令和5年度 5月定例記者会見
令和5年5月23日
- 日時 令和5年5月23日(火曜日)午前11時00分~11時50分
- 場所 市役所本庁舎2階第1特別会議室
【あいさつ】
皆さん、こんにちは。
冒頭に、一昨日、大変嬉しいニュースが届きましたのでお知らせします。
本市緑区在住のプロボクサー、中谷潤人選手が、アメリカで開催されたWBO世界スーパーフライ級王座決定戦において12回KOで勝利し、世界チャンピオンとなられました。WBO世界フライ級王座を返上して挑戦され、見事に2階級制覇という偉業を成し遂げられた中谷選手ですが、先だって発表しましたとおり、本市ホームタウンアスリートに認定いたします。6月1日午後2時から市役所第2別館第3委員会室で認定式を行いますので、ぜひ取材にお越しください。
本日の案件は3件で、新型コロナウイルス感染症について、2点目が市議会6月定例会議について、そして3点目がイベントの開催についてとなります。
はじめに、新型コロナウイルス感染症についてです。5月8日から、新型コロナウイルス感染症が、インフルエンザなどと同様の「5類感染症」に変更されました。3年以上にわたり、市民の暮らしを最前線で支えてこられた医療機関や福祉施設の皆様をはじめ、感染拡大の防止に取り組まれてこられた市民の皆様、事業者の皆様に、心から感謝を申し上げます。これまで、市民の皆様、事業者の皆様には、感染拡大防止のため、様々な負担や制限をお願いしてまいりました。特に、外出制限やイベント開催等の自粛については、社会経済活動に大きな影響を及ぼすとともに、私たちの生活様式を変化させるものでもありました。マスクの着用は、個人の判断に委ねられることとなりましたが、今後も、感染拡大を繰り返す可能性があることから、手洗いや、推奨される場面でのマスクの着用など、状況に応じた感染対策をお願いいたします。
また、ワクチン接種につきましては、今年度も引き続き自己負担なしで実施しています。5月8日からは、高齢者や基礎疾患がある方、医療従事者の方などを対象に、接種を実施しており、9月以降は、5歳以上の全ての方を対象に接種を進めていく予定です。ウィズコロナの時代においても、市民の皆様が安心して生活や仕事ができる環境づくりに取り組んでまいりますので、引き続き、ご理解とご協力をお願いいたします。
次に、今月29日から始まります市議会6月定例会議についてです。
市長2期目として初の定例会議となりますが、定例会議初日には、市政運営に当たっての基本的な考え方、政策や取組の方向性など、私の所信を述べさせていただく予定です。また、本定例会議には、補正予算として、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けている市民や事業者の方を支援するための経費等を計上いたしました。新規の事業としましては、光熱費や燃料費等の負担の軽減を図るため、市民を対象とした省エネ性能に優れたエアコンや給湯器などの機器への買い替えを支援する事業や、事業者支援として、貨物運送事業者を対象とした低燃費タイヤへの買い替えを支援する事業、設備等の省エネルギー診断に基づいた省エネ設備の導入を支援する事業のための経費を計上しております。このほか、国から示されているエネルギーや食料品の価格高騰による家計への影響が大きい市民への支援として、市民税が非課税の世帯を対象に、1世帯当たり3万円の給付を提案するとともに、昨年度と同様に、本市独自に、市民税の均等割のみが課税されている世帯まで対象を拡大して3万円を給付するための経費を計上しております。また、子育て世帯への支援として、昨年度も実施いたしましたが、学校や保育園等における給食食材費が引き続き高騰しており、子どもたちの給食の質を維持するとともに、給食費の保護者負担への影響を抑えるため、給食食材費を支援する経費を計上しております。
次に、コロナ禍で中止・縮小となっていたイベントの開催についてです。
今月、4年ぶりとなりますが、相模原市を代表するまつりとして、相模の大凧まつりと市民若葉まつりが盛大に開催されました。特に若葉まつりは、あいにくの天候でしたが、大勢の皆様にご来場いただきまして、私も多くの方にお声がけいただき、
皆様の活気に満ちた姿や、多くの子どもたちの笑顔に人のつながりや交流の場の大切さを再認識いたしました。
