令和2年度 4月定例記者会見 会見録
- 日時 令和2年4月23日(木曜日)午後2時00分~2時55分
- 場所 市役所 第2別館3階 第3委員会室
(市長)
新型コロナウイルス感染症の拡大防止については、4月16日に緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大され、感染の早期収束に向け、国民が一丸となって取り組むことが求められております。そうした中、本市におきましては、総合的な対策の推進のため、「新型コロナウイルス関連対策推進本部」を設置いたしまして、体制の強化を図るとともに、北里大学東病院の看護師寮を借用し、無症状患者等の宿泊療養施設を開設するなど、新型コロナウイルス感染症への対応を進めているところでございます。社会活動の自粛の長期化に伴い、大きな影響を受けている市民や企業の皆様への支援、感染拡大防止のため、感染者の方を受け入れる病床の確保、医療機関への支援につきましても、引き続き取り組んでまいります。
なお、こうした取組を着実に推進するため、明日開催されます市議会の臨時会議におきまして補正予算案として約11億円を計上いたしました。
また、新たに「新型コロナウイルス感染症対策支援寄附金」を創設し、明日4月24日(金曜日)より受付を開始しますので、皆様からのご理解をいただきながら、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。なお、いただいた寄附金に関しましては、医療従事者に対する医療用マスク、ガウンなどの提供や、新型コロナウイルス対策のための医療設備の充実などに対する補助に活用させていただきます。このご寄附は、新型コロナウイルス感染症の治療など最前線で未知のウイルスに立ち向かっている医療従事者への支援にもつながるものと考えております。
その他にも、政府が、すべての国民を対象に1人あたり10万円を支給することを発表しましたが、事業の主体につきましては、各自治体が担うこととなるため、本市におきましても、ゴールデンウィーク明けを目途に市民の皆様に手続きのスケジュール等をお示しできるよう速やかに事務を進めてまいります。
感染拡大に向けての取組といたしましては、緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出自粛を呼びかける中で、自粛期間の長期化や休校等の影響から、公園・広場等で利用者が増えている状況であり、ゴールデンウィークに向け、更に公園や広場等の利用が増え、訪れる方々による密集、密接が懸念されるところであります。そのため、別紙にありますように、本市におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を図るため、4月25日(土曜日)から5月13日(水曜日)まで、一部の大規模公園の駐車場を閉鎖することにいたしました。市民の方々にはご不便をお掛けいたしますが、1日も早く、新型コロナウイルスの感染を収束させるため、ご理解とご協力をお願いいたします。
また、アルコール消毒液等が入手困難な状況でありますことから、除菌効果が期待できる「次亜塩素酸水」の配布につきましても、今月28日(火曜日)から、市内9箇所の施設で配布できるよう準備を進めてまいります。その際には、市民の皆様が密集、密接とならないよう、職員を動員して、対応を図ってまいります。配布場所や配布方法等の詳細につきましては、決定次第、改めてお知らせいたします。
市といたしましては、引き続き、最新かつ正確な情報を迅速にお伝えするとともに、市民の皆様に寄り添った支援を続け、少しでも不安を取り除けるよう取り組んでまいります。
次に、ストレッチャー用プライバシー保護機器の製品化及び特許出願についてでございます。この機器は、本市消防局の救急隊が考案したもので、傷病者をストレッチャーで搬送する際に、顔面部を中心に覆い隠すことで、プライバシーを保護するとともに、安心感を与えることができ、その優れた機能が評価されまして、一般財団法人全国消防協会から表彰されました。このたび、市内企業と共同で、商品として開発を行い、特許を出願いたしました。特許の権利は市が取得することになり、共同開発者が機器を受注販売し、その売り上げの一部が、ライセンス料として市の歳入になります。受注開始は、本年5月を予定しております。ぜひ、この機器が全国の救急自動車に配備され、傷病者のプライバシー保護にご活用いただければと思います。
