令和4年度 4月定例記者会見
令和4年4月19日
- 日時 令和4年4月19日(火曜日)午後2時00分~2時50分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
皆さんこんにちは。はじめに、新型コロナウイルス感染症の状況についてでございます。本市の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は高止まりの傾向となっており、依然として予断を許さない状況が続いております。これからゴールデンウィークを迎えるなど、外出する機会が多くなることが想定されます。市民の皆様には、引き続き、マスクの着用や手洗いなど、基本的な感染防止対策を徹底いただくようお願いいたします。
次に、新型コロナウイルスのワクチン接種についてでございます。本市の12歳以上の3回目の接種状況につきましては、4月17日現在で、36万6,145人が接種をされておりまして、接種率56%となっております。指定都市の中では、総人口当たりの接種率が高く、希望する方への接種は着実に進んでいると考えております。一方で、今月から本格化した若者世代の3回目接種につきましては、接種の加速化に向けた取組が必要であることから、これまでの「当日予約」による接種に加えまして、駅から近い会場での夜間接種を実施するとともに、障害者及び障害児の専用会場を設置いたしました。今後も、機会と場の拡充に努めてまいります。さらに、先週14日からは、市内の企業、大学等を対象に、1団体あたり10人以上から、企業や大学等の単位での団体接種について、予約受付を開始いたしまして、予約・相談窓口も設置したところでございます。そのほか、12歳から17歳の対象となる方にも、すでに3回目接種のクーポン券を発送いたしました。また、5歳から11歳までの小児の1、2回目の接種につきましては、これまでの医療機関での個別接種に加えまして、集団接種会場でも接種の機会を設けております。予約枠につきましては、現在十分に空きがございますので、接種を希望される方は、早めの予約をお願いしたいと思います。現在、国においては、4回目接種についても検討されておりますが、引き続き、市民の皆様が安心して接種できる体制を整えてまいります。
次に、臨時会議に提案させていただく補正予算についてでございます。総額では30億5,300万円となります。新型コロナウイルス感染症の第6波の感染状況を踏まえながら、引き続き、市民の命や暮らしを守っていくとともに、ポストコロナを見据えた地域経済の活性化に向けて、更なる取組を迅速に進めるための経費として、約20億円を計上いたします。主な事業についてお話しをさせていただきます。命と暮らしを守るための取組といたしましては、児童クラブや保育所等における感染症対策として行う簡易な修繕に係る費用等への支援や、新型コロナウイルス感染症対応を強化した高規格救急自動車の導入などを行うものでございます。また、ポストコロナを見据えた地域経済の活性化の取組では、消費喚起策として、キャッシュバックをはじめ、企業のデジタルトランスフォーメーションや中小企業事業者の事業承継の促進、海外とのビジネスマッチング機会の創出などを行ってまいります。今後も情勢の変化を捉えながら、本市の実情と市民の皆様の思いやニーズを踏まえ、適時、的確な対応に努めてまいります。ウクライナに関連する予算につきましては、約10億円計上いたします。具体的には、ウクライナ情勢等による原油・原材料の価格高騰等の影響を受ける市内中小企業者の資金繰りを支援するため、新たな融資制度を創設し、支払利子の一部を助成します。また、後ほど詳しくご説明いたしますが、「ウクライナ人道支援寄附金」についても計上いたしました。
次に、銀河アリーナの今後のあり方についてです。行財政構造改革プランにおいて、「既存の公共施設等の見直し」の対象としましたが、広く市民の皆様のご意向を伺う必要があると判断したことから、今年1月から2月にかけまして、住民基本台帳から無作為抽出法によりまして、市内在住の満6歳以上の方5,000人を対象に調査した結果が、この度まとまりました。内訳ですが、銀河アリーナの維持を希望する回答が約6割を超えている一方で、廃止を選択する回答も2割程度ございました。今後、いただいた意見を尊重しながら、慎重に検討を重ね、今年度中に方向性を決定したいと考えております。
