令和2年度 2月定例記者会見
- 日時 令和3年2月9日(火曜日)午後2時00分~2時50分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
皆さんこんにちは。今日もお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。2月の定例記者会見をこれから始めさせていただきます。 はじめに、新型コロナウイルス感染症についてでございます。昨日から、ご承知のとおり3月7日まで、緊急事態宣言が延長されました。本市におきましては、これまで2,565例ということでございまして、大変多くの陽性患者さんが昨年1月(注:正しくは2月)から出ておりますが、特に今年1月に入りましては、1,217件という件数でございまして、非常に多くの件数が1月にみられました。今、全国的にも、減少傾向に入ってきたかなという数字とはなっておりますが、予断を許さない状況だというふうに認識をしております。市民の皆様、事業者の皆様におかれましては、大変厳しい状況であることは承知をしておりますが、引き続き、政府が示しております「5つの場面」、ここにしっかり注意をしていただいて、感染防止対策、まず個々、そして私たちも組織的にも取組を進めてまいりたいというふうに思います。 次に、ここ何度もお話しておりますが、新型コロナウイルス感染症におけるワクチン接種でありますが、これは全国各自治体にとっては非常に大きな課題だというふうに思っております。本市にとりましても、今年最大の課題がこのワクチン接種をどう対応していくかということでございまして、現在、医師会や病院協会等と連携をしながら、迅速かつ的確にワクチン接種ができるように取組を進めているところでございます。医療機関での個別接種、そして更には集団接種、そして高齢者施設等で行う訪問接種といった形の方式を考えておりまして、医師会、病院協会の皆様からは、ご理解をいただくところではございます。接種日時等の予約は、混乱がないよう配慮しまして、受付専用のコールセンターを3月の1日を目途に設定していきたいと思っておりまして、また、予約受付専用サイトは、3月中旬頃設定をしてまいりたいと考えております。一元的に受け付ける方式を導入し、混乱がないようにスムーズに予約ができるように、進めてまいりたいというふうに考えております。 なお、ワクチン接種に向けた体制についてでございますが、すでに1月12日に、この疾病対策課内にワクチン接種班10名で、この班を設置いたしましたが、さらに、2月15日付けで11名追加いたしまして、21名体制でワクチン接種班として準備を進めてまいりたいと考えております。繰り返しになりますが、医療崩壊を防ぐためにも、不要不急の外出自粛のお願いや、そして時短への協力、そして日中、昼間も徹底した外出自粛をお願いしてまいりたいと思っておりますので、市民の皆様におかれましては、引き続きのご協力をお願いしたいというふうに思っております。 次に、2度目の緊急事態宣言発出に伴いまして、より厳しさを増している市内の飲食店の皆様から、非常に多くの声をいただいております。すでに昨日から、第5段の協力金の申請も始まったようでございますが、そういった中で、各区独自の支援策を区長が中心となりまして、進めていただいております。例えば、緑区におきましては、飲食事業者への講習会と、橋本駅デッキ下でのテイクアウト事業を行うということで、2月の12日から3月の31日まで予定しております。また、中央区におきましては、前回の緊急事態宣言、1回目の発出中にも行いましたが、市役所前の駐車場におきまして、テイクアウト事業を行ってまいりたいと考えております。また、南区におきましては、「全力応援!メシチケット」というものを考えておりまして、こちらは2月22日から3月31日まで。中央区は3月15日から26日と、10日間行う予定でございます。一つの目的に向けて、3区がそれぞれアイディアを出し合って展開するのは、指定都市移行10年で初めての試みになるのではないかと思っておりまして、各区長を先頭にした考え方で、各区の飲食店のご支援を応援してまいりたいというふうに思っております。 次に、今月15日、来週月曜日でございますが、開催されます3月定例会議につきましてでございます。