令和4年度 10月定例記者会見(令和4年10月25日)
令和4年10月25日
- 日時 令和4年10月25日(火曜日)午後2時00分~3時00分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
皆さん、こんにちは。本日は冷たい雨が降り、今季一番の冷え込みとなりました。皆様体調を崩さないよう、ご自愛ください。
まず、1つ目になりますが、お手元に参考資料をお配りしております、エネルギーや食料品等の価格高騰への対策についてでございます。本市といたしましては、9月の定例会議におきまして、高齢・障害者施設や児童福祉施設等への支援金の支給や、生活が困窮している方に対する給付金の支給等に関する補正予算を編成してまいりました。新型コロナウイルス感染症の影響をはじめとする社会経済情勢の変化で、エネルギーや食料品等の価格高騰が続いておりまして、市民や事業者の支援を進めていく必要があることから、このたび、追加の対策をとることといたしました。具体的には、中学校卒業までの子どもがいる子育て世帯を応援するため、所得制限を設けず、子ども1人当たり1万円の給付金を支給してまいります。対象者数は、約8万9,000人を見込んでおります。また、中小規模事業者に対し、エネルギー費用の負担を軽減するとともに、温室効果ガス排出量の削減を支援するため、省エネ機器や設備の更新について補助金を交付してまいります。さらに、バス・タクシーの公共交通機関や公衆浴場等の事業者に対して、燃料費・光熱費の高騰に対する支援を行ってまいります。なお、これらの予算につきましては、12月定例会議に提案してまいります。引き続き、情勢の変化を捉えながら、本市の実情と市民の皆様の思いやニーズを踏まえ、適時、的確な対応に努めてまいりたいと考えております。
2つ目は、ドローンを活用した空き家対策についてでございます。こちらに見本のドローンが置いてありますが、後でご覧ください。これは、第2次相模原市空き家等対策計画における基本施策である「適切な管理の促進」の取組として実施するものでございます。お手元に発表資料をお配りしておりますが、国が実施しております平成30年の住宅・土地統計調査によりますと、本市には住宅が約35万戸あり、そのうち約3万6千戸が空き家となっております。その中で、安全面や衛生面等から、状態の改善が課題となっている空き家が9月末時点で225戸あり、とりわけ4階建て以上の中高層で空き家となっている建物や、屋根の破損が疑われる空き家をドローンで撮影することで状態を把握し、所有者へ改善に向けた情報提供を行いたいと考えております。ドローンによる撮影は、株式会社エアウルフが行います。エアウルフとは、令和3年7月に「災害対策に関する協定」を締結しておりますが、このたび、空き家対策を目的とした協定を新たに結ぶことになりました。このようなドローン事業者との協定は全国初の事例となりまして、10月28日(金曜日)午後4時から、協定締結式を行います。今後、少子化傾向が続き、人口減少が進むと、ますます空き家が増加していくことが予想され、これまで以上に空き家対策が重要になってきます。今回の協定の締結は、その大きな第一歩となりますので、ぜひともご取材をお願いいたします。
3つ目は、お手元に発表資料をお配りしております、ねんりんピックかながわ2022及び併催イベントについてでございます。開催まであと18日と、いよいよ目の前となってきました。記者の皆さんもご承知かと思いますが、ねんりんピックは全国から60歳以上のシニア世代が集まり、スポーツに加えて文化振興や多世代交流を目的とした健康と福祉の総合的な祭典で、神奈川県での開催は初めてとなります。本市では、「水泳」と「バウンドテニス」の会場となっており、それぞれの交流大会を11月13日(日曜日)と14日(月曜日)に、さがみはらグリーンプール及び相模原ギオンアリーナで開催いたします。選手の皆様が持っている力を存分に発揮され、笑顔でお帰りいただけるよう、全力でサポートしていきたいと思います。全国から相模原市に来ていただくことになり、「都市と自然がベストミックス」している本市の魅力などを知っていただく絶好の機会ですので、積極的にPRをしたいと思います。また、13日(日曜日)には、市民の皆様も楽しめるイベントを、ねんりんピックの水泳会場でもある横山公園で開催します。ターザンロープや射的等の日頃体験できないレクリエーションや、合唱、鼓笛バンドのステージなどを親子で楽しめる「親子ふれあいの広場」、消防車の前での記念撮影やAEDの訓練体験、相模女子大学とのコラボレーションによる学生がデザインした防火衣の試着などができる「消防フェア」、NPOやボランティア団体などが吹奏楽演奏やフラダンス披露のほか、青空バザーで雑貨販売などを行う「市民活動フェスタ」が予定されております。全国的に注目されているねんりんピックと様々なイベントが、同じ会場で体験できますので、記者の皆さんにも、ぜひとも足を運んでいただきたいと思います。