最後になりますが、昨年4月22日に初登庁して以来、昨日で1年が経過し2年目となりました。その間、市民の皆様との「対話」を何よりも大切にしながら、「私は相模原に住んでいる」と誇りに思えるまちの実現に向け、市政運営を進めてまいりました。顔の見える市長として、市民の皆様の生の声を直接伺えるよう、新たに「まちかど市長室」を始めたほか、まちづくりを考える懇談会「地域の未来を語ろう with 市長」にも開催しました20地区すべての会議に出席させていただきました。また、市民の皆様の誇り、共感、郷土愛を育むため、シビックプライドの向上に関する事業の立ち上げや、本市の将来像や目指すまちの姿等を掲げた新たな総合計画の策定など、様々な取組も進めてまいりました。そうした中、令和元年東日本台風による市内への甚大な被害からの復旧・復興の取組や、新型コロナウイルス感染症への対応について、陣頭指揮を執ってまいりました。市政の舵取りだけでなく、災害や感染症への対応など、様々なことに市民の皆様と一丸となって取り組んできた1年でありました。今後も引き続き、市民の皆様との対話を重視し、市民の皆様に寄り添った取組を進めてまいりたいと思います。
私からは以上でございます。
(記者)
新型コロナウイルス感染症対策支援寄附金についてですが、医療従事者を対象とした支援ということですが、医療用マスクやガウン等、不足している物資をできるだけ早く提供する必要があると思うのですが、寄附金を募る期間を区切るなど、寄附金を渡す時期の目途はあるのでしょうか。
(市長)
明日から受付を開始することになりますが、寄附金を渡す時期については決めておりません。昨日、北里大学病院と相模原協同病院を視察し、病院長をはじめ、看護師さん、医療従事者の皆様と対話をさせていただきました。その際、最も多く聞かれたのは、医療物資が足りないという声でした。例えば、飛沫の侵入を防ぐことのできるN95マスクが足りないという声や、医療用のガウンが足りないといった声をいただいたところです。新型コロナウイルス対策で重症の患者さんを受けていただく三次救急、二次救急の指定を受けている病院でも、医療物資がなかなか届かないという声をいただいております。早い段階から新型コロナウイルス感染症の患者さんに接し、働いている職員の皆様からも、非常に緊張感を持って勤務してきており、その緊張をほぐす時間もないという切実な話をいただきました。また、市民の皆様からも、医療従事者の皆様を応援する寄附の窓口を作れないかという声もいただきました。本日も数件いただいております。こうした声を総合して、今回感染症対策支援寄附金という形で創設させていただき、皆様からお預かりした寄附金を有効な形で利用できるよう、医療従事者から要望を聞いて、それに答えられるように対応してまいりたいと思います。
(記者)
市民の声に基づいて、急遽決めたというような流れなのでしょうか。
(市長)
10日ほど前に、市民の方とお話をする機会があり、その際、マスクが足らないという医療機関に対し、マスクを寄付したいが、マスクを購入できる場所がないという声をいただきました。医療従事者の皆様が最前線で頑張っていただいている姿に接するたびに、何か自分たちにできる応援はないだろうかと考えていました。昨年の令和元年東日本台風の時にも、ふるさと納税を活用した寄附金を募集させていただきましたが、何か自分たちにできる応援の方法がないかという声をいただき、本日の発表となりました。
(記者)
大規模公園の駐車場の閉鎖についてですが、昨日あたりから、湘南地域にも多くの県外の方が来ており、そういったことが今回の背景にあるのかと思うのですが、今回、閉鎖する駐車場は、市内の公営の公園の駐車場の中の何割程度を占めるのでしょうか。
(環境経済局長)
駐車場のある公園は市内に19箇所あり、市が管理している公園のうち4箇所を大規模公園として、駐車場を閉鎖させていただくことといたしました。他の公園につきましては駐車場が有る場所もあれば、無い場所もあります。概ね50から60台程度の駐車ができる公園から10台程度の公園もある中で、全体の何パーセントという数字は、すぐに示せませんので、後程でよろしければお答えさせていただきます。
(市長)