次に、小山公園ニュースポーツ広場の改修についてでございます。皆様もご承知のことと思いますが、本市出身の白井空良選手が、幼少期からこの広場で練習を重ね、東京2020オリンピック競技大会に出場されました。オリンピックを契機に、アーバンスポーツへの関心が高まる中、競技環境の整備を図るため、小山公園ニュースポーツ広場の改修を進めてまいります。今年度中に調査・設計を行う予定ですので、整備は少し先となりますが、ワークショップ等を実施し、利用者の声を取り入れ、アーバンスポーツの新たな聖地となるような施設にしたいと考えております。
次に、ツアー・オブ・ジャパン相模原ステージの開催についてでございます。本市では、東京2020オリンピック競技大会における自転車ロードレース競技のレガシーといたしまして、国内最大級の国際自転車ロードレース大会である「ツアー・オブ・ジャパン」を誘致いたしました。昨年の相模原ステージでは、まん延防止等重点措置期間中での開催となりまして、Youtubeでのライブ配信で応援された方が多かったと思います。今年も、コロナ禍の影響で一部縮小となっていますが、5月19日から22日まで全4ステージが開催されまして、相模原ステージは、3日目の5月21日に行われます。相模原ステージのコースにつきましては、緑区の橋本公園前でスタートいたしまして、先導車の後ろをまとまって走るパレード区間の一部においては、私自身もロードバイクに乗って参加させていただく予定でございます。旧小倉橋を通過したところから、本格的なレースが始まりまして、東京2020オリンピックコースを経由いたしまして、昨年とは逆回りでございますが、串川・鳥屋地域を7周半周回いたしまして、宮ケ瀬湖北岸にある鳥居原ふれあいの館でフィニッシュする予定であります。アップダウンの激しい総距離約112.3kmのコースとなっております。本市をホームタウンチームとする「チーム右京相模原」も参戦いたします。昨年は、チームとしては惜しくも8位でございましたが、先日面会いたしました片山右京さんからは、「今年は総合優勝を狙っている」という、力強い言葉を頂きました。大いに期待したいところでございます。普段練習している慣れたコースで、市民の応援を力に、ぜひともこの相模原ステージで勝利をあげていただきたいと思っております。また、昨年は観戦自粛をお願いいたしましたが、今回につきましては、多くの皆様に見ていただけるよう準備を進めております。選手のスタートを見送る橋本公園から、串川地域、またはフィニッシュ会場に向かう、事前予約制の無料シャトルバスを用意いたしました。なお、この予約につきましては、5月16日まで申込を受け付けております。また、フィニッシュ会場に近い駐車場でございます「清川村宮ヶ瀬水の郷」と「小中沢」の有料駐車場から、フィニッシュ会場までの無料のシャトルバスも運行しております。さらに、フィニッシュ会場の鳥居原ふれあいの館では、「にぎわいゾーン」を設置いたしまして、キッチンカーによる飲食の提供も予定しております。今年は反時計回りで周回することから、串川から鳥屋地域については上り区間となりまして、選手達の力強いペダリングを間近で見ることができます。また、自転車ロードレースは下り区間も見どころですので、ものすごいスピードで走り抜けていく様子など、ぜひともトップレベルの選手の迫力を感じてほしいと思います。開催時間につきましては、午前8時50分から正午ごろまでを予定しておりまして、コースや周辺道路においては大幅な交通規制が実施されます。市民の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。
