令和2年度 11月定例記者会見
- 日時 令和2年11月12日(木曜日)午後2時00分~2時55分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
まず、この新型コロナウイルス感染症の状況についてお話させていただきます。新型コロナウイルス感染症の新たな患者につきましては、8月が141名、9月が72名と減少してまいりましたが、ご承知のとおり、10月におきましては、市内の病院2カ所でクラスターが発生し、また、南消防署相武台分署でクラスターが発生しまして、合計3カ所で発生した関係もございまして、10月の陽性患者数が、これまでで最も高い146名となっております。また、全国的にみましても、昨日も全国で1,500名を超えるなど、新規感染者が増加している状況でございます。市民の皆様におかれましては、引き続き感染予防対策の徹底をお願いするとともに、これから流行期を迎えるインフルエンザ感染症との同時流行を回避するための対応をしっかりと取っていただきたいというふうに思います。
次に、今月18日から開かれます、市議会12月定例会議についてでございます。今回提案させていただきます議案のうち、「相模原市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例」及び「相模原市職員定数条例及び相模原市行政組織条例の一部を改正する条例」についてご説明させていただきます。主な内容につきましては、現在教育委員会が所管しております「スポーツに関する事務」について、令和3年度から市長事務部局で管理、執行するための条例を提案させていただくものでございます。これにより、「スポーツの推進とスポーツを通じた活力あふれるまちづくりの実現」に向けた取組を市全体として進めてまいりたいと考えております。
また、総額25億7,500万円の一般会計補正予算を提案させていただきます。主な内容といたしましては、お手元の資料をご覧いただきたいというふうに思います。こちらの画面にもございますが、本市ではこれまで、7度にわたる補正予算を組まさせていただきまして、市民の命と暮らしを守るための対策や支援を実施してきたところでございますが、ポストコロナのまちづくりを見据え、更なる地域経済の活性化、デジタル化やテレワーク環境の整備など、新しい日常の創造と持続可能な社会の実現のため、新型コロナ対策の補正予算案といたしまして、新たに22億3,300万円を計上させていただきました。本市におけるコロナ対策につきましては、こちらにも記載ございますが、「(1)コロナと向き合い、命を守るための医療体制の備え」、「(2)活動再開に向けた市民や企業等への継続支援」、「(3)新しいステージに進むための地域活性化」、「(4)新しい日常の創造と持続可能な地域社会の構築」の4つの柱を軸としているところでございます。それでは、主な事業についてお話しをさせていただきます。
まず1つ目の、「(1)コロナと向き合い、命を守るための医療体制の備え」ということでございまして、約4億1,900万円計上させていただきまして、医療体制・検査体制の維持に必要な事業を継続して実施してまいりたいと思います。
最初の、この相模原メディカルセンター(注:正しくは相模原南メディカルセンター)感染症対策改修事業でございますが、発熱患者さんとその他の患者さんを分離して診療できるように、発熱患者専用の動線確保や空調設備などの施設改良を実施してまいりたいと考えております。また、夜間休日の急病診療などについて、本市の診療体制の安定的かつ持続的な運営を支援してまいります。そして3つ目でありますが、帰国者・接触者外来支援事業といたしまして、濃厚接触者等への診察・検査体制を維持するため、帰国者・接触者外来を運営する医療機関に対しまして、支援を実施してまいります。
次に、4つの柱の2つ目でございますが、「(2)活動再開に向けた市民や企業等への継続支援」でございまして、約1億2,000万円を計上させていただいております。1つ目が市営住宅空家修繕事業といたしまして、住宅確保が困難となった市民の皆様への、市営住宅への入居ニーズに対応するとともに、建設業界の受注機会の増加を図ることで市内経済の活性化を図るため、市営住宅の空家修繕を実施してまいります。次に、相模原市消費生活センター強化事業でございますが、こちらは新型コロナ感染症に便乗した悪質商法等への対応といたしまして、消費生活センターの相談員や電話回線を増やすとともに、感染リスクの不安なく相談できる、リモートでの相談環境を整備してまいりたいと考えております。次に、子育て支援施設環境改善事業でございますが、保育園や児童クラブなど、子どもを預かる施設における換気対策として、網戸を設置して、安心して保育等ができるような環境を整備してまいりたいと考えております。
