令和2年度 6月定例記者会見 会見録
- 日時 令和2年6月26日(金曜日)午後3時00分~4時15分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
本日、高市総務大臣のところへ指定都市市長会としての要望を千葉市長と共に行ってまいり、ただいま帰ってまいりました。
まず、はじめに、先日19日に散会いたしました6月定例会議でございます。5月26日(火曜日)から25日間にわたりご審議いただき、提案いたしましたすべての案件につきまして、ご議決をいただきました。議員の方々からは、新型コロナウイルス感染症の対策に係る医療体制の確保や給付金をはじめとする経済支援、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業における不適切な事務を受けて提案いたしました私と3人の副市長の給与の減額に関する条例などにつきまして、多岐にわたる質疑やご意見をいただきました。市といたしましても、議会の皆様からいただきました、ご意見やご提言を真摯に受け止めながら、引き続き、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
また、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業に係る問題をはじめとした不適切な事務の執行等により、市民の皆様から失われた信頼を取り戻すべく、一昨日24日(水曜日)の夕方に、私から全ての部長級以上の幹部職員に対し、訓示をいたしました。来週7月1日(水曜日)には、所属長以上を対象とする訓示も行う予定でございます。一連の不適切な事務執行は、個々の事務事業に関する問題にとどまらず、第三者委員会からの報告にもありましたが、本市の組織運営、組織風土の改革が求められているものと重く受け止めております。引き続き、職員一丸となって、72万市民の皆様の信頼回復に向け、全力で取り組んでまいる覚悟でございますので、記者の皆様方からも引き続き、ご意見をいただけますようお願いします。
次に、新型コロナウイルス感染症対策に関する、現状についてでございます。本市における、コロナウイルス感染症の患者につきましては、ホームページ等でも皆様にお伝えしておりますが、6月25日(木曜日)の時点で、88名確認されており、うち9名の方が現在治療中でございます。5月29日(金曜日)から6月15日(月曜日)までの18日間感染症患者の確認はされておりませんでしたが、6月16日(火曜日)以降、約1週間で、9名の感染症患者が確認されており、本市といたしましては、未だ予断を許さない状況が続いております。本市においても感染の第2波・第3波に備え、医療体制や検査体制の拡充を図るため、医療機関等と調整を進めるとともに、「新しい生活様式」の定着を図り、感染拡大防止に努めながら、市民活動と地域の経済活動の再開に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと思います。昨日、市内の医療機関3カ所に行き、医療従事者の皆様から貴重な意見をいただきました。このことをしっかりと踏まえて取組を進めてまいりたいと思います。「新しい生活様式」では、3つの基本として「人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗い」の徹底が示されております。このことは、市長室の入口にもボードを設置しておりますので、ご覧いただきたいと思います。一方で、これから夏を迎えるにあたりまして、マスクを着用し続けることで、熱中症等のリスクも高まるという報道もございます。市民の皆様には感染症対策の観点から、マスクの着用をお願いしておりますが、屋外で人との距離を十分に、少なくとも2メートル以上確保できる場合には、マスクをはずすなど、熱中症のリスクを少しでも軽減していただきたいと思っております。また、マスクを着用したままでの、体に負担のかかる運動や作業は避け、こまめに水分補給をし、エアコンや扇風機などを利用しながら体温調整を行うなど、熱中症対策を引き続きお願いしてまいりたいと思います。市の職員につきましても、ごみ収集や公園での作業等を行う場合、熱中症対策のため人との距離を確保した上で、マスクを外している場合もありますので、市民の皆様にもご理解いただきたいと思います。なお、「新しい生活様式における熱中症予防」をテーマとした啓発動画の作成を、市長公室で進めており、完成いたしましたら、改めて皆様にもお知らせしてまいります。
