令和2年度 3月定例記者会見
- 日時 令和3年3月29日(月曜日)午後2時30分~3時40分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
皆さんこんにちは。桜も満開の中でございまして、今日も年度末の大変お忙しい中お越しいただきましてありがとうございます。
はじめに、先日散会いたしました3月定例会議について、お話をさせていただきたいというふうに思っております。2月15日から3月24日までの38日間、令和3年度の当初予算案や、「さがみはらみんなのシビックプライド条例」等についてご審議いただき、提案いたしました、53件の全ての案件につきまして、ご議決・ご同意をいただいたものでございます。令和3年度は、シビックプライド条例のスタートの年となってまいります。広報紙や市ホームページ、SNS等、多様な媒体やイベント等の機会を活用しまして、条例を積極的に市民の皆様に周知するほか、各区民会議や自治会、経済団体の皆様とも意見交換を行って、条例の浸透を図ってまいりたいというふうに考えております。本市や各区の多彩な魅力を紹介する動画や、本市ファンサイトによるPRページ等を作成するなど、市内外に魅力を発信し、市民をはじめ、本市と関わりのある皆様の「シビックプライド」を高め、市民が誇れるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。また、市議会において様々なご意見をいただきました「行財政構造改革プラン」につきましては、行財政構造改革本部会議において、パブリックコメントにお寄せいただいたご意見を極力汲み取るよう努め、プランへの反映についても議論を重ねております。令和3年度からは、改革の先にある相模原市総合計画の基本構想で描く本市の将来像「潤いと活力に満ち笑顔と希望があふれるまち相模原」を実現するため、中長期的な財政状況を考慮の上、事業の選択と集中を行い、着実に行財政構造改革を成し遂げてまいりたいと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症についてでございます。既にご承知のとおり、3月21日に「緊急事態宣言」が解除されました。本市の新規陽性患者数につきましては、1月の1,217人をピークに減少しておりますが、最近は下げ止まりの傾向が続くほか、クラスターが1月、2月と9件、そして今月は2件となっておりまして、まだ安心できるような状況ではございません。一部報道では第4波が訪れているのではないかという報道もあるようでございますので、引き続きしっかりと議会、そして市民の皆様、事業者の皆様と連携して、この対応に努めてまいりたいというふうに考えております。また、感染力が強いとされております変異株につきましても、全国的な広がりを見せておりまして、神奈川県では54名の変異株の方々がわかっておりますが、相模原市の衛生研究所におきましては、PCR検査により「陽性」となった検体に対しましては、変異株のスクリーニング検査を実施しております。変異株の感染が疑われる患者さんが発生した場合には、国の通知に基づき、入院の対応等、適切に対応してまいりたいと考えております。市民の皆様、事業者の皆様には、先ほどもお話したように、感染再拡大を防ぐためにも、引き続き、手洗い、マスクの着用、3密を避けるなど、感染症対策を徹底していただくよう、お願い申し上げたいと思います。なお、新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、既に市の広報や市ホームページ等でも発表しておりますが、3月1日に専用のコールセンターを開設しておりまして、接種に関する手続き等の問い合わせや相談への対応を行っております。4月につきましては、ワクチンの供給量が限られておりますことから、クラスターの発生を防止するためにも、高齢者施設の入所者への皆さんへ、訪問接種をするとともに、施設職員への接種を行っていく予定でございます。5月以降につきましても、接種訪問(※正しくは訪問接種)を進めるとともに、十分なワクチン供給が見込めない場合には、年齢を区切って、段階的にクーポン券や予診票を発送する等の対応を行ってまいりたいと考えております。接種につきましては、医療機関での個別接種と、市が設置する接種会場での集団接種を併せた方式で実施したいというふうに考えております。個別接種につきましては、現在、200を超える医療機関から協力の意向をいただいており、また、集団接種につきましては、全国で初めて独立行政法人の協力を得た国民生活センターを含め、6会場を予定しております。3月20日には、皆様にもご取材いただきましたが、中央区の集団接種会場である国民生活センター相模原事務所におきまして、医師会、病院協会、薬剤師会をはじめ、医療機関団体との皆さんとの連携で、本番を想定した集団接種の運営訓練を実施させていただきました。