令和4年度 1月市長年頭記者会見(令和5年1月6日)
令和5年1月6日
- 日時 令和5年1月6日(金曜日)午後2時00分~3時10分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
新年明けましておめでとうございます。記者の皆様には、新年早々にお集まりをいただきまして、お礼申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。
本日の案件は、2件となります。
1つ目は、本年の取組についてでございますが、4月に統一地方選挙が実施されますが、私の現在の思いと、今後、中長期的に進めていくことになる事業を中心にお話をさせていただきます。まず初めに、本年の抱負を漢字で表してみたいと思います。このように、「育」という漢字を表してみました。本年は特に子育て支援の取組を充実させるとともに、まちづくりについても着実に進めていきたいと考えています。ソフト事業とハード事業の両面でバランス良く、市民の皆様と一緒に相模原というまちを大きく育んでいきたいという強い思いを込めて、この字を選びました。この相模原を育むために、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に基づきまして、先ほどと重なるところもございますが、本年は「子育て」、「教育」、「まちづくり」の3つに重点を置き、取組を進めていきたいと考えています。具体的には、本市においても少子化が進行しておりますので、子どもの公共施設利用料の無料化や、中学校給食の全員喫食に向けた取組の加速等、子育て世帯への支援を目に見える形で進めてまいります。また、本市の今後を担い、持続可能な発展につながるまちづくり事業に関してですが、橋本駅周辺につきましては、多くの方が降りたく、訪れたくなるまちとなるように、相模原駅周辺につきましては、駅前の広大な更地を生かしながら、脱炭素のまちとなるように、市民の皆様の声を聞きながら検討を進めてまいります。麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業につきましては、産業を中心とした新たな拠点としてのポテンシャルが高いことから、一日も早い事業完了に向けて取り組んでまいります。さらに、地域の実情に応じた移動手段を確保するため、グリーンスローモビリティの実証実験や高齢者移動支援にも取り組んでまいります。脱炭素社会の実現に向けましては、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指して、市民の太陽光発電設備の導入や、中小規模事業者の再生可能エネルギーの導入等を支援してまいります。そして、ワクチン接種等の新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、これまでどおり万全を期し、市民の皆様の安全、安心を最優先してまいります。このような取組を、全職員が一丸となって、市民の皆様に寄り添いながら推進し、「子育てするなら相模原」、「第2、第3の人生を楽しむなら相模原」、「起業するなら相模原」、「教育を受けるなら相模原」と言っていただき、選んでいただけるまちとなるよう、誇れる相模原、輝く相模原をつくってまいります。
2つ目は、お手元に資料をお配りしております、さがみはらグリーンボンドの発行についてでございます。本市におきましては、これまでに脱炭素社会の実現に向け、さがみはら気候非常事態宣言の表明や、さがみはら脱炭素ロードマップの策定、専属組織であるゼロカーボン推進課を設置するなどの各種取組を積極的に進めてまいりました。これらの取組をさらに進めるため、2月にさがみはらグリーンボンドを発行できるよう準備を進めております。皆さんもご存知かと存じますが、グリーンボンドとは、地球温暖化をはじめとする環境問題の解決に要する資金を調達するために発行する債券のことであります。グリーンボンドの発行によりまして、効率的・効果的に資金を調達できるばかりでなく、市民や投資家に対して、環境問題の解決に積極的に取り組んでいることをPRできるとともに、SDGs未来都市として、環境、社会、企業統治に配慮して事業活動を行う企業への投資であるESG投資に関する機運を醸成する役割も担っていると考えております。なお、グリーンボンドによって調達した資金につきましては、気候変動適応や省エネルギーに関する取組に充当させていただきます。他都市の先行事例の状況から見ても、投資家の関心も高く、発行額をはるかに上回る申し込みが期待できますので、調達した資金を存分に活用し、脱炭素の取組を加速化していきたいと思います。