次に、4つの柱の3番目でございますが、「(3)新しいステージに進むための地域活性化」といたしまして、約6億5,900万円を計上させていただきまして、消費の喚起と「新しい生活様式」へ対応を促進するため、市内店舗でのスマートフォン決済利用者に対し、ポイント還元をするほか、「新しい生活様式」に合わせた店舗や住宅の改修に助成をしてまいります。次に、この3番目ですね、コロナにおけるマイクロツーリズム促進事業でありますが、コロナ禍におけるアウトドアレジャー等への需要の高まりを契機といたしまして、本市の観光産業の特色でありますキャンプ場についての利用者への助成や、魅力の磨き上げ等を行い、地域の観光振興を図ってまいりたいと考えております。
最後の柱となりますが、4番目でございますが、「(4)新しい日常の創造と持続可能な地域社会の構築」といたしまして、約10億3,400万円を計上させていただいております。コロナ禍で定着しつつあるテレワークについて中山間地域における新たなライフスタイル・ビジネスの推進といたしまして、中山間地のテレワークセンターの実証運営を行うとともに、新たなライフスタイル・ビジネススタイルの検討調査を実施してまいりたいと考えております。次に、新しい日常に対応するため学校・公園の手洗い場の自動水栓化でございますが、学校や公園のトイレの手洗い場の自動水栓化を行うとともに、災害時の避難生活における3密対策として分散避難を促すため、小中学校の屋内運動場への試験的に空調整備を行ってまいります。この避難場所等空調整備事業でございます。そのほか、脱炭素社会、新たな災害対応スタイルの構築に向け、避難所等における電力としても使用できる次世代エネルギー自動車(注:正しくは次世代クリーンエネルギー自動車)の導入や、GIGAスクール構想の効果を最大限に発揮するための教員用タブレット端末の整備、そして道路情報等のオープンデータ化、さらに、オンラインでの口座振替受付サービスの導入などによる行政事務・サービスのデジタル化を実施してまいります。各施策につきましては、速やかに実施できるようスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えておりまして、市議会でご議決をいただきましたら、具体的な手続きやスケジュールなどについて、市ホームページ等でお知らせしてまいりたいと考えております。今後も情勢の変化を的確に捉えながら、本市の実情と市民の皆様の思いやニーズを踏まえ、引き続き感染拡大の防止に取り組み、医療体制を維持することにより、市民の生命を守るとともに、市民の暮らしや地域経済の活性化、ポストコロナの新しい日常の創造に向けた取組や対策を進めてまいりたいと思います。
次に、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業特別会計についてでございますが、事業計画の見直しで必要となります、地中障害物の総量等を把握するための調査や、調査の実施に必要な仮置き土の移設や分別を行うための経費といたしまして、債務負担行為の限度額を変更し、約7億3,500万円とするものでございます。
その他といたしましては、令和3年5月にツアー・オブ・ジャパン相模原ステージを実施するために、令和2年度から3年度までの限度額1,850万円の債務負担行為を設定するものでございます。
次に、(仮称)シビックプライド条例についてでございます。10月28日に、「シビックプライドの推進に関する検討委員会」から、条例案の骨子の答申をいただきました。答申では、「条例の基本理念等を市民の皆様と共有できるよう、市民目線の分かりやすい、親しみをもっていただけるような条例」を希望する旨がございました。今後、この答申の内容を基本とし、パブリックコメント等を経まして、来年3月に市民の皆様のシビックプライドの向上に資する条例案を市議会定例会議に提出できるよう、取り組んでまいります。
次に、「はやぶさ2」のカプセル帰還に伴うパブリックビューイングについてでございます。お手元の資料をご覧いただきながら、お聞きいただきたいと思います。このイベントは、12月6日(日曜日)にリュウグウのサンプルを格納したカプセルの帰還が予定されておりますことから、ミッションのクライマックスを市民の皆様と一緒に応援する企画でございます。12月5日から6日にかけて、2部構成で実施し、第1部は市立博物館で、カプセル分離のミッションを遂行している管制室などの様子を、そして第2部では市民会館におきまして、カプセルの大気圏突入の様子を放映するとともに、JAXA研究者の方による講演なども予定しております。なお、参加を希望される場合は、申込順となりますので、11月17日から、市コールセンター(042-770-7777)へ電話をお願いいたします。記者の皆様には、お忙しい中ではございますが、当日ぜひご取材の方もお願いしたいと思っております。
