令和6年度 5月定例記者会見
- 日時 令和6年5月22日(水曜日)午後2時~3時18分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
【あいさつ】
皆さん、こんにちは。5月に入りまして、夏日となる日も増えてまいりました。寒暖差が激しい時期でもありますので、皆さん十分にご自愛ください。
さて、本日の案件は3件で、1つ目が 市議会6月定例会議について、2つ目が“さがみはら”のお店を応援!最大20%戻ってくるキャンペーンについて、3つ目が身近な移動手段の確保に向けた実証実験の実施についてとなります。
まず1点目、今月28日(火曜日)から始まります相模原市議会6月定例会議についてです。本定例会議に提出する補正予算は、総額約18億5千万円で、うち防災関連経費として約8千万円を計上いたしました。防災関連経費の特徴としましては、能登半島地震における教訓や派遣職員の経験等から、課題を整理し本市に必要な対応を図るものとなります。例えば、生活用水等の課題に対応するための災害時協力井戸の水質調査のほか、消火活動に必要な災害用貯水タンクなど、災害時の速やかな活動実施のために必要な資機材を配備する経費を計上しました。
防災関連以外では、これから猛暑の季節を迎えるにあたり、学校の体育館に整備した空調を、学校開放等の施設利用者が使用できるよう条例改正を提案するとともに、設備使用料の歳入・歳出について補正予算を計上しております。
今回の補正予算により、いつ何時起こるか分からない災害に備え、誰一人取り残さないという視点を持って、市民の皆さまに寄り添い、行政の責任をしっかり果たせるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
2点目は、“さがみはら”のお店を応援!最大20%戻ってくるキャンペーンについてです。物価高騰の影響を受ける市内事業者や市民の皆さまを支援するため、本市で3回目となるキャッシュレス決済サービス「PayPay」を活用したポイント還元キャンペーンを、6月3日(月曜日)から16日(日曜日)まで、市内の対象となる約5,500店舗において行います。今回のキャンペーンでは、決済金額の最大20%のポイント還元となり、還元するポイントの上限は、1回の支払いで1,000ポイント、キャンペーン期間を通して合計3,000ポイントとなります。対象店舗には、キャンペーンのポスターやのぼり旗などが掲示されますので、それらを目印に、買い物や食事などで相模原市内のお店を応援していただければと思います。
また、初めてキャッシュレス決済を利用する方や、利用に不安のある方などを対象とした使い方の説明会を現在、市内の公民館などで開催しております。詳細は、お手元の参考資料のほか、市のホームページやチラシ、広報さがみはらなどをご覧ください。ぜひ記者の皆さんをはじめ、多くの皆様にご利用いただきたいと思います。
3点目は、身近な移動手段の確保に向けた実証実験の実施についてです。これまでの記者会見でもお伝えしてきましたが、私が市民の皆様からの要望で一番多いと感じているのは、やはり移動手段についてです。こうした中で、地域に合った移動手段を検討するため、昨年度に引き続き、グリーンスローモビリティの実証運行を行うとともに、新たな取組も実施します。
新たな取組としましては、乗合タクシーの実証実験です。交通不便地域の解消に向けて、中山間地域で導入している乗合タクシーの都市部での有効性を検証するため、旧市域の相模台地区で乗合タクシーを運行します。乗合タクシーは、路線バスのように停留所と運行ダイヤを定めますが、経路は指定せず、事前の予約に応じて運行するものです。実証実験期間は5月27日(月曜日)から7月26日(金曜日)までの月・水・金曜日、午前10時から午後4時までで、運賃は1乗車1人当たり300円となります。
また、昨年度に引き続きグリーンスローモビリティの実証運行も実施します。グリーンスローモビリティは、時速20キロメートル未満で公道を走ることができる電気自動車を活用した小さな移動サービスで、本市では、昨年度から緑区若葉台地区と南区新磯地区において、地域主体での実証運行を行ってきたところです。身近な移動手段の確保策としての有効性を検証し、令和7年度からの本格運行を目指して、今年度も同地区において実証運行を実施することとしており、若葉台地区では6月1日(土曜日)から3月末までの期間、火曜・土曜日の午前中に運行を行う予定です。運行については、地域の特性に応じた運行内容や利用促進など、地域主体で進められます。
市では、これまでもコミュニティ交通の導入など、様々な取組を進めてまいりましたが、社会情勢の変化を踏まえ、より持続可能で地域に合った移動手段をしっかりと考え、取り入れていく必要がありますので、今回行う実証実験の結果などを踏まえ、移動手段の確保策について議論を進めてまいりたいと思います。
続いて、市制施行70周年記念事業をいくつかご案内いたします。
まず、国内最大規模の国際自転車ロードレース、「ツアー・オブ・ジャパン2024」についてですが、今年は「市制施行70周年記念 相模原ステージ」として、今週末の5月25日(土曜日)に開催されます。市街地の橋本駅周辺から、緑が豊かな津久井地域への、都市と自然がベストミックスしたコースにおいて、総勢約100名、全16チームの選手たちによる熱い自転車レースを沿道でお楽しみいただけるほか、フィニッシュ会場となる鳥居原ふれあいの館では、大型モニターによるパブリックビューイング、飲食や物販などの様々な出展、お子さんを対象とした自転車体験会なども予定されています。相模原ステージのホームチームである「JCL TEAM UKYO」も、レースを盛り上げてくれると思いますので、ぜひ注目と応援をよろしくお願いします。