5月21日からは国内最大規模の国際自転車ロードレースである「ツアー・オブ・ジャパン」が開催されており、27日には第7ステージとなる「相模原ステージ」を開催します。コロナ禍に入ってからは、規模を縮小しての開催が続いていましたが、今年は、8日間連続の8ステージでのフル開催となり、複数の海外チームも参戦するなど、約100名の選手たちが激しいレースを展開します。前6ステージを戦ってきた選手たちを待ち受ける「相模原ステージ」では、ライバル、そして自身の限界に挑み、総合優勝を目指す各チームの激しい駆け引きが繰り広げられます。コース沿道や観戦スポットで、自転車レースの迫力、そして世界トップアスリートのスピードをぜひ体感してください。
また、フィニッシュ会場となる鳥居原ふれあいの館では、飲食、物販のほか、大型モニターによるパブリックビューイング、二人乗り用の自転車や動物型の自転車といった、子どもたちも楽しめる、「おもしろ自転車」に乗車できる体験ブースなども出展していますので、ぜひご来場ください。併せまして、スタートおよびフィニッシュ会場では、相模原ステージにちなみ制作したデザインマンホール蓋のPRを行いますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
当日は、午前8時30分から正午ごろまで、コースや周辺道路において大規模な交通規制が実施されます。市民の皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解、ご協力をお願いいたします。イベントを楽しみながら、会場で選手たちを応援いただき、皆で一丸となって、ツアー・オブ・ジャパン相模原ステージを大きく盛り上げていくことで、「自転車のまち さがみはら」を全国に発信していきたいと思います。
さらに、平成22年6月13日に、小惑星探査機「はやぶさ」が幾多の困難を乗り越えて、地球に帰還したことを記念して制定した6月13日の「はやぶさの日」を中心に、今年は6月11日から18日までを「はやぶさWEEK」として、宇宙を感じられるような様々なイベントが予定されています。
1つ目は、銀河連邦ヒーローとのグリーティングイベントです。
JAXAの研究施設の設置を縁として交流を始めた7つの市町で構成される銀河連邦には、それぞれの市町を象徴する銀河連邦ヒーローがおりますが、平成25年6月の初登場から10周年を記念し、6月11日に、全7体の銀河連邦ヒーローが、相模原市立博物館に勢ぞろいします。また、6月18日には、銀河連邦ヒーローのうち、本市のヒーローである「サガミリオン」と本市のマスコットキャラクター「さがみん」が登場します。グリーティングは一日2回で、午後0時30分と午後3時30分から約15分間、銀河連邦ヒーローたちと、写真撮影や握手ができますので、ぜひ、市立博物館にお越しください。
2つ目は、宇宙を感じるさがみはらスイーツの販売です。
はやぶさWEEK期間中、宇宙をイメージして創作したさがみはらスイーツを、市内協力店で販売いたします。対象のお店で、対象のスイーツを購入された方には、銀河連邦ヒーローが描かれた特製カードを1枚プレゼントします。カードは全7種類で、お店ごとにもらえるカードが異なりますので、ぜひ、宇宙を感じるさがみはらスイーツを味わいながら、全種類のカードを集めてみてください。
3つ目は、「JAXA講演会~はやぶさ打ち上げから20年を振り返る!~」です。
6月11日の午後2時から午後3時30分まで相模原市立博物館で、元「はやぶさ2」ミッションマネージャの吉川真さんを講師に招き、2003年の小惑星探査機「はやぶさ」の打ち上げから20年間を振り返っていただく講演会を開催します。
その他のイベントなど、はやぶさWEEK全体の詳細につきましては、お手元の資料をご覧ください。また、市ホームページの特設ページに、順次詳細を公開していきますので、ぜひご確認ください。イベントを通じて、本市を故郷とする小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」、そして「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」をより好きになっていただければと思います。
その他、せっかくの機会ですので、最近話題となっております「ChatGPT」についてですが、本市におきましても、6月から活用する業務の抽出や有効な利用方法などの検証を行ってまいります。利用にあたりましては、公開できる情報のみとした上で、アイデア創出、資料の要約などでの利用を想定していますが、どのような業務で利用できるかについても検証したいため、部署は特定せず、職員を庁内公募し、
取り組んでまいりたいと考えております。
最後になりますが、5月19日付で森多可示副市長が任期満了で退任され、5月20日付で石井賢之副市長が就任いたしました。また、5月31日付で隠田展一副市長が任期満了となり、6月1日付で奈良浩之総務局長が副市長に就任する予定です。