最後に、ウクライナ支援についてでございます。2月24日にロシアによる侵攻が始まってからもうすぐ2カ月が経過いたしますが、依然としてウクライナの東部に戦力を集中させるなど、戦闘がますます激化しております。このような状況の中、生命の危険にさらされているウクライナ国民の苦難を思うと、到底容認できるものではなく、一刻も早い事態の終息と、ウクライナに平和が戻ることを心から望みます。既に発表しておりますが、本市では、さがみはらSDGsパートナーをはじめとした市内の民間企業等との連携の下、ウクライナから避難を目的として日本に入国した方に対して、衣類や家具、食料などの日常生活に関する支援を充実させていきたいと考えております。また、市内に在住されます外国人と同様のサービスを提供するとともに、生活が軌道に乗るまでの支援といたしまして市営住宅を用意するなど、いつでも本市に来れるように準備を整えております。ウクライナ現地への支援といたしましては、日本赤十字社が人道支援活動のために募集しておりますウクライナ人道危機救援金を、市役所本庁舎や各まちづくりセンター等で受け付けております。また、先ほど補正予算に計上する事業として説明いたしましたが、ふるさと納税ポータルサイトからも寄附することができる「ウクライナ人道支援寄附金」を創設するなど、市民をはじめとした多くの皆様が募金や寄附をしやすくなるよう工夫してまいります。お手元に資料をお配りしておりますが、ウクライナ情勢の一刻も早い終息を願いまして、一人ひとりが世界平和のために何ができるかを考え、行動するきっかけとしていただくため、市の公式SNSにおいて、平和を願うメッセージを発信していきます。また、明日から、このシンボルマークを市役所本庁舎及び緑区と南区の合同庁舎にも掲出いたしまして、世界平和を願う気持ちを示していきたいと思います。このシンボルマークにつきましては、画像データを市ホームページで配布いたします。市民や事業者等の皆様に、SNSを投稿する際にご使用いただくとともに、事業者や店舗等での掲出についてもご協力いただき、平和に関する思いを市全体で共有できたらと思います。本市といたしましても、引き続き、ウクライナへの支援を進めていきたいと思います。
私からは以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
銀河アリーナのことですが、アンケートを1カ月くらいかけて、有効回答数2,500人くらいで、そこそこの数が集まっていると思うのですが、アンケート全般について、市長の受け止めをお聞かせいただければと思います。
(市長)
無作為抽出による年代別6歳以上の市民の方5,000人にアンケート調査を実施しまして、50.1%、2,500人強の方にご回答いただきました。大変関心が高いことも承知しており、このアンケート調査結果によって、明らかになる市民の皆様の考え方について注目しております。例えば、今後の銀河アリーナのあり方に関しまして、「今のまま維持する」、そして「条件を変えて維持する」という維持希望者は63.8%であり、その中で、「市が全て支払うのではなく、利用者やスケート場を残したい人にも支払ってもらう」というのが76.1%であったり、運営に係るお金に関しましては、「市が支払っても良いが、クラウドファンディング等を活用してもっと減らすべきだ」という建設的な意見も多くございました。また、利用料金につきましては、「周辺施設よりも高い料金でも可能だ」が8.1%、「周辺施設同等であれば値上げは可能だ」が53.1%で、値上げ容認は61.2%となり、市民の皆様にも今の市の財政状況をご理解いただけていると思います。今回の行財政構造改革の大きな目玉の一つでありますアイススケート場については、市民の皆様からいただいた率直なご意見をもとに、今年度内に方向性についての見解をしっかり示してまいりたいと思っております。
(記者)
年度内の方向性ということですが、このアンケート結果に基づいてということになると思うのですが、専門家の方であるとか、会議や審議会の立ち上げも考えているのでしょうか。
(市長)
今後庁内での議論やまちかど市長室などを通じまして、市民の皆様から行財政構造改革に関するご意見をいただけることも多くあると思いますので、対話をしっかりしながら、スケート場を利用される皆さん、そして利用されない皆さんとも膝を突き合わせて議論していき、最終的に総合的な判断をしていきたいと思っております。
(記者)
行財政構造改革プランを発表されて1年ちょっと経ち、市長の任期が最終年度に入っているわけですけど、その間、色々なご説明とか施策に反映してこられている中で、市民の方にはこのプランがどう映って、その市民からの受け止めを市としてどのように受け止めていて、どう生かすのか教えてください。
(市長)