次に「はやぶさWEEK」についてです。市制施行70周年の今年も、小惑星探査機「はやぶさ」が幾多の苦難を乗り越え、地球に帰還した6月13日の「はやぶさの日」に合わせ、6月9日(日曜日)から16日(日曜日)までを「はやぶさWEEK」とし、宇宙に関連した様々なイベントを実施します。6月9日(日曜日)には、博物館においてJAXA宇宙科学研究所 地球外物質研究グループ長の臼井 寛裕さんをお招きし、「はやぶさ」が地球に持ち帰った小惑星イトカワのサンプルや、「はやぶさ2」が地球に送り届けた小惑星リュウグウのサンプルについて、「JAXA特別講演会」を実施するほか、銀河連邦ヒーローの「サガミリオン」と本市のマスコットキャラクター「さがみん」が登場する写真撮影会やキッズワークショップなども行われます。また、「はやぶさWEEK」の期間中は、博物館プラネタリウムにおいて、「はやぶさ」に関連した特別プログラムを上映いたします。その他のイベントについては、市ホームページ内の特設ページで順次公開してまいります。小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」のふるさと、「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」の取材を、ぜひお願いいたします。
次に大相撲の相模原場所の開催についてです。先月末に時津風部屋の枝川親方にお越しいただき色々とお話させていただきましたが、市制施行70周年を迎える今年、本市では令和元年10月以来、5年ぶりとなります大相撲相模原場所の開催が決定しました。会場は相模原ギオンアリーナで、10月2日(水曜日)の開催となります。チケットの相模原市民優先販売につきましては、受付期間が終了しておりますが、昨日5月21日(火曜日)から一般販売が始まっておりますので、ぜひこの機会に気鋭の力士の皆さんの雄姿を、間近でご覧いただければと思います。
最後に、私から皆様にお伝えしたいことがあります。私自身の体調についてです。先日、医師の定期診断を受け、私がステージ1の腎臓がんと診断されました。今後、7月2日(火曜日)に都内の病院に入院し、4日(木曜日)に手術を受け、8日(月曜日)に退院する予定となっています。現在も罹患による特段の症状等はありませんし、医師の定期的な診断を受けながら、このようにこれまでと変わらず執務にあたっています。私の体調により、市民の皆様にご心配をお掛けするとともに、1週間とは言え、市政運営に影響を与えてしまうことを、この場をお借りしてお詫びいたします。なお、本件につきましては、一昨日の20日(月曜日)に副市長、教育長をはじめ、幹部職員の皆様にお知らせし、昨日、市議会へ情報提供を行いました。幹部職員には、引き続き一丸となって、切れ目ない市政運営に力を尽くしていただくようお願いした次第です。
私からは以上です。
質疑応答
“さがみはら”のお店を応援!最大20%戻ってくるキャンペーンについて
(読売新聞記者)
PayPayで支払いをして20%戻ってくるということでしたが、キャッシュレス決済を市内の店舗ですると還元があるというのはこれが初めてでしょうか。
(市長)
令和3年、そして5年に続いて3回目のキャッシュレス決済のキャンペーンとなります。私も実は最初、やり方が分からず、令和3年の時には職員に教えていただき、現在はお財布持たないくらい、キャッシュレス決済に慣れてきました。今回のキャンペーンにおきましても、キャッシュレス決済の導入に関して24の公民館等で使い方の講習会などを行っていますので、ぜひ多くの皆様にご活用いただきたいと思います。今回は市内約5,500店舗が対象となっています。相模原市内は中小企業や小規模事業者、商店街で成り立っているまちだと思いますので、これを機会に多くの皆様にお越しをいただいて、相模原経済、そして消費者の皆さんの応援になればと思っております。予定しております6億6,000万円の予算をすべて還元した場合は、約45億円の経済効果があると見込まれております。昨日、テレビ神奈川で取り上げていただいて、友人やそれを見た人たちから「またやってくれるのね」という喜びの声をいただきました。市民の皆さんも大分慣れてきたかなと思っております。
(読売新聞記者)
5,500店舗や最大20%の還元率は、これまでとほぼ同じですか。
(市長)
これまでは、令和3年が25%還元、そして令和5年が30%還元で、今回は20%還元となります。今までと比べると還元率は少し落ちますが、店舗数に関しましては、これまで4,500店舗ぐらいだったと思いますが、今回は大分、対象店舗数も増えています。ぜひ多くの皆さんに使っていただきたいと思っています。
グリーンスローモビリティについて
(読売新聞記者)
乗合タクシー等の実証実験ですが、これまで都市部でこういった乗合タクシーのサービスや実証実験はされていなかったのでしょうか。
(市長)
これまでは比較的中山間地域での移動手段に関してのお問い合わせが多く、デマンドタクシーや乗合タクシーを中山間地域で行ってきましたし、今日の記者発表資料にありますグリーンスローモビリティを昨年度、実証実験として若葉台住宅等で行いました。若葉台住宅は、高齢化率が実は66%と非常に高い地域で、900世帯ほどありますが、空き家が5%ぐらいです。住民がお年を召されてきて移動手段に困っているということで、グリーンスローモビリティの導入に向けて、6月1日から来年3月末まで実証運行を行い、令和7年度から本格的に運用していきたいと思っています。また、南区の新磯地区の上磯部、下磯部、そして勝坂、新戸において、まだ下磯部でドライバーが見つからない状況もありますが、これから実証運行を行う予定でありまして、こちらも令和7年度から本格的な運用ができるように進めているところです。その他、移動手段でいうとコミュニティバスです。旧市で言うと、大野北地区や橋本・大沢地区を結んでいるコミュニティバスが2地区で動いていますので、こちらも市民の皆様の移動手段を応援する取組だと思っています。他に電車やバスといった公共交通もありますが、市としてはそういった取組をこれまで行ってきました。今回の3月定例会議でも、確か3名の市議会議員から一般質問がありましたが、相模台7丁目と麻溝台8丁目の交通不便地域と言われている「駅から1キロほど離れており近隣にバス停が300メートル以内にないという所」を中心に、半径1キロ程度の所を形にして、今回乗合タクシーの実証運行を実施させていただきます。そのあと利用者の皆さんのご意見やご希望等お聞きして、本格的に行っていくことも検討していきたいと思っています。私がこの5年間地域を歩いてきて、市民の皆さんから移動手段のことを一番言われています。私たちも、縦串ではなく横串を刺す行政として、例えば都市建設局の交通政策課を中心に、健康福祉局のけんこう号の活用や教育委員会のスクールバス等、使わない時間帯をどうやって運用していこうかということで、今回、さがみはら移動支援ブックも作りました。後ほどご覧いただければと思います。