退任された森副市長と今月末で退任される隠田副市長には、令和元年から4年間にわたりまして、豊富な行政実務経験を存分に生かされ、本市を襲った令和元年東日本台風による甚大な被害からの復旧・復興、令和2年からの新型コロナウイルス感染症への対応という未曽有の状況の中での私の市政運営をしっかりと支えていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
今後は、新たな体制で市政に臨むこととなりますが、記者の皆様には様々な場面でお世話になると思いますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
質疑応答要旨市議会定例会で特にアピールしたい事業について
市議会定例会で特にアピールしたい事業について
(毎日新聞記者)
2期目初めての市議会定例会となる今回の6月定例会に、様々な事業を提案されていますが、特に市長の思い入れがあるというか、ここは、これだという、一つアピールしたいというのはどの事業ですか。
(市長)
この補正予算を組むに当たり、やはり今の物価、原油原材料高騰で市民生活が圧迫しているという中で、これまでは、事業者向けの支援であったものを、今回は市民向けの形にしまして、先ほどお話した市民を対象とした省エネ性能に優れた電気機器の買い替えに関する費用の3分の1、最大5万円を補助する案を出しております。多くの市民の皆様にご利用いただければいいなと思っていますし、また市内経済の活性化にも繋がっていくのではないかと思っております。補正予算として約4億6,000万円を計上しています。また、商工会議所からご提案いただいて、運送業の皆さんにも低燃費タイヤの買い替えに関する補助を行う案を出していますので、こうした市民の声をしっかり受けとめた形で、今回、補正予算を組ませていただいている点が、一つのPR点かと思います。
それからもう1点は、やはり先ほど紹介した中で、市民税非課税世帯の皆様には国から1世帯当たり3万円の給付をさせていただきますが、本市独自に市民税均等割のみ課税の世帯に対しましても、1世帯3万円を昨年度に続きまして、今回の補正予算に計上させていただきました。これも一つの本市の特徴かと思っております。非課税世帯の支援までは国の施策として出てくるのですが、本市としては非課税世帯にならないまでの世帯に対する支援を明確に行っていきたいということで、均等割のみ課税の世帯への支援の形を、昨年度に続いて提案させていただきましたので、ここも72万市民に寄り添った対応の一つと思っております。
中谷潤人選手について
(毎日新聞記者)
市長、冒頭でご紹介のありました中谷選手、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦での鮮やかなノックアウト勝利ということで、映像はご覧なられましたでしょうか。
(市長)
はい。
(毎日新聞記者)
ご感想はどうですか。
(市長)
なかなか緊迫した試合だったなと思っていますし、中谷選手が渡米する前にM.Tボクシングジムにお邪魔しまして、お話をさせていただきました。たしかその翌日は、本市の名誉観光親善大使にご就任いただき、市役所に挨拶に来ていただいたと思っておりますが、渡米する前から色々な話をしてまいりましたし、また時には食事をご一緒する機会もあり、接する中で感じているのは、中谷選手は非常に好青年で、私もお会いすると、自分自身をしっかり鏡に映して、彼のようにまっすぐに生きていかなければいけないといつも思っています。今回の試合もなかなか、タフな試合でしたが、12ラウンド、KO勝ちというのは非常に素晴らしかったなと思います。
村野会長とは、試合当日に電話で少しお話をしたり、メール等のやりとりをさせていただきましたが、相模原市民としての誇りですねって話をしましたら、中谷選手をはじめ皆さんとても喜ばれているという話を伺っており、本市にとっても非常にうれしい勝利でした。6月1日にホームタウンアスリート第2号として認定させていただくことになりますので、とても良いタイミングで、チャンピオンになっていただいて、大変うれしく思ってます。
(毎日新聞記者)
まさにグッドタイミングですが、6月1日というのは、このスケジュールの関係で、たまたまといったことでしょうか。
(市長)
もともとこの日を予定していて、もちろん試合が5月21日にあることは承知していましたが、帰国に要する期間も含めて、これはチャンピオンになってもならなくても、ホームタウンアスリートに認定しようと思っていましたので、当初の予定通りです。
