平成26年度の消防研究所 ~消防の日常をお伝えします~
ワッペンは歴史を語る ~救急救命士ワッペン 津久井消防Ver.~
相模原市と合併する前、城山町、津久井町、相模湖町、藤野町の4町は、広域行政消防組合で救急業務を運用していました。4町が救急救命士の運用を開始したのは平成6年です。
津久井郡広域行政消防組合では、救急救命士のワッペンを肩につけました。
ワッペンの縁取りにあるグリーンは広域行政組合旗のマークがグリーンであった事に由来します。中心の蛇の図案は、スター・オブ・ライフ※と言われているものを採用しました。上方の「EMEGENCY LIFE SAVER」は救急救命士を英字としたものですが、正確な英訳と言えるかは不明です。下方の「CO MEDICAL STAFF」は医師を取り巻く医療スタッフの一員という意味で採用しました。(新磯救急隊 石井隊長にお話を聞きました)
※スター・オブ・ライフ(命の星)は、人命救助に関わる人々の守り神として世界各国で救急車の車体に描かれているマークです。
消防署のフライパン
私は、消防署のフライパンです。製造されたときは、テフロン加工を自慢に販売されておりましたが、今は、見る影もなく、金属がむき出しとなっています。
ですが、まだ現役を引退したわけではありません。消防士たちが毎日、私を使い、様々な料理を作っております。
消防士たちは消防の資器材に限らず、フライパン一つも大事に使ってくれます。
いつか皆様に、私を使って消防士たちが作ったおいしい料理を紹介できる日が来るといいな!
熱血!自主研修会
私たち消防職員の有志は、非番や週休日を利用して、自主的な研修会を開催しています。
消防職員自らが講師となり、消防技術の発表や意見交換を行います。若手職員への技術・知識の継承が大きな目的です。
「少しでも多くの知識を吸収したい!」と熱く燃える受講者の期待に応えようと、講師となる職員も必死に勉強し講義に臨みます。
参加は強制的なものではありませんが、充実した講義内容と何よりも講師陣の熱意が評判となり、参加者は増える一方です。
先日行われた『消防ポンプについて』の研修会は、その道のスペシャリストである北消防署本署のB機関員を講師に、消防ポンプの構造、機関運用技術の基礎についての講義が行われ、他都市の消防本部からも参加者が駆けつけるほどの大盛況でした。
中には自主研修終了後の懇親会の方が楽しみな職員もいるようです。世代や所属の垣根を超えた交流ができるこちらの研修会も、皆たいへん熱心に臨みます。(千葉編集委員)
ワッペンは歴史を語る ~救急救命士ワッペン~
救急救命士制度が発足したのは、平成3年。
それを受け、当市も救急救命士の養成が始まり、平成5年4月に第1号の救急救命士が現場での活動を開始しました。
救急救命士は、傷病者に対して、病院に到着するまでの間に、医師による具体的な指示のもとに、高度な救急救命処置をすることができます。
救急救命士が活動するにあたって、傷病者やその家族などの関係者、また医師にも救急救命士であることを標示する必要があったことから、平成8年に「救急救命士ワッペン」を作成することになりました。
デザインは、当時すでに「救急救命士ワッペン」を作成していた横浜市消防局のものを参考にしました。色は、救急車のイメージカラーの「白」地に「赤」のラインを入れ、相模原市の色「緑」で「救急救命士」という文字を入れました。文字を鮮明にするために、シリコンでペイントしてあります。
相模原では131名の救急救命士※が、右胸に「救急救命士ワッペン」をつけ、今日も救急現場で活動しています。(南本署救急隊 金敷隊長)
※平成26年4月現在
つぶやきシリーズ 積雪観測棒のつぶやき
私の名前は積雪観測棒です。いつからここにいるのか、昔のことなので忘れてしまいましたが、いつもは通信指令室の片隅にひっそりとぶら下がっています。
昔は、雪が積もりはじめると、普段は119番の受信を担当している通信指令員さんといっしょに極寒の雪景色の中へ行き、1時間ごとの積雪の変化を測るのが私の仕事でした。
いつからか、白くて立派な積雪観測板さんにその仕事は引き継ぎましたが、馴染みの通信指令員さんは、積雪観測板さんに積もった雪を、正しい目盛の位置に「すり切る」ために、私を外に連れて行ってくれます。
昨年2月の大雪の時も、始めのうちは「すり切り」の仕事に精を出していたのですが、ズンズンと降り積もる雪は、とうとう積雪観測板さんの背(50センチメートル)を超えてしまいました。
すると指令員さんが、積雪観測板さんの目盛を超えた雪の高さを、私で測りはじめたのです。
雪は夜中の2時から翌朝9時まで続き、相模原市消防局観測の最大値、56センチを記録しました。この大記録は、私の背中にしっかりと刻まれています。
さて、久しぶりに今日も雪が積もってきました。雪は滑りやすく、時に大きな事故に繋がってしまいますので、みなさん十分に気をつけてくださいね。
それでは、さっそく「すり切り」の仕事に行ってきま~す!
