ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物について
PCB廃棄物の基礎知識
PCBとは
水に極めて溶けにくく、沸点が高いなどの性質を有する主に油状の物質です。
熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定していることから、電気機器(トランスやコンデンサ等)の電気機器の絶縁油、熱媒体として使用されてきましたが、現在では製造・輸入ともに禁止されています。
PCBの毒性
昭和43年に健康被害を発生させた「カネミ油症事件」による中毒症状など健康被害が問題となり昭和47年からPCBの新たな製造は禁止され、昭和49年6月からは、その製造・輸入等が事実上禁止となりました。
PCB廃棄物の処分
神奈川県内におけるPCB廃棄物処分期間
- 高濃度PCB廃棄物(トランス、コンデンサ等)・・令和4年3月31日まで(特例処分期限日 令和5年3月31日まで)
- 高濃度PCB廃棄物(安定器等・汚染物) ・・令和5年3月31日まで(特例処分期限日 令和6年3月31日まで)
- 低濃度PCB廃棄物 ・・令和9年3月31日まで
PCB廃棄物(使用中含む)の処理方法
PCB廃棄物は、PCB濃度により高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類されます。
高圧変圧器・コンデンサー等の高濃度PCB廃棄物は中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で処理を行っています。低濃度PCB廃棄物については環境大臣が認定する無害化処理認定施設及び都道府県知事等が許可する施設で処理を行っています。
高濃度PCB廃棄物処理までの流れ
1 市へ保管状況等届出書【様式第一号】を提出
2 中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)へ機器登録
3 JESCOと処分委託契約の締結
4 収集運搬業者と委託契約の締結
5 処理(運搬⇒処分⇒最終処分完了)
6 市へ廃棄終了届出書【様式第四号】を提出
高濃度PCBの処理
高濃度PCB廃棄物については、JESCOで処理を行っています。JESCOに処理委託を行う場合、あらかじめ3キログラム以上の変圧器・コンデンサー等にあっては機器等登録、3キログラム未満の小型電気機器、安定器、汚染物等にあっては搬入荷姿登録を行う必要があります(使用中であっても登録は可能です。)。
高濃度PCBの運搬
PCB廃棄物の収集運搬業許可を取得している業者に委託しなければなりません。
PCB廃棄物を他人に委託して移動させる場合は、PCB廃棄物の積込み及び積下し場所を所管する※自治体のPCB廃棄物収集運搬業許可を取得している業者に委託する必要があります。
また、高濃度PCB廃棄物処理施設であるJESCOの処理事業所に搬入する場合は、PCB廃棄物収集運搬業の許可及びJESCOの入門許可を取得している※業者に委託する必要があります。委託契約の締結、マニフェスト(伝票)の交付・保存(5年間)、搬出の立ち合いが必要です。
低濃度PCB廃棄物処理までの流れ
1 市へ保管状況等届出書【様式第一号】を提出
2 無害化処理認定施設もしくは都道府県知事等の許可を有する業者と処分委託契約の締結
3 収集運搬業者と委託契約の締結
4 処理(運搬⇒処分⇒最終処分完了)
5 市へ廃棄終了届出書【様式第四号】を提出
低濃度PCBの処理
低濃度PCB廃棄物の処理はJESCOではなく、民間の処理事業者により行われています。
低濃度PCB廃棄物の処理事業者は、環境大臣が個別に認定する無害化処理認定事業者と都道府県市の長からPCB廃棄物に係る特別管理産業廃棄物の処分業許可を得た事業者があります。
低濃度PCB廃棄物についても計画的に、これらの事業者に委託して処理してください。
無害化処理事業者の連絡先等は環境省の以下のホームページで紹介していますので、個別にお問い合わせください。
低濃度PCBの運搬
PCB廃棄物の収集運搬業許可を取得している業者に委託しなければなりません。
委託契約の締結、マニフェスト(伝票)の交付・保存(5年間)、搬出の立ち合いが必要です。
PCB処理に係る補助制度
高濃度PCB廃棄物の処理に係る補助制度
- 現在、高濃度PCBに係る分析費、収集運搬費及び処分費に関する相模原市独自の補助制度はありません。
低濃度PCB廃棄物の処理に係る補助制度
- 現在、低濃度PCBに係る分析費、収集運搬費及び処分費に関する相模原市独自の補助制度はありません。
PCB廃棄物の分類
PCB廃棄物は、廃PCB油、PCB油を封入している電気機器、PCB油が付着した容器やウエス等の汚染物があります。また、濃度により高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に大別されます。
高濃度PCB廃棄物はPCB濃度が0.5%(=5,000mg/kg)を超えるものとなります。高圧変圧器・コンデンサー等の高濃度PCB廃棄物は中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で処理を行っています。
低濃度PCB廃棄物はPCB濃度が0.00005%(=0.5ミリグラム/キログラム)から0.5%(=5,000mg/kg)以下のもので、環境大臣が認定する無害化処理認定施設及び都道府県知事等が許可する施設で処理を行っています。
PCB廃棄物は、PCB濃度等により、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類され、それぞれ処理先が異なります。
高濃度PCB廃棄物 | 低濃度PCB廃棄物 | |
---|---|---|
PCB濃度 | 5,000mg/kgを超えるもの | 0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下のもの |
判別方法 | 銘板に記載されているメーカー、型式、製造年月等から確認 | PCB濃度分析から確認 |
処理先 | 中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO) | 無害化処理認定施設等 |
PCB含有機器の判別
(PCBを含む電気機器への対応情報)
(安定器等PCB使用照明器具に関する情報)
(PCB使用照明器具のLED化補助金制度)
(PCBを含むX線機器等に関する情報)
- 医療用X線発生装置
- 工業用X線発生装置
- 溶接機
(PCB濃度分析業者の紹介)
PCBの用途
トランス:交流の電圧を変える機器
コンデンサ:電気を一時的に蓄える、電圧を調整する、位相を変化させる、といった効果を持つ機器
安定器:蛍光灯器具などの放電を安定させるための機器
※一般家庭用の蛍光灯器具にはPCBは使用されていません。
さらに上記以外にも様々な用途で使用されていました。
用途 | 製品例・使用場所 |
---|---|
絶縁油(変圧器用) | ビル・病院・鉄道車両・船舶等の変圧器 |
絶縁油(コンデンサー用) | 蓄電用コンデンサー、蛍光灯の安定器 |
熱媒体(加熱用、冷却用) | 各種化学工業・合成樹脂工業等の諸工業における加熱と冷却 |
潤滑油 | 高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油 |
可塑剤(絶縁用) | 電線の被覆・絶縁テープ |
可塑剤(難熱用) | ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂 |
可塑剤(その他) | ニス、ワックス・アスファルトに混合 |
感圧複写紙、塗料・印刷インキ | ノンカーボン紙、印刷インキ、難燃性塗料、耐食性塗料 |
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