ChatGPTについて
(毎日新聞記者)
ChatGPTについてですが、市長ご自身はChatGPTにご経験があるのかということと、それと、現時点でいろいろと弊害が指摘されておりますが、ChatGPTについてのご見解を伺いたいのですが。
(市長)
国でもデジタル庁や農林水産省、経済産業省が業務利用計画を策定されたと伺っていますし、神奈川県内の基礎自治体でも、横須賀市を皮切りに、今日の新聞を見ると厚木市もですね。それから、神奈川県もこれから利用に臨まれるということでして、私も関心を持っていたところです。私自身はあまり得意ではないのですが、どんなものか確認するため、10日ぐらい前に担当職員にChatGPTを目の前で実践してもらいました。まず、本当に見事な文章が出てくるのを見て、すごいなと感じたことと、業務負担の軽減に繋がる一つの大きな革命になるのかなと期待しております。ただし、例えば細かな新型コロナウイルス感染症の話や保健行政の話など、専門的な分野での活用には、まだまだ課題があるなということも感じましたが、一般的に使う様々な文書作成には、非常に役立てられるのかなと思っています。そのほか、情報漏えい等の課題もあると伺っておりまして、実は最初に私が経験をした際には、まだ活用に踏み切るのは難しいかという思いもあったのですが、担当のDX推進課において研究を進めていただいて、サーバーに情報が蓄積されない機能・サービスを利用することで、リスク管理が図れるということから、今回の実証実験に挑戦することになりました。まずは全職員ではありませんが、庁内で関心のある方を手挙げで公募して、取組を進めていきたいと思っております。実証実験では公開できる情報に限定して利用し、十分にリスクを理解しながら実施することで、この情報漏えいというものは、防げると思っています。
(毎日新聞記者)
ご自身は何かやったことは。
(市長)
私自身は直接利用したことはありませんが、目の前で職員に実践してもらう形で触れさせていただきました。
(神奈川新聞記者)
今の質問に関連してお伺いしたいのですが、県内でも幾つかの自治体が、実証実験のスタートを公表されていますが、相模原市として、今回、課題が払拭されたというお話もありましたが、このタイミングで実証実験に踏み切った主な理由を教えていただけますでしょうか。
(市長)
指定都市では確か6月から神戸市が導入すると伺っています。その中で、私たちもChatGPTが非常に気になっていて、さらにチャレンジする相模原に変えていこうという私の気持ちに応じて、担当のDX推進課が動いてくれました。やはり、最初はリスクの説明もあり、なかなか導入は難しいかという思いもあったのですが、その後、担当課で一生懸命研究してもらって、先ほどお話したように、情報漏えいの関係で、サーバーに蓄積されない機能・サービスを利用することでリスク管理ができるという方向性が見えてきたという報告を受け、それならば、少しでも職員の業務負担の軽減に繋がればという思いから、まずはチャレンジしていく気持ちで取り組んでみようとこのタイミングで決めました。市役所全体ではまだできませんが、まずは実証で使えるところで使っていきます。期待ともちろん若干の不安もありますが、しかし、心配ばかりしていても前に進んでいきませんので、まずやってみようということで、チャレンジしようと思いました。
(神奈川新聞記者)
実証実験の具体的な期間と、あと、庁内で公募をするということですが、これは何かチームのようなものを作られて実施するのか、もう少しそこら辺を具体的に教えてください。
(市長)
実証期間は当初半年ぐらいかなと思っていたのですが、今日の厚木市の発表を見ると3カ月でしたよね。今朝、市長公室長と実証期間の話をして、半年ということは抜きにして、もしかしたら、1、2カ月で実証が済むかもしれないし、もしかしたら8カ月かかるかもしれないけれど、まずは様子を見ながら期間を決めずにチャレンジしていこうと決めました。
(市長公室長)
チームについては、庁内で8,000人近くの職員がいますので、先ほど市長から話がありましたように、手挙げでチャレンジしたい人の公募を受けて、様々な分野で検索をかけてもらって、ChatGPTの使い勝手だとか、情報リスクだとか、そういった部分の分析をしていくのに役立てようと、そういう流れで、とりわけチームを作ってというのではなく、様々な分野から職員を募るという形になります。
(神奈川新聞記者)
そうすると公募してやりたいという職員が、実際にその文章作成とかで使ってもらって、かつ、組織的にリスクなど何があるかという検討をしていくということですね。