ご承知のとおり先週末あたりから、鎌倉、藤沢、茅ヶ崎をはじめ湘南海岸に非常に多くの方が訪れたと報道されております。新型コロナウイルス感染症の陽性者数も少しずつ増えている感じがあり、そうした中、昨日11市町村の自治体の首長が、知事に対して要望されたと承知しております。同様に、宮ケ瀬湖や相模湖、津久井湖などで他県ナンバーの車が非常に多く来ていたという実態がありました。海側だけでなく山側でもそういった状況が起こっており、市民の皆様から不安の声が多く寄せられました。県も海側の規制だけでなく、山側の規制も考えていたようでございますが、県に対しても県立公園の駐車場の閉鎖も含めお願いしたところでございます。
(記者)
救急搬送時のプライバシー保護機器についてですが、開発に至った背景として、何か具体的な事案があったのでしょうか。
(市長)
個別の事案は承知しておりませんが、本日こちらにいる救急隊員が、日頃出動される現場、例えばスーパーで人が倒れ搬送する際に、その場面を写真に撮られSNS等に投稿されてしまうということもあり、要救護者のプライバシー保護ができませんでした。そうしたことを現場で感じた救急隊員の何か形に出来ないかという思いがきっかけと聞いております。最初は自分で試作品を作りましたが、どんなストレッチャーにも合う製品とするため、市内の企業と共同開発することとなりました。現場での経験を元にした職員の声が形になるということも大きな力になると思います。本市といたしましても、全国にある約6000台の救急車で活用していただきたいと思っております。
(記者)
資料にはありませんが、新型コロナウイルスの関連で、相模原市独自の休業補償など、経済的な支援の創設とかは考えていらっしゃるのでしょうか。
(市長)
今、具体的にお示しできるものはありませんが、市商工会議所や津久井の4つの商工会をはじめ、経済団体の皆様ともお話をさせていただいております。昨日も市内の中小企業の皆様とWEB会議を開催いたしました。市民の皆様からの様々な声を聞きますが、そうした中で、飲食業、サービス業を中心に厳しいという声もいただいております。最近では建設業をはじめとした職種にも影響が出ているという思いもあります。皆様からは、賃料補償や融資の問題に関しても様々な課題をいただいております。27日には相模原商工会議所の杉岡会頭ともお話をさせていただきますが、本市として地方創生臨時交付金を活用して出来る対応を、現在経済部において検討しております。さらに子育てや妊婦に特化した支援もできないかということも、こども・若者未来局に、検討を進めてもらっております。近いうちには具体的な施策をしっかり示していきたいと思っております。
(記者)
県では、休業をお願いする立場から、黒岩知事が自らの給与をカットすると言っていますが、市長はそういった考えはありますか。
(市長)
もう少し状況を見て判断したいと考えております。
(記者)
北里大学東病院の元看護師寮で軽症者の受け入れが始まりましたが、埼玉県では軽症者の方が自宅療養中に亡くなられるという事案も発生しました。こうしたことは懸案事項になると思いますが、そのあたりについて考えがあればお願いします。
(市長)
ニュースで私も知りましたが、大変残念な出来事です。本市においても、70名の方々が感染し、現在その約半数が治療中ということであります。本市におきましても、特に10代、20代の患者が増えており、そうした方々は軽症や無症状という方が多いと感じられます。今回の埼玉県の事案から、軽症であっても急変することもあり、人の身体というものは分からないものだと痛感いたしました。今回40名まで軽症者を北里大学東病院の元看護師寮で受け入れるにあたり、市の職員を24時間体制で配置し、患者の皆様と直接お会いすることなくSNSを活用した健康状態の確認など、工夫もしていかなければならないと思っております。ただ、軽症者を受け入れ、食事を3食提供すればいいという訳ではなく、宿泊所には医療従事者はおりませんが、健康の確認を含め、急変した場合にすぐ対応できる方法をしっかり検討する必要があるということを痛感いたしました。
(記者)
大規模公園の駐車場を閉鎖するということですが、公園内の遊具は利用できるのでしょうか。
(環境経済局長)
大型の遊具につきましては市内3カ所にございますが、すでに使用を禁止させていただております。小さな遊具、ブランコ等は利用いただくことは出来ますが、密集、密接しないような利用方法について注意喚起させていただいております。
(記者)