体調について
(読売新聞記者)
ご体調のことを発表されましたので伺います。まず、ステージ1ということは、非常に早期だと思いますけれども、どういうきっかけで発見されたのかということと、差し支えない範囲で、ステージ1で手術された場合、今後の公務への影響がどの程度とお考えなのかを伺えればと思います。
(市長)
まず、私は4月17日で54歳になりました。毎年1回、誕生日の月に大きな検査をしています。その中のエコー検査で、腎臓にちょっと変化が見られ、造影剤を飲んで検査をした方が良いと医師からご説明をいただいて、都内の病院で検査をした結果、取ってみないと分からないという話ですが、腎臓がんだろうという結果でした。まだ小さいのでステージ1ということですが、今後は7月2日に入院をして、4日に手術、そして8日に退院ということで、9日から公務に出てこようと思っています。その時の健康状態にもよりますが、医師が言うには通常4、5日で良いようですが、1週間入院しますので、そうした点から9日から公務に復帰をして、通常通り仕事を行っていきたいと思っています。そんなに変わらずに仕事はできるのかなと思っていまして、この間、職務代理を置くのか副市長以下とも相談してまいりましたが、全身麻酔で手術する7月4日以外は、できる限り通信環境を整えながら、電話であったりネットであったり、様々なツールを使って、市役所としっかり連絡を取れる体制で執務にあたっていきたいと思っています。退院後も公務に影響がないようにしていきたいと思います。ただ、ドクターから4カ月に1回程度はMRIや造影剤等による検査を2、3年間続けて、がんが転移していないか見定める必要があると言われていますので、病気としっかり向き合っていきたいと思っております。
(神奈川新聞記者)
体調について改めて、今回あえて公表された理由を教えていただけますでしょうか。
(市長)
まず、7月2日から8日まで1週間、執務は病室からできるかもしれませんが、市役所に出て来られないという状況の中で、やはり市民の皆様に、ご迷惑をおかけすることもありますし、また職員が教職員を含めて約8,000人いますが、不安や疑問がないように、ここはしっかりとお伝えしようと思いました。今、がんは2人に1人がなる病気です。がんと闘っている人、病気と闘っている人、たくさんいらっしゃると思いますので、公表することによって、今度は私も病気と闘う側のお気持ちに立って市政を進めていけると思っています。しっかりと自分の病気と向き合って、そして何よりも、まずは直さなければいけませんので、公務に支障がないように、これまでどおり一生懸命、公務に専念して頑張っていきたいと思っています。
(神奈川新聞記者)
退院後も変わらずに公務にあたられるというお話でしたけれども、市長の動向など拝見すると非常に過密というか、予定を詰め込まれている印象がありますけれども、退院後のお仕事のペースを見直す等、そういう考えはありますか。
(市長)
退院後の体調にもよりますが、政治家になって市民の皆様のために働かせていただくというのは、私の小さい時からの夢であり使命だと思っていますので、そういった意味ではベストを尽くして、これからも今までどおり取り組んでいきたいと思います。もちろん病気と向き合いますから、その間は検査に行ったりして100%万全でというふうにはいかないかもしれませんが、何とか完治させて、また頑張っていきたいと思います。皆さんのご意見やお言葉をいただきながら、それを励みにして頑張りたいと思います。
身近な移動手段の確保に向けた実証実験の実施について
(毎日新聞記者)
乗合タクシーとグリーンスローモビリティに関連してですが、乗合タクシーで概ね1キロぐらい駅から離れているということが一つの目安でしょうけれども、そうすると結構南区でも中央区でもそういった地域がたくさん出てきますから、今後、地元の要望があれば、こういう形で実証運行をしていくのでしょうか。それから、路線バスとの兼ね合いで、神奈中バス等の事業者との協議はどういうふうに今後されていくのか伺います。
(市長)
今、ご指摘いただいたように、既存の公共交通、具体的には神奈川中央交通ですが、市内ではほぼ100%に近いぐらい、路線バスを運行していただいていて、会長、社長とも年に3度、4度とお会いして、減便などに対して私たちは、コロナ禍前の通常の運行に戻していただきたいとか、バス支援などで様々な対話をしております。やはり既存バスに影響を与えない中で考えなければいけないというふうに思っていますので、そういった中では、私が地域に行って、よく2点お話しているのですが、一つは5年間歩いてきて一番言われるのはやっぱり移動手段ということ。ここを相模川沿いの皆さん、境川沿いの皆さんはじめ、旧市、旧町域それぞれから言われていますので、これは非常に大きな課題だと思っています。この5年間、おそらく庁内でも一番私が声を出して、この移動手段に関しては職員の皆さんと一緒に考えて、また市民の皆さんとの対話も行ってまいりました。もう一つが中山間地域を始めとする、情報をプッシュ型で発信できていないという点です。広報さがみはらも1つのツールであるし、LINEとか、ホームページなどもそうだと思いますが、情報を取りに来られない方々がいらっしゃるので、そういった方々を誰1人取り残さない施策を打っていくために、プッシュ型で情報を市民全員にどうやって伝えていったら良いのか。この2点について、随分考えてまいりました。そういった対応をする中で皆さんからコミュニティバスを市で行ってもらえませんかと相当言われてきました。