(市長公室長)
そのとおりです。自治体によっては、単なるアイデア出しだとか、或いは議会答弁や政策立案、広報の文書作成というような様々な場面で、様々な利用観点があると思うので、庁内公募にあたっても、様々な分野から広い視点で公募をして、広い範囲で利用の検証をしていかないと、先ほど市長から話がありましたように、何が危ないのか、どういったことに役立てるのか、非常に課題が出てくると思いますので、幅広い視点で議論を深めていきたいと思っております。
(市長)
本市では、公用文書やキャッチコピー、スピーチ等の文案作成での使用や、議事録の作成・要約などにおける活用を想定していきたいと思っています。
(神奈川新聞記者)
この件で、そのリスクというところで言うと、私も含めて、どこにそのリスクがあるのかということが、まだまだ、わからないこともあると思うのですが、その点、例えば組織で今後検討していく中で、ITの専門家に意見をいただくなど、外部の知見を取り入れるようなことは考えられていますか。
(市長公室長)
ChatGPTも含めて、情報ツールというのは日進月歩で発展しています。当然リスクについても様々な視点で様々な課題が出てくると思います。ですので、庁内公募で実証を集めた結果、リスクが想定される場合には、ご指摘のような専門家に相談するということもあると思いますし、日本全国で同じような状態で活用に向けて動いていますので、本市だけでリスクが生じるということは考えにくく、日本全国同様にリスクが生じたり、或いは日本全国で安全性が確認されたというものが出てきますので、先ほど市長から話がありましたように、期間を定めずに検討していくというのは、そういうことの意味が込められているということです。
(共同通信記者)
この資料を見ると、要するに運用の細かいところまではまだ決まってないのかなという感じですが、先ほどリスク管理の話で厚木の例なんかもありましたけれど、厚木は実施にあたって、利用のガイドラインというのを定めまして、こういうことに使うとか、こういうことはやらないとか、細かく定めているのですが、何かそういったものをお作りになるお考えはあるのでしょうか。それに従って運用基準とか。
(市長)
一定のルールのもとで取り組んでいかなければならないと思っていますので、今ご指摘いただいたように、ガイドラインの策定は、今回の試行的な活用の結果など踏まえながら検討を進めていきたいと思っております。
麻溝台・新磯野地区整備事業の和解調停について
(神奈川新聞記者)
続いて、6月の補正予算の関係でお伺いします。A&Aの特別会計で、今回、調停が和解に至るということで、4億円を上げられていますが、この事業はいろいろな経緯があって、清水建設が県の紛争審査会に調停を申請したのが令和2年7月ということで、この3年弱、審査会で争ってこられて、ようやく4億円で和解に至るということですが、ただ、市長としては今回和解に至ったことについてどのように受け止めていますでしょうか。
(市長)
令和2年3月に民間事業者包括委託契約を解除して以降、今、記者が言われたように、令和2年7月に、清水建設から神奈川県建設工事紛争審査会に調停が申請されて、約2年半の期間がかかってまいりました。これまで13回にわたる審理が行われてきた訳でありますが、ようやく和解の方向に来たことは、一つの結論だと思っています。当初は清水建設の22億円強の請求で、私どもの想定と額が随分違ったものでしたが、今回、妥当なところで調停の金額も収まったと思っていますので、今後、和解ができましたら、その後はまた清水建設とも、様々な関係を築いていかなければならないと思っていますので、一つの節目として、2年半がかかりましたが、方向性が見えてきて良かったと思っています。
(神奈川新聞記者)
市長がおっしゃったように、清水建設側は22億円を請求していて、今回4億円ということで、かなり開きがあって、この4億円の妥当性とか根拠というところで言うと、なかなか市民からはよくわからないなという受け止めになると思うのですが、審査会自体が非公開ということなので、なかなか難しいとは思いますが、4億円が妥当と市長が受け止められている根拠というのはどういうところなのでしょうか。
(市長)
先方の清水建設が22億円強請求してまいりましたが、もちろん私たちも庁内で、当時森副市長を先頭に山口都市建設局長、それから松枝所長と、ここまでは払えるという試算をしてきたので、今回示された4億円はその範囲内であったことから、私たちは妥当だと考えております。
(神奈川新聞記者)