また、接種会場では、ワクチン接種後の経過観察の時間を有意義なものとするため、介護予防の相談やがん検診のご案内などを行うこととしておりまして、今回の運営訓練に合わせても、こうしたことも実施してまいりました。今のような経過観察、約15分から30分といわれておりますが、この間に、本市としては独自にこうした介護予防とかがん検診のご案内などをしながら、全国的にもめずらしい取組ではないかと思いますが、多くの市民の皆様とこういう機会を大切にしながら、対応してまいりたいと思っております。また現在、訓練の結果を検証しているところでございまして、接種本番での体制整備を図ってまいりたいというふうに思います。引き続き、ワクチンの早期供給について、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
次に、「はやぶさ2」の帰還カプセル世界初公開についてでございますが、こちらも多くの皆様にご取材をいただいておりますが、3月12日から16日まで開催しまして、市立博物館にて約4,600人の方が来場され、観覧いただくこととなりました。緊急事態宣言中の開催でございましたが、人数を限定した募集となりまして、JAXAの國中所長も、相模原市の熱意にほだされたような発言をされておりまして、私どもの担当者もよくJAXAと調整をして、更に博物館の皆さんも、コロナウイルス対策しっかりとした中での開催となりましたので、大変良かったのではないかというふうに思います。私自身も記念式典の際、観覧しまして、やはりこれから宇宙科学、JAXAを中心に、また引き続き日本の未来にかかる大きな一歩だというふうに思っておりますので、今後もJAXAの技術力の高さ、そして72万市民あわせて皆で応援していきたいというふうに思っております。また今回、抽選に漏れてしまって現場で見られなかった方も多くいらっしゃるというふうに伺っておりますが、JAXAはやぶさ2プロジェクトサイトというもので、カプセルの写真等が公開されておりますので、そちらでご覧いただきたいというふうに思います。皆様の報道のおかげもありまして、「はやぶさの故郷」であります本市相模原、「JAXAの相模原」ということで、全国の皆さんに発信できたことも非常に良かったのではないかというふうに思います。
次に、お手元にございます参考資料をご覧いただきたいと思いますが、「サンキューさがみはら!最大25%戻ってくるキャンペーン」についてでございますが、こちらのキャンペーンはすでに終了しておりますが、1月21日から2月28日までの39日間、多くの皆様にご活用いただきました。延べ利用者数が約164万9千人、決済総額が約26億4千万円、還元総額が5億1千万円でございました。地域経済対策課をつくって、様々な提案をしていただく中で、非接触型のキャッシュレス決済という形で、今回初めて神奈川県内で試みた事業でございましたが、私もこれを機にキャッシュレス決済、いろいろとチャレンジしてみましたが、これをやるとなかなか今度は現金を持たなくなるなということで、お買い物する際にもキャッシュレスが利かないところでは、現金持たない時に困る時もございましたけども、でも時代の流れとともに、コロナ禍の中、やはりこのキャッシュレス化による非接触型というのが、新しい時代の一つの形なんだなということを学びました。
次に、既に発表している案件2件でございますが、皆様のお手元にございます中で、「WEEKDAY CAMP キャンペーン」、皆様のお手元にこのチラシがあると思いますが、ご覧いただきたいと思います。コロナ禍においても、アウトドアレジャーとか、そして政府もお話をされておりますマイクロツーリズムの視点から、非常に私ども都市と自然のベストミックス相模原の、津久井地域を中心に豊かな緑や大変きれいな川がございまして、そこにキャンプ場がいくつもございます。今回、感染拡大防止に努めながらレジャーを楽しんでいただくため、本日から6月30日までの平日に利用した時に、利用料を割引する形で、市内キャンプ場13カ所の皆様にご参加をいただいて、今日からスタートしております。すでにこれ皆さんからも過去にご質問いただいておりますが、割引額は新しい生活様式を踏まえまして、少人数であればあるほどお得になっておりますので、ぜひ記者の皆さんにもご活用いただきたいというふうに思います。この機会に、相模原市のことをよりよく知っていただいて、私どもの相模原の魅力を発信していきたいと思っております。
次はまた皆様のお手元にあると思いますが、相模原市の公式観光ガイドブックとなりました「相模原の栞(しおり)」でございます。約4年ぶりの改定となりまして、私も就任して以来、相模原市の観光セールスが非常に弱いなあという視点から、相模原としてやはり何か打ち出していきたいし、せっかくこれだけの資源があるにも関わらず、なかなか発信しきれてない部分で、今回、広聴広報課はじめ皆さん頑張っていただいて、この公式観光ガイドブックができましたので、ぜひ、ご家族やお仲間で、次の週末ご家族でどこに行こうかという時に、ぜひ皆さんにもご覧いただきたいというふうに思っております。相模原の魅力が詰まっておりまして、シビックプライドの醸成にもつながるバイブルだというふうに思っておりますので、ご覧いただきたいというふうに思います。