政府が特別定額給付金を一律10万円給付しますが、困っている人はそれを受け取り、生活の足しにしてもらうことになると思いますが、現状それほど困窮していないという人たちが受け取らない場合もあると思います。市では寄附金を創設しましたが、一律給付を受けない方々に対して、何か呼びかけたいことはあるのでしょうか。
(市長)
私自身は給付を受けようと思っています。記者からお話がありましたように、10万円の給付を受ける方に対し、市から案内を郵送するのですが、その際、この寄付金を受け取らない方や生活に余裕のある方は、医療従事者を守るために力を貸していただけませんかという内容を書いて、一緒に相模原医療を守るため、そして、医療従事者、最前線で戦っている皆様を守るために力を貸していただきたいという内容を書いて同封しようと思っております。
(記者)
10万円を受け取らないという考えを持っている方や、今すぐ使わないというような方には、どのように行動して欲しいということでしょうか。
(市長)
医療従事者を守るという思いに、理解をいただける方がいらっしゃれば、是非、一部でも力を貸していただけないかとお願いしたいと考えております。私たちが健康で安心して暮らせるのは、地域医療が確立しているお陰だと思っておりますので、市民の皆様にも協力を呼び掛けたいと思っております。
(記者)
市長は給付を受けるということですが、どのように使われますか。
(市長)
私も寄附しようと思っていたのですが、選挙管理委員会に確認をしたところ、市長が寄附金に寄附をすることはできないとのことでしたので、地域経済の活性化のために商店街等で使っていきたいと考えています。
(記者)
新型コロナウイルスの影響で行財政構造改革プランにも遅れが出るのではないかと思うのですが、6月末までに案を作成しパブリックコメントを行うという方針は堅持されるのでしょうか。
(市長)
現在、予定通り行う予定です。ただし、これからの新型コロナウイルスの感染の拡大状況によって、経済の停滞や税収の落ち込みなども見込まれます。そうした中、市民との対話ができないという課題もあります。アンケート等で意見も伺っておりますが、やはり対話が非常に大事だと考えております。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、市民の皆様と対話をし、様々な意見を聞いた中で進めたいという思いはございますので、状況が変わる可能性はありますが、現在は予定通りと考えております。
(記者)
経済対策として、小さな会社や飲食店を支えるための基金を市民から募る窓口を創ることなどは考えていますか。街中の居酒屋や食堂を助けるためにお金を出したいと思う方がいた場合に、その窓口を市が創る必要があるのではないかと思うのですが。
(市長)
昨日、商工会議所の関係者で、飲食業の皆様と対話をさせていただいた中で、会議所ではクラウドファンディングによる対策なども考えていると聞いております。杉岡会頭からも、市としても支援してもらえないかという話もございました。記者からお話がありましたように、外出自粛をしている中で、飲食店にお客様がお越しにならないためテイクアウト事業を行うなど、様々な工夫をされておりますが、家賃収入や人件費に見合うような収入が得られていないという実態も聞いておりますので、記者からお話いただいたような話も検討していきたいと思っております。
(記者)
明日の県道64号の再開について、コメントをいただけますか。
(市長)
私も昨年10月12日の令和元年東日本台風の発災後、青野原から鳥屋に移動しようとしたところ、既に入口で土砂崩れがあり、通行できない状況でした。台風の通過後に、私が視察した時には、国土交通省のTEC-FORCEが現地に入っていました。県道64号の入口から青野原側は大きく土砂が崩れており、通行できないことに不便さを感じました。私も鳥屋地域と青野原地域を移動する際に県道64号を使うのですが、地域の皆様にとっては重要な生活道路でもあり、台風で大きな被害を受けた箇所が復旧し、供用されることは非常に喜ばしいことだと思っております。今後は、道路の強靭化についても、国道413号同様に進めていきたいと思っております。
(記者)
公園の駐車場の件ですが、市内の県立公園の駐車場の閉鎖も、県に対し依頼したのでしょうか。
(市長)
依頼しました。
(記者)
県がどのように考えているか分かりますか。
(環境経済局長)
先ほど報告を受けたばかりですが、県立の相模原公園、津久井湖城山公園、相模湖公園、鳥居原園地の4箇所の駐車場に関しては、県が管轄しており、本市と同時期の閉鎖に向けて検討を進めていると伺っております。