たしか100条委員会等でもこの件に関してやりとりがあって、清水建設とは包括委託契約を結んでいましたが、ただ、予算は単年度ごとに積んで、それを支払うという形にしていたと思うのですが、今回その紛争審査会にかけられているのは、たしか平成30年度の委託費を巡って、双方の認識が違うということで、争いになったというように理解しているのですが、そういう理解でよろしかったかどうかというところをまず確認させていただいてよろしいですか。
(市長)
それで良かったと思います。
(神奈川新聞記者)
そうなると、平成30年度の包括委託費の、市の当初予算ではいくら計上していたのかということと、争いがあったので、翌年の決算期においては、どういう取り扱いをしていたのかということを教えていただけますか。
(都市建設局長)
平成30年度の予算につきましては、約8億8,400万円の予算が計上されておりました。決算額としましては、約3億1,600万円の30年度の決算額となっております。
(神奈川新聞記者)
3億1,600万円というのは、争いに差があって、基本的には言い分が異なってここまでになっている訳ですが、とりあえずその3億円分は支払ったということですよね。で、プラス4億円を今回、支払うということですよね。
(都市建設局長)
30年度の決算額につきましては、工事に着手する時に、前払い金という支払い制度がございまして、その当該年度にやる事業の4割までの額が前払い金として支払うことができますので、その支払いをしたのがこの決算額として計上しているものとなります。
(神奈川新聞記者)
この件を巡って、例えば清水建設については、指名停止などの措置は取っていないですよね。
(市長)
取っておりません。
八王子市・町田市・相模原市首長懇談会について
(神奈川新聞記者)
先日、八王子市と町田市と相模原市の市長懇談会の開催ということで記者発表を頂いたのですが、これは総務省の委託事業をすでに実施をして、その成果を踏まえて開催するということですけれども、実際にこの事業を実施して、どのような成果が得られて、一方でどういう課題が挙がって、今後、具体的にどういう連携をしていこうとお考えなのかを教えていただけますでしょうか。
(総合政策・少子化対策担当部長)
昨年度一年間かけまして、八王子市と町田市と相模原市で検討してまいりました。テーマを「公共施設の利用」、「産学官連携」、「3市の未来予測に向けた課題」の3つに絞り、それぞれのテーマごとに各市の担当者でワーキング等を作って議論し、そこでの共通の課題などを抽出してきました。やはり隣接する3市では、似たような課題がありましたので、その辺を共有したというところです。今回の3首長懇談会では、共通課題の認識の共有を図った上で、今後、それぞれの分野においての検討を深掘りしていくかどうかというところの意見交換をしていきたいと思っております。
(神奈川新聞記者)
今おっしゃったように3つの大きな議題でということですが、例えば公共施設の共同管理という観点から、市長として3市に共通する課題は例えばこういうところにあって、こういう連携をすれば、もっとこういう効果が上がるとか、その辺り、現時点で認識としてある部分があれば教えていただきたいのですが。
(市長)
例えば町田市とは、図書館の相互利用や病児・病後児保育など、様々な連携をしています。やはり市内でも、特に南区の人たちは、経済圏が町田市という方も多いと思いますし、逆に緑区の人たちは、経済圏は町田市よりも八王子市に行くというケースも聞きますから、経済の流れとか観光、こういったところで連携できるのかなと思っています。特に境川を一つ挟んで、本市と町田市という都県境となっておりますが、東京都が小池知事の施策で、2歳までの第二子保育料の無償化とか、18歳以下に月5,000円の給付を行うなど、都と県での支援の違いもあります。私は転入超過の話をよくするのですが、0歳から14歳の転入超過でいうと、八王子市が令和4年約700人で、全国6位、町田市の転入超過が約1,000人で全国2位となっています。私ども相模原市は転入超過200人弱で全国59位です。こうした中でやはり子ども政策、子育て政策においても、八王子市、町田市の良いところを私たちも見習わせていただきたいと思っていますし、教育連携なども、例えばこれは東京都の話でもありますが、藤野や相模湖地区にお住いの子どもたちが都立高校に行きたいという声を聞くのですが、そこのハードルがまだ高いようでありますので、そういった教育や子育ての連携もしながら、様々な面で私たちも学ばせていただかなければならないと思っています。経済・観光を中心に、子育て・教育、この分野まで広げていきたいと考えております。今年も実際に観光の連携で、八王子市とは人的な交流を始めていますので、積極的に今後も展開していきたいと思います。