次に、Team UKYOのホームタウンチームとしての認定についてでございます。本市においては、市内の活動の拠点を置き、トップレベルの活躍が期待できるスポーツチームを「相模原市ホームタウンチーム」として認定し、シビックプライドの醸成やシティプロモーション、スポーツ振興によるまちづくりを進めておりますが、昨日、皆様にもご取材いただいたように、5チーム目のホームタウンチームとして、自転車ロードレース競技のプロチームであります「Team UKYO」を、認定いたしました。現在Team UKYOは、藤野地区にあります旧菅井小学校を拠点といたしまして活動しており、昨年は、全日本自転車競技選手権大会U-23で優勝したり、UCIアジアツアーなど3位の実績がございまして、国内のみならず、海外でも活躍されておりますが、令和3年1月1日以降は「Team UKYO SAGAMIHARA」として参戦することとなりますので、ご注目いただきたいというふうに思います。今後の活躍により、「相模原」という名称も、国内外にさらに認知されることになりますので、市民の皆様のシビックプライドの醸成にも繋がるものと考えておりますので、市をあげて、引き続き応援してまいりたいと考えております。
次に、「推し土産スイーツ」についてでございます。こちらも皆様のお手元に資料がお有りだと思いますが、こちらのパンフレットもお手元ご覧いただければと思いますが、これまで3年間に渡って「さがみはらスイーツフェスティバル「推し土産スイーツ総選挙」」を実施してまいりましたが、今年度は、歴代受賞商品の魅力を多くの方に知っていただくとともに、相模原みやげとして活用していただくために、様々な取組を行っており、いくつかご紹介いたします。1つ目は、歴代の受賞商品の魅力を紹介するパンフレットを作成いたしまして、お菓子のこだわりや、おすすめの食べ方などを紹介しております。ぜひご覧いただきたいというふうに思います。2つ目は、またこちらで後ほど放映、流しますが、本市出身の著名人であり、業界屈指のスイーツ好きで知られるプロレスラーの真壁刀義さんに「推し土産スイーツ」18品を食べ比べていただくなど、個性あふれる楽しい動画を作成いたしまして、本日からYouTubeで配信しております。本日は動画の一部をモニターでご紹介いたしますので、ご覧いただきたいと思います。【動画放映】ありがとうございます。本編は12分くらいの長さということでございますので、今は1分動画でありましたが、ぜひご覧いただきたいというふうに思います。なお、11月21日から22日に、アリオ橋本で行われますイベント「NIPPON FESTIVAL」におきまして、歴代の受賞商品の一部を購入できる特設ブースを出展いたします。市民の皆様には、本市が誇る迫力満点のスイーツをぜひご堪能いただきたいというふうに思います。
次に、相模総合補給廠共同使用区域に整備が進んでおります相模原スポーツ・レクリエーションパークについてでございます。いよいよ、明後日14日に、先行して整備していた芝生広場と遊具広場がオープンいたします。スポレクパークの開園は、長年にわたり基地であった区域が、共同使用の形で市民が利用できることになりまして、本市にとっても大変意義のあることだというふうに思っております。体を動かしてのびのびと遊べる遊具や、チョークで自由にお絵描きができるエリア、バスケットボールができるエリア、さらにはバラエティに富んだ楽しみ方ができる様々な、お子様からシルバー世代の皆さんまでお楽しみできるこの遊具広場でございますので、ぜひお越しいただきたいと思います。今後も人工芝グラウンドや軟式野球場などの整備を進めてまいりますので、ぜひ多くの皆様にご利用いただくことを期待しております。
最後になりますが、本市緑区在住のプロボクサーであります中谷潤人選手についてでございます。中谷選手につきましては、緑区にありますM.Tボクシングジムに所属しておりまして、今月6日に行われましたWBO世界フライ級王座決定戦でKOによる勝利を収め、見事、世界王座を獲得されました。今回の世界王座獲得という栄冠は、市民にとっても大変誇りの高いことでありますし、子どもたちに大きな夢をいただき、日本中に元気を発信してくれたというふうに思います。今後も、市民の皆様とともに、応援してまいりたいと思います。
私からは、以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