(記者)
資料によると、今回閉鎖する大規模公園以外の、市が管理している駐車場も利用状況を見ながら閉鎖について検討しているとありますが、具体的にどのようなことなのでしょうか。
(環境経済局長)
今回閉鎖をさせていただく4箇所の大規模な公園以外に、津久井又野公園、相模湖林間公園、こちらの2箇所も同規模の公園として管理をさせていただいており、この2箇所に関しても今週末の利用状況を見た中で、満車になるなど、密になるような状況であれば、速やかに封鎖するよう調整しているところでございます。
(記者)
国の指針ですと、散歩することは悪いことではなく、距離を取って散歩しましょうということですよね。外で歩きたい、子供と歩きたいという市民の方が公園を利用していると思うのですが、公園の駐車場を閉鎖してしまうと、市民が公園まで歩いて来ることやバスで来ることになり、危険を伴うと思います。駐車場を封鎖することで散歩の場を奪ってしまうのはいかがなものでしょうか。
(市長)
散歩の場を奪うという話ではないと思います。市内には約600の公園があり、徒歩や自転車で行ける近隣の公園が多くございます。圏央道で山梨方面をはじめ、多方面から多くの方が車で来るなど、湘南海岸のように県外から多くの他県ナンバーが来るということを私たちは注視しております。可能な限り、自分たちの地元の徒歩圏内の公園で遊んでいただくことや、適度な散歩やジョギングをしてもらいたいと思っています。今、皆で我慢する時です。例えば、週末に淵野辺公園に行かなかったから命にかかわるような話ではないと思います。命より大切なものはありませんので、ここは我慢していただいて、本当に命を第一に考えていただきたいと思います。市民の皆様にはご不便をお掛けします。他県の皆様にも、本当は多くの方にお越しいただき、相模原を知ってもらい、好きになってもらいたいと思うのですが、緊急事態宣言の中で5月6日まではみんなで自粛していこうという状況です。決して散歩が駄目、ジョギングが駄目と言っている訳ではなく、自分たちの徒歩圏内で行ける公園などで過ごしていただきたいと思っております。
(記者)
就任から一年を迎えました。この一年を自己採点すると百点満点中何点くらいになるのでしょうか。
(市長)
昨年末にも60点と答えましたが、変わらず60点です。
(記者)
その理由はどういったところになるのでしょうか。
(市長)
はじめは、市民との対話を積極的に行ってまいりましたが、庁内のことで知らないことが沢山あり、職員とも更に対話をしていかなければいけないと思うところです。行財政構造改革プランを打ち出した際、市職員から約600件の提案がありました。これを見て、この市は職員と一緒に、次の世代に確かな相模原をしっかり繋いでいけると実感しました。正直に言うと職員からは、なかなか意見が出てこないのではないかなと思っていました。多くの職員から提案をしてもらい、一つずつ出来ることから取組を進めております。これまで若手職員などからは閉塞感という話も聞いておりました。相模原市を一緒に盛り上げてワクワクする街にしていくには、やはり職員の力が必要であり、市民の皆様の理解を得るためにも、職員とワンチームで取組を進めて、職員一人一人が市長になったつもりで対話をしてもらいたいと思います。職員に意見を言えば市長に繋がり、市民の声が通る相模原にしていきたいと思っております。就任以来、台風被害や新型コロナウイルス対策、麻溝台・新磯野地区土地区画整理事業の問題などがございましたが、様々なことに対し職員と一緒に乗り切っていきたいと思っております。そういう中で、職員との対話もまだまだ不足しており、職員が閉塞感を感じるような相模原であってはいけないと思います。4月の人事異動につきましても、適正なバランスの取れた人事が出来たと思っており、2年目は新しいチームでしっかりスタートが切れたと思います。私たちの責任は次の世代に希望のタスキをつなぐことであり、その責任を果たしていきたいと思っています。60点という点数が高いのか低いのか分かりませんが、常にチャレンジして60点、良いときは70点くらい行けばいいと思っておりますので、私自身で100点と言える時は来ないのではないかと思っています。
(記者)
選挙戦で掲げた103項目の公約について、進捗具合はいかがですか。
(市長)
