第3回 カワラノギク
基本情報(きほんじょうほう)
- 分類(ぶんるい) キク目キク科
- 全長 60センチメートル~100センチメートル
- 生息地 相模川(さがみがわ)
どんな花?
地球上で相模川のほか、東京都の多摩(たま)川と栃木(とちぎ)県の鬼怒(きぬ)川の一部の地域(ちいき)の河原(かわら)にだけ生育する大きな野菊(のぎく)です。人の頭くらいの大きな丸い石がゴロゴロしているような河原を好(この)み、ほかの草がたくさん生えている場所では育ちません。よく似(に)たなかまに、ノコンギクやヨメナなどのノギクがあり、花だけ見るとちがいがよくわかりませんが、葉が細長いのがカワラノギクの特徴(とくちょう)です。
絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)のめずらしい花です!
カワラノギクは、全国でも一部の地域にだけ生育する、「絶滅危惧種」です。絶滅危惧種とは、数が少なく、なくなってしまう可能性(かのうせい)のある生き物のことで、とても貴重(きちょう)な生き物です。
相模原市は神奈川(かながわ)県の中で、カワラノギクが生育する中心地と言えます。それは、1990年代に相模川のカワラノギクの生育地がどんどんなくなり、最後(さいご)に残(のこ)ったのが緑区の葉山島のあたりだったからです。その後、市立湘南(しょうなん)小学校などによる葉山島での保護(ほご)活動が進み、さらに緑区大島などでも生育しているのが発見されて、市民(しみん)による保護活動がさかんになりました。現在(げんざい)ではいくつかの地域の河原で市民の手によりカワラノギクをふやす活動が行われています。
ほかにも絶滅危惧種に指定されている生き物がいるかな?
相模原市で、ほかにも絶滅危惧種になっている生き物がいるか、調べてみよう!
たとえば、「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」のホームページでは、絶滅危惧種の魚について紹介しているよ!
どこで見ることができるの?
相模川の河原のなかで、人や車があまり入らない場所の、丸くて大きめの石がゴロゴロした場所の一部で見られます。しかし、広い河原でカワラノギクを見つけるのはとても難(むずか)しく、探し回っているうちに保護活動をしている場所を踏(ふ)み荒(あ)らしてしまうきけんもあります。緑区大島の相模川自然(しぜん)の村にある古民家園(こみんかえん)などでも栽培(さいばい)しているので、そうした場所で観察(かんさつ)するのがよいでしょう。また、「カワラノギクを守る会」などが行っている「お花見会」などもあります(平成(へいせい)28年は10月30日に開催(かいさい))。