生物多様性の恵み
わたしたちは生物多様性が生み出す恵みを受けて生きています。この恵みを「生態系サービス」といい、大きく4つに分けることができます。
いのちを支える(基盤サービス)
すべての生きものにとって生命の維持に欠かせない酸素は、植物の光合成によって生み出されています。
酸素と同時につくり出された栄養素は食物連鎖や分解を通じて生態系を循環します。植物が育つために必要な豊かな土壌は枯れた植物や動物の死骸を微生物が分解することにより形成されます。植物は土壌の中の水を吸い上げて大気中に放出し、水の循環を助けます。
生きものが生きていくための基盤となる環境は、こうした自然の物質循環を基礎として成り立っており、これを「基盤サービス」といいます。「基盤サービス」はこの下で説明するほかの3つのサービスの土台となっています。
相模原市の例
津久井地域の豊かな森林は美しい景観を形成するとともに、二酸化炭素を吸収して酸素を供給しています。
食物や資源をもたらす(供給サービス)
わたしたちの衣食住や生活に欠かせないものの多くは生きものからもたらされるものです。米や野菜、果物、肉や魚などの食物、衣類の原料となる綿や麻、絹、羊毛、家の材料となる木材など例を挙げればきりがありません。
健康の維持に欠かせない薬の多くも、植物や菌類などを由来とする成分から作られています。
これを「供給サービス」といいます。
相模原市の例
さがみはら津久井産材や津久井在来大豆といった特産品等、本市の土壌で育つ木材や野菜を生物多様性の恵みとして利用しています。
文化を育む(文化的サービス)
生物多様性は生存基盤や資源の提供だけでなく、文化の形成やレクリエーションの機会の提供にも深く関わっています。
それぞれの地域に伝わる伝統文化や郷土芸能は、その地域の自然の景観や気候を背景として人々が生み出し伝えてきたものです。
山や川があることで登山やキャンプなどの自然に触れるレクリエーションができ、多様な生きものがいることで生きもの観察などの学習ができます。
こうした文化やレクリエーションはわたしたちに精神的な充足をもたらしています。これを「文化的サービス」といいます。
相模原市の例
本市の農産物を使用した郷土料理、里地里山の昔ながらの土窯を使用した炭焼き等の伝統文化や、農産物等の豊凶を占う田名八幡宮の的祭り等、市内の各地域で行われる伝統行事も、文化的サービスに基づくものです。
くらしを守る(調整サービス)
植物は土に根を張り、土が雨に流されるのを防ぎます。大雨が降っても土砂災害が起きにくくなり、雨水が土の中に蓄えられることで河川に流れ込む水の量が調整され、洪水や渇水が防止されます。
地中の微生物や河川の流れは水をきれいにし、市街地の樹木や植物は大気汚染や騒音を防ぎます。
災害の防止や気候の調節などわたしたちのくらしを守るこれらを「調整サービス」といいます。
相模原市の例
本市の森林が持つ水源かん養機能により、安定した水を確保するとともに、土砂災害の防止や河川の氾濫防止等、私たちの暮らしの安全を支えています。
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