記者の皆様には、本年も引き続き取材いただきますよう、よろしくお願いいたします。私からは以上でございます。
質疑応答要旨
今年の抱負について
(読売新聞記者)
私の個人的な感想かもしれませんけど、今年の抱負、「子育て」、「教育」、「まちづくり」と3本ありまして、昨日も賀詞交換会でこの言葉を述べておられましたけど、子どもや若者と、中年ぐらいまでを対象にしているような感じがして、まさに2025年問題を控えて、高齢者がこれから一番大問題になってくると思うのですけど、それに対する考え方とか取組がないような気がするのですけど、まずそのことについて伺います。
(市長)
行財政構造改革を進めるにあたりましても、様々な予算の組み替えをして、「子育て」、「教育」、「まちづくり」という3本の柱の予算を獲得して、エッジの効いた予算立てをしていく必要があると考えております。これまでも扶助費の削減等で敬老金をカットしたり、はりきゅうマッサージの助成金額を半額にしてきましたが、高齢者に対する取組が足りないというご指摘もしっかり踏まえていかなきゃいけないと思っております。市長になる前から市民の皆さんから一番言われてきたことが、交通不便地域の交通対策でした。例えば免許を返納した高齢者の皆さんから、「私たちは買い物難民になってしまうんだ」という声もいただいている中で、外に出て行くことは、健康や長寿命化にも繋がるという視点から、この4年間、障害のある方も含めた移動手段について検討してきました。これまでも、交通政策課で議論してきましたが、都市建設局内だけではなかなか進まないので、もっと大きな視野で、オール相模原で考えていこうということから、健康福祉局が所管する「けんこう号」を使っていくとか、教育委員会の通学用のバスを、日中動かない時間に使えないかとか検討するなど、高齢者の移動手段の確保の取組というのは非常に大きな柱だと思っております。今月、グリーンスローモビリティの実証の機会をいただきまして、高齢化率が60%に近い城山の若葉台住宅で、ゴルフ場にあるような7、8人用のカートを使い、まずは実証に取り組み、令和7年度の本格運用を目指していきたいと思います。また、城山地区では既に社会福祉事業所のバスを利用して、高齢者の移動の取組も行っており、麻溝地区もこれから始まりまして、今後、市内12地区でこうした移動の形をとっていこうと思っています。ただ、バス運営会社とか、タクシー会社等を含めて、なかなかご理解いただけない部分もあるという話を聞いています。もちろんバスやタクシーといった公共交通機関の経営を守らなくてはいけない部分もありますが、一歩乗り越えなければ新しい交通手段は作れないので、職員にも、とにかく対話や議論をして、バス会社やタクシー会社から理解をいただき、中山間地域とか、相模線沿線の地域とか、地域によって環境も違いますから、地域に合った移動手段の取組を進める体制をとっていきたいと思います。今後、地域の皆さんにも、まちづくり懇談会などで、ぜひ何か良い提案があったら投げていただき、一緒に考えてやってみたいと思っていますので、決して私の中では高齢者を取り残しているというイメージはありません。
(読売新聞記者)
ここに書かれている箇条書きの「子育てするなら相模原」は、先ほど言われたように、公共施設の無料利用とか、いろんな所で移動式の遊び場をやるというのは分かります。「教育を受けるなら相模原」というのは、全員喫食のことを踏まえてのことかもしれませんけど、「起業するなら相模原」と「教育を受けるなら相模原」というのは、具体的にどんな施策があるのか、簡潔に教えていただければと思います。
(市長)
「起業するなら相模原」というのは、本市独自でアクセラレーションプログラムというのをスタートしておりまして、相模原から上場企業を目指したいという方々を今年度募集したところ、31の企業や個人から手を挙げていただき、現在7名に絞り、このプログラムを進めています。3月にまとめの発表会も行いますので、ぜひご参加いただけたらと思います。今年度は経済部を廃止して、企業誘致対策の部長や企業誘致推進課を作りまして、そういった中で、新たな取組として、上場された経営者などを市内外から招き、多くの刺激をいただいていて、若い人たちから幅広い世代の皆さんが参加され、非常に活発に取り組んでいるなあと思っています。教育に関しましては、本市はプログラミング教育がかなり進んでいましたが、児童生徒9人に1台のタブレット配付という状況で、全国平均は5.4人に1台ということでしたので、市長になってから「とにかく5万1,000人の児童生徒に1人1台、これを予算付けしないでどうするんだ」という話をずっとしてきました。