相消(そうしょう)レター ~拝啓 市民の皆様~
相消(そうしょう)レターは、市民の皆様に「相模原市消防局」や「相模原市消防団」をもっと身近に感じていただくことを目的としたコーナーで、市民の安全・安心を守る「消防」の話題をお伝えしていきます。
相消(そうしょう)レター(27) 「想い出救助隊」
市民のみなさまこんにちは。津久井消防署指揮隊の千葉です。
平成28年4月3日早朝、地域に愛されてきた神奈川県内最古の木造校舎である、市立青根小学校を全焼する火災が発生してしまいました。在校生はもちろん、卒業生や地域のみなさまにとって、本当に残念な結果になってしまいました。
このような悲しい出来事の中、少しだけ心の温まるお話がありましたのでご紹介したいと思います。
火災の鎮火後、消防署では火災の原因や損害を調査するため、警察と合同で実況見分を行いますが、その第1回目の実況見分が終了したあと、中隊長からこんな命令が下りました。
「地域の想い出を救出せよ!金庫内の焼損状況を確認せよ!」
実は、校舎の東側の教室がわずかに焼け残っており、その壁面の掲示板には在校生や卒業生、地域のみなさまの作成した掲示物、写真、青根小学校のこれまでの歴史などが掲出されていました。
また、焼け跡からは2つの耐火金庫が発掘され、校長先生から、「大切な想い出や、卒業生を含めた児童の記録などが収められているので、中身を確認したいのですが、火災により鍵が焼けてしまい、使えなくなってしまったので、出来れば開けて欲しいです。」との申し出があったのです。
命令を受けた消防隊員たちは、東側の教室から1枚1枚、丁寧に掲示物などの想い出や、金庫内の大切な記録の救出にあたりました。
かなりの高熱に長時間さらされていたので、金庫の中身が無事かどうか半信半疑でしたが、様々な救助器具を駆使して金庫を開けると、奇跡的にも、わずかに煤けているだけで無事に救出することができました。
「青根小学校の伝統と誇りを救出していただき、ありがとうございます。」と、目に涙を浮かべて喜んでくださった校長先生をはじめ、救出の様子を見守っていた地域の方々に笑顔で受け取っていただき、私たちの疲れも吹き飛んでしまいました。
救出された想い出は、消火の水で少し濡れていたため、体育館に綺麗に並べて乾燥され、いつか卒業生や地域のみなさまにお披露目するため、今は大切に保管されているそうです。
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