感覚というのが私自身も、少しずれていたなあと反省しております。ですから、「否決されて、リセットして、もう1回出すんですか」という話もあるかもしれませんが、出すか、出さないかはこれから考えなきゃいけないと思うんですが、やはり市民が望んでない話だったのかなあという思いもしていますので、しっかり自問自答して、かつ、市の副市長以下の職員にも相談していきたいと思っています。私は常々、職員に72万市民の方向性が間違ってはいけないから、私が舵をきるときに違うなと思ったら、遠慮なく言ってほしいと言っています。これを言える職員が増えていくことが健全な相模原だと思っていますから、私は別に言われたからといって、恨みを持ったりするわけじゃなくて、意見を言ってくれる人が大事だなと思っています。それは有権者もそうです。行政のトップとしてはいろんな人と話す機会が多いとは思うんですが、それでもまだまだ足りないなと思っています。市民の皆さんや、職員、議会、民間事業者も含めて、皆さんが感じたときに、「やっぱりこれは本村さん駄目だよ、とか、これは良いんじゃない」って言っていただける環境を作っていくことが大事だなと思っていますので、これからも多くの皆さんに学び、勉強し、そして最終的な判断をしていきたいと思います。
(朝日新聞記者)
念のため、もう1回確認しますが、議員として自分自身でも表彰の対象っていうのは値しないと言っている人もいるし、職責や行政区分は関係なく、表彰されるのは尊いことだって言う人もいたし、いろんな意見があったわけですよね。
(市長)
実際、国会議員や県会議員の中にも、「もらいたいよ」っていうよりも、「良いんじゃない」って人はいましたし、「1回市議会議員の方に反対の意見を伝えたけど、市長の話を聞くと理解できるね」っていう人もいました。だけど、議会が否決したという事実に関しては、真摯に受けとめなきゃいけないなと思っていますので、中には「取り下げた方が良いんじゃないか」って話もあったんですが、私は政治家市長として、「これは出した以上、否決されても出したい」ってことを伝えて、「議会の皆さんのご意見を聞きましょう」と判断して、議案として出させていただきました。ただ、積極的に必要だという意見は少なかったのかなというふうには思います。
大野南中学校の学級編制に関する文書の不適切表記について
(神奈川新聞記者)
教育長にお伺いします。先日、相模原市立大野南中で、生徒を反社会、非社会と格付けするような表現の資料が作られていたことが明るみになりました。12月の上旬の時点では、どうしてそういう表現を使ったのかは調査中という教育委員会からのお答えがあったんですけど、改めて、2年生の学年主任が、なぜこのような表現の資料を使ったのかを教えていただけますか。
(教育長)
本市の教員が、来年度の学級編制の検討をするために作成した資料に、人権の配慮に欠ける不適切な表現があったことにつきましては、生徒、保護者、また市民の皆様に大変申し訳なく、本当にお詫び申し上げます。その後、調査しまして、作成した資料は、来年度の学級編制を行うにあたり、生徒指導や友人関係、家庭環境など、必要な配慮を行って、新たな学級で豊かな人間性や社会性を育むことができるように配慮する観点を記したものでした。ただ、その観点として反社会、非社会、無印良品というような不適切な表記がございました。反社会というのは、実は学習指導要領にも用いられている言葉で、反社会的行動の傾向があることや指導経過があることを略した表現で、友人関係でトラブルがあったり、指導に従わないなどの傾向がある場合に、生徒指導上配慮が必要な状況についてを略称でそのように表記していたものです。非社会というのは、非社会的行動の傾向があることを略したもので、不登校ですとか、関係機関と連携して支援が必要な状況を示したものです。無印良品については、生活行動面で良好な状況についてを示したもので、いずれの表記につきましても、生徒の人権への配慮に欠けた表記でございまして、しっかり配慮した適切な表現でなければならないと重く受け止めております。生徒や保護者に不安と動揺を与えてしまったことを真摯に受け止め、これから人権研修をしっかり行って、高い人権意識、人権感覚というものを身につけて、再発防止に努めてまいりたいと考えております。
(神奈川新聞記者)
今のお答えだと、学習指導要領に基づいて、それを短縮するような形で学年主任が使ったという理解でよろしいでしょうか。
(教育長)
はい、その通りでございます。