続いて、既に何紙かで取り上げていただいておりますが、5月29日(金曜日)の臨時記者会見でも発表させていただきました、キャッシュバックキャンペーンについてでございます。こちらのフリップボードでお示ししておりますように事業名につきましては、「さがみはら39キャッシュバックキャンペーン」、総額3.9億円、1万5千円以上の消費で、3900円のキャッシュバックを行うものでございます。最大39日間実施いたしますが、予算に到達した次第で終了する予定でございます。市内で15億円以上の消費拡大につながっていくのではないかと思っております。7月1日(水曜日)から事業者の皆様への募集がスタートし、8月末以降になると思いますが、市民の皆様へのキャッシュバックキャンペーンがスタートしてまいりますので、記者の皆様にも宣伝をお願いしたいと思っております。この事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外出を控えていただいた市民の皆様に対して、営業自粛等にご協力いただきました事業者の皆様への感謝の気持ち、「サンキュー」を込めて、実施させていただくものでございまして、本市の若手職員から立案されたものです。全国的にもキャッシュバックを実施している自治体は少ないと思います。若手職員からの貴重な意見を取り入れて実現した事業であるということも、ご理解いただきたいと思います。「サンキューキャンペーン」の実施にあたり、市民の皆様から申請いただいた領収書の集計等は、大学生等を会計年度任用職員として任用し、進めていきたいと考えております。
次のフリップボードでございますが、キャッシュバックキャンペーンの仕組みについてでございます。まず、図の上の方に掲載されております事業者の皆様は、市内に事業所があり、市に本店、または主たる事務所がある事業者が対象で、いわゆる「地元の事業者」であります。地元の商店街をはじめ、例えば、八百屋、マッサージ店、理容店、美容店、タクシー会社、様々な業種の皆様がご参加いただけます。もちろん食堂等にも参加いただけ、地元の経済の再生を目指した取組の1つであります。約2千社の登録を目指しており、登録された事業者につきましては、市民の皆様に分かりやすくするため、市ホームページをはじめSNS等で発信するとともに、紙媒体での周知、一番分かりやすいものとして各店にキャッシュバックキャンペーン参加店であることを示す のぼり旗やステッカーを掲げていただきたいと思っております。続いて、右下に示しております、市民の皆様でございますが、キャッシュバックキャンペーンに参加する事業者の商店や飲食店等で買い物やサービスをご利用いただき、発行された領収書やレシートにスタンプを押印してもらいます。その領収書等の合計が1万5千円以上になりましたら1口として市に1回応募いただけます。なお、1店で1万5千円でなく、例えば食堂の千円、タクシーの2千円、マッサージの3千円、八百屋の2千円という具合に、複数の店舗の領収書等の合計が1万5千円以上になれば応募いただけます。同じ店舗の複数の領収書の合算も可能となっていますので、この点も市民の皆様にしっかりお伝えしたいと思っております。
次に3番目のフリップボードになりますが、参加事業者の募集についてですが、7月1日(水曜日)から31日(金曜日)までの1カ月間を募集期間としております。主な要件といたしましては、市内に本店または主たる事務所がある事業者で、キャッシュバックキャンペーン開始までに、新しい生活様式や感染防止対策を実施しており、レシートや領収書を発行している事業者に限らせていただきます。申込方法は、郵便での受付のみとなります。多くの事業者がご参加され、多くの皆様にご利用いただき、相模原市経済を活性化させていただきたいと思います。特別定額給付金の振り込みも始まっておりますので、皆様の生活の中で必要なものは、ぜひ、市内の事業者から購入いただきたいと思います。
また、最初のフリップに戻りますが、「さがみはら39キャッシュバックキャンペーン」の実施時期につきましては、繰り返しになりますが、7月1日(水曜日)から31日(金曜日)まで事業者の募集を行い、決定後に紙媒体での周知やのぼり旗等の作成、各事業者への配布を行ってまいり、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながらになりますが、早ければ8月末から9月初旬には、事業をスタートしたいと考えております。お手元に発表資料がございますので参考にしていただきたいと思います。
次に、お手元に発表資料を用意してございます、「さがみはら大学生等未来応援事業」についてでございます。本市では、タマネギ1トンのご寄附をいただくなど、市内の生産者の皆様からご協力をいただき、5月31日(日曜日)から6月30日(火曜日)まで、新型コロナウイルス感染症の影響で経済状況が悪化した本市に在学、在住する大学生等に食の支援を行っております。この取組を利用した大学生にアンケートをした結果、ぜひこの支援を続けてもらいたいという声が多くございました。そうした声を受けまして、「さがみはら大学生等未来応援事業」として、新型コロナウイルスの影響に関わらず、大学生等が集中して学業に励めるよう、継続して、食材等を提供できる枠組みを整備いたします。具体的な取組といたしましては、フードバンクや企業等から物品の提供等を募り、月に2回程度食材等を提供する物資提供事業「大学生等未来応援DAY」を行うほか、地元農業者や市民などから、野菜などの食材が入荷した際、その日に限定して窓口を設ける地元農産物等提供事業「今日の食材」を行います。さらに、今後は、食材の提供だけにとどまらず、本枠組みを活かして産学官の連携やSDGsなど、多種多様な主体や施策と連携した取組にもつなげてまいりたいと考えております。私も5月31日に現地に行き、大学生と話をしました。愛知県や新潟県、沖縄県等各地の出身者がおりました。皆様には、大学や短大、専門学校を卒業した後も、引き続き相模原で生活することを選択され、一緒に相模原を盛り上げていただけるような力になっていただけたらと期待しております。
