第4話 ホト吉とホト助
昔、ホト吉とホト助という兄弟がいました。兄はホト吉、弟はホト助。兄のホト吉は、怠け者で、仕事もしないでいつもぶらぶらしていました。それに対し、弟のホト助は、よく働く、がんばり屋でした。
11月の中ごろ、ちょうどお休みの日だったので、弟のホト助は、「今日は、休みだから裏山へ行って山芋でも掘ってこよう。」と言って、朝から出かけました。午後2時ごろ、「今日は、あまり採れなかったよ。」と言って、少しの山芋を持って帰りました。「さあ、今晩は、夕食にとろろをこしらえて、皆に食べさせよう。」と山芋を洗って、すって、家中で食べました。すると兄のホト吉が「これはうまい。俺にこんなにうまいのを食わせるのだから、お前はもっとうまいところを食ったのだろう。」と弟をいじめました。「兄さん、俺は芋の頭の方を食って、兄さんには、おいしいところを食わしたのだよ。」と言いました。兄は、そんなことはないと言って聞きませんでした。「それなら兄さん、僕ののどを切って確かめてみろ。」と言いました。ばかな兄は、「よしきた。」と言って、弟ののどをつきさしてしまいました。しかし、弟ののどには、すじばかりのところが残っていました。これを見た兄は、悲しみと後悔のあまり、ホトトギスという鳥になって、「おっとのどつっきっちょ、おっとのどつっきっちょ。」と昼間千声(ひるませんこえ)、夜千声(よるせんこえ)泣き続けたそうです。
昔は、清新地区のあたりでもホトトギスの鳴き声が聞こえました。ホトトギスが鳴くたびに、おふくろから、「兄弟は、仲良くするのだよ。人を疑ってはいけない。」と言う話をしてもらいました。
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