新型コロナウイルス感染症について、第3の波が来ていると言われておりますが、市民に向けて、どういうふうにすれば新型コロナウイルス感染症を防げるのか、その辺のポイントを教えていただけますか。
(市長)
新型コロナウイルス感染症に関しましては、陽性患者が8月に141名、そして9月に72名と若干収まってきたと思っていたのですが、全国的な流れもあり、10月にはクラスターが3カ所発生し、146名確認されました。昨日も全国で1,500名を超える陽性患者が出たという事を報道で目にした訳でありますが、感染経路が不明な方が多くいらっしゃることから、新しい生活様式に則って、手洗い、換気、うがいを始め、黒岩県知事も食事の時にマスクをしながらの会食をしているとお聞きしていますけれども、そういったエチケットを個々が持って対応していただくことが、新型コロナウイルス感染症にかからない、そしてうつさないという点では、非常に大事だと思っております。まずは一人一人ができる心がけ、エチケットを持っていただく、マナーをしっかり順守していただくことが必要だと思っております。
(記者)
11月14日にスポーツ・レクリエーションパークがオープンします。市長選挙の公約にも芝生広場を作るという項目があり、それが一部実現するような形になると思うのですが、残念なのはPRが何もされていないということです。例えば、相模原駅を降りても公園をPRするポスターは一枚も貼っていませんし、市役所ロビーにもなかったと思います。あれだけ良い広場ですので、市の広報紙だけでなく、もう少しPRし、まずは知ってもらわないと足を運んでもらえないのではないでしょうか。
(市長)
本市といたしましては、SNSや市ホームページ等で発信してまいりました。また、11回の内覧会を行い、周辺の自治会の皆さんにもご覧いただいたところです。しかし、相模原駅から降りてすぐに見える所ではなく、15ヘクタールの敷地を挟んでの10ヘクタールの共同使用区域内でございますので、少し発信力が足りなかったと反省いたします。市立麻溝公園の芝生広場1.7ヘクタールに次ぐ、1.4ヘクタールという大変広大な芝生広場ができます。多くの皆様に親しまれて、お越しいただくことが理想ですので、今後は駅をはじめ、近隣の自治体、町田や八王子、横浜市含めて、情報発信について庁内で検討していきたいと思います。
(記者)
今回の12月補正3つ目の柱の「新しいステージに進むための地域活性化」についてお聞きします。スマートフォン決済によるポイント還元事業について、ポイント還元される対象は市民に限っていないようですが、その狙いをお聞かせください。また、今回スマートフォン決済に着目したことで、どのようなことが市内店舗で促進されてほしいのか、その狙いをお聞かせください。
(市長)
ここに至るまでにも様々な経済対策を行ってまいりました。39キャッシュバックキャンペーンでは、本日現在で約9万1,500人の方から申請をいただくなど、多くの市民の皆さんにご理解いただきましたが、市内店舗を利用する市外にお住いの方は利用することができなかったため、お客様や事業者から不満の声もありました。今回、第2弾として、キャッシュレス決済の導入を試みた訳でございます。まだ、スマートフォンを持っていない方や、キャッシュレス決済を導入していない方もいらっしゃいますので、そういった方も含めて丁寧に行っていかなければいけないと思っております。39キャッシュバックキャンペーンに参加した1,727社の事業者の皆さんには、引き続き、このキャッシュレス決済にも参加していただけるようにしていきたいと思っております。県内自治体では初のキャッシュレス決済でございますが、地域の声をしっかりいただきながら経済支援をできるような体制を取っていこうということで、10月から地域経済対策課を立ち上げまして、先行して取組を行っている自治体を訪問して、その中でキャッシュレス決済が非常に有効ではないかという報告を受け決定をいたしました。
(記者)
今回、相模原市民に限らず還元を受けられて、なおかつ還元されたポイントについては市外でも使える訳ですが、これはどちらかというとポイント還元される人よりも、市内店舗等を重視した結果と捉えてよろしいのでしょうか。
(市長)
39キャッシュバックキャンペーンの対象は、市内事業者と市民の皆さんでした。今回はコロナ禍が続く中で、飲食業界や宿泊業界はじめ、様々な業界の皆さんから厳しいというお声をいただく中で、近隣の八王子市や座間市、厚木市等からもお客様がお越しいただいて、まずは相模原市内の店舗等を利用していただくことによって、市内経済を活性化していきたいという考えでスタートいたしました。
(記者)
補正予算の関連で、キャンプ場の魅力の発信事業がありますが、キャンプ場が令和元年東日本台風と新型コロナウイルス感染症で打撃を受ける中で、支援する狙いを教えてください。