最後になりますが、(仮称)相模原市人権尊重のまちづくり条例の制定についてでございます。前回の定例記者会見では、この条例に係る審議会からの答申を今月に受けることとなれば、来年3月の定例会議へ提案していきたいというお話をさせていただきましたが、先日の人権施策審議会の進捗状況から、引き続き、数回の審議が見込まれることになったと聞きました。そのため、現在、答申の時期は未定であり、答申後の条例案の検討や、パブリックコメントの実施などを勘案しますと、現実的には3月定例会議への提案は難しいと考えております。前回と状況が変わりましたので、お話をさせていただきました。
私からは以上でございます。
質疑応答要旨
エネルギー・食料品等価格高騰に対する取組について
(東京新聞記者)
食料品等価格高騰に対する取組ですけど、お子さんがいる世帯に1人につき1万円とのことですが、支給方法と財源について教えていただけますか。
(市長)
財源になりますが、国の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を活用していきたいと思います。そして、児童手当を既に受けている方には申請が不要のプッシュ型の支給を、それ以外の方は申請に基づいた支給をしていきたいと考えております。
ドローンを活用した空き家対策について
(東京新聞記者)
空き家について、地域の偏りというのはあるのでしょうか。
(森副市長)
特別にどの区に多いという傾向はありません。空き家は3万6,000戸、全市的に広がっていますので、その中で、とりわけ破損度の高いものについてピックアップしていくことになります。
(東京新聞記者)
例えば、穴を空けて中に入って撮影したりとかはしないわけですね。
(市長)
事前にドローンを飛ばす際には、近隣の皆様に説明し、家主の方にも事前にお知らせをしたうえで、やれる部分から撮影していきますので、中に入ることは想定していません。
人権尊重のまちづくり条例について
(東京新聞記者)
人権の条例は、年度内は難しいとのことですけど、最大の理由はどこにあると思いますか。
(市長)
令和元年の11月から人権施策審議会において、19回にわたって審議を慎重に、丁寧に行っていただいております。この間、台風の復旧・復興の対応や、新型コロナウイルス感染症の対応などがあり、特にコロナの際に約半年間審議が止まり、この期間がもったいなかったと思いますが、かなり注目をいただいている条例ですから、慎重に審議をしてきたことによるものかなと思っています。
(東京新聞記者)
審議会の議論が進まないのは、事務方と委員の方との意思疎通がうまくいっていないのではないかとも思ったのですが、市長はどのようにお考えですか。
(市長)
一度、資料について市側が誘導したのではないかというご指摘もありましたが、人権施策を担当している部長をはじめ、課長、職員を信頼しており、職員はしっかりと審議会委員の皆さんと対話ができていると信じております。
(東京新聞記者)
慎重に審議されることで、かなり深まった議論が進むと思うのですが、逆にマイナスの側面というのもあると思われますか。
(市長)
議会からもマスコミの皆さんからも、もう少しスピードを上げてという話もいただいておりましたが、やはり重要な条例でありますので、審議会の皆さんの知見・経験を生かしたご意見をしっかりいただいて、答申を待ちたいと思っています。その答申を受けて、市として方向性を決めていきたいと思っています。
(神奈川新聞記者)
