相模原市人権尊重のまちづくり条例
相模原市は、一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、
互いの人権を認め合う共生社会の実現を図るため、条例を制定しました。
人権尊重の理念が行き渡り、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、互いの人権を認め合う共生社会を実現するため、「相模原市人権尊重のまちづくり条例」を制定しました。令和6年4月1日以後、順次施行します。
条例の概要
この条例は、「一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、互いの人権を認め合う共生社会の実現」を図ることを目的としています。
この目的を達成するため、誰もが一人ひとり異なる存在であることを踏まえ、多様性を認め合い、不当な差別を解消し、互いの人権を尊重し合うことを旨として施策を講じていくこととしています。
この条例では、次のとおり具体的施策を定めており、項目によって施行期日が分かれています。
1 基本事項(4~11条)
令和6年4月1日施行
(1)表現の自由等への配慮
(2)市の責務
(3)市民等及び事業者の責務
(4)推進指針
(5)人権教育及び人権啓発
(6)相談及び支援体制の充実
(7)多様な主体と連携した取組
(8)調査及び情報の収集
2 不当な差別的取扱いの解決(12~18条)
令和7年4月までに施行。(1)のみ令和6年4月1日施行
(1)不当な差別的取扱いの禁止
(2)不当な差別的取扱いを受けた人からの申立てに基づき、市長が助言・あっせん等を実施
3 不当な差別的言動の解消(19~27条)
令和6年10月1日施行。(1)のみ令和7年4月までに施行
(1)本邦外出身者に対する不当な差別的言動に係る公の施設の利用の承認等の基準等を策定
(2)本邦外出身者に対する不当な差別的言動又は障害者に対する不当な差別的言動に係る拡散防止措置
(3)本邦外出身者に対する不当な差別的言動の禁止
4 声明(28条)
令和6年10月1日施行
5 人権委員会の設置(29~33条)
令和6年4月1日施行
6 その他
令和6年4月1日施行
条例の全面施行後3年を目途として、条例の施行状況等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じます。
条例の主な内容
令和6年4月1日から施行
1 基本事項
(1)市の責務(5条)
市は、基本理念にのっとり人権尊重のまちづくりに関する施策を推進しなければなりません。また、あらゆる施策の策定及び実施に当たっては、人権尊重の視点をもって取り組まなければなりません。
(2)市民等及び事業者の責務(6条)
市民等及び事業者は、市が実施する人権尊重のまちづくりに関する施策に協力するよう努めなければなりません。
(3)人権教育及び人権啓発(8条)
市は、人権尊重のまちづくりを推進するため、市職員、市民等及び事業者に対し、人権教育及び人権啓発を行うものとします。
(4)相談及び支援体制の充実(9条)
市は、人権侵害に関する相談及び支援に係る体制の充実に努めるものとします。
2 不当な差別的取扱いの禁止(12条)
誰でも、不当な差別的取扱いをしてはなりません。
- 不当な差別的取扱いとは?
正当な理由なく人種、民族、国籍、信条、年齢、性別、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、障害、疾病、出身その他の属性(人種等の属性)を理由に、- 財やサービス、機会の提供を拒否すること
- 財やサービス、機会の提供に当たって場所、時間帯等を制限すること
- 財やサービス、機会の提供に当たって、当該属性を有さない者に対しては付さない条件を付すことをいいます。
- 不当な差別的取扱いの事例
正当な理由なく人種等の属性を理由に、- 窓口での対応を拒否したり、後回しにする。
- 学校の受験や入学を拒否する。
- 入店を拒否する。
- 入居物件を紹介しない。 など
3 人権委員会の設置(29~33条)
本条例に基づき、附属機関として人権委員会を設置し、市長が「不当な差別的取扱いの解決」、「不当な差別的言動の解消」や「声明」を行う際に、諮問に応じ調査審議・答申等を行います。
令和6年10月1日から施行
1 不当な差別的言動の解消
(1)本邦外出身者に対する不当な差別的言動又は障害者に対する不当な差別的言動に係る拡散防止措置(20条)
本邦外出身者に対する不当な差別的言動や障害者に対する不当な差別的言動の拡散を防止するための措置を講じるとともに、その概要等を公表します。措置を講じる場合は、あらかじめ第三者機関である人権委員会に意見を聴きます。
拡散防止措置としては、例えば、インターネット上の言動であればプロバイダへの削除要請、ビラ・チラシの配布であれば注意喚起、看板の設置であれば撤去要請などが考えられます。
- 本邦外出身者とは?
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」第2条に規定する「本邦外出身者」と同義であり、その定義は、「専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの」となります。
外国籍である必要はなく、その定義において、「その子孫」という文言があることから、日本生まれの在日外国人の二世・三世や、それ以降の世代を含んでいます。 - 本邦外出身者・障害者に対する不当な差別的言動とは?
