フィリピンからの帰国後に狂犬病を発症した患者(輸入感染例)について
平成18年11月16日に厚生労働省より、フィリピンより帰国した男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認されたという旨の発表がありました。
狂犬病は、日本では撲滅され、1957年を最後に発生のない(狂犬病発生地を旅行中に犬に咬まれ、帰国後発症し、死亡した輸入症例を除く)感染症ですが、いまだ多くの国(特に東南アジア、中南米、アフリカなど)で狂犬病の発生がみられています。
したがって、これから海外に渡航される方は、以下についてご注意ください。
感染動物
発病した犬に咬まれて感染する例が多いので「犬」とついていますが、犬以外の動物(ネコ、キツネ、アライグマ、コウモリなど)からも感染します。
感染経路
感染した動物に咬まれた傷口からウイルスが侵入します。通常、ヒトからヒトに感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはありません。
症状
1カ月から3カ月程度の潜伏期間の後、発熱、頭痛、全身倦怠、嘔吐などの不定症状で始まり、咬まれた部位に異常感覚が生じます。次いで、わずかな刺激でも筋肉がけいれんし、ものが飲み込みにくくなったりします。昏睡や呼吸麻痺と進行し、最終的には脳細胞が侵され、死亡します。
いったん発病した場合、有効な治療法はなく、ほぼ100パーセント死亡します。
予防方法
野犬や野良猫、野生動物に不用意に手を出さないようにしましょう。
また、旅行先で動物と接触する必要のある場合には、事前に狂犬病ワクチンを接種することをお勧めします。ワクチンの接種方法は、4週間間隔で2回皮下に接種し、さらに6カ月から12カ月後に3回目を接種します。海外旅行などで時間的余裕のないときは、2回だけでも接種しておくようにしましょう。
犬などの動物に咬まれた際の処置
まず、傷口を石鹸と流水で動物の唾液をよく洗い流し、ポビドンヨードなどで消毒しましょう。
次に、できるだけ早く現地の病院で、傷口の治療と狂犬病ワクチン接種等を受けてください。なお、ワクチンはできるだけ早く接種する必要があります。ワクチンの接種方法は、初回接種日を0日として、0日、3日、7日、14日、30日および90日の計6回皮下に接種します。
万が一、渡航中に犬等に咬まれた方は、現地医療機関への受診の有無にかかわらず、帰国時に検疫所の健康相談室で相談して下さい。
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