はやぶさになりたい・・・
「はやぶさになりたい・・・」
先日、とある放送局のテレビ番組で放映された相模原市特別高度救助隊「スーパーレスキューはやぶさ」に影響され、大沢分署でもにわかに腹筋がブームになっています。
「はやぶさ」の猛者たちのトレーニングメニュー腹筋600回は無理と潔くあきらめ、夜間訓練の時間に5分間連続腹筋に挑戦です。
1分・・・
2分・・・
3分・・・
4分・・・
5分!終了!
なんとか、やりきったものの、「はやぶさ」のようにはいかなかったようですね(汗)
日々の積み重ねが大事なことを再確認したひよっこ隊員たちでした!(小久保編集委員)
つぶやきシリーズ 登はんロープのつぶやき
はじめまして。私の名前は登はんロープです。
私は生まれも育ちも相模原市の上鶴間分署です。上鶴間分署ができた時に私も生まれました。普段は訓練室の天井からぶら下がったまま、壁にくくられています。
そんな私が活躍するのは、消防士の皆さんの夜の訓練時間や、仕事明けの帰宅前です。消防士の皆さんは、私の体(ロープ)を腕だけで上り、苦しそうに私の顔(てっぺん)を見てタッチして降りていきます。
一度の訓練で何回も私の顔を見に来てくれる頼もしい隊員もいます。
毎日のように私に会いに来てくれる隊員は、見る見るうちに体力がついて、笑顔で私の顔をタッチできるようになります。
そうです、私は消防士の皆さんの訓練施設の一つなのです。
消防士は自力で登る、這い上がる力が必要であり、日頃から訓練しているのです。そんな隊員たちを私はこれからも見守っていきたいと思います。
消防署へようこそ!
寒さが厳しくなりだした頃から大沢分署にやってくるようになったお客さんがいます。
とても仲良しでいつも体を寄せ合っています。恥ずかしがり屋さんなのか、車庫のすみっこでおとなしくしています。とても無口らしく、おしゃべりしているのを見たことがありません。今回、写真撮影をお願いしたところ、こころよく引き受けてくださったので、お披露目させていただきます!
