条例の推進に向けてのQ&A
相模原市では、平成16年4月1日から「さがみはら男女共同参画推進条例」を施行しました。この条例がめざしている「男女共同参画社会」とは、どのような社会で、わたしたちは、これから、どのような取り組みをすればいいのか、一緒に考えてみませんか。
男女共同参画を推進するうえで、男女の違いについては、どのように考えたらよいのでしょうか。
男性と女性に生物学的な違いがあることは当然です。しかしながら社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)にとらわれることにより、固定的な役割分業や差別的な取扱いが行われるなど、社会における男女の自由な活動を妨げている現状があります。この条例では、生物学的な性別を認めたうえで、こうしたジェンダーにとらわれることなく、男女が対等な構成員として社会に参画し、責任を分かち合える環境づくりを進めていくことをめざしています。
なお、このジェンダーに関して、一部で「男性と女性の区別をなくす」、「画一的に男性と女性の違いをなくす」などといった意味で「ジェンダーフリー」という用語をとらえている場合がありますが、この条例は、そうしたことをめざしているものではありません。
「男らしさ、女らしさ」については、どのように考えたらよいのでしょうか。
「男らしさ、女らしさ」のイメージは、時代や社会情勢等により変わってくる部分もあり、一人ひとりの価値観等で異なってくるなど、一概に定義できるものではありません。また、「男らしさ、女らしさ」を強調し過ぎたり、パターン化してしまうことで、一人ひとりの個性と能力の発揮に影響を与えるおそれもあります。
この条例では、「男らしさ、女らしさ」を否定しているものではなく、また個人が何を「男らしさ、女らしさ」と考えるかに関与するものでもありませんが、一人ひとりにいろいろな特性があることを互いに認め合い、尊重し合うことにより、性別にかかわりなく、個性と能力を十分に発揮することができる社会をめざしています。
男女の差別はいけないと思いますが、区別は必要ではないのかと思うのですが、どのように考えたらよいのでしょうか。
社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)にとらわれることにより、固定的な役割分業や差別的な取扱いが行われるなど、社会における男女の自由な活動を妨げている現状があります。確かに男性と女性には、生物学的な違いがあり、社会生活をするうえで、男女を区別するすることが必要な場合はありますが、必要以上の区別を見直すことは大切であると考えます。
性別による役割分業意識は見直す必要があるのですか。個々の家庭や夫婦の中での役割分業についてはどうですか。
性別による役割分業や慣行については、男女の役割を固定化することにより、個人の個性や能力の発揮を妨げる可能性が高くなるものと考えられます。例えば「男は仕事、女は家庭」などといった固定的な役割分業意識は、男女が個性と能力を発揮するうえで、抑制的に働く場合があり、そうした意味で問題があると考えられます。
この条例では、男女が対等な立場で、ともに参画しやすい環境や機会を整え、それぞれが個性と能力を十分に発揮できる社会をめざしています。また、それぞれの家庭や夫婦間で、それぞれにルールがあり、分担し、協力し合うことに関与しようとするものではなく、家族や夫婦が尊重し合うことによって、その絆を深めることを支援する社会であると考えます。
男女共同参画社会では、職業生活と子育てや介護、家庭生活とその他の生活の両立ができることといわれますが、専業主婦についてはどのように考えられているのですか。
この条例では、性別による役割分業の固定化などにより、個人の個性や能力の発揮を妨げる現状を見直し、多様な活動の選択が尊重される社会をめざしています。このため、生き方の選択肢の一つである専業主婦についても、自らの意思による選択は尊重されなければならないと考えます。
男性と女性の性別役割等に関連する日本の伝統や文化については、どのように考えたらよいのでしょうか。
男女共同参画は、伝統や文化などを否定するものではありません。しかしながら、男性と女性の性別役割等が社会の制度や慣行等に反映されることによって、一人ひとりの個人がその個性や能力を十分に発揮することが妨げられることなどがあります。
この条例では、日本の伝統や文化を失うことなく大切にしながら、男女の人権が侵されるような慣行の見直しや、個性や能力を発揮するうえでの阻害要因を是正することなどにより、男女共同参画社会の実現をめざすものです。
男女共同参画社会の実現をめざすうえで、なぜ女性だけの「生涯にわたる性と生殖に関する健康が保持されること」が理念になるのですか。
男女がそれぞれの身体の特徴を理解し合い、思いやりを持って生きていくことは、男女共同参画社会の形成にあたっての前提であると考えられます。特に女性は、妊娠や出産をする可能性があり、生涯を通じて男性とは異なる健康上の問題に直面することがあるため、この条例では、「女性の生涯にわたる性と生殖に関する健康が保持されること」を男女共同参画の理念の一つに掲げました。
この条例と個人の思想や信条、表現の自由などの関係は、どのように考えればよいのでしょうか。
この条例では、一人ひとりの個性を尊重し多様な選択を認め合い、男女が能力を十分に発揮できる社会をめざしています。個人が、その内面において、何を考えるかについて関与しようとするものではなく、個人の自由な選択を妨げるものではありません。また、表現の自由についても当然尊重されますが、この条例では、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分業を助長する表現、男女共同参画の推進を阻害する表現を行わないように努めていこうとするものです。
審議会等の男女の構成を4割とするのは結果の平等ではないですか。
男女共同参画社会を実現するうえで、政策・方針決定過程に男女が共同して参画することが重要であるとの考えから、市審議会等において、その機会を確保することにより男女が参画しやすい環境を整えるため、男女いずれか一方の委員数の比率を10分の4未満とならないように努めることとしたものです。なお、委員として委嘱するにあたって、その個人が適性や能力を有していることは当然のことと考えます。
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