私が市長に就任する前に、外から見ていた相模原市と、中に入って見た相模原市では大きな違いがありました。外から見ている時は、人口72万人という指定都市の中では小さな都市だが、財政は健全であり、相模総合補給廠跡地のまちづくりや小田急多摩線の延伸計画、金原地区の土地区画整理、BRT、橋本のまちづくり等、様々なビッグプロジェクトが行われており、これらが着実に進められているのだろうと思っておりました。しかし、市長になって中から相模原市を見てみると、まず財源の裏付けがない事業が非常に多く、前に進んでいる事業がほとんど無い状況でした。特に麻溝台・新磯野地区土地区画整理事業のように、第3者委員会からも指摘されましたコンプライアンスの問題、パワーハラスメントの問題など、古い体質というべきか、守旧的な体質は変えていかなければならないという思いがしております。私が掲げた103の政策の中で、市立高校や敬老パス等、例えば敬老パスは年間11億円程度の事業費が必要との試算があり、行財政構造改革を行う必要がある現状では厳しいものだと思っております。本来であれば、私は103の政策のうち、できるだけ多くのものにチャレンジしていこうという思いもありましたが、出来るものと出来ないものがあると思います。そうした中で、子育て世代の方がお出掛けの際に、オムツ替えやミルクをあげる場所が見つけられるよう、子育てマップを作成いたしました。また、LINE公式アカウントを作成するなど、前進したものもあります。任期はあと3年ありますので、その中で1つずつ出来ることをやっていきたいと思っております。
(記者)
公約は市民との約束だと思うのですが、敬老パスや中学校給食の見直しなど、進んでいないようにも思われますがいかがでしょうか。
(市長)
そうですね。給食についても、なかなか具体的に進んでいない課題だと思っています。敬老パスについても年間約11億円予算が必要とのことで、実現には厳しい状況であると考えております。ただ、市民の皆様から多く声をいただくのは、バスや電車といった公共交通網を整備してもらいたいという声です。医療に次いで多い声と感じています。ですから、敬老パスの実現が難しいのであれば、交通政策とマッチングしながら、何か違う施策をできないか検討しております。津久井地域のデマンドタクシーや乗合タクシーのほか、コミュニティバス等を参考に、敬老パスが出来ないとしても、違う形で市民の皆様に変わったということを感じ取っていただけるよう、取り組んでまいりたいと思います。
(記者)
次亜塩素酸水の配布についてですが、昨日の政府の専門家会議では、密集の削減について話が出ていましたが、配布会場に人が殺到し感染が拡大する懸念もあると思うのですが、その点について市長はどのような対応を考えていらっしゃいますか。
(市長)
本市では、9箇所の施設で次亜塩素酸水を配布する予定であり、緑区ではサン・エールさがみはら、城山総合事務所、津久井総合事務所、相模湖総合事務所、藤野総合事務所、中央区では市民会館とサーティーフォー相模原球場、南区は南区合同庁舎と相模原ギオンスタジアムを予定しております。ご指摘いただきましたように、密集、密接を発生させてはいけませんので、配布箇所には職員を配置し、密集、密接にならないようシミュレーションをしっかり行い、集まった人が近づかないよう線で区切ることや、受付窓口を6箇所から8箇所と多く用意することで対応してまいりたいと思います。
(記者)
麻溝台・新磯野地区土地区画整理事業について第三者委員会の検証報告が出ましたが、庁内でどのような意思決定が行われ、不正につながったのかなどが明らかになっていないような印象を受けたのですが、市の検証はこれで終わりなのでしょうか。今後の検証の方針や職員の処分などの対応について市長はどのようにお考えでしょうか。
(市長)
庁内の検証チームからは2月、第三者委員会からは3月に検証結果をいただき、コンプライアンスに関する問題については多くの指摘をいただいており、非常に大きな問題と思っております。そうした中で、検証結果が出て終わりではなく、今後は職員の処分に関しても厳罰があると考えており、私自身もこれまでの結果を踏まえ、責任をとらなければならないと思っております。市民の皆様の信頼を取り戻すためにも、責任の取り方について明確にしつつ、事業については令和3年度末までに中止か継続の判断について、しっかり方向性を示していくことになると考えています。検証についても、これで終わりではなく、市議会における地方自治法98条に基づく特別委員会も行っていただいております。第三者委員会で指摘をいただいたコンプライアンスに関する問題についても、是正に向け取組を進めていきたいと思います。なお、第三者委員会の調査報告書において多く指摘された不適切な公文書管理については、昨日付で、総務局長名において全職員宛に、公文書の適正な作成の徹底について指示を行ったところでございます。小さな取組かもしれませんが、一つ一つ市民の皆様の信頼を取り戻せるよう取り組んでまいりたいと思っております。