審議会委員の複数人から複数回にわたり、議事録の作成について、前回の審議会の議事録が次の審議会の間にあがってこないと指摘されています。審議会がコンスタントに開催されていたわけではないので、日数が空くと委員の記憶が薄れて、前回どういう審議だったのかを振り返る場面が多数ありました。その中で、一度コンセンサスをとってあったり、決めたことが思い出せなかったり、もう一度議論することによって、同じような議論が繰り返されることが何度もあったのですけど、それはやはり市の事務局の議事運営に問題があると思うのですけど、その点についてはどうお考えですか。
(市長)
人権施策審議会のほか議会もそうだと思うのですが、かなり議論を尽くした後に、数か月してから議事録がアップされるというケースが非常に多く見受けられます。私たちとしては今後スピーディーに進めていかなければならないと思っています。私が市役所内を巡回している時に、職員が自ら会議録を作成しているとよく聞くので、議事録自動作成ツールなどの導入の検討を2年ほど前からDX推進課に指示しております。市民の皆様に、一日も早く議論の内容をお伝えすることは当然のことだと思いますので、今後、スピーディーな対応を検討してまいりたいと思います。
(神奈川新聞記者)
自動で文字を起こす機械や、かなりの量であれば、外注に出すなどの選択肢もあると思うのですけど、現時点でそういうことも考えていらっしゃるのですか。
(市長)
2年ほど前から指示をしていますが、まだ実現できていないのは残念なことだと思っています。また、記者が言われたように、外注に出すといったことも検討していきたいと思います。
(神奈川新聞記者)
事務局の議事運営を巡って、かなり問題だと思ったのですけど、先月の審議会で事務局から資料が配布されて中身を見ると、明らかに審議会の委員が言った意見が反映されていなくて、むしろ審議会で決めたことと全く違う内容が書かれていて、これは正直悪質だなと感じました。なぜ、審議会の委員の発言が資料に反映されず、違った内容が資料に記載されたのか、その点について、なぜそうなったのか教えていただけますか。
(市長)
審議会の議事録が正規なものになっていないということが事実であれば、大変申し訳ないお話でありまして、そういうことがあってはならないと思います。人権施策審議会の皆様には、これまで19回にわたり、知見や経験を生かしたご発言をいただいておりますので、その発言されたことを事実の形で掲載しなくてはいけないと思いますので、そういったことが過去にあったのか、後ほど確認したいと思います。
(神奈川新聞記者)
市長がどういう報告を受けているのか分かりませんけど、具体的に申し上げますと、7月の審議会で罰則を付けることが全会一致で決まりました。それはその場でコンセンサスも取っていますし、報道もされています。それにも関わらず、9月の審議会の資料に関しては、罰則を付すか否かは決着していないという記載があり、審議会からはかなり批判が出ました。さらに、委員からは審議の結果をきちんと認識してほしいという声もあがっています。これは、ただ単に勘違いをしたという説明がつくものなのか甚だ疑問でして、資料を作るにあたって、誰が、どういう形でチェックをしているのか教えていただけますか。
(人権・女性活躍担当部長)
審議会の資料については、担当が作り、課長、部長で確認をして、審議会に提出しています。資料の内容については、一部、同じ資料を3回にわたって使うこととしましたので、内容が変わっていなかったことは事実です。また、審議会の中で確認をする必要があると思われる事項がありましたので、その部分については、確認事項という形で資料に掲載させていただいたものです。
(神奈川新聞記者)
担当、課長、部長が確認をして、最終的には部長判断で出しているということでしょうか。それ以外でも、例えば局長とか、他の幹部は目を通していないということですか。
(人権・女性活躍担当部長)
局長も確認しております。
(神奈川新聞記者)
そうすると、あらゆる人間があらゆる目で見ていながら、審議会の内容と違うことが記されていることについては、どなたからも意見というのは出なかったのですか。
(人権・女性活躍担当部長)
審議の中で、発言の内容等、議事録を確認しながら、答申案をまとめるにあたって確認しなくてはいけない部分があったため、資料としたものでございます。
(神奈川新聞記者)