ここでは令和3年度当初予算という形で大変大きな予算案が、大きな項目となってまいりますが、長期間に渡って行われてきました大型プロジェクト事業、財源の裏付けがないこうした事業がございまして、市政運営の結果として取り組まざるを得なくなった行財政構造改革に加えまして、新型コロナウイルス感染症のまん延などから、本市の財政は非常に厳しい状況にあり、来年度予算におきましては、いわゆる緊縮型予算の姿となっております。当面は、持続的な行財政基盤の構築のために、様々な分野で抜本的な改革を進めてまいりますが、こうした改革の先に、希望に満ちた未来が実現できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。こうした考え方を元に、予算編成に取り組んでまいりました。具体的には皆さんのお手元にございます「当初予算案の概要」の中に示してございますが、行財政構造改革プランを策定することになった背景や、新型コロナウイルス感染症対策の緊急シフトを踏まえて、真に必要な経常的な事業等のほか、市民生活に直接関わる喫緊の課題に対応するために必要となる事業や、ポストコロナのまちづくりに資する事業、行政の責務として必ず実施しなければならない事業に要する経費について、精査の上、計上したものでございます。 一般会計予算規模は、4ページにお示ししておりますが、前年度の当初予算の3,072億円の83億円、率で言うと2.7%減額の2,989億円でございます。令和3年度においても本年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症対策を確実かつ適切に行うため、感染症拡大防止対策事業や、感染症総合コールセンターの運営に係る経費などを計上しています。なお、予備費につきましては、感染症対策を含めた応急的な支出に備えて、前年度に比べて3億円増加の4億円といたしました。また、市民のくらしの安全・安心を確保する観点から、老朽化する公共施設の長寿命化に要する経費を計上するとともに、大規模な災害が発生した際に応急的に必要となる災害救助費や、被害を受けた公共施設の復旧に必要となる災害復旧費について、所要額を計上しております。 これらに加え、持続可能な社会の実現に向けたSDGsの推進、シビックプライドの醸成などに要する経費を計上しました。主な事業について少し触れさせていただきますが、緊縮型の予算の姿でありますことから、いずれの事業も市民の皆様の生活を守ることを念頭に、職員一人一人が工夫しながら組み上げたものでございます。具体的には資料の8ページから31ページの中から、数点ピックアップして説明いたします。 まず、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連でございますが、大会を契機としたレガシーの創出やツアー・オブ・ジャパン相模原ステージの開催経費、ブラジル・カナダのホストタウン交流事業に関する経費を計上しております。 次に、共生社会実現へ向けた取組を具現化するために、「(仮称)市人権尊重のまちづくり条例」制定に向けた検討等の人権施策推進、更には男女共同参画社会の一層の実現を目指した啓発活動の実施やDV被害者の保護・支援等の取組推進であります。 次に、コロナ禍においても皆様が元気に暮らせるまちづくりといたしまして、高齢者が自宅でできる体操のDVDやリーフレットの作成、誰もが楽しみながら健康づくりに取り組めるスマートフォンのアプリ機能を利用したウォーキング事業。 次に、本市の産業集積基盤の強化に資するための施策として、「リーディング産業」と市外企業の立地等への奨励金など、戦略的な企業誘致を進めてまいります。 次に、首都圏南西部の広域交流拠点にふさわしい魅力にあふれるまちづくりの推進であります。橋本・相模原両駅周辺地区における都市基盤、土地利用等の検討でございます。リニア中央新幹線の建設促進に向けた取組と地域振興を検討してまいります。また、JR東海との協定に基づく用地取得なども行ってまいります。 そして、今回来年度予算でありますが、目立った新規施策が少ない中で、是非お伝えしたいのが、令和4年4月を目指します、中学校夜間学級の設置でございます。様々な理由によって中学校で学ぶことができなかった方に対しまして、学びの場と機会を提供するために必要な環境整備や生徒募集等をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 その他、お手元の資料には、局ごとに示された事業等が記載してございますので、ご参照いただきたいというふうに思います。 