私も実は市長になるまで知らなかったのですが、地域の要望があれば市が考えると思っていたのですけれども、コミュニティバスというのは、地域でまずしっかり議論していただいて地域から行政に提案していただいて、そこから話が始まります。そういったことを私も知らなかったのですがと言いながら、市民の皆さんに分かりやすく、お伝えさせていただいています。コミュニティバスもそうだし、それから乗合タクシーとか、あとは神奈川県のタクシー協会の相模原地区会、大畠地区長とも協定を結ばせていただきました。先日もランチミーティングをやりながら、やはりドアツードアで移動する時にタクシーというのは、最大の公共交通の一つだと思っていまして、そういった意味では、神奈川版ライドシェアとか、日本版ライドシェアが行われていますけれども、例えば、今、大畠さんに聞くと市内でタクシー不足はないというお話を伺っています。ただ相模湖地区のタクシー会社さんがお辞めになったりとか、藤野地区にも、タクシー会社が1社ありますが、2台で運用している状況もあります。昨年11月に相模湖地区まちづくり懇談会に行った時には、神奈川版ライドシェアのような取組を行って欲しいという地域の人からの要望もありました。私は国会議員の時代から、ライドシェアは賛成ではなかったのですが、市長になって、やはり市民のためになるならばと考え方を少しずつ変えていき、議論の必要性は感じています。市長になって改めて、移動手段が非常に大事なことと、ライドシェアも1つの手段であるということは理解をしていますが、いくつかまだ乗り越えなければいけない課題として、安全性であったり、それから、信用度であったり、まだいくつかあるのではないかと思っています。いずれしてもタクシー会社の皆さんや職員の皆さんとも、例えば、他所でやってない日本で初めての運用なんかもチャレンジしてみたらどうかという話もしています。それを今、ここでお示しはできませんが、まずは法律がありますから国の方向性をにらみながら、私たちができる、例えば相模原市独自の移動手段がもしあれば、事業者の皆さん、市民の皆さんからも遠慮なく提案していただき、チャレンジしていきたいと思います。その中でグリーンスローモビリティの2カ所の実証運行や、南区の相模台地区で乗合タクシーの実証運行が行われますし、例えば津久井でけんこう号を、今まで利用者20人乗りぐらいのマイクロバスだったのを8人乗りのワゴン車に変えていって、機動性豊かにして、介護予防しながら、お買い物も支援するという形に変えていったりとか、青和学園のスクールバスへの混乗をこれから始めたりとかしています。そういった意味では、色々な形で、庁内が横串を刺して議論ができてきたかなと思いますので、ぜひまたご期待いただきたいと思っております。
(毎日新聞記者)
地域というか、自治会というか、市民の方の熱意のあるところから進んでいくという感じですかね。
(市長)
まずは、まちづくりセンターとか各区長にお願いしているのですが、私たち以上にやっぱり区役所というのは、市民の皆さん、区民の皆さんと直接対話する機会が多くありますから、そういった意味では、熱量がやはり多いところからということになる可能性もあります。けれども、声が届かない地域にもしっかり寄り沿って、一緒になって考えていかなければいけないと思っています。自分たちで考えて発案できる自治会やそういった団体は良いのですけれども、自治会が不在の地域とか、少ない地域とかもありますから、そういったところにも寄り添った対応が必要だと思っています。
6月補正予算について
(朝日新聞記者)
今回の補正予算では、能登半島地震での様々な教訓などを汲み取って予算が組まれていますが、特に市長として、これは相模原市ならではのもので、他所がやっていないことに一早く着手しているというものがありましたらご紹介いただきたいのと、それを選ぶにあたって、どういう形でどんな情報を派遣された職員の方々から得られたのかということを併せてご紹介いただけないでしょうか。
(市長)
皆さんご存知のとおり、今年1月1日に能登半島地震が発生しまして、元日から、当時の危機管理局長と電話やLINE等で対応を進めてまいりました。1月9日の緊急消防援助隊の派遣開始から、現在延べ360名を超える職員を派遣しております。そういった中で1月15日には幹部職員を集めて訓示を行って、緊急的に令和6年度当初予算に防災経費を計上させていただきました。今回の6月補正予算は、改めて能登半島地震で、消防職員とか事務職員、それから技術職員、保健師、獣医師、様々な職員が活動しておりますし、現在も七尾市に住家被害の認定調査のため、12名の職員を派遣しており、高岡市に災害廃棄物の処理業務のため、2名の職員を派遣しておりますから、そういった現地に派遣された職員から様々な情報を挙げていただいて、そして今回の補正予算の形にさせていただきました。特に私自身は、よく町田市とかに散歩に行っているのですが、町田市では立て看板で、ここは災害時協力井戸ということがはっきり示されていて、これも当時の危機管理局長に、相模原市には災害時協力井戸が69カ所あるけれども、どこにあるのかよく分からないですよねと伝えました。これこそ市民が分かるようにマップにしてホームページなどで周知しなければいけないし、それから見える化をして何か看板をつけたほうが良いのではないかということで、昨年末だと思いますが、災害時協力井戸の看板をつけていただくなど、災害時の井戸水の必要性を非常に感じて対応しました。今回、横浜市、川崎市では、防災の補正予算がなかったということでありますが、本市ではそういった経験を踏まえて、例えば災害時協力井戸の水量調査とか、それからミニホイールローダーといういわゆる道路の回復をする時に、土砂を動かせる重機を買っていこうとか、それから10トンの災害用貯水タンク5基を、4つの消防署と下溝防災消防訓練場へ設置するとか、それから消防救急デジタル無線携帯型移動局42機を、通信手段を有していない車両へ新たに導入させていただくとか、また災害廃棄物に係る計画について令和7年に見直しがあるということなので、その前に図上調査とか図上での勉強ができるように予算を計上いたしました。そういった点が今回、防災経費として補正させていただいたものになります。