市立高校の設置や敬老パスの導入をやりたいと思っていた中で、断念せざるを得ないような私の政策もありましたけど、その中でもプログラミング教育が全国でも先進的に進んでいる点も生かして、1人1台のタブレットを持たせたいということで、コロナ禍という中で交付金を使い、GIGAスクール構想をやらせていただきました。このGIGAスクール構想は、文部科学省からもお墨付きをいただいていて、全国の模範となるような先進的な取組をしていると思っております。中学生の学校給食に関して、温かい給食を食べたいですかというような、全員喫食に向けたアンケートもタブレットを使いましたし、ヤングケアラーの調査も小学校5、6年生と、中学校1、2、3年生を対象に行い、今集計しているところですが、そういったものもタブレットを使いました。この前、角田裕毅選手がホームタウンアスリート第1号としてお越しいただいた際に、児童生徒に1人1台のタブレットがあるので、例えば角田さんがF1レーサーになろうと思った夢とか、そういった希望を持てるような話を、ヨーロッパからオンラインで繋いでやらせてもらえませんかという提案をしました。あと、教育と子育ての関係だと、小児医療費の助成に関しては、所得制限撤廃の議論を進めています。東京23区とか横浜市、川崎市、座間市など、近隣自治体でもかなり進んでいますので、私たちも永続的に、例えば3億、4億、5億という予算を組み込んでいけるかってことも含めて、議論しているところです。
銀河アリーナについて
(読売新聞記者)
年度内に銀河アリーナの方向性を打ち出すとおっしゃいました。任期もわずかですから、現状を教えてください。
(市長)
昨年末にスポーツ課からレクチャーを受けました。内容は、サウンディング型市場調査における民間企業からの提案で、修繕費等に約2億円をかけて、運営を行えば約10年間維持できるというような話もいただきましたが、市でも試算したところ実際にはこれをかなり上回る金額が必要であるということがわかりました。また、これまで市が毎年約1億7000万円かけて運営していたものが、約7000万円でできるというようなものもありました。本当にこれが成し得るかどうかも含めて最終的な検討をしていきたいと思います。2億円だったらいけるなという思いはあったのですが。無作為抽出の5000名の市民アンケートを行い、6割強の皆さんから料金を上げても残してほしいという意見があったことも非常に重く受け止めていますので、そういったことを総合的に勘案しまして、年度内には方向性を出したいと思います。
公共施設の大規模修繕について
(読売新聞記者)
公共施設の場合ですと、例えば南市民ホールもそうなんですけど、大きな建物を建てた時に、大体15年とか20年に1回大規模修繕をやって、半年か1年間休館して、それからまた10年から15年延長するというのが結構行われているんですけど、相模原市の場合は、ああいう大きな公共施設もほとんど大規模修繕をやってないようなんですけど、それはなんでですか。
(財政局長)
市の公共施設の場合、長寿命化計画というのを策定しておりまして、これまでは60年で建て替えというのが基本的な考えでしたが、施設によっては80年持たせることができないかということで、施設ごとにいろいろ見ているところです。維持管理をしていく上では、期間を定めて修繕していますが、南市民ホールなど、例えば音響設備とかがあるところは修繕費が余計にかかるということで、施設ごとに検討しているところです。
(読売新聞記者)
例えば南市民ホールに限定して言えば、築40年近く経っていて、これまで1回も大規模修繕をやっていないわけですよね。普通、あんなに何もやらないっていうのはちょっとありえない。昔の考えで言えば、50年か60年で大体もう潰れるだろうっていうのが一般的な常識でしたから、今みたいに80年っていう話は特殊な例であって、普通は20年とか25年目で最低でも大規模修繕をやって、半年から1年、時によっては1年半ぐらい休館するっていうのが常識なんですけど、そこの点はどうなんですか。
(財政局長)
これまでの修繕につきまして、例えば休館して修繕をするようなものと、オープンしながらできる修繕がございまして、施設の状況によって必要な修繕をやっているという現状であります。
(読売新聞記者)
分かりました。
市長選への出馬について
(読売新聞記者)
いよいよ任期も迫って、昨日あたりからいろいろ噂も出ていますけど、市長選をどうするのか、まさに進退は自分で決めなくてはいけないものですし、その時期に来ていると思うんですけど、どうなんでしょうか。