続きまして、今回提案させていただく議案のうち、「さがみはらみんなのシビックプライド条例」についてでございます。これまで、学識経験者や公募市民等で構成します「シビックプライドの推進に関する検討委員会」で検討を重ねてまいりました。また、昨年はオープンハウスやパブリックコメントなどにより、市民の皆様からも広くご意見をいただいてまいりました。この度、3月定例会議に市議会に提案させていただくこととなりました。「シビックプライド」を条例名と条文に掲げるとともに、シビックプライドを高めることを目的とした全国初の条例であると認識しております。幅広い世代に親しまれ、そして条文なども非常に、小さなお子さんからもわかりやすい言葉で記載しておりますので、是非我が市にはシビックプライド条例があるということを、お子さんからシニア世代の皆さんまでおわかりいただくような条例にしてまいりたいというふうに思います。条例を作ることが目的ではございません。制定後、この条例に基づいてどのようにシビックプライドの醸成を図るかが問われてまいります。私自身が率先して、市民の皆様と共に対話をしながら、またその中入っていき、それぞれの皆さんが我が相模原市に対しまして、誇りや共感や愛情などを醸成しながら、まちづくりに参加いただけるような関係づくりに努めてまいりたいと考えております。 続きまして、令和3年度の組織改編についてでございます。新たな行政需要・課題などに的確に対応するために行ってまいります。主なものといたしましては、都市計画等に関する土地利用や市街地整備などをより一体的に推進し、事業の円滑的な実施を図るため、「まちづくり計画部」と「まちづくり事業部」を統合して「まちづくり推進部」を設置いたします。また、近年の災害の複雑・多様化や高齢化の進行などを背景とした救急需要の増加への対応のため、消防・救急体制の強化を図るため、消防局に「消防部」と「警防部」を新設する予定でございます。その他、行政のデジタル化といたしまして、「DX推進課」、更には、多様化・複雑化する行政課題に対応できる職員の育成として「人材育成課」、そして、水源地域の森林整備などの推進のために「森林政策課」を新たに設置する予定でございます。 次に、お手元の資料にもございますが、鳥屋小学校及び鳥屋中学校の義務教育学校への移行についてでございます。この地域はご承知の通り、リニア中央新幹線新駅の車両基地が建設予定地でございまして、この鳥屋小学校と鳥屋中学校につきましては、通学エリアがかなり広範に及んでいるなどの特性もございまして、鳥屋地域の子ども達にとってより良い学習環境のあり方を検討してまいりました。また、学習環境への影響について、鳥屋地域や両校の保護者の皆様からもご要望をいただき、JR東海とも協議を行ってきた結果、今回、義務教育9年間を見通した教育活動をより効果的に展開できる良好な学校環境となるよう、鳥屋中学校の校舎を増改築いたしまして、両校を義務教育学校へ移行する方針を決定いたしました。令和5年度の開校に向け、着実に進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、こちらも資料お手元にございますが、「39キャッシュバックキャンペーン」についてでございますが、現在、「さがみはらサンキュー!最大25%戻ってくるキャンペーン」を行っておりまして、非接触型の経済政策を行っているわけでございますが、昨年10月1日から39日間行いました、さがみはら39キャッシュバックキャンペーンでございますが、91,098件のキャッシュバック申請(注:正しくは支給)がございまして、15億円の経済効果を見込んでおりましたが、キャッシュバックした方の消費額を合算したところ、20億2,700万円の経済効果があったというふうに見込んでおります。引き続き、このキャッシュレス決済の現在のキャンペーンにおきましても、ぜひ記者の皆さんもご活用いただきたいと思います。市内外の皆さんが使えるキャンペーンでございますので、ぜひ25%還元、ご活用いただきたいというふうに思います。 最後に何点か、取材をお願いしたい項目をお話ししたいと思います。こちらもお手元に資料ございますが、デザインマンホール蓋の製作・設置についてでございます。