申し上げたいことは、審議会の委員の方が本業の仕事をしながら、例えば遅い6時くらいから3時間とか審議をするわけですよね。かなりの時間と労力をかけて、知見に基づいていろんな意見を発信されて、それが事務局の作業で違った形でまとめられるというのは、審議会に対して非常に失礼ですし、不誠実だと思いますし、これだけ延びた原因はどこにあるのかという質問が出ましたけど、正直、丁寧に審議をしているだけではなくて、その審議をきちんと取りまとめられない事務局の市側に問題があるのではないですか。
(市長)
ご指摘はしっかり受け止めますが、冒頭言ったように担当部長をはじめ、職員を信じてこれまでやってきております。ただ、記者が言われるように、事実が掲載されていないなら、今後見直さないとならないので、担当の大川副市長のもとで掲載する内容のチェックをしっかりとやっていきたいと思います。
(神奈川新聞記者)
本年度中の条例化は難しいとのことですけど、来年度以降、答申を待って、条例化をしたいというお気持ちに変わりはありませんか。
(市長)
来年選挙があるので、市長が変わってなければという話にもなりますが、現段階ではそう思っております。
(朝日新聞記者)
たしかに選挙があるので、どうなるか分からないということももちろんありますが、市の施策としてやることなので、継続性や担保の問題は重要だと思います。答申を受けて、条例を作るということなので、市長としての思いはあると思うのですが、継続性については今のところ、どう考えますか。
(市長)
現段階で、私の任期は来年の4月までなのですが、私が今、市長である以上、次の市長にも条例化をしっかりと託していきたいと思っています。条例化すべく、ここまで審議を尽くしてまいりましたし、議会でも発言してまいりましたので、継続性というのは当然起こると思っております。
ドローンを活用した空き家対策について
(神奈川新聞記者)
家主にも事前に話したうえでドローンを飛ばすということですけど、状態が悪い空き家は、空から撮らなくても、その場に行ったら状態が悪いことは分かると思いますし、最近だとグーグルアースもあります。わざわざドローンを飛ばして空撮するメリットが分からないのですけど、これはどのように活用するのか、もう一回聞いても良いですか。
(森副市長)
空き家の状態を確認するうえで、屋根にあたる部分がしっかりと構造として残っているかどうかというのは、建物全体への影響も含めて、非常に重要な意味があります。グーグルアースでは、細部までは確認しきれないので、ドローンを活用することで屋根部分の傷みの程度を把握し、躯体全体にどのくらい影響が及びそうなのか、倒壊等に直ちに結びつくものであるのかを見極めるために、映像をしっかり確認、判断できることが非常に有効なものと考えております。
(神奈川新聞記者)
倒壊しそうかどうかは、屋根の状態が分からないと判断が難しいということですか。
(森副市長)
目視で破損状況、損壊状況が一定程度見極められるものについては、改めてドローンからの映像を確認しなくても判断できるのですが、周りの柱、壁にはそれほど傷みはないように思われても、屋根部分の損壊程度によって、全体に影響が及ぶということも非常に多くありますので、その辺りは使い分けをしながら判断していきたいと思います。
(読売新聞記者)
資料を見ると、空き家10戸程度について、1年間に1回と書いてありますけど、要するに1年間でドローンを使って10戸程度しか撮影しないということですか。
(森副市長)
空き家が3万6,000戸程度ありますが、その中で倒壊等によって近隣へ影響を及ぼすような特定空き家は、現段階ではそれほど多くの報告が市に来ているわけではないので、年間10戸程度を見ることによって、十分把握できるという形になっております。
(読売新聞記者)
今年の9月末現在、すぐ改善した方が良いですよと勧告しなくていはいけない空き家が225戸、200軒近くあり、これはかなり危ない家だと思うのですけど、仮に200軒だとすれば、10戸だと20年かかるわけですよね。
(森副市長)
上からの撮影を必要とするものが、このうちどのくらいになるのかを見極めながら行おうと思っていますので、225戸全てが空撮を必要とするということではないという前提で、年間10戸程度を見ていきたいと思います。
(読売新聞記者)
確認ですけど、空撮して、映像を所有者に見せて、あなたのお宅はこんな状態に、空き家になっていますよと、至急何とかしてくださいねと、それを指導するという意味ですか。
(森副市長)
その物件をお持ちの方に対して、より具体的な指導に結びつけていくことができると考えています。
(読売新聞記者)
