政令指定都市に関する市民説明会実施結果の概要(主なご意見・ご質問と市の回答)
質問・意見等をまとめました
実施状況
- 期間 平成20年1月28日(月曜日)~2月9日(土曜日)
- 会場 26会場
- 参加者総数1,624人
主な説明内容
- 政令指定都市制度の概要(移行の意義・メリット、移譲事務、財政負担、課題など)
- 政令指定都市ビジョン案の概要(理念、基本方針など)
- 区制の素案(区割り試案、区で行う総合的なサービスなど)
質問内容及び件数
- 財政(収支見通し、県債の取り扱い、税負担など):99件
- 区制(区割り試案、区役所の設置など):73件
- 移行の意義・要件(移行の理由・時期、人口規模など):36件
- 政令指定都市ビジョン(基本理念・方針など):35件
- メリット・デメリット(市民生活への影響など):29件
- 職員体制(職員数、専門職の確保、研修など):26件
- 都市機能(交通網、市立高校・病院など):25件
- 広報・意見聴取(説明会の開催など):22件
- 移譲事務(県と市の協議、道路整備など):14件
- 都市計画(線引きなど):13件
- 都市イメージ(イメージアップと効果など):10件
- 新市一体化(津久井地域のまちづくりなど):8件
- 産業活性化(企業誘致など):4件
- その他:6件
- 合計:400件
主な内容
1.財政について
(1) 財政収支
移行後の市の財政収支の見通しを明らかにした上で取組を進めてほしいと思います。
【市の回答】
- 新たな財源等
政令指定都市移行後の新たな財源としては、石油ガス譲与税、軽油引取税交付金、宝くじ販売収益金、増額が見込まれる財源としては、地方道路譲与税、自動車取得税交付金、交通安全対策特別交付金などがあります。 - 歳入
県の平成18年度決算を基に、市で試算をしたところ、歳入は、県税交付金等が約60~80億円、国庫補助金が約24億円となります。このほか、宝くじ販売収益金などは、今後、県と協議していくこととなるため、現時点で、歳入の総額は不確定です。 - 歳出
法令で行うこととなっている事務(法令必須事務)の総計は約114億円(児童相談所に関する事務が約9億円、精神保健福祉センター・救急体制等に関する事務が約7億円、国県道の管理に関する事務が約98億円)となっています。なお、これらの額には、人件費や法令必須事務以外の事務などは含まれていません。 - 財政の見通し
移行後の財政運営の見通しについては、移譲事務に関する県との基本協定締結前の段階で、市民の皆様へお知らせし、ご理解を得たいと考えています。基本的な考え方として、政令指定都市として中長期的に安定した行財政運営が可能なものとなるよう県との協議を進めていきます。
(2) 県債
道路関係の県債が市域分で約1,300億円あると報道されましたが、政令指定都市に移行すると、その県債をすべて市が負担することになるのですか。
【市の回答】
- 県債の負担
法令などに決まりがないため、市が負担するべきかどうかも含めて、今後、県と市の間で協議することになります。 - 先行市の状況
最近、移行した市の状況としては、道路特定財源の移譲に伴い約90~460億円を負担しています。 - 基本は安定的な財政運営
県の考え方、県債の積算根拠をよく確認した上で、新たな歳入の状況も踏まえて、安定的な財政運営を保つことを基本に、対応を図っていきます。 - 報道された県債の額
報道された1,332億円という県債の額は、過去5年間分の県債残高の398億円を基に、過去にさかのぼって概算したものとのことです。
(3) 税負担
県から多くの事務が移譲されるなど、歳出が増えることで、税金が上がってしまうのですか。
【市の回答】
- 歳出増により、税負担や受益者負担が増加することはありません。
2.区制について
(1) 区割り決定までの手順
区割りは、今後、どのように決まっていくのですか。
【市の回答】
- 区割りの日程
本年4月に設置予定の行政区画等審議会に諮問します。今回の市民説明会や意見募集の内容を踏まえた審議をしていただき、本年秋までには市としての考え方をまとめたいと考えています。 - 区名決定の日程