(市長)
昨年10月12日の令和元年東日本台風により、市内のキャンプ場11カ所が大変厳しい被害を受け、キャンプ場の皆さんから支援の要請がございましたが、道志川や神之川は2級河川で神奈川県の管理河川が多く、直接本市が具体に支援ができない部分もございました。今回、本市の観光の魅力であるキャンプ場をクローズアップし、相模原スタイルのキャンプ場を実現できないかということで、色々な議論をしました。キャンプを愛している人、バーベキューを楽しんでいる人を含めて相模原市に足を運んでいただけるような機会になってもらえば良いと思いますし、また相模原市は大自然があり、とてもいいなと、移住定住してみたいなと思っていただければさらに良いと思っています。今回、アウトドアブームだけではなくて、ポストコロナを見据えて、私たちの観光の売りであるキャンプ場に視点を当てまして、具体的な施策として上げさせていただきました。
(記者)
キャンプ場支援施策について、少人数で行くと割引率の上限が高いような状況になっていると思うのですが、今おっしゃられたような、地域の資源を活性化させることと同時に、少人数や平日利用を促すというような部分で、どういうことを狙いとして考えていらっしゃるのかについて、市長の考えをお聞かせください。
(市長)
新型コロナウイルス感染症の拡大の中で、ソロキャンプや少人数、家族や仲間で来るキャンパーが増え、これから周辺の施設で使えるクーポン券などの発行も検討していきたいと思います。キャンプ場に来られた方々が、例えばいやしの湯の温泉に入っていただき、そこで食事をして、さらに帰りがけにお土産を買っていくといった形で、相乗効果を狙っています。私も青根、青野原方面に行ってまいりましたが、非常に多くのライダー、自転車の方とか、バイクの方とか、車の方、こんなに人が来るのかというようなぐらい人が居まして、週末になると多くの皆さんがアウトドアや自然を求めていらっしゃるのだなと思いました。ぜひ津久井地域の経済の活性化のためにも、キャンプ場と地域の事業者がコラボして、ウィンウィンの形になれば良いなと思っております。さらに、来た方も楽しい思い出を持ち帰っていただくということが狙いであります。
(記者)
新しい生活様式が求められている中で、少人数で利用すると割引率が上がるような仕掛けになっていると思うのですが、今後のキャンプ場の利用の在り方について、どうなってもらえたら良いのか、政策的な意味もあると思いますので、その部分を教えていただけますか。
(市長)
これまでは、例えば30人、50人という大規模なグループの皆さんにキャンプ場へお越しいただいて、ワイワイするシーンが見受けられましたが、生活様式も変わり、これからは少人数で、知った仲間で皆さんと一緒に懇親を深めていく機会を、この相模原市のキャンプ場で持っていただきたいと思っております。
(記者)
去年の11月にリニア中央新幹線の神奈川県駅の起工式を行い、まもなく1年が経ちます。この1年間で、静岡県と色々あり、2027年の開業が少々困難という伝えられ方もしています。相模原市は1年を迎えるこの段階でのリニアの状況をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。また、市長も夏に国に要望に行ったりしていましたが、国に対してどんな要望をしてきたのかを改めてお聞かせいただけますでしょうか。
(市長)
昨年11月22日の起工式からまもなく1年が経とうとしており、順調にリニアの県内工事は進んでいると理解しております。しかし、大型ダンプ等がこれから出入りをするため、子どもたちの安全・安心にも務めていかなければならないですし、また、緑区の菅井地区などでは、水の枯渇を心配する声もございます。これからまちづくりが始まって、新しい魅力づくりがスタートしますが、やはり生活をしている、特に緑区の皆様におかれましては、騒音や振動、ダンプ、水の問題など、色々な課題もございますので、こういった問題に引き続き注視をしながら、国や県に対しまして、しっかり申し入れをしていきたいと思っております。また、JR東海に対しましても、そのことは課題としてお話をしてまいりたいと思っております。私自身は引き続き、2027年の開業に向けて、相模原市としてのまちづくりも、土地区画整理事業の計画も進めていかなければならないと思っておりますので、併せて、2027年という目標をもって、これからもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
(記者)
