登山の準備 ~山田隊員~ (15)
第15回目は、藤野分署の山田隊員が担当します。山田隊員はいつからか山が好きになり、休みの日は、山を猿のように駆け回っているようです。
私が現在所属している藤野分署は、最近人気のある高尾山から陣馬山まで続く尾根の麓に近いエリアを管轄しています。陣馬山は関東の富士見百景、かながわの景勝50選に選定されており、紅葉シーズンに入ると草木の色の変化を楽しめる季節になります。
今回は、山での事故防止についてお話したいと思います。
私の趣味は登山です。以前、紅葉シーズンに2500メートル級の山へ仲間と一緒に登りに行ったのですが、そのうちの一人がカッパ(雨具)を持ってきていなかったため、雨が降りはじめてすぐに下山したことがありました。山で雨に濡れ、風に吹かれたときの寒さときたら!想像しただけで震えてしまいます。カッパは登山の最低限の装備です。一緒に行く私たち仲間が、サポートしてあげるべきだったと反省しています。
私たち藤野救急隊は、山岳救助にも出場します。「疲れて歩けない」、「ライトが無く暗くて歩けない」、「道に迷ってしまった」といった要請も多く、登山者が事前に準備していれば防げた事故も少なくありません。
皆さんは、日本の山で発生する事故で、一番多いものは何だかご存知ですか?
なんと「道迷い」です。近ごろはスマートフォンの普及が進んでいます。GPSも高性能になり、地図アプリで自分がいる場所を経緯度表示できるようになりました。しかし、電池が切れてしまっては意味がありません。山で使用したい場合は予備のバッテリーを用意するなど、周到な準備が大切なのです。
秋も深まり、山は日ごとに寒くなっていきます。これからのシーズンは、低体温症に注意が必要です。山の頂上で長い休憩をとるときには寒くなる前に上着を羽織りましょう。身体に冷えを感じたら、脇の下や腿の付け根など、太い血管が走行しているところを携帯用カイロなどで暖めると、低体温症を防ぐことができます。
なにごとも「準備8割」と言われますが、山では、そのことを再認識させられます。標高が低いからといって装備を疎かにしてはいけません。ライト、カッパ、行動食、地図、コンパスは必ず携行し、安全で楽しい登山をしていただけたらと思います。最後になりましたが、ふだん生活している街よりも、山は季節を感じることができる素晴らしいところです。いざ紅葉の陣馬山へ!
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