このマンホールが、はやぶさ2のカプセルを記念いたしまして、この度、JAXAのお膝元である淵野辺駅南口と博物館に、このはやぶさ2をデザインしたマンホールを設置させていただくことになりまして、2月12日にこちらのお披露目会を行う予定でして、ぜひとも、お忙しい中と思いますが、取材の方をお願いしたいと思っております。なお、都市建設局下水道事業部(注:正しくは下水道部)の若手職員の皆さんが、現在、相模原下水道PRプロジェクト、SGPPというものを作っていただいておりまして、いま下水道、水道法改正によりまして、注目も浴びているところでございますが、下水道の在り方、特に長寿命化など、これから費用もかかってまいります。若手の職員がこうしたマンホールで下水道にも関心を持っていただこうということで企画した提案でございます。ぜひとも、ご取材の方をお願いしたいと思っております。 次に、また下水道の話で言いますと、公共下水道境川第28バイパス雨水幹線整備工事の現場公開についてでございますが、こちらは明日、記者の皆様にお出ましをいただきまして、大野南地区等を中心とした浸水対策事業として、約2.7キロの雨水管の管路工事が、終点の立坑まで到達いたしましたので、ぜひご覧いただきたいというふうに思います。私も森副市長とともに昨年、この下水道の管の中に入ってまいりまして、見させていただきました。その後、自治会や議員の皆さんもご覧いただいたようでございますが、自治会やお子さんたちにも見ていただきたいということで、学校等の見学も進めてまいりましたが、コロナ禍ということでございまして、なかなかこういった見学会に至らなかった関係もございますが、今回またDVD等作りまして、子どもたちにご覧いただく機会を作っていきたいというふうに思っております。 また、本日この会見後3時30分から締結式を行います、ネットワンシステムズ株式会社との包括連携についても、お手元に資料お配りしておりますので、ぜひまたご取材の方をお願いしたいと思います。 私からは以上でございます。
【質疑応答要旨】
(記者)
新年度の当初予算編成について、総括してどういうふうなものと位置付けているのか、市長の言葉があれば教えていただきたいと思います。また、非常に財政が厳しいというのが予算の端々から伺えまして、財政調整基金が減っていっているのが見えているのかなと思います。令和元年の決算では、経常収支比率が99.8%とほとんど独自に使える予算がない状況で、どう相模原市の独自性もしくは本村市政の独自性を打ち出していくのか、その部分の考えを教えていただければと思います。
(市長)
まず、今年度の予算は、いわゆる緊縮型の予算編成だと思っております。他市がかなり増額している中で、緊縮と厳しい状況でございますが、市民に寄り添った予算編成をしてまいりました。本市独自の取組を積極的に推進してきた子育て支援や福祉施策など、これまで扶助費が増加傾向にございましたし、歳出予算に占める割合も増加していますので、財政の硬直化を招いていると思っております。また、市税収入の確保にもつながる都市基盤整備などに要する投資的経費につきましては、他の指定都市と比較して極めて乏しい状況となっています。本来は都市基盤整備で税収を確保していくという形を取っていかなければならない訳ですが、扶助費が増加する一方で、都市基盤整備による税収が取れていません。そういった状況の中で、本市といたしましては、3年間を基本とした一般財源ベースによる財政推計を行ってまいりましたが、行財政構造改革は中長期的な視点で見ており、こうした中長期的な視点が不足していたと思っております。また、財政推計において、見込むことができる歳入から義務的経費等を除いた額を算出しておりましたが、その範囲内で実施計画事業費やその他の事業費を賄うといった収支均衡の視点が欠けていたと言わざるを得ないと思っております。令和3年度の予算編成にあたりましては、新型コロナウイルス感染症の影響により市税収入が大幅に減収したということは、本市だけではなく全国的な傾向であり、また生活保護費等の増加が見込まれることなどから、編成前の段階において扶助費を除く事業費について、令和2年度の当初予算額を横置きにした場合でも、一般財源ベースで約67億円の財源不足が生じることが見込まれるなど、例年とは性格が大きく異なる厳しい予算編成だったと考えております。