(朝日新聞記者)
特に水に関するものが目立つのですが、それはやはり職員の方々から水の問題が極めて深刻だというような報告なり、そういうものをお聞きになったのですか。
(市長)
日頃から私も水に関して非常に関心を持っていました。特に3月定例会議で議員の方々からも水に関してのご意見やご提言もいただきましたし、それから県企業庁との関わりの中で、私たちも独自の簡易水道を持っていますけれども、72万市民の少なくとも安全安心を確保するべく、水についてもっと丁寧に慎重に考えていかなければいけないと考えています。今回、珠洲市とか七尾市に職員を派遣した際も、電気が通っているのに水がないということで、ホテルに泊まっていても保健師の皆さんなどもお風呂に入れなかったという話をずっと聞いていました。ここで七尾市から帰ってきた若い職員から声をかけられ、水について聞いたら、「水は大丈夫でした。」という話をいただきましたが、改めて能登半島地震からも水は非常に大事だということを感じております。そういった点を受けて、今回の補正対応となっています。
(総合政策・地方創生担当部長)
今回、各種職員を派遣させていただいた中で、戻ってきた職員からすぐに、現地の課題ですとかそういったものを全て吸い上げた中で、今回の補正予算に計上させていただいたものとなります。
(テレビ神奈川記者)
改めてになるのですけれども、今回の補正予算で防災の関連について非常に注力されているというところだと思いますが、その予算編成にあたっての意図ですとか、思いみたいなところを簡潔に教えていただければと思います。
(市長)
私も3.11の東日本大震災の時は国会議員でありまして、発災以降、被災地に50回ほど入ってまいりました。それから、国会議員の時に熊本地震も経験しまして、現地にも入りました。今年に入り、1月1日には能登半島地震、4月17日には、愛媛県の豊後水道を中心とした最大震度6弱の地震もございました。本市は南海トラフ地震とか首都直下型地震の切迫性の高い地域だということで、特に30年以内に70%以上の確率で首都直下型地震とか南海トラフ地震があるという話を伺ってきましたが、あれから10数年経っています。そういった意味では、いつ何時、災害が起こるか分からない。そして私たちは令和元年東日本台風で、中山間地域において8名の方を失う災害を経験いたしました。私はあの災害を経験して、改めて誰1人取り残さない、防災力に強いまちづくりを進めていきたいと思って、この間取り組んでまいりましたので、防災に対する意識は非常に高く持っています。例えば学校の屋内体育施設の空調を今後2年間で16校に整備するのですが、すでに6校は済んでおり、22地区に各1カ所ずつ整備するのですけれども、最初に教育委員会が持ってきた案は、都市ガスで持ってまいりました。熊本地震で私自身、都市ガスの厳しさというのを目の当たりにしたのと、あとは、東日本大震災で、岩手県、宮城県、福島県のLPガスの普及率が9割を超えていて、あの寒い雪が降るような中で暖を取れたりとか、温かい飲食が取れたというのを見ていましたから、私は多少お金がかかっても、最後の砦と言われているLPガスで空調を整備しないと、いざという時に対応できないのではないかといったことも今回、教育委員会の提案の中で少し対話をさせていただき、都市ガスからLPガスに変更した経緯もあります。防災力の向上は、72万市民全ての方の命に関わる話であり、非常に大事な点でありますし、ただ資機材だけ整えてもしょうがないので、やはり自主防災援助隊とか消防団とかの共助のところを強くしていかなければいけないと思っています。あとは昨年、九都県市の総合防災訓練がありましたが、ああいう大きな訓練も必要ですが、やっぱり小さな訓練が大事だと思っていまして、危機管理局長や担当課には、演習をとにかく小さくやれるように、練習ができるように見直して欲しいというお願いをしています。ですから例えば、南区で1カ所とか中央区で1カ所ではなくて、例えば500以上ある単位自治会で、最低年に1回か2回は行っていただくとか、そういう形にしていった方がいざ災害があった時に、必要な対応が取れるのではないかと思います。私も自宅に防災グッズを置いていますが、改めて見てみると、水など賞味期限が切れていたのもありましたから、常々意識しなければいけないと思いますので、こうした意識づけのため、令和3年に防災ガイドブックを改定して全戸配布いたしました。この改訂というのを、また議論を始めていかなければいけないと思っています。今後も防災力の向上に全力を尽くして、教職員含めて約8,000人で、誰1人取り残さない、そういう市政に取り組んでいきたいと思っています。
特別市について
(読売新聞記者)
特別市構想について伺います。県がパンフレットを作りまして、特別自治市構想とは、政令指定都市が県から独立し県を分断するものですとかなり強い調子で批判しております。黒岩知事が記者会見で、私が見る限り政令指定都市の市民の中で独立の機運が高まっている、思いが強いとは感じられない、法制度化は無理があるというふうに言い切ったわけなのですけれども、特別市構想を進めるお立場の相模原市長として、どのように反論されるのかお聞かせください。
(市長)