最後に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の聖火リレーについてでございますが、3月25日に、既にテレビ等では報道されておりますが、福島県をスタートしたオリンピックの聖火リレーでございますが、本市相模原市には6月29日に実施される予定でございます。またその日には、一日の聖火リレーの終わりを告げるセレブレーションが橋本公園で実施される予定となっておりまして、私も先ほど橋本公園に行ってまいりましたが、桜満開で素晴らしい季節を迎えておりますが、ぜひ聖火リレーやオリンピックの雰囲気を十分に皆様にお伝えできる機会だというふうに思っております。
また、パラリンピックの聖火につきましては、8月に神奈川県が実施するパラリンピック聖火フェスティバルに本市も参加する予定でございます。私といたしましては、津久井やまゆり園の事件から5年が経過する中、改めて、事件を風化せず、誰一人取り残すことのない共生社会の実現に向けた誓いを込めて、津久井やまゆり園での採火をぜひとも実施したいというふうに考えております。詳細につきましては、神奈川県や指定管理者であるかながわ共同会のご協力をいただきながら、ご遺族等のご意向、お考えに真摯に向き合いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
3月の定例会議に関連して質問です。定例会議中に、麻溝台・新磯野土地区画整理事業(A&A)において百条委員会の設置が決まりましたが、それについての受け止めをお願いいたします。
(市長)
昨年、98条委員会が設置されて、一年間ほど市議会で議論がなされ、その結果が先日報告されたわけでございます。今回は、地方公共団体の事務について関係人の出頭や証言などを請求することができる、より強い権限を持つ百条委員会となったわけでございまして、議会の皆さんで決めていただいたことに関して、注視をしてまいりたいと考えております。98条委員会の報告書を見ましたが、98条ではなかなか追いかけられていないところがあったのかなと思いますし、委員会としても一つに意見がまとめきれなかった部分もあるのではないかと思っております。百条委員会を設置したというのは、議会の皆様も、A&Aの問題に対しまして、継続するにしろ辞めるにしろ、まだまだ課題が見えてこなかったということであると思いますし、市民の皆様からのお考えやお気持ちを市議会の皆さんが受け取って、市議会の責務として百条を設置したのではないかと思っております。本市としても、麻溝台・新磯野地区土地区画整理事業を、来年度に再開するかどうか決定していくわけですが、方向を決めていく中で、百条の経過もしっかり見定めていきたいと思っておりますし、私たちも行政として、これまで第三者委員会の設置とか、内部のヒアリングを行ってまいりましたが、十分な検証が得られていないと思っており、市長の立場からも、今の段階ではなかなか限界があるなというのが正直ございます。そういった中で、議会の皆様からの百条委員会の設置というのは、これから先に進むのか、辞めてしまうのか、この百条の結果をしっかりまた注視をしながら考えをまとめてまいりたいと思います。
(記者)
2021年度末に向けて事業の方向性を示せるようにということを仰っておりましたが、百条が設置されること、または百条の中身によって、事業の方向性が変わる可能性や、事業の方向性を示す時期が変わる可能性というのはあるのでしょうか。
(市長)
議会の皆さんがどういう案件でどのように進めていくのか、しっかり見定めていきたいと思っております。そういった中で、もちろん大きな事案にぶつかった場合は、方向性を先延ばしする可能性もないとは言えませんが、現段階では、私たちは来年度中に事業の可否をしっかり見極めてまいりたいというのは変わっておりません。
(記者)
3月の定例会議中に前議長が市職員に対するパワーハラスメントを行っているとして、議会から辞職勧告が出て、先日ご自身が辞職ということで議会からも許可されましたが、強い立場にある議員から市職員に対してそういった行為が行われたことについて、市長としてどう受け止めていらっしゃいますか。
(市長)