証拠付けみたいな感じでしょうか。
(森副市長)
証拠付けと言いますか、これだけ傷んでいるので、さらに全体にこういう影響を及ぼす可能性がありますよという材料としては、非常に有益なものになってくると思っております。
(読売新聞記者)
空き家だということで一番問題になっているのは、所有者がなかなか掴めなくなっていたり、実はその家が絶えてしまっていて相続人が誰もいないということが結構あるのですが、この225軒のうち、連絡がつかない家も何軒かあるんじゃないですか。
(都市建設局長)
225軒の空き家の中で、数は正確に把握できていないのですけど、所有者が不明となっていて連絡が取れなくなっているのは数軒で、それほど多くない状況となっています。
エネルギーや食料品等の価格高騰への対策について
(読売新聞記者)
子どもたちには1万円ずつということで金額が分かったのですけど、事業者に対する助成というのは、例えば省エネ機器・更新への補助助成とか、バスやタクシー等の事業者への支援というのは、いくらぐらいを目処に支援していくのでしょうか。
(市長)
バス・タクシーについては3,000万円で、事業者への支援は1億円です。
(読売新聞記者)
それは1つの事業者に対してですか。
(市長)
違います。省エネ機器・更新については、最大60万円で、購入額の3分の1の支援となっています。例えば180万円の品物を買うと、3分の1の60万円を最大で出す形となります。実際に京都府とか静岡市でもやられている事業で、そういった先行的な自治体の事例を調べながら、今回取り入れさせていただきました。
(読売新聞記者)
所得制限なしで、子ども1人に1万円を支給するというのは、他の自治体でもやっているところはあるのですか。
(市長)
川崎市が先行しています。結構、庁内で議論しまして、私は未就学児に2万円という案を考えました。それで、市長室に来る若手の子育て世代の複数の職員に、私は未就学児に2万円が良いんだけど、中学生までの1万円とどっちが良いかと聞いたところ、ほとんどの職員が広く支給した方が良いだろうというのを聞いて、川崎市と同様の施策を取り上げました。
次期市長選への出馬について
(東京新聞記者)
政策の継続性という話が出まして、その際に任期は来年4月とおっしゃいましたけど、本村市長は次の選挙はどうされますか。
(市長)
任期が半年ありますので、1日1日頑張って尽くしていきたいなと思っています。先日の副市長以下のミーティングで、職員はあと半年しか任期がないと見るかもしれないけど、私はそうは思っておらず、あと半年もあるのだからできることをやろうという話をしました。市長選に関しては、まだどうするかは決めていませんが、最近は特にその話題について、まちを歩くと聞かれます。また出馬依頼をいただく団体もありますので、今後もしっかり地に足を付けて、検討してまいりたいと思います。
(神奈川新聞記者)
まだどうするか決めていないということですけど、いつぐらいまでに決断されますか。
(市長)
私は前回、市長選への出馬を決めたのが平成31年1月8日頃でしたので、3カ月前ぐらいがリミットかなと思っています。
(神奈川新聞記者)
そうすると、年内にご決断される可能性はあるということでしょうか。
(市長)
そうですね。いろんな人と相談をしなきゃいけないと思いますし、これまで県会議員、国会議員、サラリーマンも経験してきましたけど、市長という職はこれをやろうと決めたら、本当にやれる職なんだなと思っていますし、毎日が決断、判断でありまして、議員時代とは違うなと思っています。やはり72万市民の先頭に立つというのは非常に重い職責だなと思っています。任期4年間の1日1日を大切にして、職員との対話、市民との対話を大事にしながら、顔の見える市長として、この3年半やってまいりまして、非常にやりがいもあります。次もやるとすれば、任期の4年間をやり切れるかなということを自分にしっかり問うていかないといけないなと思っていますので、その中でやり切れると思った時、出なきゃいけないなと思った時が立候補を表明するタイミングかなと思っています。
自衛隊への名簿(宛名シール)提供について
(神奈川新聞記者)
前回も各社から質問が出たと聞いている自衛官募集の業務についてですけど、相模原市は昨年まで閲覧という対応をとっていましたけど、今年から名簿の提供という対応に変更したと思うのですけど、このタイミングで閲覧から名簿の提供に変えた理由をお聞かせいただけますか。
