生活保護の自立支援について
生活困窮の背景には、安定した雇用の減少や勤労世代の所得の低下のほか、若年無業者、ひきこもり、不登校・高校中退、家庭環境の影響や高齢化、核家族化などによる孤立、子どもの貧困の連鎖といった様々な要因から生活困窮者を取り巻く環境は変化している状況にあります。
また、生活保護制度を利用している世帯の中には、傷病・障害、精神疾患等による社会的入院、DV、虐待、多重債務、元ホームレス、社会的きずなの希薄など多様な課題を複合的に抱えており、これらの状況は保護の受給期間の長期化にも繋がる要因ともなっています。
生活保護制度を利用する世帯が増加していく中で、経済的給付として保護費を支給するだけでは世帯の抱える様々な課題への解消は難しく、自立に繋がりにくいのが現状であることから、国では自立・就労を積極的かつ組織的に支援する仕組みとして「自立支援プログラム」の導入を推進されており、本市においても国が策定した「自立支援プログラムの基本方針」(厚生労働省社会・援護局長通知)を踏まえ、個々の状況に即したプログラムを策定しながら、生活保護制度を利用している人の自立を促進しています。
生活保護制度を利用する人の抱える課題が多様化(複合的)している状況を踏まえ、就労意欲の喚起を図りながら就労支援の一層の充実・強化に取り組むとともに、子ども・若者への学習支援・学びなおし、社会性や他者との関係を育むための支援、ボランティア活動や就労体験等の提供を通じた社会生活や日常生活能力の向上等への支援など、個々の被保護者の状況に合った自立支援の充実を図り、新たな施策の生活困窮者の自立支援と一体的に推進していきます。
また、適正な保護の実施に当たっては、不正受給の未然防止や医療扶助の適正化に取り組んでいくとともに、業務運営においては、生活保護を受給している人への適切な支援を実施するための職員研修の充実、組織的な運営管理や実施体制の充実を図っていきます。
就労支援
保護の実施機関(福祉事務所)が就労可能と判断する生活保護制度利用者の就労に向けた支援を行います。
ケースワーカーと連携して、社会福祉士等の資格を有する自立支援相談員が就労に関する相談・助言や履歴書の書き方、面接の受け方等の支援を行うとともに、ハローワークや市就職支援センターとの連携により職業紹介を行います。
※中央区、南区の自立支援相談窓口には、ハローワークによるジョブスポットを併設して職業相談・紹介を行っています。緑区の自立支援相談窓口では、市総合就職支援センター内での連携を図っています。
就労準備支援事業 (就労体験・社会参加等支援事業)
「仕事がなかなか見つからなくて自信がない」、「社会との関わりに不安がある」、「他の人とのコミュニケーションが上手くとれない」など、すぐに就労することが難しい人には、ボランティア活動や就労体験等を通じて、一般就労に向けた基礎能力を養いながら就労に向けた支援や就労機会の提供を行います。
子どもの学習支援と若者自立サポート事業
生活困窮世帯や生活保護世帯の小学校6年生から高校生までを対象に、週1回の勉強会や進路相談を行うほか、身近な相談相手となることで子供たちの学習意欲の向上や社会性の育成に向けた支援を行います。
また、商店街の空き店舗等を活用して、不登校、高校中退者や定時制、通信制高校に通う子供たちを支援するための居場所を設置し、学習支援のほか、コミュニケーション能力の向上、社会性の育成に向けた支援などを行います。
高校生支援
ケースワーカーが、高校生を世帯員にもつ家庭に対して、通学や就職等に関する支援を行ない、生活保護世帯の自立を助長します。
また、子ども・若者自立サポート事業により社会的な居場所づくりを支援します。
健康管理等の日常生活支援
看護師等の免許を有する自立支援相談員により、生活習慣に不安のある人、心身の健康を損ないつつあり社会生活とのつながりに乏しいと思われる人、健康管理面で課題を抱える人などに対して、居宅生活の維持・継続に向けての支援を行います。
精神障害者退院促進支援
精神福祉士の資格を有する自立支援相談員により、精神疾患による社会的入院患者の退院に向けて、利用者の事情と希望に即した具体的な支援計画の立案を行い、利用者に応じた地域生活への移行をめざすための支援を行います。
また、居宅での生活を送っている精神疾患者に対する生活上の助言等を行い、自立を支援します。
居宅生活移行支援
ケースワーカーと精神保健福祉士や看護師等の資格を有する相談員の連携により、無料低額宿泊所の入居者に対して、生活上の助言、就労支援、居宅生活への移行を柱に自立に向けての支援を行います。
債務整理支援
ケースワーカーが専門機関と連携して債務解消のための助言や相談等を行うことにより精神的な不安を和らげながら安定した生活や自立を支援します。
年金受給への支援
年金に精通した自立支援相談員を配置し、資格調査や相談などにより、年金受給資格の存否や不足分に対する可能な要件等を確認し、裁定請求の手続き等を含めて自立を支援します。
障害者自立サポート事業
精神障害者保健福祉手帳所持者、自立支援医療受給者または精神科に通院・服薬をしている人を対象に、ケースカンファレンス等を通じて、専門機関において対象者の課題整理を行い、相談支援、家事及び金銭管理等の生活支援講座、仲間づくりや暮らしの情報提供など、日常生活の自立、社会的な自立に向けた自立を支援します。(南区)
高齢者世帯等自立サポート事業
家庭訪問を充実してきめ細やかな生活の見守りを行うことにより、早期に生活課題を発見・解消しながら、対象者が地域で安心して居宅生活を送ることができるよう、訪問等による相談支援、生活課題の解消に向けた支援、社会参加に向けた支援を通じて、安定した日常生活の継続を支援します。
就労訓練事業
すぐに一般就労することが難しい人のために、その人に合った作業機会を提供しながら、一般就労に向けた支援を中・長期的に実施します。
(就労訓練事業所として生活困窮者自立支援法に基づき認定を受けた事業所での就労訓練)
その他の支援
これらの支援のほか、個々の状況に合った支援により世帯の自立助長を図ります。
保護の実施機関(福祉事務所)
- 緑生活支援課
住所:〒252-5177 緑区西橋本5-3-21 緑区合同庁舎3階
電話:042-775-8809 ファクス:042-775-1750 - 緑生活支援課(保護第3班)
住所:〒252-5172 緑区中野633 津久井総合事務所本館3階
電話:042-780-1407 ファクス:042-784-7474(代表) - 中央生活支援課
住所:〒252-5277 中央区富士見6-1-20 あじさい会館5階
電話:042-707-7056 ファクス:042-759-4816 - 南生活支援課
住所:〒252-0303 南区相模大野6-22-1 南保健福祉センター3階
電話:042-701-7720 ファクス:042-701-7725
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このページに関するお問い合わせ
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住所:〒252-5277 中央区中央2-11-15 市役所本館5階
電話:042-851-3170(地域福祉推進班)
電話:042-707-7021(保護自立支援班)
ファクス:042-759-4395
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