今年の1月18日の産経新聞にも私の特別市に関する考えは載せていただきましたが、道府県と市町村の2層構造は130年続いています。そうした中で、これからやはり新たな自治というのは、大都市構想、大阪都構想もそうですが、新たな地方自治の考え方を、見直していく時代が来たのかなというふうに思っています。地方制度調査会の報告を見ても、なかなかその議論には至っていない部分もあるのですが、ただ黙っていたらこれは前に進まないわけでありますので、しっかりと指定都市、横浜市、川崎市とも連携して、まずは法制度化の意義を市民の皆さんにしっかり伝えていきたいと思います。今日も午前中に広域行政課長が南区の区民会議で、特別市のお話をしてきたとさっき報告がありました。県のパンフレットには私たちも特別市になるというようなことが書かれていますが、私たちが特別市になるとは一度も言ったことはありません。私達は法制度化には賛成をするけれども、県とのこれまでの中山間地域であったり、水源地域であったり、役割がありますので、まず法制度化を進めて行くことによって選択肢を作っていきたいと思っています。その中で、特別市になりたいところは手を挙げてなっていただければ良いし、私自身は産経新聞にお答えしたとおり、個人的には今、相模原市がなる必要はないと思っています。人口72万強ではなかなか厳しいのかなと思っていますが、ただ、これから議論をして、必要があれば、私たちも市議会とか市民に特別市になりますか、指定都市のままでいますかということを問うて、最終的な判断をしていきたいと思います。今、世界の競争の中で、横浜市や川崎市のような大都市が地方をけん引して、1人勝ちするのではなくて、周辺の自治体を巻き込んで一緒になって国際競争に勝っていくという、やっぱり地方の力というのは非常に期待が持てると思っていますから、そういった意味では、私は選択肢として特別市の法制度化が必要ではないかと思っています。また、県の見解はこれまでと同じような見解でありますので、特にコメントはありません。
(読売新聞記者)
補足で伺いたいのですけれども、相模原市としては、今現在は特別市になる必要ないと思っているということですが、その理由について、もう少しお聞かせいただけますか。
(市長)
特別市については、私が市長になってから本格的に横浜市や川崎市と議論が始まっていったと思っていまして、やはり横浜市、川崎市と熟度もかなり違いますし、知事が言われているとおり、相模原市は特別市の議論を市議会の皆さんとは行っていますが、市民の皆さんと頻繁に行っているかと言いますと、そこまでまだ至っていません。やっぱり温度差はあるということは、横浜市長や川崎市長にこれまでも話してきました。それから県との関わりという意味では、中山間地域で、水源地域でもありますので、県との深い関わりもあります。ただ、やはり先ほどお伝えしたように、選択肢はあっても良いのではないかというふうに思っています。選択肢ができた時に、市民の皆さんとか議会から、相模原市も特別市になるべきだという気運が醸成してくれば、それは議会の皆さんや市民の皆さんと相談をして、前に進めていく必要があると思いますけれども、今、私個人としては相模原市が特別市になる必要はないと思っています。私も正直最初、先行してきた横浜市や川崎市との特別市の議論に入った時に、あまりに自分の勉強不足というか知らないことだらけで、当時は林前横浜市長とか、川崎市の福田市長から教わることがたくさんありました。恥ずかしながら、ようやく同じ舞台に上がれるようになったのかなというところであります。そういった意味では職員も含め、政令指定都市になってまだ15年目でありますので、まだまだ指定都市として磨きをかけていかなければいけないというところもあります。今現在はそういう思いでありますが、今後本当に機運が醸成して、特別市になるという勢いが出てくるのであれば、これは議会と市民に問うて、そういった方向に行くべきかと思っています。現段階では、個人的には、まずは法制度化による選択肢が必要だと思っています。
国の指示権を拡大する地方自治法の改正案について
(共同通信記者)
地方自治の話が出ましたので、自治体に対する国の指示権を拡大する地方自治法の改正案というのが、今、国会で審議入りしましたけれども、地方自治体のあり方が変わるというか弱められるというような懸念も出ています。これについての市長の考え方を伺います。
(市長)
どういう改正が議論になっているか勉強不足で分かっていないところもありますが、そもそもどこの政党も地方自治が1丁目1番地と言ってきたと思います。にもかかわらず、今そういった議論がされているということが、非常に残念だと思います。私も県会議員、国会議員を経験してきて、やっぱり地方から日本を変えなければいけないという思いで、この相模原市長になったわけであります。衆参約700人いる国会議員の中で、こうだああだと言ってもなかなか私たちの思うとおりに変えられない部分もあります。私は、今回の法的な内容を詳しくは知りませんが、例えば道州制の話はあれだけ盛り上がっていたのにどこにいってしまったのかと思っています。大阪都構想もそうですけれども、色々な議論をして良いと思うのです。そういった意味では、大阪維新の会の人たちがすごいなと思うのは、自分たちのまちづくりについて、これからどういう方向に向かいたいのかということを府民の皆さん、市民の皆さんに問いかけていて、大阪都構想が良い悪いは別としても、地方自治を真剣に考えている一つの形だと思います。色々な選択肢があって良いと思っている中に、今回の特別市もあるというふうに思っています。私は人口や予算は違うかもしれませんが、地方と国は対等だと思っておりますので、ぜひ、与野党問わず、地方自治についてもう少し議論を重ねていただきたいと思っています。私がいつも職員に伝えているのは、私たちは72万の人口を抱える指定都市でありますが、私たちよりも小さな自治体、大きな自治体と様々ありますが、あくまで対等なんだということを言っています。例えば、3万人の市や町という自治体もありますが、そういうところは本当に限られた職員の数で、3万人の生活を守っているわけですから、大小関わりなく、もっと言うと、人口数千人の村や町であっても良いことを行っていたら、頭下げて勉強させてもらいにいこうという話をしています。やはり地方からもう少し元気を出していかないといけないと思っていますので、国会でも今回、法改正に向けて議論が始まっておりますが、もっともっと議論していただいて、地方自治が1丁目1番地と言っていた方々にぜひもう少し頑張って欲しいという期待を持っています。
(共同通信記者)
そうすると、国が地方自治体に介入するのは、極力しない方が良いというお考えですか。
(市長)
