子どもの目線で考える2 ~大貫隊長~ (7)
(ピーポーピーポー)「救急車が通ります、進路を譲ってください。」「交差点に進入します、ご注意下さい。」(ピーポーピーポー)
緊急走行中、隊長席(助手席)でマイクを使っていると、後ろから「なぜあの車は譲ってくれないのだ!」「あぁ違うそっちじゃない!」こんな声が聞こえてきました。声の主は、搬送されているお子さんのご家族です。
救急車には、生命の危機に瀕している傷病者や、一刻も早い病院への到着を願っている家族が乗車していることを、どうかご理解ください。
今回の「子どもの目線で考える」は、「誤飲」についてお伝えしたいと思います。
0~3歳の子どもが誤飲する物質として多いのは、1位タバコ、2位医薬品・医薬部外品、3位プラスチック製品、4位玩具、5位洗剤類、ボタン電池となっています。(※平成24年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告)
私自身も1位から5位まですべての救急事案を経験しており、他には硬貨、折り紙やセロハン紙などの事案もありました。
子ども達は、大人が眼を離した瞬間に、身の回りのものは、なんでも、口に入れてしまいますね。
【タバコ】救急現場で、子どもがタバコをムシャムシャと食べているのは、見たことがありませんが、子どもが1/2本以上食べると危険な状態になると言われています。吸殻を含んだ水を飲んだり、濡れたタバコを食べることは、ニコチンの吸収が早まるので更に危険です。ジュースの空き缶を灰皿代わりにするなどはやめましょう。
【医薬品】赤、青、黄色のカラフルな薬を、お菓子と思って食べてしまったり、糖衣錠のような口当たりが甘い薬を大量に飲んでしまうことがあります。ふたをして手の届かないところ置きましょう。
【ボタン電池】特に注意が必要なのはリチウム電池です。消化管の粘膜で通電するので、ごく短時間で食道や胃を傷つけることになります。
【プラスチック製品や玩具】直径3~4cm長さ5cmより小さいのものは子どもの口の中に容易に入ってしまいます。ペットボトルのキャップより小さいものは危険です。
誤飲は、大人の注意で防ぐしかありません、危険な物は、子ども達のまわりに置かないようにしましょう。万一飲んでしまった場合は、医療機関へ受診しましょう。基本的には吐かせるのが一般的ですが、吐かせてはいけない場合もありますのでご注意ください。
以下のような時は、吐かせてはいけません。
- 意識のない場合
- 灯油、除光液、シンナーなどの石油製品を飲んだ場合
- 強酸、強アルカリの洗剤、漂白剤を飲んだ場合
- 針などの鋭利な物を飲んだ場合
対処方法がわからない場合は、専門機関に問い合わせてください。
困ってしまったら救急車を呼んでください。その時に、「いつ」「なにを」「どれくらい飲んだか」わかるようにしてください。
誤飲についてお伝えしましたが、危ないものを身の回りにおかないことが一番大切です。万が一に備えるため、皆さんには応急手当の講習を受講していただきたいと思います。たいせつな小さな命を守るためにも、ぜひ応急手当の技術を習得してください。
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