(市長)
全国的に指定都市の中でも閲覧ではなく、提供している流れがありましたので、また自衛隊神奈川地方協力本部からの依頼もありましたので、そのなかで検討してきました。
(神奈川新聞記者)
この自衛官募集を巡って、私は3年ぐらい前に県内の各自治体を調べていまして、基本的に該当者を抽出して閲覧を認めるか、全く該当者を抽出せずに住民基本台帳の閲覧を認めるという方法が大半で、名簿を提出しているのが3市2町でした。自衛隊法に基づいてという説明をされる自治体が多いのですけど、これは義務ではないので、最終的にどうするのかというのは自治体の判断だと思っています。本来であるならば、基礎自治体は個人情報を守る立場にあるのに、勝手に自分の情報を知らないところで提供するというのは非常に気持ち悪く、問題があると思います。最終的にはトップの判断だと思うのですが、閲覧ではなくて、あえて提供という形に一歩踏み出したのはどういう理由からなんですか。
(市長)
最終的に私の判断であります。神奈川地方協力本部からの要請がありましたので、また、他市の指定都市も閲覧ではなく、今の形でやられているところが多くありましたので、やはりそこに習うべきかなという思いもありました。
(神奈川新聞記者)
住民の個人情報を保護するという観点ではお考えにはならなかったのですか。
(市長)
自衛隊法のなかで理解されている範囲だと思っていましたので決定しました。
(神奈川新聞記者)
自治体から積極的に個人情報を出すということまでは住民基本台帳法は定めていないにも関わらず、個人情報を積極的に出すという判断がよく分からないんですけど、それについてはどうお考えですか。
(大川副市長)
もともと住民基本台帳法上は仰るとおり閲覧しか規定されておりません。自衛隊法に基づき今回提供しているわけですけど、自衛隊法に定められているからといって提供しなきゃいけないわけではなく、あくまでも自治体の判断として、法定受託事務として協力をして個人情報を提供しているという整理になります。本市におきましても、もともと閲覧はしておりまして、書き写し間違いが生じる可能性があることから、個人情報保護審議会にデータの提供について諮ったうえで、承認をいただいて提供するという判断をしました。ただ、市民の方には丁寧にお知らせしなくてはいけないですし、私は嫌だよという方にとって、それを止める申請をいただくという手続きも必要になるので、今回、ホームページでの周知も足りていませんでしたので、ホームページを更新するとともに、広報さがみはらにも掲載していきます。また、来年度の募集に際しても、きちんとお知らせしたいと考えております。
(神奈川新聞記者)
担当課にはこれまでの経緯や、審議会に諮っている経緯も聞きました。また、書き間違いの点についても伺ったところ、書き間違いが報告されている例はないと聞きました。例えばそういうのが多数相次いだのであれば、個人情報の正確性を検討することも分かるんですけど、そのような報告もなく、例えその自衛隊側が書き間違えたとしても、それは自衛隊側の責任であって、市の責任ではないわけですよね。そこをあえて市側が書き間違えるかもしれないからと、ある意味手を差し伸べるような形で住民の個人情報を出すということは非常に問題だと感じています。さらにその審議会の経過も見ましたけど、その個人情報を保護するという観点からは正直議論されていませんでした。それについてはある意味、市のトップの判断であるからというようなやりとりが確かあったと思うのですけど、そうなるとやはり責任は市であり、そのトップにあるわけですね。今回、きちんと個人情報保護の観点から議論した形跡が見受けられなかったので、それについて非常に市の意識として問題があると感じています。私は2019年に取材をしているんですけど、ある日突然自分のもとにとか、自分の子どものところに自衛隊から募集の通知がくると、私がなぜ18歳になったのを知っているのか、私の住所をなぜ知っているのかという非常に不信感を持つ住民の方がたくさんいらっしゃって、住民それぞれどういう考え方っていうのは分かりませんけど、そういう意味では、やはりその個人情報を扱うということに関して、もっと慎重であったりとか、議論すべきだと思います。今ホームページに提供してほしくない方については対応しますよという掲載をしていると聞いたのですけど、前回の会見ではまだまだ広報が足りないという話もあったと聞いたんですけど、その後何か対応は変更されたりとか、もっと多くの人に知ってもらうために市として、新たに何かやったことはあるのでしょうか。