(神奈川新聞記者)
この反社会とか非社会という言い回しは、今回に限らず、毎年こういった表現で資料を作っていたんでしょうか。
(教育長)
毎年かどうかについては申し訳ないのですが、学級編制資料は、保存年限が1年であるもので、具体的にはどうか分からないんですが、当該学年主任は前任校からそのような表記を用いていたと聞き取りをしております。
(神奈川新聞記者)
今回2年生ということですけど、1年生と3年生も同じような表記の資料を作っていたんでしょうか。
(教育長)
まず3年生につきましては、来年度の学級編制をする必要がない学年なので、資料は作っておりませんでした。1年生については、こういった表現は用いていないと報告を受けております。
(神奈川新聞記者)
先ほどのお答えで、その学年主任は前任校から同じような表現を使っていたと答えているようですけど、そうすると、市内全域でこういった問題がある表現が使われていた可能性があるということでしょうか。
(教育長)
今年度について、市内の全校を確認した範囲では、46校で学級編制に向けての資料を作成していましたが、反社会、非社会、無印良品という表記をしていた学校は当該校以外はございませんでした。ですから、学年主任の前任校も含めて、このような表記はしていなかったことを確認しております。
(神奈川新聞記者)
その表現を使った資料を作成して、教諭間で共有しているわけですけど、他の教諭から、この表現は問題があるんじゃないかという声は上がらなかったんでしょうか。
(教育長)
おっしゃる通り、教員間で気付いて、是正できるような人権意識、人権感覚を身につける必要があると考えています。
(神奈川新聞記者)
その表現自体も非常に問題だと思うんですけど、結局、先生にとって、要は生徒を管理しやすい、指導しやすいっていう視点での評価対象でしかなかったんじゃないかなっていうところが、例えば、生徒の自主性や個性、そういうものも含めたクラス編制におそらく通常はなっていると思うんですけど、こういう表現を使うっていうことは、先生にとってクラス運営しやすいかとか、言うことを聞くかとか、そういう管理対象でしか見ていなかったことが、こういう表現に繋がっているんじゃないかっていう懸念を持ったんですけど、その点については聞き取りや調査に対してどういった答えになっているんでしょうか。
(教育長)
その観点については、当該職員に対する聞き取りを今している段階なので、お答えが用意できていないんですけど、ただ、学級編制については、より良い学級を編制して、社会性ですとか、豊かな人間性を育むことができるような学級を作るためですから、今のそれぞれの生徒が持っている能力を生かす、また、そういったことができるような学級を作ることに向けて、良い点や課題がある点、指導が必要、配慮が必要、いろんな観点で見たところをまとめたものとして、今回の資料は作られていたものです。ただ、使っていた表記が好ましくなかったものと捉えております。
(神奈川新聞記者)
今回、これが明るみになったのは、日本テレビが一番最初に報道して、各社それに追随するような形で取材、報道しましたけど、教育委員会として発覚したのが11月30日と伺っているんですけど、こうした問題がある表現を使った資料を作っていたという形で、自主的に発表することは検討されなかったんでしょうか。
(教育長)
まず、生徒や保護者に対して状況を説明して、お詫びするということが必要だと判断し、学校長から生徒への説明、お詫び、それから保護者会の開催による説明、お詫びをいたしました。ただ、それ以上のことについては、まず調査を行い、明らかにすることが大切だということで、公表についてはそれから検討すると考えておりました。
(神奈川新聞記者)
そもそも発表の基準がどうなっているのか分からないんですけど、例えば、教育委員会に限らずに、事務処理ミスがありましたっていうような軽微なミスも結構発表されてますけど、そういったことと照らし合わせても、今回の事案は非常に重い問題のある事案だったと思うんですね。今回報道されたことによって明るみに出ましたけど、それがなかったら、何もなく過ぎ去ったのかっていうような懸念も持たれるわけで、問題が起きても、自主的に発表して、自浄作用を働かせることは非常に必要だと思うんですけど、そのあたりはどういうふうに検討されて、公表基準はどうなっていて、誰のどういう判断で発表しなかったのか教えていただけますか。
(教育長)