次に財政調整基金の適正規模に関しましては、その時々の社会背景や時代背景により異なると思いますので、いくらあればいいとか、いくらあったら適正だということは、なかなか教科書的な回答はできませんが、少なくとも財政調整基金残高が平成25年度末の約133億円をピークにいたしまして、令和3年度末見込みが約60億円、マイナス55%ということでございますので、非常に厳しい状況だと思っております。臨時の財政需要に対する余裕が極めて乏しい状況にあるというのが、認識としてございます。今後、不況等によって、予期せぬ収入減少等が生じた場合、またコロナや台風といった予期せぬことが起きることもございますので、安定的な行政サービスを提供できるよう、所要額の確保に今後も努めてまいりたいと考えております。
(記者)
あれもこれもの大盤振る舞いといった時代は終わったということなのだと思うのですが、その中で、ここの部分は堅持するけども、ここの部分はある程度重要性を変えるというかメリハリをつけるとするならば、どの部分を今後の市政において重要視していこうと考えていらっしゃるのでしょうか。
(市長)
先ほど申し上げた子育て支援や福祉事業等々、本市は独自事業をかなり活発に行ってきた傾向がございます。しかしながら、市民の皆さんからも、マスコミの皆さんからも、これだけ扶助費にかけている額が大きいにも関わらず、評価をいただいていないという点があると思っています。重なるかもしれませんが、子育て、教育といった支援は欠かせないことだと思っておりますので、「人づくりなくして国づくりはない」という言葉がありますように、やはり地域から人を育てていかなければいけないと思っています。ここは教育委員会の分野に及んでまいりますので、鈴木教育長やさらにはこども・若者未来局等ともしっかり連携し、皆さんが相模原市に移住・定住できるような施策をしっかり進めていきたいと思います。例えば、今年7月にテレワークの実証実験を緑区で行ってまいりますが、それも一つの施策であると思っておりますので、今後も人づくりというものに対しては、しっかりと予算を確保してまいりたいと思っております。
(記者)
緊縮型の予算という話がありましたが、その中でもどのような点を重視して今回予算編成されたのでしょうか。
(市長)
予算規模は、令和2年度当初予算に比べて83億円、2.7%の減額で、結果2,989億円という当初予算でございます。引き続き新型コロナウイルス感染症対策を万全に期していかなければならないと思っていますし、特に今年はワクチン接種という最大の課題がございますので、感染拡大防止策と、社会経済のポストコロナを見据えた方向性もしっかり打ち出していかなければいけないと思っています。そういった中で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に関する対策事業や総合コールセンターの運営にかかる経費などを計上したほか、予備費を通常のコロナ対策費として3億円プラスをさせていただきましたところが一つの点かなと思います。また、特に行財政構造改革でも問題視していますが、公共施設の長寿命化に対しましては、約50億円計上しておりまして、例えばこの市庁舎も50年近く経ち、かなり老朽化していますが、こういったものをいかに長寿命化させていくかということ、中で働く人が生き生きと働けるような環境づくりが必要だと思っていますので、そういった長寿命化施策には予算を付けました。また災害救助費や災害復旧費も適切に所要額を確保したところであります。他にも、私の公約となっておりました、中学校の夜間学級の設置準備に向けた経費を計上したほか、引き続きSDGsの推進、シビックプライドの醸成などに関する予算を計上させていただきました。
(記者)
事業全体で見ると、新規はかなり抑制をして先日の行財政構造改革でもおっしゃられましたが、一部凍結をしたり、事業の選択と集中を実施する時に来たのかなと思うのですけども、そのあたりはいかがでしょうか。
(市長)
やはり如何にして相模原市という基礎自治体を次の世代に、希望のたすきを繋げていくかということが大事でありまして、緊縮財政は、非常に世間からも厳しい声をいただくでしょうし、辛い場面がありますが、ここを乗り越えた先には、未来の展望が見えてくると考えております。今回、「未来へのスクラム予算」という名称にしたいと思っていまして、厳しい財政状況でございますが、今を我慢して、市民みんなでスクラムを組んでいくことによって、未来へ希望を繋いでいくという予算にしていきたいと思っております。私たちの時代だけ良ければいいとか、じゃんじゃん使っちゃえというお話しもあるのかもしれませんが、それでは後世に対する責務として恥じる話だと思っていますので、批判はあったとしても行財政構造改革と共にしっかり地に足を付けて市民の皆さんと対話しながら、繋げていきたいと思っています。