本年秋以降に行政区画等審議会で審議が進められ、市民の皆様の意見を伺いながら、平成20年度中に決定したいと考えています。
(2) 既存行政区域との関係
区割り試案は、消防や警察などの所管区域と違っている部分がありますが、不便にならないようにしてください。
【市の回答】
- 区割り試案の考え方
津久井地域の地域自治区や旧相模原市域の出張所の区域を基本として、拠点性や人口バランス、既存行政区域、歴史的なつながり、地域コミュニティ、将来の都市交通ネットワーク、区域内での人の動きなど、さまざまな角度からの検証に基づき、作成しています。 - 既存行政区域との関係
地域により、消防や警察、保健福祉、土木などの既存の行政区域と区割り試案の境界が異なっている場合がありますが、市民生活に影響がないよう、検討・調整をしていきます。
(3) 区の予算
区の予算は、区の人口や面積で決まるのですか。
【市の回答】
- 区の予算編成
人口比や面積比で配分していく方法は採らないと考えています。 - 区独自の予算
保健福祉等の基本的な行政サービスはすべての区において均等に行われます。先行市の例にあるように、区独自のまちづくりを進めるための予算を設定し、区の地域振興のためのイベントや防犯、道路などの軽微な補修など、区民の意向に沿った事業の展開が可能になるように検討しています。 - 本庁予算による事業
広域的な都市計画道路や大規模事業、専門性の高い行政サービスなどは、全市的な事業として、市役所本庁の予算による実施を考えています。
(4) 区役所の設置
市役所と区役所、総合事務所・出張所の役割分担は、どうなるのですか。区役所の新築などで出費がかさまないよう、効率的に実施してください。
【市の回答】
- 市役所本庁の業務
政策企画や総合調整、大規模事業や専門性が高い業務など、全市的に行うべき業務を担います。 - 区役所の業務
市民に身近で総合的なサービスや区内のまちづくりに関連する業務を担います。 - 総合事務所・出張所の業務
区役所等の業務を補う機能を担います。総合事務所については、市民生活や地域にかかわりの深い地域振興や保健福祉・窓口サービス機能の提供は維持しつつ、経済や環境などの機能については、津久井区域内の総合的な施策の推進や効率性の向上を図るため、統合や再編を検討します。出張所については、現在、提供している行政サービス機能を維持します。 - 区役所の効率的設置
既存施設の活用を基本に検討し、効率性、利便性を考慮した設置について、検討しています。
3.移行の意義・要件について
(1) 移行時期
なぜ、平成22年4月の移行をめざしているのですか。
【市の回答】
- 国の「新市町村合併支援プラン」による要件緩和
いわゆる「合併新法」に基づく本支援プランでは、大規模な合併をした市については、「政令指定都市の弾力的な指定を検討する」こととされ、平成17年に静岡市が移行を実現したことから、人口要件は、70万程度に緩和されたとみなされています。 - 平成22年を目標
本市も1市4町の合併により、人口70万を超えたことから、さらなる自立した都市づくりに向けて、政令指定都市への移行をめざすこととしたもので、近年の先行市における移行に要した期間を参考にする中で、合併新法の期限である平成22年3月末を目標として、移行の手続きを行うこととしたものです。
(2) 住民投票
移行についての住民投票はしないのですか。
【市の回答】
- 市民意向の把握
政令指定都市移行の目的は、権限と財源の拡大の中で自治体としての自立性・主体性の向上が期待できることや区役所の設置等により都市内分権の推進が図られるという点から、市民生活の向上に資することにあります。こうした考えから、市では具体的な取組を進めており、その内容については、随時、広報紙をはじめ市ホームページ等で情報提供するとともに、自治会役員会、市政懇談会等の場でご説明に努めてきました。このたびの市民説明会の開催や政令指定都市ビジョンにかかるパブリックコメント、区制に関する意見募集などを通じて、幅広く市民の皆様の意見や意向の把握に努めていますが、今後においても、市民の皆様のご理解を得た中で、推進していくことが大変重要であると考えていますので、適切な広報活動や意向把握に努めていきます。