次に、市民の皆様から大きな関心が寄せられております特別定額給付金についてでございます。既に申請されております約30万世帯の約16%にあたる4万9千世帯、約10万8千人への振り込みを6月30日(火曜日)までに行ってまいりたいと考えております。なお、本日現在では、約3万9千世帯、約8万8千人の皆様に振り込みが完了している状況でございます。引き続き、一刻も早く給付金が皆様に届くよう、速やかに振り込みの手続きを進めてまいりたいと思っております。給付金の申請や振り込みの状況につきましては、市ホームページで随時情報を更新しておりますので、こちらをご覧いただきたいと思います。冒頭にも申し上げましたが、本日、指定都市市長会を代表しまして、熊谷千葉市長とともに、高市総務大臣のところへ、今回の特別定額給付金について要望を行ってまいりました。
次に、新型コロナウイルス感染症対策支援寄附金の状況でございます。6月25日(木曜日)までに、311件、1億3,427万円の温かいご寄附の申し出がございました。多くの方々からの多額のご寄附に対し、この場をお借りして、改めて御礼を申し上げたいと思います。昨日も3カ所の病院に伺い、医療用のガウンやマスクが足りないという声をいただいており、市民の皆様からの寄附金は、こうした医療物資の支援や医療設備の費用に充てていきたいと思っております。また、6月の市議会定例会議にもお諮りしましたが、この寄附金の中から5000万円、462名に対し、4月から9月まで1人2万円、6カ月間分、最大で1人あたり12万円の医療従事者への財政支援を行ってまいります。市民の皆様からお預かりした寄附金につきましては、しっかりと活用してまいりたいと考えております。
最後になりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため自粛しておりましたホームタウンチームの活動再開についてでございます。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために休止しておりました市施設については、緊急事態宣言の解除に伴い、感染症予防策を適切に行いながら、順次、再開しているところでございます。まず、6月1日(月曜日)はテニスコートや野球場など、感染リスクの少ない屋外スポーツ施設等を再開いたしました。また、6月12日(金曜日)からは、団体利用のみとなりますが、ギオンアリーナをはじめとする市立の体育館の再開、6月19日(金曜日)からは、順次、公民館やこどもセンター、児童館などを再開いたしました。そうした中、本市に活動の拠点を置くホームタウンチームのうち、SC相模原が6月27日(土曜日)にギオンスタジアムで、ノジマステラ神奈川相模原が7月18日(土曜日)に、いよいよリーグ戦が開幕することとなりました。どちらも無観客での開幕を予定しており、スタジアムで直接声援を送ることは出来ませんが、72万市民の皆様と一緒にチームを応援し、チームが活躍することで相模原市を元気にしていただきたいと願っております。
私からは以上でございます。
(記者)
6月の市議会定例会議で、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業における不祥事の責任を取り市長や副市長の給与を減額する条例案が1票差で可決しました。そのことについて、不祥事が行われた時の執行部でなかった現市長等が責任を取ることについての疑問の声や、不祥事があった時の執行部が責任を取るべきでないかという声もあり、賛成と反対の意見が拮抗していたと思います。今回の1票差で議案が可決したことに対する所感と、今後、前執行部に対する責任の追及についての考えを聞かせてください。
(市長)
この麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業における不祥事につきましては、市の職員の非違行為によるものであり、5月20日には当該職員を処分いたしました。市民の皆様の信頼を大きく損ねたことや、社会に与える影響が大変大きなものだったということも踏まえ、現職の職員を処分したわけであり、私を含めた3副市長の給与の減額を提案させていただきました。記者から言われましたとおり23対22という、大変拮抗した結果となりましたが、議案は可決されました。反対討論に立っていただいた4名の方々からのご意見も大変貴重な意見と受け止めております。例えば、現執行部の責任ではなく、前加山市政の責任が大きいのではないかというご指摘や、給与減額を行うことで今回の問題が幕切れになってしまうのではないかといったご指摘は、非常に重く受け止めなければいけないと思っております。今回の給与減額が一つの区切りだとは思っておりますが、この問題を終わりにするつもりはなく、例えば清水建設が地山まで掘った件等、中身がまだ把握できていない部分もあり、今後、新たな問題が確認される可能性もあります。そうした場合は、しっかりと厳正に対応していきたいと思っております。今回の結果は、本当に拮抗したもので、賛成いただいた議員の皆様、反対された議員の皆様、それぞれの気持ちをしっかりと受け止め、まずは相模原市として、市民の皆様の信頼回復に努めていきたいと思っております。
(記者)
前の執行部に対する道義的責任も含めて追及していくという考えは、前回の記者会見ではなかったと感じていますが、今回の議決を受けて心境の変化もしくは考え方の変化というのはあったのでしょうか。
(市長)
昨日、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業に関する特別委員会が開かれ、その中で百条委員会の設置について提案があったと伺っています。市議会で開催する委員会でありますので、私から感想等は特にありませんが、おそらく市議会でも重く受け止め、現在の委員会でなく百条委員会を開くという話もあったのではないのでしょうか。やはり地方公務員法で前の特別職に処分が下せないということは、現在のルールの中では限界があると感じております。今後、市議会を始め、様々な調査が進んでいく中で、新たな非違行為が見つかれば、前の執行部に対し、適切な対応を検討していきたいと考えております。
(記者)
新型コロナウイルス感染症についてですが、感染症患者を受け入れている病院は非常に経営が厳しい状況ということが、全国的にも共通している課題だと思います。相模原市は全国的にも早い段階で、市の補助金という形で、支援を導入していると思いますが、今後、その金額を増やしていく考えはあるのでしょうか。いつまでも支援を続けていくと市の財政にも影響を与えることになると思いますが、見通しや考え方について市長の見解を伺います。
(市長)
現在、県や国と連携しながら、神奈川モデルとして、本市でも中等症患者の病床や、無症状患者を受け入れる療養型の宿泊施設を設置するなど、様々な対応をしてまいりました。記者からありましたとおり早い段階で空床確保に向けた市独自の支援も行ってきましたが、昨日伺った3つの病院でも、財政的な課題が非常に大きく、ある病院では1病室あたり1日に6万円から10万円の損失があるという話も聞きました。本市においても、直近の1週間程度では、感染者の確認が増え、予断を許さない状況となっており、感染拡大の第2波、第3波も気に掛けなければなりません。現在、本市には旧北里大学東病院に重点医療機関として中等症患者を受け入れる専用の病床が50床あります。その他に空き病床を確保いただいている病院もありますが、いつまでも確保していただくことによって病院の損失が膨らんでまいりますので、県ともしっかり連携して、空床確保については、今後、縮小の方向で考えていきたいと思います。ただ、第2波、第3波が来た時には、速やかに協力いただけるような関係を築いていかなければいけません。今回、第2回目の交付金よりも、かなり大きな臨時交付金が交付されることとなりましたので、次の補正予算に向けて、庁内で市独自の取組について議論が始まっており、医療関係者の皆様にも、様々な形で支援ができるようであれば、考えていきたいと思っております。
(記者)
新型コロナウイルス感染者の専用病床を、今度は縮小していく方向ということは、どの位の数を減らしていくというアウトラインはあるのでしょうか。
(市長)
内部でも話が詰められておりません。また、医療従事者の皆様の意見や病院協会はじめとする医師会等のご意見を聞き、県と相談しながら進めてまいりたいと思っております。まだ、具体な数字はありません。
(記者)
本日の午前中に、在日米陸軍基地管理本部司令官が市長を表敬訪問した際に、在日米陸軍関係者の感染について市長に直接報告があったとお聞きしました。具体的な細かい情報について、市長から速やかに情報提供するよう依頼や要請をその場で行われたのでしょうか。
(市長)
過去に、在日米陸軍基地管理本部のマテルスキー司令官に、米陸軍のご家族の感染と日本人の基地従業員の感染に関して、電話で2回お話をさせていただきました。今回は、マテルスキー司令官と面会をした際に、司令官から先日成田空港に到着したばかりの在日米陸軍関係者が陽性になったという話をいただきました。今後も速やかに情報公開をしてまいりますので、在日米陸軍としても、今後も信頼関係の中で、情報をしっかりと本市や座間市に対してお示しいただきたいという話をさせていただきました。このことはマテルスキー司令官も同意いただいたと思っております。
