相消(そうしょう)レター(11)
相消(そうしょう)レター(11)「消防車ってどこで買うのですか?」
皆さん、こんにちは。消防車の整備・配置を担当している相模原市消防局警防・救急課の水利・装備班の原子です。よろしくお願いします。
今年度は、市内で16台の消防車(消防団車両を含む)が新車に更新となりました。担当者として「ほっ」とひと息ついたところです。
時々、市民の方に「消防車ってどこで買うのですか?」と聞かれることがあります。実は消防車は、車体や積載資機材の選択、収納箇所のぎ装など、細部までこだわった完全なオーダーメイドなのです。
今日は、今年2月に更新になった北消防署の指揮車の製作過程をお伝えします。
【完成の23カ月前】構想
これから作る指揮車が、使いやすく性能の高い車両となるよう、現場の職員等から意見を聴いて構想を練ります。これを元に仕様書を作成するのですが、この段階でしっかりとイマジネーションを広げ、形にするのが担当の腕の見せどころです。
【完成の16カ月前】予算の確保
仕様書を元に購入費用を算出します。市のお財布を管理している財務課と、新車購入の必要性や積載する資機材などについて協議し、予算額が決定します。
【完成の12カ月前】資機材の精査
予算の範囲内で最適な資機材を積載できるよう、精査を行います。私自身の手で、様々な資機材の使い勝手等を確認し、仕様書を改善していきます。
【完成の8カ月前】 製作スタート
いよいよ入札です。仕様書どおりに指揮車を製作する「ぎ装業者」が、落札により決定します。ぎ装業者と製作について協議し、図面の作成を依頼します。その後何度も打合せを行い、図面の精度を上げます。
【完成の5カ月前】 車両ぎ装開始
指揮車のベースとなる車両が、ぎ装業者の工場に納車されます。今回は、銀色だった車体を、消防レッドに塗装しました。内装も剥がされ、サイレンアンプや散光式警光灯(赤い点滅灯)、スイッチ類などが取り付けられます。これから刻々と消防車に変化していきます。
【完成!!】納車
さあ、いよいよ納車です。仕様書とこれまでの打合せ事項を確認しながら、フックやベルトの位置など、細部にいたるまで徹底的に検査するとともに、積載資機材の検収をして検査が終了します。
そして2月、北消防署で15年間活動した旧指揮車と交代し、いよいよ現場に出場です。「しっかり活躍するんだぞ!」
ところで、今回完成した指揮車、どんなことをする車両かご存知ですか?
私は小学生の頃、外で遊んでいるときにサイレンを聞くと、道路まで見に行くような子どもでした。そんな時、消防ポンプ車や救助工作車の先頭を走る赤い車を見て、いったい何をする車両なのか疑問に思ったものです。
そう、その車両が指揮車だったのです。
指揮車には、災害現場を統括する中隊長と、「相消(そうしょう)レター(7)」で紹介した火災原因調査を担う2名の指揮隊員が乗っています。真っ先に現場に到着して災害現場を確認し、後続の消防隊などに活動の指示を出します。
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