(市長)
昨日来、様々なネットニュースや今朝の新聞等でも報じていただきましたが、年末に家族、事務所スタッフ、そして後援会の皆さんと相談をさせていただきました。次の4年間本当にやれるのかと自問自答しまして、結果的に、もう一度4年間、この幸せ色あふれる相模原を道半ばで辞めるんじゃなく、自分の手でやらせていただきたいと思い、この度4月の相模原市長選挙に2期目の挑戦をすることを決意いたしました。
(読売新聞記者)
それでは、1期目を振り返ってどうだったのかっていうことと、それから2期目にかけて特に何をやりたいのかを簡潔に教えてください。
(市長)
1期目は皆さんご承知のとおり、平成31年4月22日に登庁し、半年後には令和元年東日本台風で8名の尊い命を失う甚大な災害がありましたし、その3カ月後には、国内で初めての新型コロナウイルス感染症に感染された患者さんが市内から出まして、医療従事者の皆さんと共に3年間、ワクチン接種、病床の確保等を進めてまいりました。その中で、私が市長になった時に、まさか、これだけ事業が立ち止まっていて、予算の裏付けがない事業とか、中長期的な試算がない中で何となくやってる感だけ出ているような事業ばかりだとは思っていなかったです。例えば一番順調に進んでいると言われた橋本駅南口のまちづくりですら4年間立ち止まっていて、昨年の秋にようやく7者で協議が整ったというところであります。小田急多摩線の延伸などは、市民の皆さんに誤解を与えるような形で、あたかも上溝までの延伸が決まったような発信を市が続けていて、私も市長になった時に上溝地区の説明会に行きましたが、なかなかご理解いただけませんでしたが、小田急多摩線延伸を促進する議員連盟の皆さんや、小田急多摩線延伸促進協議会の皆さんにご説明をいただいたり、これまでも市議会で様々なご質問をいただきましたので、ようやく小田急多摩線延伸の位置付けを理解された方も増えてきたかなと思います。私も諦めたわけじゃなくて、昨年暮れに小田急の星野社長とも対話をさせてもらい、「これから小田急電鉄が来たくなるようなまちづくりを進めていきます」と話をしました。数年前の市には、何となくやってる感だけ出すような環境、体制があり、この環境はいかんなと思いまして、事業を見直し、進めるものは進め、立ち止まって検討するものは検討していくということでやってきました。また、これまで中長期的な試算はしてこなかったので、財政課に指示し、令和3年から9年までの7年間の試算をしたところ、816億円の歳出超過となり、このままのサービスは続けていけないということで、行財政構造改革という厳しい改革にチャレンジして、乗り越えて、子育て、教育、まちづくりに予算を充当できるような仕組みに変えていこうという話をさせてもらいました。私たちの時代だけ良いという話ではなくて、後世に相模原を繋げていくことが私たちの責任だと思っています。私はあえて対話を求めて、今の相模原の現状をしっかり皆さんに開示し、そして市民も議会も一緒に考え市政に参加してもらい、持続性ある相模原を作っていこうということでやってきたわけでありますので、次の4年間に関しても、ウィズコロナで、社会経済活動を止めない中で、子育て、教育、まちづくり、こういったものをしっかり、エッジを効かせていきたいなと思っております。4月の選挙に向けて、決意したばかりであり、まだ政策集もできていませんが、4年前の選挙で103の政策を述べました。年末年始にこれまでの進捗度合いの調査をした結果、一部実施したもの、それから実施が終わったもの含めて、7割ぐらいのものに着手できたかなと思っております。今後、しっかり取りまとめて、先ほどの子育て、教育、まちづくりといったものに特化できるような、少しエッジの効いた施策を出せるように、政策提言を考えていきたいと思っております。それから、私もシングルマザーの家庭で育ちましたけど、市長になって、児童相談所にも行って職員と話しましたし、何度も児童相談所の現場にも行きましたが、想像を絶するような環境の家族もあるんだなということを知り、誰一人取り残さないという決意を強く持ちました。例えば、これから中学校の休日の部活動の地域移行が始まりますが、保護者がいくら負担しなければ部活ができないとか、そんなことがあってはならないと思い、文部科学大臣にも要望に昨年行ってきました。すべての子どもたちは相模原の財産、宝物だと思っているので、もちろんシニア世代の皆さんもですが、誰一人取り残さない施策をしっかり打ち出していきたいなと思います。
(読売新聞記者)