(神奈川新聞記者)
今市長にいろいろと挙げていただいたのですが、広域連携の取組って全国様々な都市ですでにいろんな取組が行われていて、多分その中身次第で、中身のあるものにもなれば、やはりすごくフワッとした、言葉だけの連携だと、それで終わってしまう懸念も実際にあって、3市、この八王子市と町田市はかなり事務方レベルでは長い連携の模索をしてきたと聞いているのですが、実際に具体化しないと、やはり絵に描いた餅で終わってしまうと思います。折角トップが会談するのであれば、もうちょっと具体性を持った話が出ると良いなと期待して質問したのですが、その辺りは現時点でどうでしょうか。
(市長)
市長になって4年間で感じたことは、町田市、八王子市は都県境を越えていますが、とても近い隣接基礎自治体でありながら、非常に距離感を感じていました。しかしながら、この町田市、八王子市との連携の中で、かなり関係が良好になってきたのではないかと思います。それは私の率直な思いでありまして、なかなか1期目の4年間、そういった議論ができなかったということもありまして、今後2期目の4年間においては、町田市、八王子市と積極的に、もっと具体なお話ができるように努めていきたいと思います。
また、事務方レベルでどんなに議論しても、やはりトップ同士が尊敬し、尊重し合わなければ、なかなか前に進まない部分だというふうに思っていますので、そういった点では、両市の市長は、大先輩でもありますので、私自身も頭を下げていろいろ教わって、そして八王子市・町田市・相模原市の三者で、都県境を越えた連携、例えば、脱炭素の取組を都県境を越えて連携していくなど、今後考えられるのではないかと思っています。ようやく、少しずつ市長同士の顔が見える連携ができつつあると思っていますので、これからの4年間はしっかり踏み込んでお付き合いしていきたいと思います。
(神奈川新聞記者)
市長はさっき観光というキーワードも挙げられましたが、リニアの新駅が建設されることを考えると、八王子市、町田市はその圏域になるわけで、観光においてもかなり面白い取組ができて、かつ、相模原市に人を呼び込める材料になるのではと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
(市長)
神奈川県唯一のリニア中央新幹線の新駅ができる中で、約280万、都民、県民をエリアにしたような、首都圏南西部の大きな拠点になると思っています。そういう中で、先々週だったと思いますが、日野市と多摩市にアポイントなしで突然お邪魔して挨拶に行ってきました。立川市にも伺い、残念ながら立川市長にはお会いできなかったんですが、今後は、八王子市・町田市を越えて多摩方面も含めて、もっと広い圏域で、皆さんと関係を持っていかないといけないと思っています。それは山梨県でも同じで、上野原市や道志村を始め、様々なところに、私は待つのではなく、出向く行政に変えていかなければならないと思っていますから、それは職員だけではなく、私自身も、出向く行政に変えて取り組んでまいります。例えば総務局長と、1カ月ぐらい前になりますが、職員300人台の都留市で、86人が新型コロナウイルス感染症の陽性になられたというネットニュースを見て、私どもの方から電話をして、これまでお会いしたことはなかったのですが、お近くの自治体ということで何か私たちにお手伝いできることがあればとご連絡をさせていただきました。結果的に、ネットニュースに出た時には大分落ち着いた状況であったようで、大丈夫ですという話をいただいたのですが、今後、黙って待つのではなく、そういった困っている近隣自治体があったら声をかけていくとか、私どもの方から動いてお付き合いしていかないと、なかなか広域的な連携はできないと思いますので、2期目は攻めの自治体に変えていきたいと思います。
橋本駅周辺のまちづくりについて
(毎日新聞記者)
リニアの関連から大西大通り線のことで、反対の住民の方々が市長に対面で膝を交えてお話ししたいとおっしゃっていますが、このことについてどのようにお考えでしょうか。
(市長)