本市では、全庁をあげてパワーハラスメントの根絶に向けた取組を行っております。そういった中でA&Aの第三者委員会からの報告においても、私どもの組織の風土、体質といった問題が言及されており、過去を振り返ってみますと、何となくこう上手くやっていって欲しいというような話を受けた職員が、係数操作を行ってしまったような事案などもありました。教職員含め8千人の職員がおりますが、職員の皆さんが誇りを持って仕事をしていただきたいと思っています。どんな人も、ハラスメントはあってはいけないわけであり、万が一あった際に相談できる窓口が必要だと思うのですが、これまで少し職員からコンプライアンス推進課が信頼に足る存在ではなかったと反省をしております。コンプライアンス推進課に何かあったらしっかり相談に行ってもらう、体質、風土に変えていきたいなと思っております。今回、石川前議長が職員に行ってきた行為に関しては、非常に許しがたい行為だと思っておりますし、職員の安全、安心、誇りを持って仕事ができる環境を作っていくというのは私の責務だと思っていますから、そういった点で昨年の秋口にそうした事案があるということを知って以降、被害を受けた本人に対しても、コンプライアンス推進課に行くべきだという話をしてまいりましたが、残念ながらその時点では、なかなかコンプライアンス推進課に行くまでに至らなかったわけでございます。しかし今回こういう形で前議長のパワハラ問題が表に出てきて、ご自身で議員として、市民から選挙を受けて出ておりますから、そこの身分に関してはご自身で判断するというのが適正だと思っております。皆様からの取材の文言を見ると、石川前議長はご家族や後援会とご相談をして、出処進退を決めたというふうに伺っておりますので、職員が当時議長たる石川前議長から受けた行為に対しては、本当に何度も言いますが、あってはならない行為だと思っておりますし、今後は2元代表制でなかなか、私の人事権が及ばない議会局に対しましても、ぜひそういったことが無いように再発の防止とか含めて、議会でしっかりとまた議論を重ねていただきたいと思っております。
(記者)
新型コロナウイルスの関連なんですが、高齢者施設への訪問接種を優先的に行うという話ですが、ワクチンの数が限られていて、現在だと訪問接種先をかなり限定しなければいけない状況にあると思いますけれども、そのあたりをいつぐらいまでに、どういう基準で選定されるのか、お考えをお聞かせ願えますでしょうか。
(隠田副市長)
まだ全て決定しているわけではないのですが、高齢者施設については、現在、個々の施設と相談をさせていただいているところです。考え方としては、担当となる医療機関と連携が取れる施設や、一定の人数が入所等されている施設を優先的に選定して、接種をさせていただきたいと思っています。まだ個別にここの施設からやりますというのを発表できる段階ではない状況です。
(記者)
オリンピック・パラリンピックの関連で、津久井やまゆり園でパラリンピックの採火を行う方針ということなんですが、ご遺族の中にもいろいろご意見があるかと思うのですが、方針を決めるにあたって、ご遺族の方の意向等を聞かれた経緯はあるのでしょうか。
(市長)
これまで神奈川県と指定管理者であるかながわ共同会、そして本市と三者で、やまゆり園における採火に関してのご相談をしてまいりました。まだ具体の詳細なお話は、ご遺族の皆さんには直接お話をできておりませんが、今後、おそらく今月内だと思うのですが、組織委員会と神奈川県から、パラリンピックにおける聖火フェスティバルの発表があるのではないかと思っております。そういった中で、今後しっかり神奈川県、更にはかながわ共同会と連携をしながら、ご遺族の皆さんに寄り添ったご相談をしっかりしていきたいと思っております。
(記者)
そうすると、決めるにあたってはご遺族のお話を聞いたわけではなくて、県や施設を運営する共同会との話し合いでそういう方針を決められたということなんでしょうか。
(市長)
はい。やまゆり園の事件から5年が経ちますが、本市としては、この事件を風化させてはならないと考えております。パラリンピック聖火リレーのコンセプト「Share Your Light」、いわゆる「貴方はきっと誰かの光だ」ということで、この大会を契機に共生社会を実現させて、人と人、人と社会との新しいパートナーシップを考えるきっかけを目指していくことから、やまゆり園で採火をすることがコンセプトに合致すると考えておりますので、家族会の方々には、県、そして共同会を通じてお話をさせていただいておりますが、遺族の皆さんに対しましては直接まだお話はできていませんので、今後具体にお話が決まっていくと同時に、しっかり県、共同会と連携して、本市もご理解をいただけるように話をしていきたいと思っております。
(記者)
今月中に答申が出るとされていた、ヘイトスピーチ規制などを含む人権条例の制定に向けた人権施策審議会の答申が、来月以降に遅れるということがこの前の審議会の取材でわかりました。これについての受け止めと、また、事務局の作成した資料で、条例を制定することが更なる対立を生むといったことが書かれておりまして、私的な印象が入ってしまい恐縮なんですが、少々本気で取り組んでいるふうに見えない感じを受けました。まず答申が遅れることについて市長の受け止めをお願いします。
(市長)