発表の検討について、まだする段階でないと捉えていたのですけど、まずは、生徒、保護者が非常に今回のことで動揺し、傷つけてしまった部分がありますので、まず実態をしっかり把握してから、公に報道発表するのであれば、その必要があるというふうに考えておりました。まずは生徒を守る、子どもたちを守るという視点が一番大事だと思っておりますので、その上で、説明が十分にできる体制を取ってから、発表するのであればするという判断をすると考えております。
(神奈川新聞記者)
調査されているということですけど、ある程度調査がまとまったら公表される予定はありますか。12月の上旬の時点では、処分も含めて検討するというお話だったんですけど、処分がなかったとしても、何かしらの形で公表されるお考えはありますか。
(教育長)
他校への調査ですとか、文書がどういう趣旨で作られたものか等、今の段階で把握していることについては、概ねお答えしたと思っております。処分については、さらに当該職員の聞き取り等を十分に行った上で、検討してまいりたいと思っておりますので、処分するかどうかという結果によって、公表するかどうかっていうのもまた併せて検討していきます。
(共同通信記者)
学習指導要領に「反社会的行動が見られる、非社会的行動が見られる」っていう文言があって、それを略して記載してしまったという説明があったと思うんですけど、つまり学習指導要領にある文言ではあるけど、略してそういうふうに書いてしまったことが問題だったと考えているのでしょうか。
(教育長)
そのような人権に鋭敏でない感覚、略して書いてしまうことが問題だと思っています。人権意識を高めていく必要があると思っております。
(共同通信記者)
学習指導要領に明示してあるような正確な表記で書いていれば、特に問題はなかったということですか。
(教育長)
学習指導要領に載っているのは、「反社会的行動に対する毅然とした教師の態度が~」みたいなフレーズの中で、反社会的行動という言葉を使っているということですので、こういった学級編制資料の観点、視点として、どういう視点が表記されることが内部資料として好ましいかということは、今後検討し、各学校に例示していこうと思っております。
(TVK記者)
具体的に、ふさわしい表現の仕方を例示するとお話がありましたけど、それが次の年度のクラス替えに使えるように、例えばいつまでにとか、例示するにしても、ある程度こうしたものの中から使ってくださいっていうものを示すのか、もう少し、今の検討状況について教えていただきたいというのが1点と、例示される際に、メディア向けに公表していただくことが可能か伺います。
(教育長)
今検討しているところなので、そうしたことについても確認して、できるだけお伝えする方向で考えております。
(TVK記者)
いつ頃までに各学校に例示するという目安で動かれているんでしょうか。
(教育長)
1月中にはと考えております。
(神奈川新聞記者)
細かいところですけど、もう一度、学習指導要領で、どういった表現で、どういう紹介がされていたかを教えていただけますか。
(教育長)
今手元にあるものだけで申しますと、文章の中で、「教師と生徒の信頼関係は、日頃の人間的な触れ合いと、生徒とともに歩む教師の姿勢、授業等における生徒の充実感、成就感を生み出す指導、生徒の特性や状況に応じた的確な指導と、不正や反社会的行動に対する毅然とした教師の態度等を通じて形成されていくものである」、こんな文章の中で反社会的行動というものは出てきております。
(神奈川新聞記者)
ちなみに、非社会もそういう表現なんですか。
(教育長)
非社会については、国が出している文書の中にあるのですけど、学習指導要領で非社会的行動を使っているところは確認しておりません。
(時事通信記者)
今の質問に関連してなんですけど、クラス分けの際の指針というものを教育委員会から何か提示しているものは現段階ではないということでしょうか。
(教育長)
これをベースに、というようなものは出していないです。
質疑応答中の重複した言葉づかいや明らかな言い直しなどは、整理した上で掲載しています。
このページについて、ご意見をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
広聴広報課
住所:〒252-5277 中央区中央2-11-15 市役所本館3階
電話:042-769-8200 ファクス:042-753-7831
広聴広報課へのメールでのお問い合わせ専用フォーム