今の話を聞いていて、確かに1期目は台風があったり、復興・復旧作業があったり、コロナの対応があったり、今市長が述べられたように行革プランによって様々な改革を生み出したことも分かりました。評価っていうのは、自分がするものじゃなくて他人がするものなんですけど、市長自身が自分で評価するとしたら、1期目は何点ぐらいのできだったのでしょうか。
(市長)
103の政策集で、一部実施したとか、実施済みとかは、7割程度かなと思っていて、これは周りが評価することなので何とも言えませんが、60点から70点ぐらいじゃないかなと思っています。ただ、自分自身はこの4年間、全力で走ってきたという思いはあります。県市長会会長とか、全国市長会関東支部の支部長もやらせていただく中で、国や県に対する要望も多くしてきましたし、現地現場にも出向いています。庁内の出先機関もいろんな現場がありまして、できれば年度内に清掃事業所の職員とごみの清掃活動をやってみたいと思っています。職員の苦しみとか頑張りとか、気付いていない点がたくさんあると思っています。自画自賛して、60点とか70点と言ってる場合じゃなくて、最終的には第三者の機関に評価をしていただきたいと思っています。
市長選への出馬について
(神奈川新聞記者)
具体的な公約等はこれから出されると思いますけど、現時点で、これからの4年間でこれをやり切るという、今考えていらっしゃることを教えていただけますか。これだけはやり切りたい、これだけは実現したいことです。
(市長)
例えば、中学校給食の全員喫食ですかね。令和8年中という目標を掲げていまして、今、南区の旧東清掃事業所に関しましても、1月17日に学校給食課長らが地域住民等の皆さまへ説明をさせていただきますが、職員が非常に厳しい調整をした中で、私も一緒に汗をかかなきゃいけないと思っています。麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業に関しても、元所長を訴えるという本当に辛いことをやりましたけど、何となくうまくやれよ、みたいな古い体質をぶっ壊して、しっかり動かしていきたいと思っています。相模原の新たな産業の拠点、第一整備地区はまた居住地域の拠点にもなり得るわけで、ここを動かせるかどうかというのは、今後の相模原の将来を占う点だと思っています。市民の皆さんにもご理解をいただかなきゃいけないし、議会もそうであります。特に学校給食と麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業に関しては、これを動かさなければ後がないという思いでしっかりやっていきたいと思います。おかげさまで、橋本駅、相模総合補給廠跡地、津久井総合事務所周辺、淵野辺駅南口、青葉小の跡地利活用とかは、ワークショップを通じたりとか市民検討会議をやったりして、市民参加型でかなり事業が前に進んでいると思います。
人権条例制定に向けた考えについて
(神奈川新聞記者)
市長1期目就任後に人権条例の制定を掲げられて、ある意味宿題のような形でまだ審議会が続いていますけど、人権条例の制定に向けての今のお考え、お気持ちをお聞かせください。
(市長)
令和元年11月に人権施策審議会へ諮問し、これまで21回審議をしていただいております。私が想定していた時期より長くなっている部分もありますが、その分慎重に議論いただき、年度内に数回審議会があると伺っています。答申を受けた後にパブリックコメント等を行って、私が再選されれば、来年度のどこかのタイミングで条例提案をしていきたいと思っております。考え方は、性自認とか国籍とか、いわゆるやまゆり園事件があった地域でもありますから、あらゆる不当な差別がない共生社会の実現というものを目指していきたいと思っております。人権を尊重できるような条例について、答申をいただいてからしっかり検討し、提案していきたいと思っております。
市長選への出馬について
(神奈川新聞記者)
出馬の表明の場所として、この定例会見を選ばれた理由を教えていただけますか。他に例えば市議会の本会議であったり、単独で設定してという選択肢もあったと思うんですけど。
(市長)
広く市民の皆さんにお伝えするには、議会という場が一つの手段かなと思いましたが、12月の代表質問で市民民主クラブからご質問をいただきましたけど、その段階では考えがまとまってなく、一般質問の時も固まってなかったというところで、本会議は1月12日にありますが、そこでいきなりやりますというような発言もちょっとと思いまして、そういった中で昨日、各会派の団長さんに面会又はお電話で決意を固めましたという話をさせていただきました。マスコミの皆さんに対しましては、広く市民の皆さんの声を代弁して様々な質問をいただく場だと思っておりますので、今日、この場を選びました。