市人権施策審議会での議論、そしてご意見等々を、毎回、審議会後に担当から報告を受けておりますが、ヘイトスピーチに特化しがちなご意見や、もっと違う方向で幅広く考えている方のご意見など、様々なご意見があるということで伺っております。私は事務局に、諮問する前から市としてどちらかに導くということは絶対にしてはいけない、自由に議論をしていただき、その答申を受けて私たちで最終的な判断をしていこうという話をしております。前回の審議会において、一部の委員さんから、市が結論を誘導しているのではないかというご指摘があったことは聞いております。決してあってはならないわけでございまして、そういうことを思われてしまったことは反省をしなければいけないと思っておりますし、次回の審議会で再度議論するというふうに伺っておりますので、オープンに闊達にご意見をいただければと思っております。
(記者)
そうしますと、現在の審議会のメンバー、委員の皆さんの任期が5月までですが、それまでに答申を出すとか、目途は具体的に示されているのでしょうか。
(市長)
可能であれば、今年度内に答申をいただきたいという思いはございました。しかし審議会でのご意見を聞きますと、いろんなご意見があるということを承知しております。したがって、時間を区切ることなく、もう少し慎重に皆さんから色々なご意見をいただいた方が良いのではないかと思っております。できれば委員の皆様の任期がある5月中に最終的な答申が出るのが理想でありますが、場合によっては、新しい形のメンバーで、また引き続きの議論が行われていくことも想定しながらやっていかなければいけないと思っています。生まれた環境等々において差別されるようなことがあってはならないということが視点にありますので、今後もしっかり審議会で議論いただいて、そして意見が出尽くしたところで答申を出していただければと思っております。行政サイドからここまでにしてくれとかいう話ではなく、もう少し皆さんの様々な意見を聞く中で、決めていきたいと思っております。
(記者)
今の質問に関連してなんですが、私も当日取材しており、市の示した資料にこういう文言がありました。「差別的な言動を規制することにより、かえって対立が生じ、市民生活の混乱が生じる恐れがある。」これは、市の取るべき手法という項目の中で書かれていて、市の考え方のようなものとして示されていると思うのですが、今お伝えした文言は、市長の考えと重なるものなのでしょうか。
(市長)
審議会に出る資料を事前に目を通していないので、私の意見というよりも、事務局側の意見として出されたのではないかと思いますが、今回誤解を生む原因となってしまっていると聞いています。先ほど言ったように、私は例えばヘイトスピーチ規制条例を作れるような方向にしてほしいとか、そういったお願いを事務局にしておりませんので、とにかく委員の皆様が、様々なご経験や知識等がある方ばかりですので、自由に意見交換ができる場を作ってもらいたいというのが私の考え方でございますので、そういった視点でお願いしております。
(記者)
これがすごく問題だと思ったのは、文章の捉え方によっては、差別的な言動があったとしても、それを放置する、寝た子を起こすなという解釈も可能だと思うんですね。そういう考え方を市がされているかどうかは分からないのですが、仮にそのような発想であるならば、これまでのあらゆる差別でそういう考え方は否定されてきたわけですよね。こういう誤解を生むような、解釈をされるような文言を市の資料として審議会に示すということ自体が、非常に問題であると感じたのですが、市長はどう考えるのでしょうか。
(市長)
私も報告を受けて、市民局長はじめ次長らに、記者と同じ思いを伝えました。あってはならない話でありますし、ましてや事務局が結論を誘導するような話はあってはならないと思っております。私どもは諮問をし答申をお願いしているわけですので、市として方向を導くようなことは決してあってはならないと思っております。これは今回に限らず、私どもが諮問しているものに対しては、市が様々な方向性を誘導してはならないと思っておりますので、今後無いようにしていきたいと思いますし、今回委員の方や記者の皆さん、議事録を見た方も含めて、そういった思いをさせてしまったことは市として反省しなくてはならないと思っております。
(記者)
誘導しているという意見は決して一部ではなく、複数の委員から挙がっていまして、実際に弊社の方には、市が差別に対してむしろ消極的な姿勢になっているという意見もあるのですが、改めて市長としての、差別やヘイトに対するお考え、または条例を作ることへの意気込みなど、改めて思いをお願いします。
(市長)
この条例は、私の公約の一つであり、その中で私が2年前に市長に就任して初めての議会の際に、ヘイトスピーチ条例に関して、高く打ち上げてしまった部分はあります。私が統一地方選挙を戦っていく中で、市内あちらこちらで実際にヘイトスピーチに値するような発言が行われたことを目にしました。しかしながら、私が見てきた中では、そういった事案がこの2年間まちの中で起こっておりません。当初川崎に負けない条例を作りたいという思いはあったのですが、今後私が必要だと思っているのは、ヘイトスピーチにだけ特化した話ではなく、多様性のある皆さんがこの相模原で生活をして、そして一緒に未来を見据えながら、生活ができる自治体をつくっていきたいと思っております。今後もヘイトスピーチを含めて差別的な発言や行動があってはならないと思っており、このことはいつの時代も変わらないと思っております。
