飼養管理基準について
「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」(飼養管理基準に関する省令)が制定され、令和3年6月1日から施行されました。
詳細は、環境省ホームページをご確認ください。
対象及び施行期日等
全ての第一種動物取扱業者、第二種動物取扱業者が対象ですが、犬猫を取り扱う事業者に対して新しい規定が設けられました。
【令和3年6月1日施行】(一部の規定については経過措置等が設けられています。)
※既存事業者(令和3年5月31日までに登録されていた事業者)の方についても、事業所の移転、営業所の変更(個人から法人営業への切替え等)、種別の追加登録等により新規登録を受ける場合は、改正内容を満たす必要があります(一部を除く)ので、事前にご相談ください。
環境省ホームページで、基準の考え方や基準を満たす状態等を分かりやすく示した「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」が公開されています。併せてご確認ください。
犬猫以外の哺乳類、鳥類、爬虫類の基準については、環境省が今後検討を進めることとしています。
犬猫を取り扱う事業者に対する新たな規定
1 ケージ等の基準
飼養施設、設備の大きさや構造【既存事業者は令和4年6月1日から適用】
(1)運動スペース分離型又は(2)運動スペース一体型のどちらかを満たすことが必要です。
傷病動物を飼養保管する場合又は動物を一時的に保管する場合等の特別な事情がある場合を除きます。
(1)運動スペース分離型
(寝床や休憩場所のケージ)+(運動スペース)の両方が必要です。
基準となるケージの大きさ
- 床面積 長辺が体長の2倍以上で短辺が体長の1.5倍以上
- 高さ
- 犬の場合 体高の2倍以上
- 猫の場合 体高の3倍以上(1つ以上の棚を設け、2段以上の構造)
複数飼養する場合は、各個体の広さの合計面積と、最も体高が高い個体の上記高さを確保する必要があります。
運動スペースの広さ
(2)運動スペース一体型のケージと同サイズ以上の面積が必要です。
- 1日3時間以上運動スペースに出して運動させることが必要です。
- 常に運動することができる状態を保ってください。屋外にある場合は、遮光のため又は風雨を遮るための設備が必要です。
体長、体高のイメージ
- 体長:胸骨端から坐骨端までの長さ(胸からお尻まで)
- 体高:地面からキ甲部までの垂直距離(地面から肩の上端まで)
運動スペース分離型のイメージ図
(2)運動スペース一体型
(寝床や休息場所)と(運動スペース)が一体型のケージ等
基準となるケージの大きさ
- 犬の場合
- 床面積 運動スペース分離型のケージサイズの6倍以上
- 高さ 体高の2倍以上
- 猫の場合
- 床面積 運動スペース分離型のケージサイズの2倍以上
- 高さ 体高の4倍以上 2つ以上の棚を設け、3段以上の構造
複数飼養する場合など
- 犬を複数飼養する場合:(床面積)運動スペース分離型の広さ3倍×頭数分と最も体高が高い犬の体高の2倍以上
- 猫を複数飼養する場合:(床面積)運動スペース分離型の広さ×頭数分と最も体高が高い猫の体高の4倍以上
- 繁殖時:親子当たり上記の1頭分の面積(繁殖時は親子以外の個体の同居は不可)
運動スペース一体型のイメージ図
猫の体調及び体高が30センチメートルの場合
- (床面積)運動スペース分離型のケージサイズの2倍以上×高さ(体高の4倍以上)
- 2つ以上の棚を設け3段以上の構造
ケージ等及び訓練場の構造等の基準
金網の床材使用は禁止されました。(犬又は猫の四肢の肉球が傷まないように管理されている場合を除く)
ケージ等及び訓練場に錆、割れ、破れ等の破損がないようにしてください。
2 従業員の員数
従業員1人当たりが飼養保管する犬又は猫の頭数の上限(既存事業者は段階的に適用)