4.政令指定都市ビジョンについて
(1) 理念・基本方針
ビジョンの理念や基本方針は、抽象的で分かりにくいと思います。
【市の回答】
- 新しい総合計画で具体化
政令指定都市ビジョンは、本市が首都圏の政令指定都市として、特性や潜在力を活かした中で、どのような都市をめざすのかといった理念および基本方針を示すもので、具体的な施策は、新しい総合計画の基本計画や実施計画に反映していきます。
5.メリット・デメリットについて
(1) 市民にとってのメリット
移行することによる市民にとってのメリットが分かりにくいのですが。
【市の回答】
- 事務移譲
幅広い権限と専門性の高い事務(児童相談所や精神保健福祉センターの設置、都市計画の決定権限、国県道の管理など)が、県から移譲されます。これまで、市が県へ要望、調整、または経由という形で処理してきた仕事について、市自らの責任に基づき、主体的、計画的かつ迅速な対応が可能になります。 - 行政区画の設置
区割りを行い、区役所を拠点とした行政サービスの提供や地域の特性を重視したまちづくりの推進が図られます。また、区の自主予算に基づく地域に即した事業の展開などが可能になります。 - 先進施策
市が担う行政サービスの専門性が深まること、広範になることにより、また政令指定都市間における環境・福祉分野等の政策研究の場への参画を通じて、先進的施策の実施へ反映していくことが期待されます。 - その他
都市イメージや認知度の向上による企業進出・流入人口の増加等、都市としての交流拠点性の強化が期待されます。
(2) 移行に伴う課題
メリットばかり強調されている感じがしますが、デメリットはないのですか。
【市の回答】
- 人的・財政的課題
幅広く専門的なサービスを実施するためには、国県道の管理などの事務移譲に伴う財政負担や、保健福祉分野などの専門知識や経験を持った人材の確保、また区制への円滑な移行への対応などの課題があります。 - 財政的課題への対応
都市経営ビジョンの考え方に基づき、これまで進めてきた事務事業の選択と集中、効率的な事務執行体制の確立等、徹底した行政改革に一層努め、安定的で効率的な行財政運営を保ちます。 - 人員増への対応
移譲に伴う人員増は、専門職を中心に150~170人程度が見込まれますが、計画的な定数削減や、指定管理者制度・委託化等、民間活力の積極的導入を進めることなどにより、効率性を保った組織運営を進めます。
6.その他
(1) 都市機能
政令指定都市をめざしている中で、市立の高校・大学や病院などがないことを、どう考えているのですか。
【市の回答】
- 役割分担で効率的な行政
先行の政令指定都市では、市立の高校や大学、病院などを持つ都市が多くありますが、本市では、市と民間などとの役割分担、連携をすることで、効率的な行政運営を行ってきました。そうした中で、例えば、病院の病床数や高校・大学の配置については、既存の政令指定都市と比較しても遜色ない水準となっています。今後におきましても、市民生活における安全・安心の視点を重視した行政サービスの水準向上に努めていきます。
(2) 都市イメージ
政令指定都市になると、都市のイメージや知名度が上がるのですか。具体的な効果はどのようなものがありますか。
【市の回答】
- 現状
平成19年に実施した市外在住者を対象とする調査結果によると、本市の都市イメージについて、約4割の方が「印象はない」と回答しているように、都市イメージが希薄で知名度が不足しています。 - 都市の総合力向上
中・長期的に、政令指定都市制度の特例を活用し、都市としての総合力を高めることで、人や企業に選ばれる魅力的な都市に成長することがイメージアップにつながるものと考えています。(政令指定都市への移行により、マスメディアへの登場機会が増えたり、先行市の例によると、商業施設や企業の進出に際して優位性が向上したりするといったことも想定されます。)
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