(記者)
昨日の段階で米軍のフェイスブックに、今回の感染について情報が出ていたが、相模原市に連絡があったわけではないと聞いております。相模原市の方からも昨日の段階で米軍に照会を掛けたという事実もないということでした。軍事機密的なものもある中で限界はあると思いますが、それを求めていく姿勢は相模原市には必要なのではないかと考えますが、昨日の段階での情報のやりとりが緊張感を持ってできていなかったのではないかという指摘について、市長はどのように考えておりますでしょうか。
(市長)
昨日、在日米陸軍のフェイスブックに感染について掲載されていたことを、私も本日知りました。ご指摘いただいたように、半日程度情報が遅いということについては、来月、マテルスキー司令官に会う予定もありますので、速やかに情報を伝えていただきたいということを、再度要請していきたいと思います。
(記者)
リニア中央新幹線について、JR東海の金子社長が静岡県の川勝知事を訪問し、今月中の着工をお願いしたいと求める会談を行ったということですが、川勝知事からJRに対し明確な回答がされなかったようです。今月中に着工ができないと2027年の営業運転が始められないという可能性があることは、駅がある相模原市にとっても非常に大きな問題だと思いますが、今回のJRと静岡県の問題について、駅が設置される相模原市の市長の立場から、どのようなことを望まれているのか、もしくはどのような解決を希望されているのか教えてください。
(市長)
本市においても、令和9年、2027年の開業に向けたまちづくりを現在進めているところでございます。今後、橋本駅南口におきましては、大規模事業評価、その後の区画整理事業によるまちづくりを進めていく予定で、本市におきましては、令和9年、2027年の開業に向けたまちづくりを変わらずに続けていく予定でございます。本日、川勝知事とJR東海の金子社長が面会されたという話は伺っておりますが、本市といたしましては、国が設置した静岡県の課題に関する有識者会議で、静岡県とJR東海がしっかりと議論をしていただき、早期の解決に向けて対応を続けていただきたいと思います。静岡県の工事着工が遅れると、2027年の開業が遅れるという話も伺っており、そうしたことのないよう、基礎自治体の立場ではございますが、リニア中央新幹線の新駅ができる自治体として、また、車両基地ができる自治体として、この国家プロジェクト的な位置付けの事業が、早期に進むようお願いしてまいりたいと思っております。
(記者)
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業に関してですが、市議会では加山前市長へのヒアリングを求める声が上がっていました。大量の障害物が出てきた場合の対処についての加山前市長の考え方や、様々な知見も経験もある市の幹部の方からの報告に対する加山前市長の考え方は、本村市長が今後事業を再開する上で、必要な視点になるのではないかなと思います。職員の処分という観点でのヒアリングではなく、事業再開を目指すという観点でのヒアリングの可能性について考えをお聞かせください。
(市長)
加山前市長に対しては、処分を含めた対応を話される方が多くいらっしゃるのですが、記者から言われたように、明らかに地中障害物が事業の進捗に向け大きな障害となったということは、加山前市長もご存知だったと思いますので、そういった点では事業再開に向けて、加山前市長が当時お考えになっていたことなど、アドバイスなり、お考えを聞かせいただくことは、重要なことと思っております。
(記者)
市として加山前市長へのヒアリングを行うのでしょうか。
(市長)
今後、特別委員会等の方向性を見据えながら、必要であれば加山前市長に私からお聞きしなければいけないことと思っております。
(記者)
いつ頃までにというお考えはありますか。
(市長)
令和3年度末を目指し事業の再建中ですので、その中で必要な時に適宜お願いしたいと思いますが、現段階では、いつ頃という目途は立っておりません。
(記者)
令和3年度を目指す中では、本村市長と加山前市長が直接話をするというお考えであるということですか。
(市長)
事業の再建中ですので、その中で前市長のお考えを聞く必要があると判断した時に聞きたいと思っております。
(記者)
まだ必要であるという判断に至っていないということですか。
(市長)
まだです。
(記者)
その判断は、どういう時に何をもって判断するのでしょうか。
(市長)
それは、やはり事業を立ち止まるにしても、事業を再開するにしても、その判断をする時に、大きなポイントになってくるであろうという時にお聞きしたいと思います。
(記者)