そうですね。私も国会で見てきた中で、紐付き財源で投げられた方が楽な自治体もあるのは事実だと思います。逆に、自由裁量で予算を預けて使わせていただいた方が良い自治体もあると思います。自治体によってまちまちだと思いますが、少なくとも、広域自治体や47都道府県、それから1,718市町村の皆さんが、自分たちのまちはどうやっていくのか、未来像を描いていかないといけないのかなと思っていますので、国から投げられた交付金に関しては、市が独自に自由裁量で使わせてもらった方が良いと思っています。そういう自治体がどんどん増えていけば良いなと思います。各市町村によって違うと思いますが、本来基礎自治体は、自分たちの自由裁量で、法律や条例のルールの中で、財源を使わせていただくというのが一番、県民や市民に対してベストな形だと思っています。そういう地方自治のあり方を国でよく議論していただいて、どこが偉いではなく、国や県、市町村はみんな対等だという気持ちで、私はこれからも要望に行ったり、学びに行ったりしていきたいと思っています。
わいせつ事案の裁判について
(NHK記者)
教育長に伺います。昨日、横浜市教委でわいせつ事案の刑事事件の裁判の中で、職員を最大50人派遣して傍聴席を埋めていたという報道がありました。これは悪いことの隠ぺいをしているのではないかと疑われても仕方がないような対応ですが、やり方は様々あると思っており、傍聴席を埋めるやり方でなくてもプライバシーの保護や裁判所に直接訴えることで配慮される部分があると思います。相模原市において、そのような対応が必要な事案がこれまであったのか、相模原市ではそういう場合にどう対応されてきたのか、今分かる範囲で教えください。
(教育長)
横浜市の事例を私も新聞で拝見して、50人程度動員しているという、本市ではありえないような内容です。本市において、横浜市のように多数の職員を動員することはありません。しかし、公判の中で、事実確認をする、或いは事案の進捗状況を確認するということで、公務の中で1から2名の必要最低限の職員を傍聴に行かせることはあります。
(NHK記者)
多分それが通常の対応で、事案の内容を把握することは大切なことですから、必要最低人数の傍聴はあると思いますが、今回のように横浜市教委は教育長が判断して動員していたということで、疑っている訳ではないのですが、例えば被害者の保護者からこういった裁判の事案で、プライバシーの配慮についてかなり言われることも市教委はあると思います。そういった時に対応として、どのようにされていたのか。今回のことなんて思いもつかないとは思いますけれども、裁判所に対して、例えばプライバシーの保護を求める等、どういった対応をされてきたか伺います。
(教育長)
過去3年間、私が教育長をしている間に、そのような指示を出したこともありませんし、そういう相談を受けたこともないです。職員から非公表ということを依頼されたこともないです。
(NHK記者)
相模原市ではプライバシーの配慮を求められた裁判事案が今まで知る限りではないとのことですが、もし今後、そういったことがあった時には、どういったふうな対応をされていきたいかを聞かせていただければと思います。
(教育長)
当然、被害者の意向は大事だと思っており、最大限、被害者の意向に沿った対応をしていきます。横浜市教委が行ったやり方は如何かと思いますが、プライバシーに配慮した対応をする必要もあります。やり方は色々あると思います。
リニア中央新幹線について
(毎日新聞記者)
昨日、JR東海のリニアの担当幹部と話をしていたようですが、どのような話をされたのか差支えのない範囲で伺います。
(市長)
奈良副市長のところにリニアの関係で、JR東海の皆様が来られているということで、その席にお邪魔させていただいて、私は立ち話ですが数分程度お話をさせていただきました。その中で水の話をさせていただきました。今回水が枯れたという報道があり、今日も各紙に出ていましたが、その点は私たちも特に注視をしています。市内には実際に井戸水を飲料水として生活している方々もいらっしゃいますし、生活用水として使っている方もいらっしゃいますので、私たちも水源地域としての関心が高いということをお伝えさせていただきました。
(毎日新聞記者)
まさに井戸の話は、相模原市でも他人事ではないと思います。何かJR東海側から一歩進んだような回答はございましたか。
(市長)
これまでも、市長に就任してから水の話を随分してまいりました。過去にも神奈川新聞で井戸の話を一面に取り上げてもらったり、水が枯れるのではないかと心配する津久井地域の方々の話を掲載いただいたりしたこともありましたが、私も非常に注視しています。これまでも井戸水の視察に行ったり、JR東海に、横に井戸を掘っていただいている現場を見させてもらったりしています。今は特段新しい回答はないですが、これからも私たちは水源地域であり、他の市町村と同じように沿線自治体の皆さんと協力をして、水の確保や枯れることがないように、自然が脅かされることがないような対応をお願いしていきたいと思っています。また何か新しい前向きなお話があれば皆さんに報告したいと思っています。JR東海も、私たちの話に熱心に耳を傾けていただいて、真摯に対応いただいているという思いはあります。
静岡知事選挙について
(神奈川新聞記者)
リニアの関連で、いよいよこの週末に静岡県知事選が投開票になりますが、中間駅がある相模原市の市長としてどのような思いで知事選を見ていらっしゃるか、どんなことに注目されていますか。
(市長)
知事選は今、6名の方が立候補されており、4人が推進派、2人が反対派と伺っています。前回の定例記者会見でも、推進派の方が勝つことよって、1日も早くリニアの実現を目指していきたいという話をさせていただきましたが、今回、指定都市市長会の会長も歴任された鈴木康友候補の応援に先週行ってきました。向かう途中、タクシーに乗った際、運転手さんに静岡県知事について聞いたら「良くも悪くも川勝前知事は尖がっていて、静岡県民としては前知事に対する期待が大きかった。」ということを言われまして、川勝前知事はすごく人気のある方だと思いました。今回、推進派が4人いるということで、どなたが勝たれても、新しい知事と沿線自治体としてしっかり協力をしていき、JR東海にしっかり物を申すところは物を申し、そして協力するところは協力をしながら、県民や市民の命、健康を守りながらこの事業をしっかり推進してきたいと思っています。いずれにしても、当選された知事と、またしっかりお互いに県民の立場、そして市民の立場で物を申し上げながら、協力していきたいと思っています。
