INTERVIEW(インタビュー)世界で活躍する10代の声・有識者の声
世界で活躍する10代の声
PROFILE(プロフィール)
スケートボーダー 藤澤虹々可 NANAKA FUJISAWA
2001年11月8日、相模原市生まれ。2017年11月、米国で開催された「EXPOSURE2017」では初出場ながらストリート部門(15歳以上)で優勝。2019年2月、日本オープン・ストリート選手権女子で優勝。
PROFILE(プロフィール)
スケートボーダー 白井空良 SORA SHIRAI
2001年11月3日、相模原市生まれ。2019年は日本オープン2位、日本スケートボード選手権4位、DEW TOUR Long Beach2位、ARK LEAGUE / SKATE ARK優勝、Damn Am Japan優勝など、好成績を残している。ミネアポリスで開催されたX GAMESでは初出場にして3位。
PROFILE(プロフィール)
スケートボーダー 伊佐風椰 KAYA ISA
2001年5月23日、相模原市生まれ。2018年5月、日本スケートボード選手権のストリート種目で優勝。8月に開催されたアジア競技大会に日本代表として出場し、ストリートとパークの両種目で準優勝。ミキハウス所属。
01スケートボードをはじめたきっかけは?
小山公園にニュースポーツ広場ができてから、サーファーの父がオフトレーニングでスケートボードをするようになりました。
その父について行って見ていたら、私もやりたくなって。
それが、6歳の時です。何ヶ月かで技術的には父を追い越してしまって、そこから先は真夏や真冬でも練習に付き添ってくれた母が教えてくれました。ここで滑っているお兄さんたちを見て、「あの人はこうやってるから、あなたもこうやりなさい」って。今でも、母はまったく滑れないんですけどね。ず~っと何時間でも周りのお兄さんたちの滑りを観察して、コツを分かりやすく伝えてくれて、私が実践するという毎日を過ごしてきました。
ちょっとだけスケートボードをやってた父が5歳の時にすすめてくれて、やってみたらハマった感じですね。ちょうど小山公園にスケートボードエリアができた頃です。
小さかったので、あまり覚えてないのですが、当時からひたすら滑ってきたという記憶があります。それで、もう小学生の頃には「自分にはスケボーしかないな!」と思っていました。
小山公園にニュースポーツ広場ができたのは、私が幼稚園児だった時。犬の散歩をしていたら、お兄さんたちが滑っていて、「カッコイイ!」と思ったのがきっかけです。最初はクリスマスプレゼントでスケートボードが欲しかったけど、母に反対されて‥‥。
それでも諦めずにいたら、6歳の誕生日に買ってもらえました。そこからは、習い事が終わった後に毎日のように小山公園に通って、幼稚園児なのに夜10時くらいまで滑っていましたね。
Q2スケートボードの面白いところは?
刺激的なところです。怪我と隣り合わせで危険が伴いますけど、そこが楽しみなところでもあります。コケるのが好きとかじゃないんですけど、がんばって傷だらけになりながらも技を決めるのが気持ちよくて仕方なくて。
私はよく覚えてないのですが、スケートボードを始めた頃から坂道でもガンガンに滑ってたみたいです。「怖い!」よりも「楽しい!」が勝ってたんだと思います。その感覚は今でも続いていて、楽しいからやり続けています。
大会で勝ったりすると「ここまでやってきてよかった」とか「もっとがんばろう」って思いますし、ビデオを回してもらって撮りたい映像が撮れた時はうれしいですね。
大会で負けたら悔しいですし、それこそ、「もっとがんばろう」って気持ちになります。なので、勝っても負けてもモチベーションにつながっています。怪我するのは恐いですけど、やるしかないです。命をかけて滑っています。
全国のあちこちで大会があるので、その度に新しい友達ができます。今では海外の大会も多くて、向こうにもたくさん友達ができました。ノリでガツガツいっちゃいますね、海外でも。
お互いにホメあったりしています。あと、1カ月くらい同じ技を練習してきて、やっとできた時には達成感があります。周りの人たちも、私がずっと練習してきているのを知っているので一緒に喜んでくれて。そういう瞬間が楽しいですし、うれしいです。
Q3スケートボードをやってきて、人間的に成長したなと感じるところは?
ひとりでするスポーツなので、自分と向き合う時間が多くなります。
技によっては完璧にできるようになるまでに何年もかかることがありますし、技をかけるのが怖かったり、プレッシャーを感じる時でも自分で対応しないといけないですし、「こういう時はこうすればいいんだな!」ってことから発展して生き方について考えたりもします。自分と会話していると、いろいろと発見することが多いんですよね。カッコつけとかじゃなくて、普通に「自分の敵は自分だな」と思います。常に自分に勝っていかないとですね。
自分と会話していると、いろいろと発見することが多いんですよね。カッコつけとかじゃなくて、普通に「自分の敵は自分だな」と思います。常に自分に勝っていかないとですね。
10歳、11歳くらいの時についてくれてたスポンサーがあって、そこのボスとは7歳の頃に出会いました。スケボーを教えてくれるお父さんみたいな感じだったんですけど、すごく怒られて、恐くて、本当に辛くて。もう、スケボーが嫌になることもありましたけど、今では本当に感謝しています。そういう時代を過ごしてきたおかげで上手くなれたし、スケボー以外のことでも怒られて性格も大人になれました。
幼稚園に通っていた頃から、自分はアクティブでした。体操、水泳、サッカー、トランポリンと、いろいろなスポーツを経験してきました。他のスポーツは同年代の子とすることが多いけど、小山公園で滑っていると同じ場所にいる人の年齢層が幅広いというか。
小さい頃から年上のお兄さんと接してきたので、礼儀については割としっかりしていると思いますし、スケートボードの技術以外にも教わることは多かったですね。今、海外で怖がらずにコミュニケーションがとれているのも、ここでいろいろと学んでこられたからかもしれないです。
Q4スケーターにとって相模原市の環境はどうですか?