犬:1人当たり20頭(うち繁殖犬15頭)が上限
猫:1人当たり30頭(うち繁殖猫25頭)が上限
- 「親と同居している子犬・子猫」と「繁殖に使用することをやめ、販売の用に供しない犬猫」は頭数に含めません。
- 犬と猫の両方を飼養保管する場合の従業員1人当たりの上限は、以下をご覧ください。
既存事業者は、経過措置により段階的に適用し、第一種動物取扱業は令和6年6月1日に完全施行し、第二種動物取扱業は令和7年6月1日に完全施行します。
第一種動物取扱業
施行日 | 犬 カッコ内は繁殖犬 | 猫 カッコ内は繁殖猫 |
---|---|---|
令和3年6月 | 経過期間 | 経過期間 |
令和4年6月 |
30頭(25頭) | 40頭(35頭) |
令和5年6月 |
25頭(20頭) | 35頭(30頭) |
令和6年6月 |
20頭(15頭) | 30頭(25頭) |
第二種動物取扱業
施行日 | 犬 カッコ内は繁殖犬 | 猫 カッコ内は繁殖猫 |
---|---|---|
令和3年6月 | 経過期間 | 経過期間 |
令和4年6月 | 経過期間 | 経過期間 |
令和5年6月 |
30頭(25頭) | 40頭(35頭) |
令和6年6月 |
25頭(20頭) | 35頭(30頭) |
令和7年6月 |
20頭(15頭) | 30頭(25頭) |
3 飼養環境の管理
飼養施設に温度計・湿度計を設置してください。
低温・高温により動物の健康に支障が生じるおそれがないように管理してください。
臭気により飼養環境、周辺環境を損なわないよう清潔に保ってください。
季節に応じ、自然採光又は照明により、採光を調整してください。
4 動物の疾病等に係る措置
1年以上継続して飼養又は保管を行う犬又は猫については、年1回以上の獣医師による健康診断を受けさせ、診断書を5年間保存してください。
繁殖を行う個体は、帝王切開を行う場合は、獣医師に行わせるとともに、出生証明書並びに母体の状態及び今後の繁殖の適否に関する診断書の交付を受け、5年間保存してください。
5 動物の展示や輸送方法の基準
犬又は猫を長時間連続して展示する場合は、休息できる設備に自由に移動できる状態を確保してください。それが困難な場合は、展示時間が6時間を超えるごとに、その途中に展示を行わない時間を必ず設けてください(販売業者、展示業者)。
飼養施設に輸送された犬又は猫については、輸送後2日間以上その状態(下痢、おう吐、四肢の麻痺等外形上明らかなものに限る)を目視によって観察してください(販売業者、展示業者、譲渡業者)。
6 繁殖できる回数、繁殖の方法等(販売業者、貸出業者、展示業者)【令和4年6月1日施行】
令和3年6月1日から生涯出産回数の繁殖台帳への記入が義務化されました。
雌の交配年齢、出産回数にかかる規定は、令和4年6月1日から適用されます。
- 犬:雌の生涯出産回数は6回まで、交配時の年齢は6歳まで。
ただし、7歳に達した時点で生涯出産回数が6回未満であることを証明できる場合は、交配時の年齢は7歳まで。 - 猫:雌の交配時の年齢は6歳まで。
ただし、7歳に達した時点で生涯出産回数が10回未満であることを証明できる場合は、交配時の年齢は7歳まで。
7 その他動物の管理に関する事項
犬又は猫を飼養又は保管する場合には、被毛に糞尿等が固着したり、体表が毛玉で覆われていたり、爪が異常に伸びていたり、その他健康や安全が損なわれるおそれのある状態にならないようにしてください。
また、常に清潔な水が飲めるようにしてください。
運動スペース分離型飼養等を行う場合、犬又は猫を1日3時間以上運動スペース内で自由に運動できるようにしてください。
散歩、遊具を用いた活動等を通じて、犬又は猫との触れ合いを毎日行ってください。
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