(神奈川新聞記者)
本村市長としては、川勝前知事のリニアに関する舵取りをどういう評価されていたのか、また新しい知事に求めることは。
(市長)
水の課題は、1つの提起だったと思います。私たちも同じ水源地域でありますから、水の心配は、市長になった時からずっとJR東海とは議論してまいりました。川勝前知事の発言で、大分工事が遅れたという話も一部では聞かれますが、JR東海も今、鋭意工事を進めていまして、相模原市域においてもリニアの車両基地と駅部を進めていただいていますので、これを1日も早くまずは開業していくことが大事だと思っています。川勝前知事とは、私は1回しかお会いしたことがないのですが、2、3年前に相模原市に来られて「部分開業は賛成ですよね。」と最後に言われて、「いや、ちょっと待ってください。私は品川から名古屋、大阪までの一括整備に賛成ですよ。」という話をしました。同じ部分開業派の仲間にしようとされていたのでしょうけれども、私は一括開業派ですからとお伝えしましたが、非常に熱心な方だという思いはあります。ですから、県民にも信頼が厚かったでしょうし、これからどういう活動をされるか知りませんが、お元気でご活躍いただきたいと思います。新知事に関しては、推進派の方にぜひ、知事として手腕を発揮していただきたいですし、水に関する不安に関しては、しっかりJR東海とも膝を突き合わせて議論を重ねていき、お互いの許される着地点をしっかり見つけていただいて、県民の立場で物を申していただき、JR東海の皆様も事業者としての立場のご意見を申し上げていただき、良い決着をしながら、1日も早く開業できるように応援していきたいと思います。
中学校給食の全員喫食について
(朝日新聞記者)
建設工事が遅れているところが日本各地で出ている中で、相模原市で今、期限を切って進めている政策の中で、市長肝煎りの中学校の給食の全員喫食化というテーマがあると思います。その件で、今の色々な土木工事の全国的な遅れで影響を受けることがないのかというのが一つと、それから私は市長が選挙の時に相模原市の担当ではなかったのでその思いを聞く機会がなかったのですが、なぜ中学校の全員喫食化に対して力を入れようとされてきたのか、改めて教えてください。
(市長)
まず、私が1期目に出た平成31年4月の市長選挙の時に、私も学校給食について関心があったのですが、親子方式にするのか、自校方式にするのか、まだ定かではないところがありました。市長になってから、中学校の完全給食の議論が平成27年度あたりから止まっていたということを知り、議論を進めていきたいという話を、当時の野村教育長、鈴木教育長とする中で、教育委員会にお願いしましたが、なかなか議論が進まない部分もあったので、鈴木教育長と私の両輪トップで動かしましょうと提案をしました。教育委員会とともに動く方向になった理由の一つは、GIGAスクール構想でタブレットを子どもたちが持っていますので、これを使って中学校で今、デリバリー給食を食べている学校の皆さんや、それから保護者、先生方にアンケートを取りました。小学校の時のような温かい給食を食べたいですかというアンケートに、確か約80%の方から「食べたい」という回答いただいて、これはやらなければと思い、そこからスイッチが入ったのは事実です。それまでは、教育委員会の議論が少し前に進んでいなかった部分があるので、なぜ進まないのかと思っていたのですが、私は子どもの声を聞いて、こんなに期待されているのであればやろうよと。行財政構造改革に取り組む中でしたが、これは子どもの健康や命に関わる話なので、ぜひこれをやりたいということで、話を前に進めました。教育委員会も一生懸命に頑張ってくれて、議論してくれたと思っています。鈴木教育長には本当に感謝しています。それから、工事が全国的に遅れているという課題は認識しています。実は今回初めてPFI方式で、南部と北部に学校給食センターを作るということで、これまで進めてきました。初めての試みで、色々な事業者の皆さんから令和8年12月には間に合わないという意見を非常に多くいただきました。しかし、実際、ここで締め切りましたが、応募していただいたグループが複数あり、ここから選ばれたところが、SPC(特別目的会社)に発展して事業を進めていただきますが、複数社、南部と北部の学校給食センターに手を挙げてくれている企業があるということなので、ここを信じて前に進めていきたいと思っています。昨日も相模原市の管理職組合の校長先生、副校長先生の集まりの会に行きましたが、そこでも令和8年12月を大きな目標としていますとお話していますし、市PTA連絡協議会の総会でもお話させてもらいました。ただ記者が言われるように、全国的な心配は、大きな遅れや遅延が考えられる部分もありますので、そうならないようにしっかり進めていきたいと思っています。
特別市について
(産経新聞記者)
特別市構想の関連ですが、県と3政令市との懇談会が2年間開催されていないと思いますが、開催の必要性や、開催を進めていくお考えはありますか。
(市長)
今、県の見解に対して、事務レベルで神奈川県と3政令市で調整を行っています。私は、指定都市市長会の国会調整担当として役目をいただいているのですが、指定都市を応援する国会議員の会に国会議員が220名いらっしゃいますので、今後、この方々に法制度化の必要性をさらに訴えていきたいと思っています。5月20日の指定都市市長会では、国会調整担当の市長として手を挙げさせていただき、指定都市を応援する国会議員の会の方々と指定都市の方々との対話の機会をまずは作っていきましょうと提案しご了承いただきましたので、実施に向けて今後進めていきたいと思います。まずは国会議員に対して必要性を訴えていきたいと思います。
※質疑応答中の重複した言葉づかいや明らかな言い直しなどは、整理した上で掲載しています。
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