整備の経緯
遺跡の保存決定と国の史跡指定
平成9年3月に発見された田名向原遺跡は、わが国の人類の定住化の歴史を語る上で重要な遺跡として学術的に価値が高く、かつ希少な遺構であることから、現状のまま保存を図り、活用されることが求められました。
このため、区画整理事業の計画や都市計画決定されている道路などの変更が検討され、事業者である「しおだ土地区画整理組合」の協力を得て、遺構の保存が決定されました。
当初、遺構の出土地点を通る予定であった県道48号線相模原鍛冶谷線を東側に変更し、既存の送電線の鉄塔を移設し、さらに鉄塔の移設に伴い復元されていた谷原12号墳を整備時に再度復元しました。
このように多方面にわたる関係者の協力を得て保存された田名向原遺跡は、わが国の人類の定住化の歴史を語る上で重要な遺跡として、平成11年1月28日に遺構保存部分730平方メートルが国の史跡指定を受けました。
史跡整備の経過
相模原市は、遺跡の保存と公開活用を図るため、「史跡田名向原遺跡公園」として整備することを決定し、学識経験者や教育関係者、市民で組織する委員会の審議や意見を踏まえ、基本構想、基本計画を、基本設計、実施設計を策定しました。
平成17年度には、野外展示を行う保存・活用ゾーンの造成工事や遺構の保護工事を実施し、平成18年度に住居状遺構などの復元工事、公園整備工事を行い、平成19年3月31日に保存・活用ゾーンを開園しました。
保存・活用ゾーンでは、野外展示として後期旧石器時代の住居状遺構、縄文時代の竪穴住居、谷原12号墳が復元され、また、地層や黒曜石の展示パネルもあります。保存・活用ゾーンでは3つの時代を実感し、学ぶことができますので、ぜひ見学してみてください。
平成19年度にはガイダンス施設の建築工事を行い、さらに平成20年度に展示工事を実施しました。また、施設名称を「史跡田名向原遺跡旧石器時代学習館(愛称 「旧石器ハテナ館」)」と決定し、平成21年4月にオープンしました。
整備経過の年表
- 平成9年 住居状遺構発見
- 平成11年 史跡指定
- 平成12年 基本構想策定
- 平成13年 基本計画策定
- 平成14年 基本設計策定
- 平成16年 保存・活用ゾーン実施設計
- 平成17年 保存・活用ゾーン造成工事、遺構保護工事、住居状遺構再現実施設計
- 平成18年 保存・活用ゾーン、遺構等再現工事、公園整備工事、ガイダンス施設建築・展示設計
- 平成19年 保存・活用ゾーン開園、ガイダンス施設建築工事
- 平成20年 ガイダンス施設展示工事、外構・駐車場工事、ガイダンス施設の名称を「史跡田名向原遺跡、旧石器時代学習館」と決定
- 平成21年 史跡田名向原遺跡旧石器時代学習館開館
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