(記者)
新型コロナウイルスの関係で、冒頭で変異株に関するご発言があったと思うのですが、市内で既に変異株の陽性者がいる、いないは別にして、変異株の感染者がでた際に必ず入院させるとか、ほかの一般のコロナの患者さんと別にするようにするとか、現状で決めていらっしゃる対策があれば教えてください。
(隠田副市長)
現状では市区町村レベルでの変異株の公表はしていないので、そこはご理解をいただきたいと思います。仮の話になりますが、変異株を疑われる方が陽性となった場合には、基本的に症状に関わらず入院をお願いしていくことになろうかと思います。それと、濃厚接触者等についても、少し幅広く捉えて検査を実施していく。これは本市に限らず、どこでもそういった対応をとることになろうかと思います。
(記者)
濃厚接触者を幅広くというのは、少し具体的に言うとどのようにイメージされていますか。
(隠田副市長)
ケースバイケースではあろうかと思うのですが、通常マスク等をして話をしたくらいでは濃厚接触者として認定はしません。一緒に食事をされたとか、長時間休憩室で一緒にいたとか、そうすると濃厚接触者の扱いになるのですが、それを、もしかしたらというところまで範囲を広げて調査をするということになろうかと思います。
(記者)
最近、市役所の中でパワハラが出てきたり、ミスも結構たくさん出ているなと感じます。パワハラに関しては、上の職員が、下の職員を差別的に見ているのではないかと思うのですが、抜本的に改革する何かをやらないと良くならないのではないかという危機感を持って見ています。また、毎月に1回くらいミスがあって、けっこう単純なミスが多かったりすることもあるので、その辺は気を付けていった方が市民に対しても信頼を得る意味でも必要かなと思うのですが。
(市長)
まず、市のミスに関しましては、全て私の責任であります。教職員を含めて8千人の職員がおりまして、それぞれ現場でみんな頑張っていただいていると思いますが、初歩的なミスが非常に多かったという点は、ここは本当に反省しなくてはいけないと思っております。最近非常にミスが多かったことを含めて、しっかりと昨年の第三者委員会で指摘された組織風土の改善含めて10項目の改正案を総務局で作っており、それを実践して取り組んでおります。それを一つ一つしっかり取組を行って、市民から信頼される自治体にしなければならないと思っておりますので、ご指摘をしっかりと受け止めて、改善に向けて取組を進めていきたいと思います。また、市のパワハラに関しましては、様々な名前が書かれない文書等が出ていることは承知をしております。ただ、長期的な話としては、コンプライアンス推進課というものがございます。名前を書かずにお手紙を送ってくるケース、私の所にもございますけど、そうではなく、お困りの方が信頼をしてコンプライアンス推進課に行くこと、また、例えば市コンプライアンス推進課以外にも相談する窓口を作っておりますので、同じ職員に相談しづらかったら、第三者の方に相談する体制も作ってまいりました。今後も、職員が誇りや自信を持って、自分たちの仕事に従事できる体制を作っていかなくてはと思っており、ハラスメントの根絶を目指して、取組を進めていきたいと思っております。A&Aの問題に関しても、色々なことに携わった職員が最近私の所に相談に来たり、過去にはこういうことがあったんだと話してくれる若い職員もおります。そういった点では、この組織風土を変えるきっかけと、環境づくりが一歩一歩進んでいると思っております。今後も市職員が誇りと自信をもって仕事に従事できる環境をつくっていくために、困った時はコンプライアンス推進課、または第三者の機関に相談できる環境づくりをしっかり作り、パワーハラスメントがないような職場にしていきたいと思っています。また、試行的ではありますが、人事の評価に関しましても、私が今年度指示し、部下から上司を評価する双方向評価を中央区と市長公室で今年度行い、私にも報告があがってまいりました。これから30年、40年後の相模原市を担う若い人たちが、上司の人たちをどう見ているのか、また、上司の人たちが若い人をどうみているのか、こういった双方向評価をしっかりやっていきたいなと思っております。私は、あらゆる課題を改善していくチャンスだと思っておりますから、就任して台風があったり、新型コロナウイルス感染症があったり、色々な事案がございましたが、まずこの一期4年間のうちに、一歩一歩本当に市民に信頼たる市政に発展をとげるように努力していきたいと思っておりますので、記者の皆様からもお感じのこと、様々なご提案・ご提言があったら、ぜひ教えていただきたいと思っております。
(記者)