私は、このスケートボードエリアで6歳の時からずっと練習してきました。そもそも小山公園にニュースポーツ広場ができていなかったら、スケートボードを始めていませんでした。だから、この環境をつくるために力を尽くしてくれたすべての人に感謝しています。
今では、ここに滑りに来ている小さい子とも切磋琢磨しながら練習しているんですよ。「私が一回で技を成功させたら、あなたも一回で決められるようにがんばるんだよ!」って感じで声をかけたりして。
小山公園にスケートボードエリアがあるのは本当にありがたいことです。こんなに広いスケートボードエリアは全国的にもあまりないので、スケーターにとっていい環境なのは間違いないです。ほぼ毎日、自分もここで練習していますからね。すごく感謝しています。
そんなに遠くない未来に、小山公園で滑って育ってきた子の中から、もっといいスケーターが出てきてくれたらと思います。
小山公園がなかったら、今の私はないです。ここで周りのお兄さんたちに手をつないでもらいながら、ひとつひとつ技を覚えてきました。スケートボードエリアの中で最年少だったので、チヤホヤしてもらえたんですよ。
小山公園にニュースポーツ広場があり、優しく教えてくれたお兄さんたちがいてくれたことに感謝しています。オリンピックの種目になったことも影響しているのか、最近はここで滑ってるキッズが増えました。自分がそうしてもらってきたように、今では自分が小さい子に教えてあげるようになりましたね。
有識者の声
PROFILE(プロフィール)
青山学院大学 教育人間科学部 教育学科 教授 井上直子 NAOKO INOUE
青山学院大学の相模原、青山キャンパスに勤務。専門はスポーツバイオメカニクス、スポーツ生理学、スポーツ科学。
テニスの経験者であり、同校の硬式庭球部、部長兼女子部監督も務め、日本テニス協会普及育成本部コーチング委員会の委員長でもある。相模原市在住歴16年。
1.ライフスキル、生きていく力を身につけるためには、スポーツが有効。
今、健康になるとか、身体が丈夫になるとかだけではなく、スポーツは心理的にも社会的にも人間にとってプラスの効果があるという研究データが積み重なってきています。
スポーツをしていると失敗もありますし、いろいろな経験をすることになりますよね。辛くても物事に取り組み、困難を克服していきます。そういう成功体験があるとストレス耐性が強くなり、生きていくために必要なライフスキルが身につくとされています。
例えば、目標設定をどうするか、その目標に向かう途中で自分または周囲の人間とどのように向き合うか、次々と現れてくる難題にはどのように対処するか。
これらのスキルはスポーツをしている子の方が、していない子よりも高いと報告されています。ライフスキルが高いということは、生きていく力が強いということ。スポーツには生きていく力を強くする効果があるといっていいでしょう。
2.脳が身体をコントロールする能力は、10歳くらいまでに決まる。
スポーツする子供になるか、しない子供になるかは、小さい頃から運動に親しんできたかどうかが大きく影響します。小さい頃から運動に親しむためには、親がそういう環境に子供を取り込んでいくことが必要ですね。運動に関係する神経系統は、だいたい10歳くらいまでの間に大人とほとんど変わらないレベルにまで発達します。
道具を使ったり、身体をうまくコントロールしたりする能力は、小学生くらいまでの間にどれくらいの運動経験を積んでいるかによって変わります。いわゆる運動神経ですね。
10・9・8・7・6というように段階的に力のコントロールができたり、ある部分は力を強めているけど、ある部分は弱めることができたり。これらの能力は、小さい頃から遊びの中で身体を動かすことによって培われていくものです。
3.豊かな人生を過ごすためのベースとなる“場所”が相模原市にはたくさんある。
誰もがアスリートになり、金メダルを目指すというレベルでスポーツをしていくわけではありません。生涯にわたって楽しく身体を動かしていくという意味では、大人になってから一生続けていけるスポーツと出会う人もいるでしょう。
スポーツを続けていく中で有意義なコミュニティを築き、豊かな人生を過ごしていくためにも子供の頃の運動経験は大事だと思います。私も相模原市に住んでいるので実感していますが、相模原市には運動経験を積んでいくのに最適な公園がたくさんありますよね。スケートリンクも、立派なプールも、テニスコートも揃っています。
ギオンスタジアムにしても、サブトラックがあったりして施設がとても充実しているなと感じます。相模原市は、子供にいろいろな機会を与えることができ、チャンスを広げてあげることができる街だと思います。
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