行財政構造改革プランを昨年4月に決定させていただいてから、大人向けの漫画、それから昨年度末には子ども向けの漫画による周知用のパンフレットも作りまして、行財政構造改革がなぜ必要なのかということを、市民の皆様としっかり膝を突き合わせて、これからも議論していきたいと思っております。既存の施設も半永久的に改修や修繕を行わずに維持することはできません。例えば、青和学園ができて4つの小中学校を一つに統合したり、今度は鳥屋中学校と鳥屋小学校が一つの義務教育学校になっていきますけれども、このような形で集約をすることは今後避けられないことかなと思います。超高齢化社会で、少子化時代でもありますので、私たちはこれからも、シビックプライドの醸成を進めながら、移住・定住者も増やしていきたいと思います。これから選ばれるまちになっていかなくてはいけないと思いますから、魅力あるまちづくり、そして医療とか、介護とか、教育とか、子育てとか、市民に寄り添った対応をしっかり打ち出していきたいと思っております。行財政構造改革の話が出ると、どうしても既存の施設が閉まるとか、既存の事業がなくなるとか、マイナス思考になりがちかなと思います。市役所には教職員を含めて8千人の職員がおりますが、残念ながら、まだ行財政構造改革を理解していない職員もいるだろうなと思っております。まずは、職員全体への研修や所属長などを通じて、しっかりと行財政構造改革は避けては通れない改革だということを理解してもらう必要があると思います。SDGsに関しても、私が市長になった令和元年には、残念ながら庁内でも理解・活動が薄かったので、ここ3年間をかけて、SDGs推進室をつくり、今年度からは課となりましたけど、非常に積極的に活動したおかげで、全体的にSDGsの取組が前に進んでいます。経常収支比率が令和元年度が99.8%、令和2年度は98.2%であり、新しい事業の取組に対する予算の計上がなかなかできないことから、その財源を捻出するために改革を進めて、今回敬老金の廃止や、針きゅうマッサージの減額など、扶助費にも切り込んだことから、厳しいご意見もいただいたところであります。私も財源が豊かであれば、既存の事業を全部継続してやりますと言いたいところですが、やめる代わりに政令市としては初めて、高齢者の方が家に閉じこもらずに外出できる環境を作れるよう、最大2万円となりますが、補聴器の補助金を導入するなど、時代に応じた新しい施策を進めていきたいと思います。最終的には、子育てするも良し、第2第3の人生を楽しむも良し、起業するのも良し、こういう相模原にしていきたいと思っています。そのためには、これまでの議会でも答弁しておりますが、今、いろいろな大型事業が打ち出されているところですが、財源の裏付けがないことや中長期的な試算がないことを議会にも市民にも共有していただき、今をしっかり乗り越えて、次世代に素晴らしい相模原を残せるよう、行財政構造改革を行い、財源を生み出して、自分達がやりたい施策をしっかりできるようにやっていきたいと思います。
(記者)
ウクライナの関連で、経済対策であるとか、避難される方への支援のお話がありましたが、2カ月前くらいに軍事侵攻が始まった時に、市内に何人かウクライナの方がいらっしゃるというお話はありましたけど、その後、市内におみえになったりとか、関連の方はいらっしゃるのでしょうか。
(市長)
現在72万市民の中に、ウクライナ人とロシア人の方はいらっしゃいます。その後、新しい方が相模原市に転入されたという話は聞いていません。しかし、いつ転入されても良い準備を既にしておりますので、しっかり受け止めていきたいと思います。
(記者)
人権尊重のまちづくり条例の関連で、先月の会見の時にも市長はご自分のお考えをおっしゃって、ヘイトスピーチ解消法に基づく対応であることは変わらないというお話もされ、また、しっかりした意見を審議会で委員の方に述べていただく責もある、その環境を整えるのも大事だというふうにおっしゃっていたと思うんですが、特定の人が誹謗中傷を受けている状態というのが事実上それを十分に審議できる環境が整っていないということも言えると思うのと、審議会においては毅然とした対応を求めるというような議論になっていたので、そのあたりの市長としてのお考えを聞かせていただけますか。
(市長)