(NHK記者)
具体的な政策は今後というところなんですが、新型コロナ対策、子育て支援、そして今建設中のリニア中央新幹線、この3つについて、市長の2期目にかける思いを簡潔に教えていただければと思います。
(市長)
まず新型コロナウイルス感染症でありますが、一昨日も医師会、病院協会、薬剤師会、歯科医師会に来ていただき、医療従事者の皆さんとも対話をさせていただきました。令和2年1月15日だと思いますが、協同病院で初めての陽性患者の受け入れからスタートしましたが、医療従事者の皆さんに本当に頑張っていただきましたし、保健所をはじめ、BCP対応で、職員もよく頑張ってくれたなという思いがあります。これまで、ワクチン接種の予約が取れないという声に対しては、私がテレビを見ていたら、新潟県内のどこかの都市で指定方式をやっていたので、隠田副市長に検討してみてくださいと話したことからスタートしまして、混乱なく進んでいます。オミクロンに対応するワクチン接種に関して、指定都市では今、高齢者の接種率は1位です。今後も、医療従事者の皆さんや職員と連携して、72万市民に寄り添い、ワクチン対応や「S-チャット」という入院調整チームも活用して、病床確保の取組も進めていきます。第9波が来るとか、6回目の接種が行われるとか、想定外なことがありますから、いつ何時そういうことがあっても市民に寄り添った対応をしていけるように努めてまいりたいと思います。子育てに関しては、議会の議決を経なければならないのですが、公共施設の個人利用に関する無料化に関しましては、今年の10月から行っていきたいと思います。こういう無料化は、指定都市では札幌市に次いで2番目と伺っています。受益者負担という考え方もあって、大人料金は値上げをするところもあるのですが、子どもに関しては、誰一人取り残さない視点で、個人利用に関して無料化を進めていきます。それと、小児医療費の限度額の撤廃について、今議論しているところです。現在は移動式遊び場広場となっていますが、南区の皆さんからは、室内の遊び場がないっていう声をよく聞きます。あと公園ですね。公園機能が約600あるのですが、公園に行くと遊具がかなり老朽化して大丈夫かなっていうところもあります。スポーツレクリエーションパークの共同使用区域ではアメリカ仕様の子どもの遊具とか、あと障害のある方々が使えるような遊具もあります。こういった子育てをしている皆さんに喜んでいただける施策をやっていきたいと思います。あとは、使ったおむつを廃棄するにあたって、例えばSDGsで何か取り組んでいけないのかを民間の皆さんと対話させてもらっています。それからリニアですね。私も県議会議員の時代から、リニア中央新幹線の新駅誘致に賛成して取り組んできましたが、駅ができて終わりではなく、都市と自然のベストミックスする相模原の特徴を大いに生かして、市外からの来訪者が相模原で降りて1泊していこうとか、日帰りで遊んでいこうとか、自然を堪能していこうとか、そういう降りたい駅にしていかなきゃいけないなと思っています。それから、回送線の旅客線化に関しましても、これはなかなか難しい、ハードルの高い話だと思いますが、議会や市民からもご意見をいただいているので、JR東海にお願いしていきますし、鳥屋地区にできる車両基地の観光資源化についてもお伝えしていきたいと思います。また、宮ヶ瀬湖で釣りができないかなと思っていて、愛川町長とか清川村長たちと連携して、国や県に対して取組をやっていて、3回の会議が終わったと伺っています。新しい観光の施策として、宮ヶ瀬という素晴らしいところで、SDGsに特化した環境に配慮した釣り場にならないかという思いで、議論に参加しています。そういったリニアを生かした観光や、先月、八王子の石森市長とも議論しましたが、例えば日本一登山客が多い高尾山から陣馬山や峯の薬師方面に誘客するとか、都県境を超えた連携といった観光施策も今後出していくなど、リニアを突破口にして、降りたい駅にしていきたいと思います。これは本市だけではなかなか難しいので、いろんな皆さんのお知恵やお力を借りて、これをするなら相模原、こっちをするなら八王子、こっちをするなら上野原という形で、道の駅にちょっと行きたいならば道志村に行ってもらうとか、そういった広域連携でまちづくりを進めていきたいと思います。
(TVK記者)