神奈川県駅の予定地、橋本を中心とした人たちから、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、なかなかリニアを盛り上げるイベントもできないし、活性化に向けた、行政と一体になった取組ができていない現状で、盛り上がりが足りないのではないかという声も聞きます。経済的な対策という意味でも重要な面だと思いますが、そこはどのように考えていますか。
(市長)
先日、黒岩知事とお会いした際にもお話したのですが、神奈川県で唯一の駅となっておりますので、神奈川県との連携も必要だと思っております。その中で、県議会の一般質問等で、橋本の新しいまちづくりに関しましては県としても大きなご支援をいただけるという答弁をいただいており、知事からも直接そのお言葉をいただいております。本市ではこれから、地域の皆さんへのご理解、気運の醸成というものをしっかりしていかなければいけないと思っております。リニアが来ることはご承知の方が多いと思うのですが、来て終わりではなく、多くのお客様が降りたい駅にしていかなければいけないと思っております。そういった意味では、橋本駅周辺のまちづくりも、相模原駅の北口、南口と同じように、一体となったまちづくりをしていき、橋本に降りたいなと、そして今日は一泊していこうかとか、食事をとろうとか、人と会っていこうとか、ビジネスチャンスも含めて、色々な人が集まれる場所にしていきたいと思っています。そういった点では、これからキャンプ場と同じように、魅力の磨き上げというか、まちづくりとともに、まずは橋本地域、緑区の皆さん、市民の皆さんに、自分たちのまちの誇り、シビックプライドの醸成とともに、多くのお客様が降りたい駅にしていくことが重要だと思っており、これからまだまだ磨き上げが必要だと思っております。機運の醸成という意味では、足りないというふうに思っておりますので、今後もまたしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
(記者)
JR東海と静岡県との交渉がまだ難航している状況で、改めて国の役割に期待したいことはどのようなことになりますか。
(市長)
国も財政投融資で約3兆円投資しておりまして、JR東海などいわゆる民間企業だけの事業ではなく、国をあげた事業だというふうに認識をしております。ぜひ、赤羽国土交通大臣はじめ、国土交通省など多くの皆さんに、静岡県との調和をお願いしたいと思っております。静岡県の皆さんにもご理解いただく中で、事業がまた真っ直ぐ進んでいくことを期待しております。
(記者)
リニアについて、現実問題として、2027年まであと数年です。鳥屋の車両基地もまだ全然できてないですし、こういう現状で見込んだ年度に開通というのはあり得ないというのが普通の考え方だと思うのですが、いかがでしょうか。
(市長)
緑区鳥屋の関東車両基地と、それから岐阜県中津川市の中部車両基地、この車両基地ができなければ、リニアの運行はできません。あと6年、7年後に供用開始ということでありまして、限られた時間となっておりますが、JR東海からは、順調に地権者との交渉も進んでいるというお話をいただいております。 また、鳥屋地区の車両基地対策委員会をはじめ、お話を伺っておりますが、自然が多くあり、そして多くの皆さんが生まれ育ったふるさとが、大きく変わろうとしておりますので、鳥屋地区の皆さんにご理解いただきながら、事業を進めなければいけません。私どもは2027年の供用開始が出来ると信じておりますが、静岡県をはじめ困難がありますし、新型コロナウイルス感染症も誰も予想しなかったことであり、鉄道事業も非常に厳しく、本当に2027年に間に合うのだろうか、資金の工面もできるのだろうかといったお声もいただいておりますが、私たちは今のところJR東海や国の方からも、2027年という目標通りだというふうに伺っておりますので、今後も進めていきたいと思っております。
(記者)
先日記事を書かせていただきましたが、中央区の医療的ケア児の子どもが市立学校に就学できていないという状況があり、色々ご事情は私も取材をしたので把握はしているのですが、結果として、保護者の方の意向がかなえられていないという中で、改めて普通校への就学、転校について、どう考えているのでしょうか。また、保護者の方もおっしゃっているのですが、やまゆり園事件が起きた相模原市としてインクルーシブ教育をどう考えているのかをお聞かせください。また、保護者の方が、市教委を通じてですが、市長への面会も希望されていて、結果的には実現していないのですが、そのあたりも踏まえてどのように考えているのか伺いたい。
(教育長)
