第8回 ~風薫る~
あっと言う間に桜の季節も終わってしまい、もう5月。5月の風は薫ると言われています。新緑の中や水面を渡ってくる、香るような爽やかなそよ風を「薫風(くんぷう)」と言います。冬に間にじっとエネルギーをためていた新緑や花々が一斉に芽吹き、それらがすがすがしい初夏の風に乗って「風薫る」のです。そんな5月は1年で最も快適な気候であるとも言われています。
市内でも、高田橋上流の「泳げ鯉のぼり相模川」や新磯地区の「相模の大凧まつり」など、初夏の楽しいイベントが目白押しです!
5月の爽やかですがすがしい晴れのことを「五月晴れ」と言います。もともと旧暦の5月は梅雨の時期であり、その梅雨の晴れ間のことを指していたのですが、近年では新暦の5月の“おだやかに晴れた日”に対して使われるようになったようです。
5月は特に晴天の日が多いわけではないのですが、晴天の日が続きやすい傾向にあります。五月晴れの空は、秋晴れの空とは違って全体に白っぽく見えます。これは初夏の5月は非常に日射が強いため、地表や空での空気の対流が活発になり、多くのちりやほこりが空に浮かんでいるためです。したがって5月は晴れていても本当の青空はなかなか見ることができません。
1年で最も快適な5月ではありますが、嬉しいことばかりではありません。日射が強いということは同時に最も紫外線量が多い月ということでもあります。7月・8月ほど気温が高くないので、なかなか実感しにくいのですが、5月は人の肌が日焼けするのに必要な量の10倍以上の紫外線を浴びている計算になります。
また、この時期は偏西風に乗って多くの黄砂も観測されます。黄砂とは主に中国大陸の黄土地帯から吹き上げられた多量の細かい砂じんが空一面を覆う現象をいいます。かすみがかった5月の空は黄砂の黄褐色によりさらに視界が悪くなってしまいます。
そんな風薫る5月ですが、強い紫外線と黄砂にも用心しながら、体いっぱいに初夏の空気を感じてみてはいかがでしょうか。
森林浴と森林気象
都会の喧騒から抜け出して、静かな森林に入って行くと、そこには爽やかな空気が広がり、しばらく歩いていると微かな香りに気が付きます。
森林は、樹木が自ら作りだす「フィトンチッド」という芳香のある物質を発散します。抗菌作用もあることから、森林浴の効用が大いに注目されています。最近では日光浴や海水浴と並んで、わたしたちの暮らしにしっかり定着したようです。
市内でも相模湖の周辺は水源涵養保安林に指定された、ナラ、くぬぎの雑木林になっており、相模湖を一望しながら、初夏の自然を満喫することができます。
なお、森林の内部では樹木で日射が遮られるので、昼は涼しく夜は暖かい。また、樹木によって、風も弱く湿度も高くなります。このような森林の内部や周辺の特殊な気象現象を「森林気象」と言います。
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