消防署では午後7時になると消防車の無線機の通話試験をします。短い時間ですがエンジンをかけるため、車庫の中が温まります。通話試験が終わると車庫のシャッターを閉めます。このとき、たまたま車庫に入り込んだスズメが居心地の良さに居ついてしまったのです。
彼らは、朝5時になると、かわいらしい声で「チュンチュン(外へ出してよ)」と、騒ぎ始め、6時にシャッターが開くと外へ飛び出していきます。そして、夜7時には帰ってくるのです。冬の間だけですが、そんな付き合いが去年から続いています。(小久保編集委員)
消防署にきてくれたみんなの写真が掲載されているのは、こちら
山も警防調査
緑区にある津久井消防署の管内には神奈川県で一番標高の高い蛭ヶ岳の他、多くの山々があります。災害はそんな山の中でも起きるのです。登山の途中で病気になってしまったり、怪我をして歩けなくなってしまったといった救助要請があります。そんな時に、いち早く助けを求めている人の所へ行けるよう、地理や地形の把握は重要です。
津久井署の消防職員は、休みの日を利用して実際に山へ登り、林道や登山道などの調査を行い、どんな場所での災害にも対応できるようにしています。
山に登るときは、天候に注意し、時間に余裕をもった計画を立てましょう。(津久井本署 佐藤救助隊員)
立派な戦力
緑区にある津久井消防署が管轄する地域には、山、峠、川、湖、高速道路があり、災害活動もさまざまです。そんな津久井消防署の救助隊に今年度から配属された小山副士長は、救助隊員一年生。しかし災害現場では「まだまだ新人です。」などとは言っていられません。多種多様な災害に対応するために、身につけなければいけない知識や技術は山のようにあり、小山副士長は先輩たちに遅れをとならいよう、日々切磋琢磨しています。先輩たちも、小山副士長の努力を後押ししようと共に奮闘中です。市民の安心・安全を守るための努力に終わりはありません。(原編集委員)
猫救助
救助隊は時として人命以外も救います。過去には崖に落ちた馬や、木から下りられなくなった猫を救出したこともあります。
先日は、子猫を救いました。子猫は、なにかの拍子にビールケースの隙間に前足を突っ込み、抜けなくなってしまいました。「ミャーミャー」とか細く鳴いてばかりいる子猫ちゃん。
救助に駆けつけた救助隊は、隊長の指示のもと、ビールケースを切断し、子猫救出!ほっとしたのは子猫と飼い主さんだけではありません。救助隊一同もほっとしました。
そのとき、ビールケースを切断した「レシプロソー」は、キッズコーナー「消防隊員が使ういろいろな資器材」で紹介していますので、ご覧になってください。(原編集員)
うちの部隊のメカニックマン
私たちが勤めている消防庁舎も、消防車両やさまざまな資器材も、経年とともに劣化し、故障することがあります。そんなとき、登場するのが「うちの部隊のメカニックマン」!
庁舎の蛍光灯の交換から車庫にある排気ガス浄化装置の修理、救急車の前照灯の球切れ交換、ウェットスーツの補修、消防車のエンジンオイル補給、メーターランプの修理、草刈機のオーバーホールなど、何でも手がける頼れる存在です。
直して使えるものは直せばいい。どんな資器材も大切に使います!(原編集委員)
ラブレター
現在、上鶴間分署には現場1年目の新人、K消防士がいます。彼は消防学校を卒業後、現地研修として配属されました。そんなK消防士のエピソードを・・・。
配属当初はガチガチ、右も左もわからずただ言われたことに返事をするだけ。無理もありません、その日からいつ災害に出場するかわからない状況なのですから・・・。しかし、災害現場では新人もベテランもありません。市民の皆さんからは周りの先輩方と同じ活動を期待されるのです。
そんな彼も少しずつ成長し、気付いたら配属最終日。彼が最後の挨拶とともに渡してくれたのが一人ひとりへ書いた直筆の手紙でした。不器用で感情をあまり言葉にしない彼が書いたのです。これには先輩方も驚きの表情を浮かべ、感動していました(泣)。これから先も周りの人への感謝の気持ちを忘れず、頑張っていってほしいものです。(トモエ編集委員)
わが隊のAEDスペシャリスト
私が所属する部隊にはAEDのスペシャリストがいます。消防訓練やAED取扱い訓練時にはどんな質問にも即座に答えてくれる、とても心強い存在です。時にはメーカーの特徴まで答えてくれる時もあります。なぜ、ここまでAEDに詳しいのか。実はこの先輩、消防士になる前は、AEDの営業マンだったのです。私もこの先輩からAEDについてより深く教えてもらい、AEDのスペシャリストになってみせます。(トモエ編集委員)
いちっ、にっ、さんっ、しっ
朝9時15分、上鶴間分署ではものすごい大きなかけ声が聞こえてきます。声の主は今年から上鶴間分署に配属になったO消防士です。彼は学生時代、野球部に所属していたそうです。そこで三塁コーチャーを担当していて、必殺技「でかい声」を習得したようです。きっと走者も迷うことなくホームに向かったことでしょう。この「でかい声」、消防の現場では必要不可欠です。大きな消防車を誘導する際、周りには壁や立ち木、標識など機関員(消防車の運転手)から見えない障害物があります。時には細い道を通行しなくてはならないことも。この大きな声を活かしてしっかりと消防車を誘導し、現場まで安全迅速に行ってもらいたいです。(トモエ編集委員)
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