(市長)
記者の皆さんからご指摘いただき、私も反省しなければいけない点がございましたので、前回の記者会見の週にホームページを書き換えました。前回に続き今回も自衛隊に関係する質問を記者の皆さんからいただきましたので、今後、広報さがみはらを含め、しっかり周知していきたいと思います。
(神奈川新聞記者)
3年前に取材をしたときに、それまで名簿提供をしていたんだけれども、いろんな指摘を受けて閲覧に変えたという自治体もあったのですけど、現時点でまた閲覧に戻すというお考えはありますか。
(市長)
現段階ではありません。
(神奈川新聞記者)
それはどういった理由から名簿を提供し続けるというふうにお考えでしょうか。
(市長)
それは審議会にも諮って決めましたから今のところ戻すつもりはありません。ただ今後、私どものなかでもう一度よく議論したなかで、やはり戻した方が良いということになればそれは変えなければいけないと思います。
(神奈川新聞記者)
分かりました。
(朝日新聞記者)
今書き換えとおっしゃいましたけど、これは「対象者に含めないでほしい。いわゆるその除外申請の制度がありますので、それを活用する、希望する人は申し出てください。」という説明をホームページに書き加えたということでしょうか。
(区政推進課長)
除外につきましては、ホームページに最初から書いてありましたが、今回のホームページの更新にあたり、より詳しく書かせていただきました。
(朝日新聞記者)
そうしますと、一応書いてはあったけど、分かりにくかったので、丁寧に説明を加えたということでしょうか。
(区政推進課長)
仰る通りでございます。
(市長)
私も詳しくは知らなかった部分もあったのですが、記者の皆様からご指摘をいただいて、やはり市民に対して、不親切だなと思いまして、その週のうちに書き換えたところです。
ヤングケアラー実態調査について
(神奈川新聞記者)
市のホームページの「家族のお世話や家事についての実態調査について」というページを見まして、内容を見るとヤングケアラーの実態調査をやっているということで、担当課に電話して問い合わせたんですけど、この実態調査は、大々的に積極的にPRをして行っているアンケート調査ではなく、周りからの影響とかを懸念して静かにひっそりとやっている調査だから、報道はちょっとそういうのを考慮してもらいたい、配慮してもらいたいということでしたけど、一方で他の自治体だと「これから実施します。」と大々的にやっているところは結構ありますし、相模原市について、そのアンケートについて積極的に広報せずにやっている理由について教えてください。
(こども・若者未来局長)
年内に調査を終えるべく、今回はじめて、学校の協力をいただいて調査を行うものでございます。全体的な実施は来月の半ば以降を予定していますが、事前のチェックも含めて数校には先行実施をさせていただいているところです。また、なぜ事前に報道しないのかにつきましては、今回の調査はかなり個人が分かる形で調査をさせていただきますので、なるべく影響を受けないようにしたなかで素直な気持ちを書いていただきたいというところがございますので、保護者の方にはお知らせをしたうえで実施させていただきますが、市民全体に改めてお知らせをする形はとっておりません。
(神奈川新聞記者)
今の理屈でいうと、保護者には伝えて、保護者の影響は受ける可能性があるということですよね。保護者以外からも影響を受けないようにというのは、どういう影響ですか。
(こども・若者未来局長)
アンケートの実施時期は各学校にお任せしている状況ですけど、直近で周知させていただきますので、前もって影響がないような形で、なるべく素直な気持ちを書いていただきたいと考えているところです。
(神奈川新聞記者)
何か支援していたり、しようとしていたり、ヤングケアラーに関わっている方も市内にはたくさんいると思っていて、もしアンケートをやっていると事前に分かった場合、その子にとってヤングケアラーという言葉自体の周知がまだ十分じゃないなかで、アンケートを見た時に自分はこのアンケートに答えたら何か支援につながるかもしれないとか、そういう外からの指摘を受けることで初めてその子自身が芽生えることもあると思うのですけど、その点についてはどう思っていますか。
