さがみはらの森林の課題
知られていない市内の森林
市内の森林は、かつては建築用材や薪炭などを供給する場所として活用されてきました。
しかし、生活様式などの変化により、現在では、森林の多い津久井地域の市民でも森林と接する機会は少なくなっています。
市内にはたくさんの森林があること、それらの森林は私たちの生活環境を豊かにする上で大切な役割を果たしていることを、一人でも多くの市民に知ってもらうことが、市内の森林を健全な姿で次世代へ引き継いでいくための第一歩となります。多くの市民が森林に関する情報に身近に触れられる機会や森林づくり活動、交流活動などに気軽に参加できる機会、子どもたちが環境学習を受ける機会などを増やし、森林や木材に触れてもらうことにより、森林・林業に対する理解を深めることが重要です。
使われていない身近な木材資源
森林の整備で生じた間伐材は、製材し木材として利用されるほか、作業道の設置や土砂崩れ防止のための工事用資材としても利活用していますが、流出しないようにして残置されるものも多くあります。
この要因としては、津久井地域の山が急峻であるため、間伐した木材を運び出すのが難しく、
搬出経費が高くなりやすいことや、林業の担い手不足、路網が十分に整備されていないことなどが考えられます。
一方で、「市政に関する世論調査(平成30年度)」によると、市内の森林から生産された木材の利用意向に関する質問では、「住宅建築や増改築でのさがみはら津久井産材の利用意向」について「品質が良ければ使ってみたい(49.0%)」「価格が安ければ使ってみたい(42.9%)」となっています。また、「日常生活でのさがみはら津久井産材の利用意向」についても、「雑貨、生活用品」「家具」(34.9%)となっており、利用意向の需要はあることがわかります。
このことから、市内の森林の貴重な資源を市民が身近に利活用できるようにするためには、間伐された木材が搬出され、建築用木材や木製品として加工・流通する仕組みを作ることが重要です。
手が入れられていない市内の森林
スギやヒノキなどの人工林は、もともと定期的に間伐などの手入れを繰り返し、適切な管理のもとで健全に生長させ、最終的には木材として利用することを目的として植林されたものです。しかしながら、木材の価格は昭和55年以降低迷しており、木を育てても採算が合わないことから、森林の手入れを行わない森林所有者が多くなっていると考えられます。必要な手入れが行われていない森林は、暗くうっそうとした状態となり、多様な生き物の生育環境を奪い、枯れて倒れた木や土壌が川やダムに流れ込むなど、様々な問題を引き起こすだけでなく、不法投棄などの問題も発生しています。豊かな水を育む水源地域としての役割など、森林の持つ多面的機能を将来にわたり、維持・発揮させ、森林を再生可能な資源として循環的に活用していくためには、適切な整備による健全な森林の保全・育成を継続的に行っていくことが重要です。
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