(記者)
検証という意味では、第三者委員会の検証結果が出て、市としては一区切りということなのですか。
(市長)
私は、これで終わりではないと思っております。これから、2年間、事業の再建に向けて鋭意議論をしていかなければならないと思っております。また、辞めた職員も含め、責任のあり方については、しっかりと問わなければならないと思っております。
(記者)
市長自身も責任をとらなければならないという発言がありましたが、具体的にどのタイミングで、どのような責任の取り方をされるのでしょうか。
(市長)
職員の処分等が出た段階で、私の責任の取り方についても、しっかり示していきたいと思っております。
(記者)
それは給与のあり方等ですか。
(市長)
給与も含めて考えております。
(記者)
お願いがあります。先日、市内の認可保育園を取材していた際に感じたことなのですが、マスク等の感染予防のための物品が不足していることもありますが、保育の場面で子供を抱くことで密接になり、密閉を避けるため換気をすると寒さ等で子供の体調が崩れてしまう。保育の現場は非常に厳しい状況に置かれており、いつ新型コロナウイルス感染症が発生してもおかしくないという訴えがありました。保育所で集団感染が発生したら、子どもを預けている親も大変な思いをすることになります。市長には、そういったことを注視し、改善する施策を考えていただきたいと思います。
(記者)
宮ケ瀬湖と相模湖、津久井湖に県外ナンバーの車が来ていたという話ですが、湘南の海だけでなく、相模原の湖にも来ないでほしいと、市長から自粛を呼び掛けるのでしょうか。
(市長)
緊急事態宣言が出ている期間は、ゴールデンウィークの大型連休ですから、家族や仲間で出掛けたくなることは十分承知しておりますが、先ほども話したように、命より重いものはなく、この緊急事態宣言に伴う自粛で感染症を防げるかどうかという瀬戸際に来ておりますので、5月6日までの大型連休中は出来る限り、本市の湖にもお越しいただかず、自宅で過ごしていただきと思います。外出しないことが最大の防御策だと思っておりますので、ぜひ外出の自粛をお願いしたいと思っております。
(記者)
県外ナンバーの車はどのくらい来ていましたか。また、どこのナンバーが多かったのでしょうか。
(市長)
私の事務所に、津久井地区の方から多くのメールが寄せられており、それで承知しましたが、どこのナンバーかまでは細かく聞いておりません。
(記者)
市民の方からというのは事務所に送られてくるメールのことでしょうか。
(市長)
はい。その他に私の携帯電話やメッセンジャー等のSNSでも、17件くらい直接私宛に届きました。
(記者)
先週末のことですか。
(市長)
先週末です。
(記者)
具体的にはどのような内容でしたか。印象に残っているフレーズとかがあれば教えてください。
(市長)
私たちも、海など、外に出掛けたい気持ちを辛抱しなければいけないと思っております。他県ナンバーの皆様にも緊急事態宣言の間、自宅でお過ごしいただくよう、市長としてメッセージを発信してほしいという話をいただきました。その他に多かったのは、スーパーやコンビニエンスストア等で働いている方からのメールですが、家族や仲間5~6人でスーパーに買い物に来るため、買い物の際に密集、密接になるのではないかと、非常に危機感を感じているとのことです。買い物の際は代表して1人で来てほしいという声をいただいており、防災メールを通じてお願いさせていただいております。
(記者)
駐車場の件で宮ケ瀬湖について話がありましたが、宮ケ瀬湖のように他自治体にまたがる場合、他の自治体との連携についてはどのようにお考えでしょうか。
(市長)
宮ケ瀬湖に関しては、隣接する自治体ともしっかりと連携を図ってまいりたいと思います。
以上
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