私は4年前の初当選の時もそうだったのですが、あの時は、相原高校跡地のクスノキに関して、保存していただきたいという団体の皆さんとお会いしてきましたし、顔の見える市長と自分で言っておりますから、あらゆる皆さんと膝を突き合わせた対応をしていかなければいけないと思っています。今回、確か、要望書をお預かりしていますので、担当課から、まずはご説明させていただきたいというお返事をしたのではないかと思います。今後、私自身がその方々とお会いして議論していく予定も考えておりますので、引き続き、大西大通り線に限らず、南市民ホールの関係もそうですが、常々どんな事業においても、市民の皆様から慎重とか反対というご意見がある中で、賛成の人とだけ会うのではなく、慎重や反対の方ともしっかりと膝を突き合わせて会っていく姿勢というのは必要だと思っています。そうやって会うことによって私自身も考えがもしかしたら変わることもあるだろうし、また自分自身も初心を忘れずに対応しなければいけませんから、会えない市長ではなくて、市民が希望したら会える市長だということをしっかりここは発信していきたいと思います。お会いしてお叱りいただくこともあるかもしれませんが、今後、私自身、いろんな場面で、いろんな方々と、対面し膝を突き合わせていきたいと思います。
子どもたちからの意見について
(朝日新聞記者)
所信表明に書いてあったことに関連してお尋ねします。淵野辺駅南口の再整備の件です。先日、大野北中学校の中学一年生のところに役所の方が出向かれて、ワークショップとかを開かれたのですが、そういう子供たちから地域の課題解決の意見を求めるという手法は大変面白かったのですけれど、この手法について、市長がどのようにこれを活用したいとお考えか、あとは他の様々な市の都市計画やまちづくりで、こういった方法を今後もやっていくお考えはあるのか、お聞かせください。
(市長)
職員の研修も私はほぼ全て出て市長講話をしており、今朝も講話を行ってきたのですが、例えば、20代30代の職員の皆さんにお話しするのは、私も永久の市長ではないということです。皆さんはこれからまだ30年長い人は40年、この市役所で、おそらく何代もの市長のもとでお仕事されると思いますが、常に自分の考えを持って、こんな街にしていきたいんだという想いをしっかり発信してくださいと話しています。私は子どもたちに、名刺くださいってお祭りなどで言われてお渡しするときに、相模原市に居続けてねって、いつも一言伝えています。住んで良かった街として本市にずっと住み続けて欲しいなと思っています。私たちもそういうふうにまちづくりを考えていかなければいけないと思うので、子供たちの発想や意見は、今後も非常に重要な部分を占めてくるのではないかと思っています。私たちはいずれ、先に引退するなり、また違う世界に進むのでしょうけれども、お子さんたちというのは、これからもしかしたら私と会ったことによって、10年20年先に市の職員になっていたりするかもしれないし、相模原市の大きな事業に携わる方、もしくは相模原市で地域経済を支えるような、例えばパン屋さんをやっているとか、いろんなことがあるかもしれません。私がうれしかったのは、市長になる4年前だったと思いますが、自分が小学生のときに、本村さんからこれもらったんですと言って、もう20年ぐらい前の当時県会議員だった時の私の名刺を財布の中から見せてくれた職員がいて、子どももやっぱりすごいんだなあと思いました。実は職員からのこうした話は、1人だけではなく、2人から言われたことがあるんです。ですから、子どもだからどうだという話ではなくて、やはり子どもでも真剣に向き合って対話していくことが大事だし、子どもの発想、これを形にしていきたいと思います。私は市内の認定こども園などの卒園式にも伺っているのですが、その時に、小学校入学前の未就学児の子どもたちが自分の将来の夢を語るんです。その将来の夢を聞くのがいつも楽しみで、卒園式に行っていたのですが、昨年度も3月に聞かせてもらって、そういう頑張る人たちを応援していきたいし、今後もなるべく多くの子どもたちの声を拾い上げていきたいと思います。例えば、ここで小山ニュースポーツ広場の全面改修や、相模原麻溝公園に初級者向けスケートボードエリアの整備を行います。私自身はスケートボードや3on3バスケもやったことはないのですが、子どもたちから地域を歩いていて色々な話をいただきました。こうした子どもたちの声を形にしたいと思って、例えばバスケットコートは1期中に5基増設しましたし、スケートボードパークも全面改修を令和7年度の完成を目指して進めていますし、今年度中にはさっき言った初級者向けスケートボードエリアも整備予定です。今後も子どもとの対話、子どもだからと軽んじるのではなく、同じ対等の立場でお話をして、いただいた意見を形にしていきたいと思っています。
※質疑応答中の重複した言葉づかいや明らかな言い直しなどは、整理した上で掲載しています。
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