(記者)
先ほど中長期的な視点が欠けていたと言わざるを得ないというお話しがありましたが、一方で市長は来年度、一期目の折り返しに入るということで、実行性も求められているかと思うのですが、そのあたりこの難局をどう乗り越えられていくお考えでしょうか。
(市長)
私が就任してまもなく2年が経ちます。折り返しを迎える訳でございますが、例えば、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業において、令和元年6月5日にこの事業を一度立ち止まり、3年度末の方向性をどうしていくかということを検討中でございますが、庁内的な検証組織や、弁護士さんたちによる第三者委員会の設置によって、相模原市の風土や体質について指摘をいただいております。私はまず、教職員含めた職員約8000人の一人一人がやりがいを持って、そして市の職員として誇りを持って臨めるような、体質改善、風土の改革に取り組んでまいりたいと思っております。前例踏襲でもちろん担える事業もあるのでしょうけども、私は新型コロナウイルス感染症や台風など、前例踏襲ではうまくいかない時代になっているのではないのかなと思っています。例えば下水道部の若手職員が、どうにかして市民の皆さんに下水道に関心を持っていただきたいということで、SGPPというチームを作って活動してくれていますが、こうした新しい発想、こういうものを大事にしていきたいと思っていまして、チャレンジする自治体に変えていかなければいけないと思っています。そのためには、まずはこの相模原市役所の旧態依然の古い組織体質は変えていきたいと思っていますので、その先頭に立って引き続き頑張っていきたいと思います。
(記者)
夜間中学が県内3校目になりますが、市長の公約ということもあり、改めてどう思うかお聞かせください。
(市長)
本市の鈴木教育長を先頭に、県の桐谷教育長としっかり連携をさせていただきまして、県央地域で横浜市、川崎市に次ぐ夜間中学と聞いております。本市のみならず、県央地域から、様々な事情で義務教育課程を受けることができなかった皆さん、また1万6000人いる外国人市民の皆さんなど、学んでいきたいという方々の気持ちに添える学校にしていきたいと思っており、選挙公約にしてまいりました。また、市議会からもこの夜間中学の開設に関してご質疑をいただくなど、関心が深いところでございましたので、SDGsの理念である誰一人取り残さない、こうした私どもの考え方に合致するのではないかなと思っております。来年度は令和4年4月からの開設に向けまして、様々な準備を進めていく予定でございますので、一歩一歩着実に進めていき、そして30名くらいの生徒さんをお預かりすると伺っておりますので、ぜひ色々な地域からお越しいただいて、学んで、そしてご自身の人生に、また地域に経験を還元していただきたいなと思っています。ぜひこの夜間中学、来年度は緊縮財政の中ではございますが、希望の見えた施策の一つではないかと思っております。
(記者)
予算の関係で、人権尊重のまちづくり条例というものがありますが、これは令和3年度中に制定するというお考えなのでしょうか。
(市長)
はい。予定通り、現在この審議会の皆さんから、今年度末に答申をいただく予定でございます。今日の午前中もオンラインで、質疑が活発に行われたと伺っておりますが、新型コロナウイルス感染症の関係で開催できなかった期間がございますので、ここをどうリカバリーできるかというところでございます。答申は今年度末ということで予定をしておりますので、その答申をお預かり次第、令和3年度中に条例制定に向けて議論を進めてまいりたいと思っており、市民局や、健康福祉局等々と意見交換をしながら、市長公室長にも間に入ってもらい、例えば障害者の差別解消条例を一緒にするのかとか、やまゆり園の関係をどうしていくのかとか、様々な議論をしているところでございます。まずは審議会の答申を待って、令和3年度中の制定を目指していきたいと思っております。
(記者)
