喫煙による健康への影響
たばこの煙と有害物質
たばこの煙は、三大有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素や約70種類の発がん性物質など、約5,300種類の化学物質を含んでいます。
三大有害物質
ニコチン
- 依存症を引き起こす原因物質。麻薬と同程度の依存性の強さがある。
- 強い血管収縮作用があり、毛細血管を収縮させ血圧を上昇させる。
- 歯ぐきの血管を収縮させるため、歯ぐきに十分な酸素や栄養がいきわたらなくなり歯周病が進行する。
タール
- たばこから出る化学物質の総称であり、たばこのヤニにあたる成分。
- 発がん性物質が数多く含まれている。
- 歯を茶色く変色させたり、肺を黒く変色させる。
一酸化炭素
- ヘモグロビンと強く結びつき、酸素を運ぶ機能を阻害して酸素欠乏を引き起こす。
喫煙者本人の健康への影響
喫煙はがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しています。喫煙しないことで、多くの病気が予防できます。
また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。
- 厚生労働省 喫煙者本人への健康影響について(外部リンク)
- e-ヘルスネット 喫煙者本人の健康影響(外部リンク)
- 患者の90パーセントが喫煙者。慢性閉塞性肺疾患(CОPD)
- たばこを吸ってはみたけれど…(PDF 1.2MB)
「噛みたばこ」、「嗅ぎたばこ」について
「噛みたばこ」、「嗅ぎたばこ」は煙が出ない無煙たばこと呼ばれるたばこの一種です。「噛みたばこ」は処理した葉たばこに甘味料や香料を加えて加工したたばこを頬に含んだり、噛むことにより使用します。また、「嗅ぎたばこ」は鼻腔内に乾燥嗅ぎたばこを塗りつける、又は、吸い込む、もしくは口腔内で頬の内側と歯肉の間に湿性嗅ぎたばこを入れて使用します。
煙の出ない「噛みたばこ」及び「嗅ぎたばこ」にも、紙巻きたばこによる喫煙と同様に、発がん性や依存性といった健康への悪影響があり、特に、これまでの疫学研究により、口腔がん、鼻腔がん等との関連が指摘されています。
妊娠中の健康への影響
妊婦の喫煙による流産、早産、低出生体重児などの発生率が上昇することも報告されており、妊娠中の喫煙が胎児の発育に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
禁煙のコツ~たばこをやめたいと思っているあなたへ~
たばこに含まれるニコチンは、麻薬と同程度の依存性の強さがあります。禁煙できないのは個人の意志だけの問題ではありません。
禁煙は失敗を重ねながら、自分に適したコツを習得することで成功に結びつきます。失敗してもあきらめずにチャレンジしましょう!
禁煙のコツ
失敗を恐れない
禁煙は失敗しても失うものはありません。禁煙に失敗したからといってその瞬間に病気になったりする訳でもありません。失敗を恐れず「とりあえずやってみる」という気持ちで気楽に実施しましょう。禁煙を生涯成功させる人の多くは、何度かの失敗を繰り返しています。禁煙は自転車の練習と同じで、何度も失敗しながら何が悪かったのかを学び、上手にできるようになっていくものです。今までに失敗の経験のある人は、それだけ禁煙のゴールは近いと思いましょう。
禁煙を始める日を決める
- 休日に喫煙本数が多い人は仕事のある日から、逆に職場で多く吸ってしまう人は休日から始めるとよいでしょう。
- 禁煙開始日を決めたら、カレンダーに○をつけたり禁煙宣言書を作り見やすい場所に貼ったりすると禁煙開始への意欲が高まります。
- 自分がなぜ禁煙したいのか理由を書いておくことで、禁煙開始後に辛くなったときでも、決意を再確認することができます。
吸いたくなったときの対処方法を考えておくなど
禁煙開始後2~3日をピークに禁煙の離脱症状(禁断症状)が現れます。その後個人差はありますが、症状は緩やかに10~14日ごろまで続きます。この離脱症状(禁断症状)には、いくつか種類があります。
離脱症状の例
- たばこが吸いたい!という欲求
- 眠気
- イライラして落ち着かない
- 頭痛
- からだがだるい
禁煙開始後数日間は「たばこが吸いたい!」という気持ちが1日数回出現することがあります。そんなときにどんな対処をしたらたばこを吸わないでいられるかを事前に考えておくことで、吸いたい気持ちをコントロールすることが可能になります。
たばこを吸いたい気持ちは1日中ずっと続くわけではありません。長く続いても3分~5分です。たばこを吸いたくなる場面を手帳に書き出し、そのときにたばこを吸うこと以外で可能な3~5分の行動や、たばこの代わりになるものを事前に考えておくなどすることで、急な喫煙欲求にも対処が可能になります。
たばこを吸いたくなる場面 |
代わりになる行動 |
---|---|
朝起きてすぐ |
すぐに顔を洗う |
食事の後 |
歯磨きをする |
コーヒーと一緒に |
コーヒーを紅茶に代える |
通勤中の車の中 |
深呼吸をする、大声で歌う |
仕事の休憩時間 |
職場の人に禁煙宣言をする |
飲酒時 |
冷水を一緒に置いておき吸いたくなったら飲む |
禁煙のサポートを利用する
保健所では保健師が禁煙のサポート(禁煙チャレンジコース)をしています。
禁煙補助薬を使用する
医療機関で禁煙治療(禁煙補助薬の使用など)を受けることで、離脱症状が抑えられ、自分の力だけで禁煙するよりも成功率が高まります。
※健康保険が適用されるには、一定の条件を満たしていることが必要です。詳細は医療機関にお問い合わせください。
禁煙の効果
禁煙の効果は、最後の1本を吸い終わってから短時間で現れます。再度吸い始めると効果はなくなってしまいますが、禁煙を続けて5年から9年後には肺がんのリスクが低下します。禁煙は何歳から始めても遅すぎることはありませんが、早めに始めるとその効果はより大きいです
参考 生活習慣病予防のための健康情報サイト(厚生労働省)
未成年者の健康への影響
未成年者の喫煙は法律で禁止されています。
たばこには依存性があり、喫煙開始年齢が低ければ低いほど健康への悪影響が大きく現れるという問題があります。青少年期に喫煙を開始すると、成人後に喫煙を開始した場合に比べて、がんや虚血性心疾患などの危険性がより高くなります。また、「平成10年度喫煙と健康問題に関する実態調査」(厚生労働省)によれば、吸い始める年齢が若いほどニコチンへの依存度が高い人が多くなるという報告が出ています。
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