選挙のことについてなんですが、現在無所属での出馬ということですよね。特定の政党への推薦の依頼であったり、特に立憲民主党は要望があれば支援したいなという話も聞いているんですけど、依頼するお考えがあるのかお聞かせください。
(市長)
私が最後に政党に属したのは、希望の党が最後ですね。よく私は立憲民主党に入ったと思われがちですが、立憲民主党には一度も入ったことがないんです。その中で、実は政党名はまだ申し上げられませんが、昨年の夏以降、複数の政党から推薦を取らないかという話は来ております。今後、後援会ともしっかり議論して、私の立ち位置は無所属でありますから、無所属で出ますが、政党推薦に関しては、各党の皆さんと、今日の出馬表明を正式にしましたので、いろいろ議論をしていきたいと思っています。公約をしっかり打ち出して、2期目の舵を取ると言っても勝てなければ舵を取れないですから、しっかり各政党の皆さんとも対話をさせていただいて、最終的に落ち着くところに落ち着きたいなと思っていますので、前回同様、完全無所属で政党推薦なしでやるか、それとも複数の推薦を取るかっていうのは、今後の考え方です。ただ、一党からだけの推薦というのはないと思いますので、取るならば、複数の政党から推薦を取って出馬しようかと思います。
(TVK記者)
本村市長の周囲へのご相談ですとか、自問自答される中で最終的にやれると判断されたので立候補を決められたということだったんですが、具体的に決意したのはいつで、何をもって決められたのかっていうお話をお聞かせください。
(市長)
家族とか後援会、事務所スタッフとか、私を支えてくれる人達ってたくさんいるんですよね。それは公務でいうとやっぱり職員、教職員含めて8,000人がそうだと思っていますし、また事務所スタッフも今3人、それから応援団で入ってくれている人もたくさんいますから、後援会の人もそうだし、私が20年前県議会議員に出た時から支えてくれ、いまだに応援してくれる方もいるし、新たに市長になってから応援してくれる方もいるし、どなたをとっても大切な方なので、年末年始はかなり悩みました。いつかというのは、箱根駅伝を見ていた頃ですかね。1月2日、3日と見ていまして、本市は青山学院、法政大学、東海大学、國學院大學と包括連携協定を結んでいて、原監督にはスポーツ宣伝大臣になってもらっているので、4チームを中心に応援していて、とても感動しました。あれを見ながら、やっぱり希望のタスキを繋がなきゃいけないなという思いの中で、もう一度頑張ってやろうと決めました。とにかく私たちの時代だけ良ければ良いという話ではなくて、私たちの相模原というのは未来永劫続かなきゃいけない自治体ですから、今私たちができることを、ちょっと人気が下がってもやり尽くして、次の世代に希望のタスキを繋いでいき、さらに次の世代に繋いでいくということが重要だと思っています。
(TVK記者)
先ほどの質問と少し重なってしまうんですけど、今回の選挙戦で特に訴えていきたいことを教えてください。
(市長)
市長をやっていると、感動も多くあるし、楽しいこともあるし、悲しいこともあるし、頑張ろうと思う時もあるし、いろんな喜怒哀楽の場面があります。本当に一日一日やりがいがあるなと思っていますので、これからも、子育て、教育、まちづくりというものを柱にしながら、誰一人取り残さない取組を進めていきたいと思うし、シビックプライドの醸成や脱炭素社会の実現にも取り組まなくてはいけないと思っています。特にSDGsは、日経グローカルの1月2日号で先進度5位になりました。SDGsに関しては、最近では京都市長から、「相模原はオリジナルカードを作ったり、よくやっているね」という話を、うちよりも先進度の高い京都市からも言われましたし、昨年11月には、北九州市の北橋市長から「相模原はロボットのまちらしいじゃん」と言われまして、自画自賛ではなく、少しずつ他都市が相模原市を認めてきたなと感じています。また、町田市長と八王子市長に、「経済連携や観光連携とか、いろいろさせてください」とお願いしています。次は、相模原市の枠を越えて、広域連携を目指していきたいと思っていますので、ぜひ良いお知恵があったら教えてください。マスコミの皆さんから、いつもこの場で質問をいただいたり、個別に皆さんからお話をいただくことも非常に刺激になっていますし、皆さんの記事を読み、勉強させていただいています。今後も、マスコミの皆さんにはいろんな情報を開示していき、また教えていただきながら、取組を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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