鳥屋小学校、鳥屋中学校の関係ですが、リニアの車両基地ができるから、義務教育学校に移行するという話なのですか。 (教育長) もともと教育委員会の方で、平成29年に「相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方に関する基本方針」を作りまして、旧市でいえば光が丘、相武台、それから、昨年オープンした青根と青野原小学校の義務教育学校化などを検討しており、そういう中の一環で、鳥屋についても検討していったところ、義務教育学校に移行するということです。リニアがあったからというのは直接の原因ではないです。間接的な原因にはなっていますけれど。
(記者)
小学校の一部にリニアの車両基地がかかるということですか。 (教育長) 体育館の上にかかると伺っています。ただその前に望ましい学校規模のあり方が先にありましたので、リニアがきたから義務教育学校を作るということではありません。
(記者)
つまり先に適正規模の話があって、リニアがかかってしまうのはその後に出てきた話ですか。 (教育長) はい。
(市長)
鳥屋小学校、中学校の保護者の皆さんの強いご要望もございまして、この義務教育学校という方向になっていったと思います。
(記者)
車両基地について、地元で結構反対運動みたいなものも起きているように聞いていますが、市が車両基地建設を認めたというふうなことでよろしいのでしょうか。市民で反対している方もいらっしゃるので、そこのところを明確にしないと次の作業ができないのではないかなと思うのですが。
(市長)
鳥屋の協議会の皆さんから、いくつかご要望をいただいておりまして、もう少し市も一緒になってJR東海に要望していただきたいというご意見もございますので、どういった形でこれから応えていくかということを今週金曜日に打合せをする予定でございます。自然保護という観点で反対をしている方々もいらっしゃるという声も聞いておりますが、ここに関しましては、JR東海で対応されていると思います。もちろんそうした皆さんのご理解なくして、なかなかこういった大型事業は出来ないと思っておりますので、そういった皆さんともしっかり対話をしながら、そして私たちも可能な限り間に入って、そして地域の皆さんのご意見をしっかり集約しながらJR東海にもお伝えし、そしてまたJR東海と一緒になって市民の皆さんと対話もしなければいけないと思っています。
(記者)
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森さんの発言で、今かなり騒動になっているのですが、相模原市も会場の一つでもあるので、その受け止めと、また県内の自治体においては、ボランティア辞退者が出ているのではないかと思うのですが、相模原市の状況を教えていただきたいです。
(市長)
まず森会長のご発言に際しましては、非常に残念だなと思いますし、不適切な発言だなと思っています。来年度の予算とともに人事も進めておりますが、やはり女性活躍の場というのは非常に重視をしております。総務局に対しましても、とにかく女性が活躍できる、女性の活躍の場をもっと作っていきたいと伝えています。民間企業や選挙の経験も通じて、女性の皆さんからの対話を非常に大事にしていきたいと思っておりますし、また、気持ちをオープンに出していただけるところがこれから必要だなと思っております。相模原市でも、先ほど言ったように、果敢に挑戦する相模原に変えていくには、やはり男性と女性が一緒に力を合わせていきたいなと思っています。そういう意味では、例えば女性の所属長以上の率というのも年々意識して上げていかなければいけないと思っていますし、どんどん女性活躍の場を作っていきたいと思っています。また議会からも、例えば特別職をはじめ、女性の活躍の場についてご指摘いただいておりますので、常にここは意識しているところでございます。本市においても多くのボランティアの皆さんが手を挙げていただいております。ボランティアの辞退に関しては、現在は無いとのことですが、ただ新聞、テレビ等で連日報道されているとおり、厳しいお声をいただいておりますので、しっかり受け止めていかなければいけないなと思います。ぜひとも相模原市においては、多様性を持って、いろんな皆さんが活躍できる場っていうのをこれからも作っていきたいと思っています。
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