市長に就任の際に、事業の引継ぎをされていると思いますが、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業について、加山前市長からどういう形で本村市長に事業について伝わったのか、覚えている範囲で結構ですので、教えていただけますか。
(市長)
1年2カ月前の話なので記憶は間違いないと思うのですが、事務の引継ぎは、書面のみであり、直接お会いしての引継ぎはありませんでした。
(記者)
書面には、事業の内容が書いてあっただけですか。
(市長)
そうですね。詳しく当時の資料を覚えておりませんが、書面のみでありましたから、そのようだったと思います。
(記者)
昨日開催された特別委員会で、第三者委員会が前市長から聞き取りをしていたという話があり、内容は公開出来ないということだったと思うのですが、市が設置した第三者委員会で、費用も市で負担しているわけであり、前市長に行ったヒアリング内容は公開されてしかるべきものだと思うのですが、なぜ公開しないのでしょうか。
(総務局長)
第三者委員会に調査を依頼するにあたり、一般的なモデルとなる契約に倣って依頼します。その中では、調査資料については、第三者委員会に所属する文書であり、ヒアリングにあたりましても、相手方に対しては公開をしないという前提の中で話を聞いたとのことでございまして、今回も第三者委員会にこの資料の公開について問い合わせをいたしましたが、申し上げたような理由で、公開は出来ないという返事を書面でいただいたところでございます。
(記者)
その点は理解しますが、市長という立場にあった人に対するヒアリングというのは、一般の人に対するヒアリングとは別格だと思います。それに関しては、公開していただいてもいいのではないのでしょうか。特別委員会の議員も同じ考えだと思うのですが、市としてもう少し強く公開を求めても良かったのではないのでしょうか。
(市長)
そうですね。結果的に総務局長から話があったように、公開をしておりません。私自身も第三者委員会で加山市長に聞いた話の内容を聞いておりません。ただ、市民の1人の立場として考えてみても、知りたいという思いは一緒です。
(記者)
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業における不適切な事務処理に対し行った職員の処分についてですが、当時の所長のパワハラが行われる中で、所長に逆らえない心理状況があった、職場環境が壮絶であったとも第三者委員会の検証結果には示されているにも関わらず、管理職以外の職員への処分が厳しいのではないか。先日の幹部職員への訓示で若い職員が大切だということを話していても、厳しい処分も行われている。そのあたりのお考えはいかがですか。
(市長)
当時の所長によるパワハラ行為があったことは、第三者委員会はじめ庁内の検証組織からの報告でも明らかになっており、パワハラの影響により非違行為が行われたことも理解できます。そうした中ではありますが、今回の処分につきましては、職員の懲戒処分等の指針に基づいて行いました。上司から言われ若い職員が取った行動は、非常に苦しいものであったと思います。第三者委員会の報告の中に、職員も相模原市という組織の被害者であったと言えるかもしれないという記載もありました。そのことは非常に重く受け止めていかなければならないと思います。パワハラを受けていた職員の気持ちを察し、その場で止めることができなかった当時の責任というものは非常に大きく、これからも同じように、パワハラを受け困っている職員が相談できないようでいけませんので、そういった方々が相談しやすい環境をしっかり作っていかなければなりません。パワハラに関する相談につきしましては、平日と月2回土曜日には、午後8時までコンプライアンス推進課の窓口を開けております。困った職員が相談できる環境、それを察知して環境を変えられる組織にしていかなければいけないと思っております。しかし、上司からパワハラがあったという状況であっても、職員が法や条例等に反した行為をすることは、決してあってはいけないことだと思っております。パワハラがあった際に相談できる窓口をつくり、相談しやすい環境、状況を改善しやすい環境を作ると同時に、間違っていることはできない、それはやってはならないという、人としての常識をしっかり貫いていただきたいと思っております。当時は、そのことが言えない環境にあったことは本当に申し訳ない部分であるのですが、72万の相模原市民のための行政に携わる、行政マンが非違行為と分かって行動していたということは、非常に重いことだと思っております。
(記者)
それは当然、重い行為で当然だと思いますが、第三者委員会の報告書の中にも当時の激務、パワハラ、地権者対応などによる職員の疲弊が原因であり、非違行為が行われた場合でも、すぐに上司が指摘しなければいけないと思うのです。そうしたことが成されない中で、処分という結論は理解に苦しむ部分があり、もう少し情状酌量があっても良いと思うのですが。パワハラを相談する窓口も無かったわけですから。
(市長)
相談窓口はありました。