人権施策審議会にお願いしているのは条例作りではなく、条例作りのための諮問に対し、答申をいただくものと思っております。その中で、例えばヘイトスピーチに関して、人権施策審議会も、相模原市も判断できる状況にはありません。それは人権施策審議会において、既に議論されており、第三者委員会の設置を今後検討されていくと伺っております。私の考え方は、ヘイトスピーチ解消法前文のとおりであり、そのことは今でも変わらずに常に自分の心の中に持っています。
(記者)
鳥屋の義務教育学校の名称が決まったような話を聞いたのですけど、まだ発表されてないと思うのですが、何か理由があるのでしょうか。
(教育長)
地域の協議会のなかで名称を検討していただきまして、4つほど候補があがって鳥屋地域だから鳥屋学園でいきたいと私のほうに報告をいただきました。最終的には教育委員会で決定いたしますので、これからの話となります。
(記者)
新型コロナウイルス感染症の感染者数につきまして、一部の報道によりますと、今後米軍基地内の感染者数を発表しないという情報がありますが、市内の米軍基地司令官との関係構築をしっかりされている本村市長の見解をお伺いします。
(市長)
これまで、毎週水曜日にトムリンソン司令官と、直接の対話を電話で行ってまいりまして、私の不在時は部長もしくは課長が対応しており、その関係性からも「続けてもらいたい」ということであります。国からも、入院患者と重症者のみの公表になるというお話をいただきました。私としては、基地対策課もあり、担当部長もおきまして、米軍との関係はこれからも大切にしていく必要があると思っております。特に、市内に3つの米軍関連施設がございますので、私もこれまでの3年間で、司令官はじめ米側とは随分交渉して様々な対話をしてまいりました。その中で、やはり今回の国の方針に対して、なんとかならないのかという話をしてきたところでありますが、昨日、国から基地内の感染状況に関しては、入院患者と重症者、それから7日間平均の新規感染者数を米側から教えていただけるということを聞きましたので、安心したところであります。また、基地所在地の自治体としましては、これからも地域に暮らす仲間として、本市の情報と基地内の情報交換を行い、情報共有することは非常に大切なことであり、それにより、市民やそして米側の皆様の安全安心をしっかり一緒になって作っていきたいと思っています。
(記者)
前回の会見で麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の判断を一旦先延ばしにされたと思います。判断時期が5月の連休明けごろとなるのかという点が一つと、判断に向けて検討が進んでいることかと思いますが、判断に影響を与える要素として、例えば事業費であったりとか、現状どういった点があるのかお伺いします。
(市長)
本来であれば、昨年度の末までに麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の方向性を示す予定でありましたが、前回の記者会見でもお話させていただいたとおり、5月連休明け、5月中の方向に変わりはございません。今週も戦略会議などが庁内でございますので、いろんな議論をしてまいります。当初、127億円で38ヘクタールの第一整備地区ができるといった、その数字が間違っていたと思っておりまして、一般財源の投入も43億円でありましたが、この事業を私が令和元年6月5日に一度中断をしましたが、中断しないまま、地山が出るまで地中障害物を掘り続け、事業を継続していたら541億円という数字が出てまいりました。これは初めて公表する数字です。事業を止めなかった場合、市の一般財源も43億円どころかその10倍近くの投入が必要だったのではないかと思います。127億円のなかには、例えば道路整備に必要な事業費が入ってなかったり、地中障害物の撤去代が含まれていなかったりと、非常に小さな数字で議会や市民の皆様、地権者の皆様にお示しをして、減歩率も32.95%という、当麻の組合施行の場合にも39%の減歩率でありますから、そこよりも土地の評価が高いにしても、127億円でのA&Aの事業費は、私自身は滅茶苦茶な数字だったなというのが実感としてあります。