A&Aの件なんですけれども、これは森副市長に聞くべきかもしれないですが、今後事業を進めた場合、A案だと事業費がこれくらい、B案だとこれくらい、全くやめた場合はこれくらいといった、基本的なものを改めて出していただかないと、A&Aの事業の選定過程の中で、こんな問題があった、なかったの前に、この事業自体やるべきかどうかの判断が出来ないと思うですが、それについて検討されているという話はされていたと思うのですが、あと残り1年しかありません。いつぐらいにそういったことをオープンにして議論を進めて行く考えなのでしょうか。
(森副市長)
現在進めているのが来年度にかけてになりますけども、当該事業の中で発生した地中障害物等の状況について、今出ているものについての分別移設なども踏まえつつ、実際の地中障害物の状況、これを更に詳しく調査をしています。その中で実際にどこまでが撤去の対象とする地中障害物であるのか、全体事業費がどれくらいかかるのか、どういう進め方をするとどういうような費用になるのかというのは何通りかのシミュレーションを考える必要があると考えています。費用については、事業計画の変更を考えていく上では必要になってくる情報だと思っていますので、出来れば今年の秋くらいまでには大体のめどを立てたいと目論見としては思っていますけれども、それらを踏まえて、方向性を見極めながら更に試算を重ねていくということになってくると思います。目論見としてお話した時期も、まだまだ私レベルの想定ですが、目安としてはそこがターニングポイントになるかなと思います。あと当然、地権者の方含め、市民の皆さんには、情報を明らかにしながら、この事業の行く末についてはご意見を頂戴し進めていければと思います。
(記者)
今の件で、いずれにしても、A&Aの事業の過程における倫理的な問題とか法的な問題というのを問うと同時に、この事業を進めていることによって市民にとって利益をもたらせるというのを明確に示さない限り、やはりなかなか前に進めることは出来ないと思いますので、その両輪の部分の考え方について市長の言葉でお願いします。
(市長)
A&Aの第一整備地区の地権者400人の皆さんに対しましても、信頼を損なうような言動がこれまで本市としてもございました。非常に地権者の皆さんにはご迷惑というかご負担等々おかけしている点がございまして、まずお詫びをしなければならないし、また再開するにあたっても、例えば市税を投入することになった際、72万市民の皆さんがA&Aの事業に対して、将来の展望をしっかり示していかなければならないと思っており、なかなか再開するにしても止まるにしても非常に壁が大きいなと思っております。しかし、過去の振り返りももちろん大事な部分でありますけども、これから未来に向かって、百条委員会の結果などをしっかりまた注視をしながらでありますけども、A&Aの立ち止まりを宣言してから間もなく2年が経ちますが、その間、議会からも市民の皆さんからも、市長が交代して止められたという話もございましたが、私は事業の継続は困難だったと思っております。その中で元々ゼロからのスタートならばともかく、マイナス以下からのスタートで引き継いでいった訳でございますので、ようやくこの2年経ってどれくらい今まで登ってきたか分かりませんが、少なくとも前には進んでおります。そういった中で、理想的には秋口ごろには示せるようにしていきたいと思いますし、市民の皆様にご理解いただきつつ、信頼を損ねてしまった地権者の皆さんにもご理解とご協力をお願いしていかなければいけない事業だと思っておりますので、しっかり森副市長はじめ都市建設局長とも取組を進めていきたいと思っております。
(記者)
ヘイトスピーチに関連する条例の件なんですけども、先ほどの市長の答弁の中で、慎重に議論を続けてもらうというのは当然のことなんだと思うのですけども、たぶんどこまで行っても、罰則を付けるべきだという人は、罰則を付けるべきという理屈を探してくると思いますし、罰則を付けるべきでないという人は、罰則を付けるべきでないという理屈をたぶん探してくると思うんです。ある部分では議論尽くした上で平行線になると思うのですけれども、最終判断は、市長が答申を受けてご自身でされるという考えでよろしいでしょうか。
(市長)
委員の皆様には、様々なお考えやこれまでのご経験、知識もございますから、偏るような委員の選出はあってはならないと思っています。様々な意見が出て、私は真っ当な委員会だと思っています。その中で、出来ることならばしっかり答申を1つにまとめていただいて、私どもに答申していただくのが理想でありますけども、様々なご意見があるということを伺っておりますので、最終的には意見が出尽くした中で、答申となるのでしょうけれども、最終的な判断は、私がしっかり責任を持ってしていきたいと思っております。
(記者)
ポイントとなるのは、差別というものの概念を、ヘイトだけに限るのか、もう少し拡大した解釈か概念として考えるのかということと、あとは理念条例で終わらせるのか、罰則を付けるのかどうか、あと罰則の実効性をどうやって確保するのかという3つが大きなポイントになるのかなと思うのですけれども、その辺についても市長は情報を集めて、最終的な判断は全部自らが責任を負ってやるということでよろしいでしょうか。