(こども・若者未来局長)
ご指摘の点は、あろうかと思うことも確かにございますが、逆をもってその子達はなかなか素直に回答できないということもあろうかと思いますので、どちらが良いか判断したなかで、今のやり方を採用させていただいたというところです。
(神奈川新聞記者)
市のホームページの書き方についてですけど、「家族のお世話や家事などへの子どもの関わりについては、その適否を画一的に判断することは困難だと考えています。今回の調査はあくまでも子どもたちの負担感や学校生活への影響について把握して支援につなげるものです。」とありまして、私には、ヤングケアラーの取組について及び腰というふうに見えてしまうのですけど、これはどういう人たちにどういう誤解を防ぐために書いている言葉なんですか。普通に「実施します。」だけで良いと思うんですけど。
(こども・若者未来局長)
一言で言えばそういうことかもしれませんけど、兄弟間で小さいお子さんの面倒を見ることはあるため、今回は学業に支障が出るとか、生活に支障が出ているお子さんを把握したいということですので、例えば「ちょっとの間様子を見ておいてくれないか。」ということをもってヤングケアラーにはしたくない。という意味を書かせていただいたのですが、分かりにくかったらすみません。一応そういった意図です。
(市長)
今説明しましたが、記者から見て、私どものホームページの書き方を変えた方が良いとか、こんな風にした方が良いんじゃないかというご提案があったら、ぜひお話いただいて、私たちも良い形で調査していきたいと思っています。今後、年内に全ての小中学校、義務教育学校106校の5年生から中学3年生まで調査を行いまして、年度内には結果を公表していきたいと思っております。私はヤングケアラーの課題は、生まれた時から、ご家庭の環境にもよるのでしょうけど、例えばおばあちゃんのお世話をするとか、妹のお世話をしているとか、それで自身の学業に影響が出ていても、それは家庭の中でずっと育ってきたことなので、お子様の中にも自分がヤングケアラーの範囲に入っているという判断がなかなかつきづらい部分が課題かなと思っております。本市ではヤングケアラーについて、こども・若者未来局と教育委員会で今年の5月1日現在31人のヤングケアラーの疑いがあると認識しております。全国的には小学生が15人に1人、中学生が17人に1人ぐらいヤングケアラーがいると言われていますから、そう考えると31人という数は少ないのかなと見ています。年内にしっかり調査して、そして皆様にもお示ししていきたいと思います。先ほどの自衛隊の話もそうなのですが、私たちは「ホームページに書いてあります」とか「市の広報に書きましたから」ということで、理由付けをしてしまいがちですが、今後、SNSなども使って、72万市民誰一人取り残さないように情報提供をしていかなくてはいけないと思っておりますので、そういう意味ではマスコミの皆さんに取り上げていただくことが非常に大切なことで、ありがたいことだなと思っています。今後も、ホームページの書き方がちょっと分かりづらいなとかあったら遠慮なく言ってください。私たちも、頂いた言葉を真摯に受け止めて、市民にとって分かりやすい形に変えていくのが重要だと思っています。
(神奈川新聞記者)
個人的には、まだヤングケアラー自身が自認できていないケースが多い中で、ヤングケアラーに関する広報が十分足りていない、周知をしていく段階なのかなと思っていまして、ヤングケアラーとは「こういう人」というのを報じる機会を増やせば増やすほど、ヤングケアラーの言葉の理解が深まっていくと思っています。だから、現段階でこのアンケート調査をした時に、たぶん結果は、本当に支援が必要な人と日常的に家族の手伝いとして家事をしている人が混ざった数字が今回は出ると思うのですけど、広報の機会は積極的に、むしろ増やした方が実態に沿った結果に繋がっていくのではないかなと個人的に思っています。
(市長)
今後、いただいたご意見も踏まえて、教育委員会やこども・若者未来局と相談してみたいと思います。
質疑応答中の重複した言葉づかいや明らかな言い直しなどは、整理した上で掲載しています。
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