こういった数字がでてきたからには、今後、しっかりと精査を行い、どれだけ圧縮できるのか、地中障害物の撤去費、道路整備費などを形にして、そして地権者の皆様にもご負担をお願いしなければならないかもしれないですし、また、公費を使うには市民の皆様のご理解が必要だと思っております。一方で、この事業を実現できれば、将来、新たな産業の拠点として、固定資産税の収入や雇用も生まれるでしょうし、移住・定住者も増えるかもしれません。相模原愛川インターから非常に近く、平坦な土地でありますから、このような問題がありながらも、これまでに様々な企業から進出したいという希望が多くございますので、選択と集中も含めて、来月中にはしっかり皆さんにお示しをし、そして決まりましたら臨時の記者会見で方向性を示していきたいと思います。もし再開した場合には、しっかりと説明会に私自身が出席しまして、地権者の皆様、市民の皆様に対して説明し、そしてご理解いただけるような努力を重ねていかなければいけないと思っております。
(記者)
約1年前に行財政構造改革プランを発表されまして、銀河アリーナに関しては、財政状況を考えて、市として運営していくのはやはり厳しく、基本的には廃止の方向で検討するという内容だったかと思います。今回このアンケート結果を受けて、今年度内に方向性を示していきたいと先ほど市長はおっしゃいましたけれども、その方向性を示す中で、市として運営するっていう選択肢がまだあるということなのか、それともあくまでも市として運営していくのは難しいので、民間の道を探っていきたいという、どちらの方なのでしょうか。
(市長)
これから庁内の議論を経ていかなければいけないと思いますし、場合によっては有識者のご意見も伺うこともあるかもしれませんが、市の運営というのは考えておりません。今後、クラウドファンディングを使っていこうとか、周辺のアイススケート場の料金と比べると、相模原は比較的安いとか、そういった中では、53%の皆さんが「料金を値上げしてでも」と言っていただいているところは、非常に貴重なご意見だなと思っています。まだアンケートの結果を受け止めたばかりですので、現状では「市でやります」ということは言えない状況と思っています。
(記者)
そうすると、市としてやるっていうことは今のところ考えていないけれども、維持するための道を今後探っていくという、そういう理解でよろしいでしょうか。
(市長)
はい。これまでいろんな議論を重ねてまいりましたが、今回のアンケート結果からもアイススケート場を利用されている方が市民の半分ぐらいいて、非常に関心の高い施設であり、私個人で言えば、あそこをどうにかして残せないかなという思いはずっと持っておりますが、先ほど言ったように、超高齢化社会とか、少子高齢時代を迎えて、既存の施設を全て残していくのはなかなか厳しい状況でもありますので、そういった中では、市長として最終的には決断しなければいけないと思っています。スタジアム構想と一緒で、私は賛成だけど、慎重派や反対の職員もいるし、庁内の議論がまだまだできておらず、ホームタウンチームの皆様にもスタジアム建設の熟度がまだ高まっていないのではないかなと申し上げているところで、私個人の考え方と、また市全体を考えた時と立場が違うこともありますので、アイススケート場もそんな思いでおります。
(記者)
人権施策審議会では、国籍を捉えて誹謗中傷を繰り返したりとか、事実に基づかないデマを繰り返していることに対して、市長として、あれは許されないであったりとか、明確に非難することは、今の条例下で十分に可能なので、それはやはり市長として発信すべきではないかということを審議会の議論の中で各委員の方がおっしゃっていました。今繰り返されている、誹謗中傷であったりとか、バッシングについて、市長としてどう受け止めて、それについて市長としてどういうメッセージを発信するかが問われていると思うんですけれども、改めて市長としてご意見をお聞かせください。
(市長)
この考え方は、先月もお話した通り、2月9日に隠田副市長が代弁した言葉と、3月28日の定例記者会見で私が述べたとおりでして、それ以上でもそれ以下でもなく、そもそも私は、例えば、性別とか、性自認とか、そういうことで差別されることはあってはいけないと常々お話しているところでありまして、今回の共生社会の実現を目指す中でも、やはり人権施策のまちづくり条例に関しましては、ヘイトスピーチだけではなくて、外国人の委員の方の国籍など、全てに関して差別があってはならないと思っておりますから、そこからご理解いただけると思います。