医療的ケア児の受け入れ経過の取材でご承知かと思いますが、入学前に本市の教育支援委員会、専門的な医者が入っている委員会等では、支援学校の方が望ましいという判定があり、支援学校に在籍しながら保護者の意向を最大限尊重して、地域の学校と交流をはじめてきました。昨年1年間やってみて、様々な課題があるということが分かりましたので、保護者の方とも相談をしつつ、引き続き地域の学校での交流を調整しているところでございます。また、やまゆり園事件が起きた中で、インクルーシブの実現は大変重要なことだと思っています。ただ、現実的に、今回の件については、保護者に対していつから受け入れをするということは申し上げることはできませんが、様々は課題について、引き続き保護者と話し合いをしながら合意形成を図っていきたいなと思っています。
(記者)
保護者のご意向を踏まえ、市教委として去年1年間は色々な計画を立てて検討に向けて進んできたわけですが、実現できていないということで、引き続き、その方向性を捨てずに合意形成を図るということですか。 (教育長) 1年間やってきまして、色々な課題が、色々な場面で出てきました。お子さんの学びを考えたときに何が一番良いのかということで、今回保護者の意向に沿うことはできませんでした。ただ、そこの課題について、お互い話し合いをしながら、引き続き、調整をしていきたいと思っています。
(記者)
今回の方については色々な事情があってこういう形になっていますけど、これが相模原市として障害児を普通学級に迎えることとか、今後の流れも重要だと思うので、その辺りについてはどのように考えますか。
(教育長)
普通学級になりますと、各学年に学習目標がありますので、普通学級というのは非常に難しいと思います。支援学級などで、個々に合わせた支援計画、学習計画を作って、達成していくようになるのかなと思います。
(記者)
そうすると川崎市の事例のように、実際に東京都世田谷区に転居して、学校に入っているのですが、普通校に就学、転向が実現している自治体もあります。市教育委員会は、世田谷区の教育委員会に聞き取りをされた上でこういう決断を下しているのですが、その自治体と相模原市との違いはどこにあると考えていらっしゃいますか。
(教育長)
受け入れの環境もあるのだと思います。支援する先生の力量や受け入れができるような部屋など、人的、物的な環境がどう整っているのかというのは、世田谷区の事例は分かりませんので、何とも申し上げることはできません。
(記者)
現時点ではそれが整っていないので、受け入れられていない状態ということでしょうか。
(教育長)
今回やってみて、受け入れすることが非常に難しいということが分かりました。ですから、最低限、保護者の意向に沿って、受け入れの地域校での交流を進めてきましたが様々な課題があるということが分かったということです。
(記者)
これまでかなり話し合いを重ねてきて合意形成できていないと思うのですが、具体的にどういう形で合意形成をしていくのですか。
(教育長)
合意形成は難しいところですが、やはりお互いのことを理解しあいながら、子どもにとって何が良いのかということを目指していくのかなと思っています。
(記者)
実際に学校に就学できていない子がいるという状態が続いていますが、そのことについてはどう受け止めていらっしゃいますか。
(教育長)
保護者の意向に沿えないというところでは、若干申し訳ないという気持ちはありますが、引き続き、話し合いをしていただきたいと思っています。
(記者)
具体的な話は教育長がお話しされたことで良いと思うのですが、市長としては、やまゆり園事件が起きた相模原市において、インクルーシブというのを市是のような形で掲げており、またそれに関連するような条例についても検討している状況の中で、具体的な話は良いとしても、市長としてインクルーシブ教育について、どういうふうに方向性として考えているのか。考えをお聞きします。
(市長)
私も国会議員の時代からインクルーシブ教育の議連に入っておりまして、推進をする立場でございます。本市はやまゆり園事件を経験し、共生社会の実現を目指しております。今後条例制定などを目指してまいりたいと思っておりますが、教育長から話があったように、すべてのお子さんたちを取り残さない教育というのを私たちは目指しており、ご質問のあった方に関しましては、市教育委員会も非常に寄り添った形で扉を開けて協議を続けた結果、なかなかかなわない環境もございました。そういった状況もありますが、今後も私たちは、扉を開けてオープンにして、様々な環境の子がいらっしゃいますから、そういった皆様をお受けできるような相模原市の教育を目指していきたいと思っております。川崎市の事例なども話がございましたが、私たちはこれからも教育委員会としっかり連携して、全てのお子さんたちの未来を考えた中で、その子にふさわしいあり方、教育制度をしっかり応援していきたいと思っております。
以上
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