一人にさせない ~山嵜隊員~ (6)
皆さんは、救急隊員の正体をご存知ですか?医療スタッフだと思っていませんか?相模原市内では153名の救急隊員が活動しており、そのうち約85パーセントの隊員が救急救命士の資格を持っていますが、実は全員「消防士」なのです。
救急隊員になるには、市の消防職員として採用され、消防学校を卒業しなければなりません。ほとんどの救急隊員は消防隊も経験しており、消防士の強靭な体力を備え、熱い血が流れています。私は現在、救急隊と消防隊を兼務していて、火災のときは消防活動も行なっています。
1 浴室での急病(心疾患等)
温度差が大きな場所では、血圧が急激に上下し、心臓や血管に大きな負担がかかり、心筋梗塞等を引き起こすことがあります。私の父親も、冬の浴室で急性大動脈解離という病気で倒れてしまいました。
入浴前には、水分を摂り血液をサラサラにしておき、お湯の設定温度を41度以上にせず、脱衣所や浴室を暖めておきましょう。また、入浴中はなるべく一人にさせないよう、ご家族が定期的に声を掛ければ安心です。
2 急性アルコール中毒
忘年会の季節です。酒の苦い経験は皆さんお持ちですよね。私もよく飲みよく吐きました。飲酒後、最終電車の車内で我慢できずカバンの中に吐いたこともあります。急性アルコール中毒は、短時間でアルコールを多量に摂取することによって脳内が麻痺し、呼吸や体温調節の機能が鈍くなる病気です。
飲酒前にはウコン等を飲み、アルコールだけでなく食事もいっしょに摂りましょう。飲み過ぎた場合、意識があれば水をどんどん飲ませ、体内のアルコール濃度を薄めます。起き上がれない場合は、嘔吐物による窒息を防ぐために体を横向きにし(できれば左側を下にしてアルコールの進行を遅らせる)、安静にします。特に冬は低体温になりやすいので、毛布や服で保温してあげることも必要です。また、一人で飲まず、介抱してくれる仲間と飲みましょう。私は、自分の結婚式2次会で飲み過ぎて記憶をなくし、祝福してくれた同僚の仲間に介抱してもらい、ホテルのスイートルームでバケツを抱き、花嫁に介抱させた苦い経験を持っています。
これらの対策で共通していることは、「一人にさせない」こと。そばにいる人が協力し助け合うことで、大切な命を守ることが出来ます。皆さんの力で起こり得る事故を未然に防ぎ、いつまでも健康で過ごせますように。
では、良いお年をお迎え下さい。
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