本邦外出身者や障害者に対する差別的意識を助長し、又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し、又はこれらの人を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることや障害者であることを理由として、これらの人を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動のことをいいます。- 本邦外出身者・障害者に対する不当な差別的言動の事例
(1)生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知すること
例えば、
「〇〇は殺せ」
「〇〇を海に投げ入れろ」
「〇〇の女はレイプしろ」 など
(2)著しく侮蔑すること
例えば、
「蔑称で呼ぶこと」
「差別的、軽蔑的な意味合いで「ゴキブリ」などの昆虫、動物、物に例える言動」 など
(3)地域社会から排除することを煽動すること
例えば、
「〇〇はこの町から出て行け」
「〇〇は祖国へ帰れ」
「〇〇は強制送還すべき」 など
- 本邦外出身者・障害者に対する不当な差別的言動の事例
拡散防止措置は、市民等の申出又は職権により行うこととしています。申出の手続等は、次のとおりです。
申出ができる方
市民等(市内在住者、市内在勤者、市内在学者)
申出の方法
次の書類等を人権総合相談窓口(相模原市役所本庁舎第2別館4階)にご持参ください。
- 拡散防止措置に係る申出書
- 申出される方が「市民等」であることを証する書類(※1)
- 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」又は「障害者に対する不当な差別的言動」に該当すると考えられる表現活動が行われたことが分かる書類(※2)
(※1)運転免許証、マイナンバーカード、住民票、健康保険証、社員証、学生証などの写し
(※2)動画データ、発言内容・発言時間を記載した文書、URLを記載した文書、掲載されているウェブページを印刷したもの、写真、ビラ等
(2)本邦外出身者に対する不当な差別的言動の禁止(21~24条・26条・27条)
道路、公園、広場その他の公共の場所で、拡声機の使用、看板の掲示、ビラの配布等の手法により、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を行うことを禁止します。違反者に対しては、勧告、命令、氏名公表を行います。これらの措置を講じる場合は、原則として、あらかじめ第三者機関である人権委員会に意見を聴きます。
2 声明(28条)
深刻な不当な差別が発生したと認める場合で、市長が必要と認めるときは、それが許されないものであるとの立場を市が明確にし、市民等や事業者への不当な差別意識の広がりを抑えるため、声明を発出します。声明を発出する場合は、原則として、あらかじめ第三者機関である人権委員会に意見を聴きます。
令和7年4月までに施行
※施行期日は確定していません。確定しましたらお知らせします。
1 不当な差別的取扱いを受けた人からの申立てに基づき、市長が助言・あっせん等を実施(13~18条)
不当な差別的取扱いを受けた市民等を救済(助言やあっせん等)するための仕組みで、市民等からの申立てを受け、市が助言やあっせん等を行います。助言やあっせんを行う場合は、原則として、あらかじめ第三者機関である人権委員会に意見を聴きます。
2 本邦外出身者に対する不当な差別的言動に係る公の施設の利用の承認等の基準等を策定(19条)
市が設置する公の施設(文化施設、公民館、体育館など)において、本邦外出身者に対する不当な差別的言動が行われるおそれがある場合における利用の承認及びその取消しの基準その他必要な事項を市長が定めることを規定しています。
条例制定の経緯
本市では、平成14年に「相模原市人権施策推進指針」を策定し、人権尊重のまちづくりを推進してきました。
国においては、いわゆる「障害者差別解消法」や「差別的言動解消法」などの人権に関する法令の整備が進み、人権に関する施策の充実が図られる一方で、社会では、外国人や障害者に対する差別的言動、インターネット等を利用した人権侵害、性的指向及びジェンダーアイデンティティに関する偏見など、新たな人権課題が生じています。
本市においては、平成28年に神奈川県立津久井やまゆり園で多くの尊い命が奪われる大変痛ましく、許しがたい事件が起きました。改めてあらゆる人の生命と尊厳が守られ、安全で安心して暮らせる社会の実現に向けて取り組まなければなりません。
このような状況から、誰もが暮らしやすい共生社会を実現するため、「相模原市人権施策推進指針」を平成31年に改定し、基本理念「一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、お互いの人権を認め合う共生社会の実現」を掲げ、人権施策の推進に取り組んできました。
こうした取組に、より実効性を持たせるため、令和元年11月に人権施策審議会へ「(仮称)相模原市人権尊重のまちづくり条例の制定について」諮問し、令和5年3月に答申を受けました。
答申後、市内での不当な差別的言動の状況を把握するため、関係団体へのアンケート調査、街頭での市民アンケート調査を実施しました。また、具体的な制度を構築するに当たり、法律上の制約や課題等を確認するため、不当な差別的言動に対する規制等について、学識経験者等に意見を伺いました。それらを踏まえ、条例(案)の骨子をまとめ、パブリックコメント、市民意識調査を実施しました。
その結果を踏まえ、条例(案)を作成し、市議会に提案の上、令和6年3月19日に議決をいただき、同月21日に条例を公布しました。
- 相模原市人権施策推進指針について
- (仮称)相模原市人権尊重のまちづくり条例の制定について(答申)(PDF 489.5KB)
- パブリックコメントの結果について
- 相模原市人権尊重のまちづくり条例(案)の骨子に関する市民意識調査結果(PDF 1.2MB)
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