(記者)
特別自治市構想について、川崎市長や横浜市長がいろいろ発信されていますけど、現段階では、本村市長としてはこの構想については、賛成的な立場なのか、それとももうちょっと慎重に考えた方が良いという、どちらかというと反対の立場なのか、現時点での市長の考えをお聞かせください。
(市長)
大都市制度、いわゆる特別自治市制度の実現に関しましては、指定都市市長会で、令和2年11月から令和3年11月までの間、いわゆる特別自治市に関わるプロジェクトチームがございまして、20政令市中16市が参加し、本市も参加をさせていただきました。私自身は、やはり時代のニーズの変化とともに、国では道州制の議論が消えているということもありますが、地方分権の流れをしっかり議論していただきたいなと思います。神奈川県におきましては、指定都市が3市ありまして、922万県民の中で、377万人が横浜市、154万人が川崎市、72万人が本市でありますから、人口の約6割になりますし、コロナ禍のいわゆる保健所業務を見ますと、保健所設置市と中核市の業務の約8割が、神奈川県の所管以外の圏域で事業を行っていることもございますので、やはり地方自治の二層制を一層制にして、一元化をしっかりしていかなければいけないと思っております。私としては、これからも道府県から事務権限を移譲していただき、それに見合った財源も付けていただいて、全国の指定都市が目指す多極分散型の社会の実現に向けて本市も取り組んでいかなければいけないと思っていますから、この特別自治市の議論はもちろん賛成であります。よく知事も「まだこの議論が県民の皆さんに伝わっていない」と言われるのですが、そのとおりだと思います。まず、今回5月6日に知事と3政令市長で対話する機会ができたことを大変嬉しく思いますし、これ一回限りじゃないと思います。これから長い期間をかけて、議論を重ねていき、神奈川県の言い分、見解もあるでしょうし、私たち政令市の言い分もあります。私も今、神奈川県市長会の会長をしており、県内の6市の首長の皆様から直接ご意見も聞いております。その中では、政令指定都市がいなくなることにより、例えば、来る財源が減るのではないか、県の力が落ちてしまうのではないかといった心配の声もいただきますし、全体的に地方分権の議論というのが、今後必要ではないかという話もいただいています。ただ、一部のマスコミの報道にもありますが、知事と私たちが喧嘩をしているような対立構造になってしまったら、県民も市民も引いてしまうだろうから、建設的な議論を重ねていかなければいけないと思っております。横浜市や川崎市というのは、大都市制度や特別自治市の議論が、議会も含めて非常に深く行われているなと思っております。例えば、川崎市長の選挙応援に行きましたけど、福田市長の一丁目一番地は特別自治市制度でありました。そういう意味では、相模原市と熟度が少し違うかなというところはあります。本市として特別自治市制度が実現できた時に、「相模原市が移行します」ということは、まだ検討していませんが、こういう議論が行われて、地方分権が進み、活発化していくことは良いことだと思っておりますので、これからの議論をなるべくオープンで皆様の目に見えるかたちでやっていきたいなと思います。
(記者)
賛成のお立場ということですけれども、その初回となる5月6日の懇談会では、本村市長としてどのような提案やお話をされる予定でしょうか。
(市長)
フランクに参加して、率直な自分の気持ちをお伝えできれば良いかなと思っています。先ほども言ったように、横浜市や川崎市は特別自治市、大都市制度の実現に向けた専門部署もあるので、議論はかなり両市、両議会は進んでいます。相模原市と市議会はこれから議論が深まっていくところであります。私が伺った6市の首長さんからも、10年前に津久井4町と合併して政令市になった経過もある中で、県市長会の会長として、一般市に近い立ち位置で、県と一般市との間を取り持つように会議に臨んでいただきたいというご要望やご意見がございますので、そのように臨んでいきたいと思います。
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