(記者)
窓口はあっても、急いで事業を進めろと、相談もできる状況ではなかったのではないか。
(市長)
そもそも、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の事業費が127億円ということでしたが、都市建設局に聞くと到底127億円では実施できない事業だということでした。急げ急げと、期限を決められている中で実施しなければならない、そもそも当初の計画がかなり現実的な話とは逸脱した事業計画になっていたのではないかと思っております。かつて隠田副市長も議会で答弁したと思いますが、土地区画整理という専門性の高い仕事に対し、無知な職員を配置してきた経緯もあったようです。職員にとっては色々な職場があり、道路を補修する職員、ごみ収集をする職員、一般的な事務をする職員、様々な職に就く職員が市役所にはいます。それぞれの職場で行うべき仕事はしっかり頑張っていただきたいと思っていますが、当時の反省点として、専門性の高い仕事でありながら、専門性の高い職員を配置しなかったということが言えます。土地区画整理事業が分からない中で、事業が進捗してしまい、当時の所長からの命令で、自分の足元が見えない中で事業を進めなければならなかった。厳しい環境下にあったということは、第三者委員会や検証チームの報告からも判断できますので、今後、そうした環境が作られないように組織の改正や相模原市政の風土づくりを確かなものにしていかなければいけないと思っております。改めて言いますが、今回は職員の懲戒処分の指針等に基づいて処分を決定いたしました。そのことは、どのような状況であったにせよ、公務員としての自覚、責任が足りなかったということに対する処分であると考えております。
(記者)
加山前市長へのヒアリングは、市として調査を行うという考えなのですか。もしくは市長が個人的に今後の事業の参考に話をするということですか。
(市長)
これから事業の再開ができるか、それとも立ち止まるかという判断を、2年間で詰めていくわけであり、その中で、加山前市長の当時の考え方や対応等を、必要であると思うならば、私もしくは担当課の職員が話を聞きたいと考えております。ただ、当時の市長に、現在の部長や所長が話を聞くというのはハードルが高い話なのかもしれませんので、その場合は私自身が加山前市長に連絡し、聞き取りをしなければならないと考えております。
(記者)
具体的な内容はこれからかもしれませんが、どのようなことを尋ねたいと考えておりますか。
(市長)
現段階で詳細に答えられませんが、当初計画に無理がなかったか、なぜ拙速に事業を進める必要があったのか、なぜ地中障害物がありながら事業を立ち止まらなかったのか等、聞いてみたいと考えています。これから事業の再建をしていく中で、様々な相談をしながら、私自身で判断していきたいと思います。
(記者)
リニア中央新幹線についてですが、先ほど、早期に整備が進められるようにお願いしていきたいと話があったと思いますが、本村市長から政府もしくはJR東海、静岡県の当事者に働きかける考えはありますか。
(市長)
国会議員時代、国が3兆円の財政投融資等をする際に国土交通委員であり、県議会議員時代には、当時の松沢県知事にリニアの設置駅に関する質問をさせていただき、相模原市域に考えているという答弁をいただくなど、当初からこのリニアには非常に関心をもってまいりました。私自身からは、国やJR東海に対して、リニア中央新幹線に関する問題について早期の対応について、話をしていきたいと思っております。
(記者)
静岡県の川勝知事に対して訴えかけていくお考えはあるのでしょうか。
(市長)
川勝知事に対しましては、沿線の東京都や神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県等の基礎自治体の皆様や知事たちと、静岡県知事に話をする必要があると意見が一致するならば、私個人というより、沿線の首長の皆様で会話をする機会を作ってもいいのではないかと思います。
(記者)
静岡県知事も含め、沿線全体で話す協議の場を設けるということですか。
(市長)
そうですね。あとは、国会も県議会等でも、リニアの議連もございますので、そういったところにも働きかけて、2027年の開業に向けて、皆で足並みをそろえていきたいという想いを伝えたいと思います。ただ、相模原市にも水源地域があり、市民の一部からも心配の声がありますので、川勝知事の話も理解できるところではあります。そこを、しっかりJR東海が静岡県に対して、理解してもらえるような対応ができるよう、説明をお願いしたいと思っております。
(記者)
先ほど、静岡県知事とJR東海の社長の会談が終了したようですが、平行線で終わったようで、開業が遅れる可能性が高い状態になってきたようです。相模原市のまちづくりの進展にも影響が出てくると思います。先ほど、静岡県とJR東海への働きかけの話もありましたが、今後、相模原市のトップとして、これまで以上の取組を行いたいという考えもあるのでしょうか。