(市長)
はい。そのことも含めて、答申をお預かりして、しっかり内部で揉んで方向性を示して、それを最終的に私の判断で、かつ責任を持って出していきたいというふうに思っております。
(記者)
最終的にはそれを議会の方に諮って、それを議決してもらうという形になるのだと思うのですけれども、そのタイムスケジュールとしては、これまでの会見で示されているとおり、新年度中をめどとして考えていらっしゃるということでよろしいのでしょうか。
(市長)
答申の出てくる時期にもよりますけれども、現段階では令和3年度の年度内をもって、条例提案をしていきたいというふうに思っておりますので、その考え方は今も変わりません。
(記者)
銀河アリーナについて伺います。行財政構造改革プランの中で、廃止を含めて検討と示されているのですが、3月末までに方向性を決められるとのことだったと思うのですが、現時点でどのようにお考えでしょうか。
(市長)
これまでオープンハウスやアンケート、パブリックコメントを実施するなど、市民意見をなるべく多くいただけるような場を作ってまいりました。議会からは私が市民との対話が足りないのではないかというご指摘をいただいた所でございます。パブリックコメントで言うと2600強の皆さんから3600強のパブコメをいただいている中で、約41%にあたる1500件ほどの銀河アリーナに関してのご意見をいただいたところで、市内・市外の方からともに多くご意見をいただいています。市内が650件、市外が850件くらいだと思うのですが、市外の方からも非常に多くご意見をいただいている訳であり、基礎自治体として神奈川県で唯一スケート場を持っている自治体でありますので、そういった点では今回、様々なご意見をいただいたところです。先週の金曜日に行財政構造改革本部会議が行われました。パブコメの集計等々を年度内に上げるという事で、職員が、土日も休まずまとめており、ほぼ出来上がった状態です。しかし、議会からの決議もありましたし、今回の代表質問・一般質問も多くあり、私もこれまで銀河アリーナ関係も、アイススケート連盟とか関係者含めて色々な方からご意見を頂戴しております。近々、日本スケート連盟の長島昭久会長もいらっしゃると伺っておりますが、もう少しお時間を頂戴して、本部会議を少し、あと数回行っていく中で最終的な方向を示していきたいと思っております。
(記者)
もう少しというふうにおっしゃいましたが、それはいつ頃まで期限を延ばすのかというのと、市民の人に相談したいとおっしゃっていたのは、もう一度パブコメとかをするのでしょうか。
(市長)
パブコメをやる予定はないですが、今後、このプランが出来上がった後に第1期、第2期と分けていますから、第1期が始まった段階以降で、しっかりと感染防止対策を行った上で、例えば各区に私が出て行って皆さんの意見を頂戴するとか、色々な形で意見反映をしていきたいと思っております。もう少し慎重にパブリックコメント等々をはじめとする市民意見、また議会からのご意見を含め、ここで出せるという段階になったら出していこうと思っています。ただ、それはあまり遠くならず、例えばゴールデンウィーク明けてからとかではなく、少なくとも来月中には方向性を示せるようにしていきたいと思っています。
(記者)
キャンプ座間のゴルフ場のボール飛び出し問題なんですが、このところまた飛び出しが相次いでしまったようで、そのゴルフ場の改革を米軍に対し、求めているところだと思うのですけれども、現時点で相模原市の米軍に対しての姿勢、考え方というのをお聞かせください。
(市長)
ゴルフボールの飛び出しに関しましては、私が市長に就任する前からの非常に大きな案件だと思っており、市民の安全安心を考えていく中で、ボールの飛び出しはあってはならないと思っております。過去には児童生徒の中で怪我をされた方もいらっしゃると伺っております。実際に飛び出した家にも私自身が直接お邪魔をしてお話を伺ってまいりましたし、また1月ですが、南関東防衛局同席のもと、キャンプ座間内に入りまして、下仲副市長とゴルフ場の視察もさせていただきました。実際にゴルフ場の支配人の方から一緒にカートに乗って説明を受けておりますが、まだまだ原因が分からない部分があります。ロストボールがないと米軍側はお話されているようでございますが、突然庭にボールが落ちるということはないでしょうから、おそらくキャンプ座間からボールが出てきた可能性は高いのかなと思っております。マテルスキー司令官とも基本的に毎週水曜日、コロナの関係で色々な情報を電話でやり取りさせていただいております。今週もその機会がございましたら、司令官にも直接またお話をさせていただきたいと思っておりますし、いずれにしても原因究明と再発防止に向けた取組はしっかり南関東防衛局、更にはキャンプ座間に対して引き続きやっていきたいと思っています。
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