(市長)
今後、政府の関係者や国土交通大臣とお会いする機会もあると思いますので、そういった機会をとらえて、話をしていきたいと思っています。本市における、橋本駅南口のまちづくりに関しましても、大規模事業評価や区画整理事業の認可等をはじめ、約3年間事業が遅れております。私たちも令和9年、2027年開業に向けて、都市建設局で各鉄道事業者や国、県、警察等と協議を続けており、市民の皆様の理解をいただけるよう、丁寧かつ速やかに大規模事業評価の方向性と区画整理事業の認可をしっかり決め、まちづくりを進めていきたいと思っております。
(記者)
リニア中央新幹線の開業時期の延期等、状況に大きな変化があった場合、市長に直接話を聞く機会の設定や、夜遅い時間であってもコメントの発信をする等、対応いただけますか。
(市長)
しっかり対応させていただきます。私も、マスコミの皆様への真摯な対応がこれからも必要だと思っております。また、市民の代表として、皆様から時に厳しい質問をいただくことも必要だと思っておりますので、そういった機会があるならば、適切にとらえて対応していきたいと思います。また、個別にご連絡いただいても対応いたしますのでお願いしたいと思います。
(記者)
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業において、処分相当の金額の返還をお願いした元職員は、返還に合意しているのですか。既に返還済みということはあるのでしょうか。
(市長)
すでに振り込みがあったというお話も複数聞いております。
(総務局長)
返還期限は今月末をお願いしております。市長から話がありましたように、複数の方については既に振り込みをいただいている状況でございます。
(記者)
合意できないという方はいるのでしょうか。
(総務局長)
そこまでは聞いておりません。
(記者)
今月末に、ある程度状況がわかるということですか。
(総務局長)
そのとおりです。
(記者)
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業に令和4年3月までに事業の方針を示すということは公にされていると思いますが、結論を出す上で、新たな計画の試算や事業をやめた場合の試算を行う考えはあるのでしょうか。
(森副市長)
今年度から来年度に向けて、事業の再開や方向性も含め、再建に向けての検討を進めていきます。当然ながら、資金計画あるいは換地の見直しなどを含めて、総合的な見地で、どのような形であれば再開できるのかというところを検討していくことになりますので、複数の案についての検討、極端な話で言えば、事業を実施するかどうかも含めてということになると思います。ただ、既に一部の土地については、利用されている方もいます。これまでの経過を完全にゼロに戻すということは、今の段階では難しいと考えておりますので、よりよい収支の見込の中で、再開に向けての取組を、この2年間かけてじっくり検討していきたいと考えております。
(記者)
現時点では、細かい部分は変わったとしても、継続の方向で考えていると聞いていますが、結果として継続する場合でも、事業を止めた場合の損失や影響と、事業を進める場合、計画変更して進める場合等を天秤にかけ、市民に対して透明に示し議論していかないと、理解は得られないと思います。検討過程のプロセスが重要だと考えており、事業を中止にした時の影響の試算がない中で結論を出されても、フェアでない状況で判断されたと疑念を市が受ける可能性があると思うので、その考えを教えてください。
(森副市長)
この事業に対しては、関係地権者だけでなく、市民の皆様の注目度も非常に高まっているということも承知しておりますので、この事業をどのような形で再開していくのかについて、議論なども含めまして透明性を持って進めていくことが必要だと思っていますので、記者からありましたようなことも視野に入れながら、検討していきたいと考えております。
(記者)
それは事業を中止するということに関する試算も含めると受け止めてよろしいでしょうか。
(森副市長)
今の段階で、事業を中止するということが、どういう意味であるか非常に判断しがたいところですが、幅広い視点で検討を進めていくことについては、記者がおっしゃっているものとそう大きな違いはないと思っております。
(記者)
衆議院の解散について話が出ているようですが、本村市長の後継者は決まっているのでしょうか。
(市長)
私自身は関わっておりませんので、詳しいことはわかりません。いずれにしても、与党と野党が拮抗できる関係があることが政治の正常と思っております。応援の依頼があれば、偏らずどちらにも応援にいきたいという想いはあります。
(記者)
具体的な後継者は。
(市長)
私は関わっていないので、詳しくはわかりません。
以上
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